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2024年の終わりに

首都圏最大級の珍奇万年初心者音楽BLOGを始めてとうとう丸21年が過ぎてしまった。
ふつうどんな事でも21年も続けていればベテランとか円熟の領域に到達するもんだが、自分の場合は結局21年経っても一向に「聴いてない音楽」が減らないので、もう治療の施しようがなく、完全に手遅れである。

「聴いてない音楽を公表して聴いてる人からアドバイスを受ける」という図々しく誰もやらないコンセプトは21年経っても変わらず、聴いてないシリーズも今年は17本も書いてしまった。
というわけで今年もド素人として年の瀬の釈明(言い訳)をレジュメとアジェンダにまとめてみました。(適当)

今年の聴いてないシリーズは以下である。

聴いてない 第309回 ドナ・ルイス
聴いてない 第310回 ソフト・マシーン
聴いてない 第311回 トレイシー・チャップマン
聴いてない 第312回 ロマンティックス
聴いてない 第313回 ヴァネッサ・カールトン
聴いてない 第314回 ロビー・ネヴィル
聴いてない 第315回 ヴィクセン
聴いてない 第316回 ローラ・ブラニガン
聴いてない 第317回 ソニック・ユース
聴いてない 第318回 リサ・リサ&カルト・ジャム
聴いてない 第319回 テン・イヤーズ・アフター
聴いてない 第320回 オーシャン・ブルー
聴いてない 第321回 オアシス(21世紀以降)
聴いてない 第322回 クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
聴いてない 第323回 スリー・ドッグ・ナイト
聴いてない 第324回 ジョン・キャファティ&ザ・ビーバー・ブラウン・バンド
聴いてない 第325回 ヤズー

2023年の13本よりも4本も多い。
世界中の誰もがきっと聴いているようなビッグネームではない・・かもしれないが、300回を超えてなおオアシスなんてのが登場するので、もう誰も驚かないと思う。

一方で聴いてみたシリーズは以下の3本。

聴いてみた 第181回 パール・ジャム
聴いてみた 第182回 ロッド・スチュワート
聴いてみた 第183回 ポール・マッカートニー その6

昨年の半分しか書いていない。
積年の課題である元ビートルズ4人のソロ鑑賞も、今年はポール1枚に終わった。
ジョン・レノンストーンズクラプトンはおろか、ジャーニーELOなど産業ロックのみなさんの学習も今年は全く進まなかった。

さらに言うと読んでみたシリーズはゼロ。
観た映画はジョン・レノンの「失われた週末」だけ。
学習成果の少ない、聴いてない音楽をムダに垂れ流す1年だった。
来年からは本腰を入れて聴いてみたシリーズにシフトしようと思う。(棒読み)

年末恒例の悲しい企画、今年亡くなったミュージシャンは以下のとおり。

ジェイムズ・コタック(ウォレントスコーピオンズ
マイク・ピネラ(アイアン・バタフライ
ピート・シンフィールド(キング・クリムゾン
クインシー・ジョーンズ
ポール・ディアノ(アイアン・メイデン
フィル・レッシュ(グレイトフル・デッド
リアム・ペイン(ワン・ダイレクション)
J.D.サウザー
ジョン・メイオール
リチャード・タンディ(ELO
グレッグ・キーン(グレッグ・キーン・バンド
ダグ・イングル(アイアン・バタフライ
マイク・ピンダー(ムーディー・ブルース
C.J.スネア(ファイアーハウス
クリス・クロス(ウルトラボックス
ジェリー・コンウェイ(ジェスロ・タル
エリック・カルメン
ボブ・テンチ(ジェフ・ベック・グループ
アルファ・アンダーソン(シック
スティーヴ・レウィンソン(シンプリー・レッド

今年はよく聴いていたミュージシャンはあまりおらず、訃報によって初めて名前を知った人のほうが多い。
J.D.サウザーやエリック・カルメンが亡くなったことは実はさっき知ったばかりである。
仕方がない話ではあるが、やはり年を追うごとに訃報が増えていて切ない。

