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聴いてない 第334回 ブロック・ウォルシュ

生涯でたった1曲だけ録音できた一期一会のアーチストは結構いるが、今日のお題ブロック・ウォルシュもその一人。
84年初めに「This Time」という曲だけエアチェックしているが、名前とこの曲以外の情報は一切なし。
雑誌やテレビでも見たことがなく、聴いてない度は2。

ということでいつものとおり心の友ウィキペディアで調査開始・・と思ったら、ブロック・ウォルシュのページが見つからない。
日本語版だとそんなもんかなと勝手に納得したが、英語版でも見当たらない。
これだけネットに情報があふれているのに、ブロック・ウォルシュさんを語るサイトは日米問わずかなり少ないようだ。
なんとかかき集めた情報を整理すると以下のような感じ。

ブロック・ウォルシュは1953年2月ニューヨークに生まれる。
幼少の頃から作曲を始め、ハーバード大学では語学や文学を学ぶ。
大学在学中から自作のデモテープをレコード会社に送り、エレクトラ・アサイラム・レコードからロサンゼルスに来るよう連絡を受ける。
ロスでリンダ・ロンシュタットのバンドのオーディションに合格し、リンダのバックで演奏するようになる。
78年にアンドリュー・ゴールドのアルバム「All This And Heaven Too」をアンドリューと共同でプロデュース。
またカーラ・ボノフのバンドでもキーボードを担当し、80年と81年の来日公演にも同行。
この時はピアノとギターで参加し、オープニング・アクトとしても数曲を歌っている。
この頃ソロデビューに向けてアルバム制作を開始するが、なぜかリリースはされなかった。

82年頃に日本のワーナー・パイオニアと契約。
83年に最初のアルバム「Dateline:Tokyo」が日本でのみリリースされた。
曲は全てブロックの作品(6曲は共作)で、自分が聴いた「This Time」も収録されている。
ブロック本人とアンドリュー・ゴールドの共同プロデュース。
参加ミュージシャンはアンドリュー・ゴールドの他、TOTOからスティーブ・ルカサーとジェフ・ポーカロ、さらにはマシュー・ワイルダー、ケニー・エドワーズとかなり豪華な顔ぶれ。
だが残念ながら日本でもあまり売れなかったようだ。

その後、ブロック・ウォルシュは他のアーティストへの楽曲提供に専念する。
83年にマーク・ゴールデンバーグとの共作「Automatic」をポインター・シスターズに提供し(ブロックもシンセで演奏に参加)、全米5位・全英2位の大ヒットとなった。
そうなの?この曲知らない・・・

他にブロック・ウォルシュが(共作含む)提供した曲は以下がある。
・アル・ジャロウ「Real Tight」(ロビー・ネヴィル他3人との共作)
シーナ・イーストンセリーヌ・ディオン「The Last to Know」
・マンハッタン・トランスファー「Metropolis」「Agua」「The Jungle Pioneer」「Notes from the Underground」
アース・ウィンド&ファイアー「Chicago (Chi-Town) Blues」「Every Now and Then」
・ベット・ミドラー「Lullaby in Blue」
・アーロン・ネヴィル「Show Some Emotion」
・クリスティーナ・アギレラ「Blessed」
シカゴ「Let’s Take a Lifetime」「Mah-Jong」
・ロビー・ネヴィル「Getting Better」「Back to You」

シングル化されていない曲も多いが、多くのアーチストからソングライターとして信頼される存在となった。

95年には「Brother Time」というユニット名義でアルバム「Just The Beginning」をリリースする。
このユニットのメンバーは以下のみなさんである。
・ブロック・ウォルシュ(Vo)
マイケル・センベロ(Vo)
・トレヴァー・ゴードン(K・B)
・ジョジョ・アルヴェス(D・G)
・ジョアン・ラス(K)
・ペン・ジョーンズ(Vo)

ブロック・ウォルシュは全12曲中9曲の創作を担当し、ユニットの中心的存在となっている。

2001年、「Lullaby in Blue」「Blessed」など提供曲のセルフカバーや過去の作品を集めたデモ集「Songs From The Moon Room」を、日本のAOR専門レーベルのクール・サウンドよりリリース。

以上がネットで探し当てたブロック・ウォルシュの経歴である。
知ってた話は当然ゼロ。
提供曲でも聴いたことがある曲もなかった。
またマイケル・センベロとユニットを組んでいたことも初めて知った。
米英ではシンガーよりもソングライターとしての評価が高いようだ。

不思議なのは、2枚のアルバムがいずれも日本限定発売とか日本のレーベルからリリースなど、日本との関わりが深い点。
その割に当時日本であまり話題になっていない(と思う)。
自分が知らないだけかもしれないが、少なくとも当時の雑誌やテレビの洋楽番組でブロック・ウォルシュを目にしたことはない。
アルバムの参加メンバーもビッグネームだらけでお金もかかってそうな感じなのに、なんでふつうに本国アメリカでの発表としなかったのか、理由はよくわからない。

「This Time」は84年1月に当時の一流音楽番組「サンスイ・ベストリクエスト」で録音している。
だがこの時同じテープに録音していたのが、エイジア「The Smlie Has Left Your Eyes」やナイト・レンジャー「You Can Still Rock In America」、カルチャー・クラブ「Karma Chameleon」、イエス「Owner Of A Lonely Heart」、ヴァン・ヘイレン「Jump」など、当時を代表する強豪曲ばかり。
「This Time」は悪くはないが、やはり上記の各ヒット曲に比べて線は細いと感じる。
こういう状況の中でヒットを狙って日本で様々なプロモーションを仕掛ける・・というのもかなり難しそうだ。
柏村武昭も東郷かおる子も小林克也も、残念ながらブロック・ウォルシュに時間を割いてる余裕はなかったんだろう。

というわけで、ブロック・ウォルシュ。
そもそもみなさんはこの人をご存じでしょうか?
AOR界隈に詳しい方ならご存じなのかもしれませんが・・・
アルバムは「Dateline:Tokyo」「Songs From The Moon Room」だけのようなので、2枚とも聴けば全盤制覇なのですが、ユニット「Brother Time」にも少しだけ興味はあります。
もし3枚とも聴いておられる方がいらっしゃいましたら、感想をお聞かせいただけたらと思います。

Dateline
ブロック・ウォルシュ Dateline
Songs-from-the-moon-room
ブロック・ウォルシュ Songs From The Moon Room
Just-the-beginning
ブラザー・タイム Just The Beginning

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