というわけで、ご指導いただいたみなさま、ありがとうございました。
21年経っても全く成長しなかった自分ですが、よろしければ22年目も引き続きよろしくお願いいたします。
いつまで続けられるかわかりませんが・・・
みなさまよいお年を。

Jdsouther

J.D.サウザー You're Only Lonely

Eric-calmen
エリック・カルメン サンライズ
Miho-nakayama

中山美穂 All Time Best

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聴いてない 第325回 ヤズー

その昔イギリスのエレクトリックなポップの人たちは独特な雰囲気をまとっていたと思う。
勝手なイメージだが、当時感じていた特徴はこんなところ。
・奇抜なヘアスタイルとメイク
・スタイリッシュなファッション
・シンセやエレピを多用した人工的でエレクトリックなサウンド
・短調中心で緊張感のある神経質なメロディ

今回採り上げるヤズーもまさに上記にがっちり当てはまるはえぬきどまんなかの人たちである。
・・と勝手に思っていた。
1曲しか聴いてないけど・・

ヤズー、聴いたのは82年のシングル「Situation」だけ。
ただこの曲、イギリスではヤズーのデビューシングル「Only You」のB面としてリリースされ、デビューアルバム「Upstairs at Eric's」には収録されていなかったそうだ。(90年の再発CDにはボーナストラックで収録された)
アメリカではシングルとしてリリースされており、ビルボードホット100チャートで最高73位、カナダのチャートでは最高31位となっている。
なので英米で大ヒットしたデビューシングル・・ではないのだが、自分はこの曲を当時の一流音楽番組「サンスイ・ベストリクエスト」で録音している。
柏村武昭はヤズーにも理解があったということだろうか・・?

聴いたのはこの1曲だけだが、どういうわけかメンバーの名前もマジメに記憶はしていた。
ヴィンセント・クラークとアリソン・モイエットだ。
何で名前を知ってるのかはナゾ。
だがその後この二人については表記が変わったようで、今はヴィンス・クラーク、アリソン・モイエと呼ぶらしい。
表記変更の理由は不明だが、クイーンズ・ライクのようにどこかの時点でレコード会社が変えてきたと思われる。

「Situation」と二人の名前以外に情報を一切持たず40年以上経過。
今さら何を調べようと手遅れではあるが、ヤズーについてヤフーで調査開始。(小スベリ)

ヤズーは、イギリスのシンセポップデュオである。
メンバーは元デペッシュ・モードのヴィンス・クラークと、アリソン・モイエ。
二人がヤズーを結成したのは81年頃だが、実は二人は同じバジルドンという街で育ち、子供の頃に同じ土曜音楽学校に通っていた。
ただ二人はお互いをよく知らなかったそうで、「幼なじみ同士のデュオ」ではないようだ。

ヴィンス・クラークはデペッシュ・モードの創設者で初代バンドリーダーだった。
81年後半、アリソン・モイエはイギリスの週刊音楽雑誌メロディー・メーカーに、ブルースバンドを結成するためミュージシャンを募集する広告を出した。
この募集広告に応募してきた唯一の人物こそが、デペッシュ・モードを脱退して音楽メディアを驚かせたばかりだったヴィンス・クラークだった。

だがアリソンとヴィンスは音楽の方向性や置かれた状況が全く異なっていた。
アリソンは伝統的なブルース志向で、シンセサイザーなんか到底受け入れられないというスタンス。
一方ヴィンスは現代的なR&Bは許容できるが、マディ・ウォーターズのような伝統的なブルースのアーティストは苦手だと認めている。

またヴィンスはデペッシュ時代のレコード会社との契約や関係を維持したいと考えており、自作曲「Only You」をレコード会社に持ち込むためデモを一緒に作ってくれる人が必要だった。
デモ協力者を探していた時にアリソンの新聞広告を見つけ、すぐにアリソンに電話。
二人は全く異なる背景と音楽性を持っていたにも関わらず、デュオを組むことで合意する。(なんで?)
これがヤズーのスタートだった。

ヤズーという名前はブルース専門のレコードレーベル、ヤズー・レコードから取られたものである。
ただし勝手にヤズーを名乗ったため、ヤズー・レコードから訴えられたりしたそうだ。
またアメリカにはすでに「Yazoo」というロックバンドがいたことから、英ヤズーは北米市場向けには「Yaz(ヤズ)」と改名された。

アリソンという強力なパートナーを得たヴィンスは、計画どおり「Only You」を二人で録音してミュート・レコードに持ち込んだ。
ミュート側は「Only You」を絶賛し、すぐにアルバムを作るよう依頼。
ヴィンスが書いた「Don't Go」や、二人で書いたシングルのB面用「Situation」などを集めてアルバム「Upstairs at Eric's」をリリースする。
タイトルは、プロデューサーでスタジオのオーナーでもあるエリック・ラドクリフの名前から来ているとのこと。
急な話にもかかわらず、エリックさんはプロデュースを引き受けたりスタジオの空き時間を調整したりと、ヤズーにいろいろ配慮してくれたそうだ。

すると「Only You」が全英シングルチャートで2位、「Don't Go」は3位の大ヒットとなった。
「Situation」はB面用だったのでイギリスではシングルカットされなかったが、アメリカでは二人の意に反して「ヤズ」のデビューシングルとしてリリースされた。
「Situation」はDJリミックスバージョンがクラブシーンでヒットし、全米ダンスチャート1位を獲得する。
自分が「Situation」をエアチェックできたのも、この大ヒットに柏村武昭が食いついたためと思われる。(本当か?)

シングルのヒットにより、アルバム「Upstairs at Eric's」もめでたく全英チャートで最高2位を記録し、30万枚以上を売り上げてプラチナディスクを獲得した。
一方アメリカではそれほど評価されず、全米アルバムチャートでは最高92位だった。
ただし発売から7年かけてじわじわと100万枚以上を売り上げ、最終的にはプラチナディスクを獲得している。

だが成功の裏側で二人の周辺にはすれ違いが発生する。
ヴィンスは元々「Upstairs at Eric's」を1回限りのプロジェクトと見なしていたが、レコード会社はそうは思っていなかった。
会社側はヤズーの成功を評価しており、今ヤズーを脱退するとファンから「短期間で脱退を繰り返すヤツ」と批判されるんとちゃうか?とヴィンスに警告し、ヤズーとして次のアルバムを作るよう説得した。

一方アリソンは当時まだ21歳で、突然のヤズーのヒットで注目されたことへのプレッシャーに苦労しており、さらにヴィンスがレコードのプロモーション作業を全てアリソン一人にやらせていることに憤慨していた。
ヒットはしたものの、二人はお互い「これオマエが言い出した話だろ」と思っていたようだ。

二人はアルバムのレコーディングのためにスタジオに戻ったが、前回のような協力意識はなくなり、同時にスタジオにいることはほとんどなく、ヴィンスが午前中に演奏トラックを録音し、アリソンが夕方にボーカルを録音するという感じだったらしい。

83年5月にシングル「Nobody's Diary」がアルバムに先駆けてリリースされ、全英チャートで3位に達したが、リリースから数日後にヤズーは解散を発表。
アルバム「You and Me Both」はその後に発表されたが、解散しちゃったのでプロモーションのライブもテレビ出演もなく、全英1位にはなったものの前作ほどの売り上げにはならなかった。
解散については二人とも「急速に人気が出たため、コミュニケーションが取れず関係を築く時間がなかった」と認めている。

ヤズー解散後、ヴィンスはエリック・ラドクリフとアセンブリーを結成するが、短期間で解散。
その後オーディションに応募してきたアンディ・ベルと組み、イレイジャーを結成する。

一方アリソンはCBSと契約しソロ活動を開始。
84年のソロデビューアルバム「Alf」はイギリスでヒットし、全英アルバムチャートで1位を獲得した。
85年にはライブ・エイドに出演したが、ポール・マッカートニーの「Let It Be」でポールのボーカルマイクが故障したため、急遽アリソンが代わって歌うというハプニングもあった。

こうしてヴィンスはイレイジャーとして、アリソンはソロ歌手としてそれぞれ活動。
この間アリソンはヤズー最後のアルバム「You and Me Both」の曲をステージで歌うことはなかったそうだ。
曲そのものは気に入っていたが、契約など様々な理由で歌うことはできなかったらしい。

だが2007年末、ヤズーが再結成に向けて動き出す。
ミュート・レコードがヤズーのアルバムのリマスター版をリリースする予定であることを知ったアリソンは、ヴィンスにメールで再結成に興味があるかどうか尋ねた。
ヴィンスはアリソンからの連絡に喜んだが、気になったのがイレイジャーのパートナーであるアンディの反応だった。
ヴィンスはアンディがヤズー再結成に反対するんじゃないかと思って恐る恐る聞いたところ、アンディは歓迎し再結成公演のチケットを早くよこせとのんきに回答。
いい人、アンディ・ベル。
アンディの承諾を得てほっとしたヴィンスはイレイジャーの活動を一時休止し、ヤズー再結成を決意する。

2008年1月、ヤズーは新しい公式ウェブサイトで、再結成コンサートを行うことと、「In Your Room」と題された4枚組ボックスセット発売を発表。
二人はロンドンの会員制クラブで再会し、その様子はテレビでも報道された。
再結成ツアーコンサートは本国イギリスだけでなくヨーロッパ各国・アメリカでも開催され、このツアーの模様は後にライブ盤「Reconnected Live」としてリリースされている。

2011年5月にロンドンで行われたミュート・レコード主催の音楽祭で、イレイジャーのステージ前にアリソン・モイエがゲストとして登場。
ヴィンスとアリソンはヤズーの「Nobody's Diary」「Ode to Boy」「Don't Go」を披露した。
元ヤズーの二人が揃って懐メロを歌った形ではあったが、現時点ではこの日のライブがヤズーとしての最後のステージである。
二人は決裂したわけではないが、ヤズーは再々結成することはなく、ヴィンスはイレイジャーとして、アリソンはソロ歌手としてそれぞれ活動を続けている。

以上がヤズーの歴史サマリーでレジュメのアウトラインである。(適当)
知っていた話は当然なし。
アリソン・モイエはもうソロとしてのキャリアや知名度のほうが上だろう。

「Situation」はアタマに残るリズムとサウンドだが、楽しいメロディではないし、好みかと問われるとアリソンのボーカルも含め微妙。
You Tubeで「Only You」「Don't Go」も聴いてみたが、やはり知らない曲で、路線は「Situation」と同じように感じた。

アリソンのビジュアルもあまり細かく認識していなかったが、当時観た映像や歌声が実は21歳の若い女性だったということに驚いた。
今聴いてもパワフルで貫禄十分のボーカルは、21歳とは思えない迫力である。
元々ブルースを基盤としていて、ヤズーの前はパンクもやってたそうなので、力のある人なんだろう。
このエネルギッシュな歌唱力と、ヴィンスの作るテクノなリズムやシンセサウンドがうまく融合したのがヤズーの魅力ということになる。(知ったかぶり)

というわけで、ヤズー。
オリジナル盤は「Upstairs at Eric's」「You and Me Both」だけなので全盤制覇もそう難しくはなさそうですが、おそらく自分にはあまり定着しそうもないと思われます。
ヤズーに限った話ではありませんけど・・・
それぞれのアルバムでいい曲があったら教えていただけたらと思います。

Upstairs-at-erics
ヤズー Upstairs at Eric's
You-and-me-both
ヤズー You and Me Both
Yazuya

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