聴いてない 第260回 ギルバート・オサリバン
世のため人のために何も役に立っていないアルファブロガー(死語)のSYUNJIといいます。(真理)
普段自分は何の役にも立たないBLOGを通勤電車の中で書いているのですが、今回の緊急事態宣言で引きこもりとなったため、自宅よりお届けします。(どうでもいい)
どうせ誰も見ていない今日のお題はギルバート・オサリバン。
大ヒット曲の「Alone Again」だけ聴いており、聴いてない度は安定の2。
エアチェックできた経験はないが、AM・FM問わず昔から一定の頻度でオンエアされていた曲だと思う。
自分と同じようにこの曲しか知らない日本国民もそれなりにいると推測。
中学生の時、この曲が友人との話題に1度だけ登場したことを覚えている。
少し調べたらシングル曲は80年を最後に出ていないようなので、80年代から洋楽の沼にはまった自分にとっては残念ながら時代としては過去の人になる。
聴いてない理由もそこにある。
そこで生涯初のギルバート・オサリバン検索を実施。
毎回そうだが、今回も驚愕の連続だった。
ギルバート・オサリバンは1946年アイルランドに生まれた。
本名はレイモンド・エドワード・オサリバン。
7歳の頃にイギリスのスウィンドンという街に移り、グラフィックデザインアートカレッジに進学。
しかしレイモンド青年はビートルズやディランに強い影響を受け、デザイナーではなく音楽の道を選び、地元でバンドを結成。
1967年にCBSレコードから「Disappear」という曲を発表し、芸名ギルバート・オサリバンとしてデビュー。
しかしほとんど売れず、あせったギルバートはあちこちのレコード会社や音楽事務所にデモテープを送りつけるローラー作戦を実行。
その送り先に、トム・ジョーンズのマネージャーだったゴードン・ミルズという人がおり、これがギルバート・オサリバンの大きな転機となる。
すごい話だなぁ。
ギルバートの音楽を気に入ったゴードンは、自身が主宰するMAMレーベルとの契約を打診し、ギルバートは快諾。
最初のシングル「Nothing Rhymed」は1970年の全英8位を記録するヒットとなり、アルバム「Himself(ギルバート・オサリバンの肖像)」は全英5位をマークし、86週間にわたってランクインという快挙を達成した。
さらに72年発表のシングル「Alone Again(Naturally)」は全米チャート6週連続1位、年間1位も勝ち取り、3つのグラミー賞ノミネートを獲得した。
ただこの大ヒット曲はあくまでシングルとしてのリリースだけで、当時イギリス盤アルバムには入っておらず、1976年のベスト盤「Greatest Hits」で初めてアルバム収録された。
(アメリカ盤「Himself」には収録)
その後も「Clair」「Get Down」「Happiness Is Me And You」などのヒット曲を発表。
「Clair」はゴードンの娘ミルズのことを歌った曲だそうだ。
しかし数年後、ギルバートは目指す方向性の違いや権利配分などでゴードンともめてしまい、訴訟にまで発展。
うーん・・娘のことを曲にするほど仲良しだった二人だが、やはりおカネとなると話は別なんだね。
ゴードンと決別したギルバートは、エルトン・ジョンの作品を手がけたガス・ダッジョンとチームを組み、80年にガスがプロデュースし、クリス・レアも1曲アコーディオンで参加したアルバム「Off Centre」を発表。
このアルバムには日本でもヒットした「What's In A Kiss(そよ風にキッス)」が収録されている。(全英19位)
ただし日本でヒットしたのは本国と同時ではなく、1992年放送のテレビドラマ「あの日の僕をさがして」の挿入歌として使われたためとのこと。
ドラマでは他にも「Tommorrow, Today」「Who Was It」というギルバートの曲が使われたそうだ。
・・・すいません、番組も曲も全然知らないですけど。
「あの日の僕をさがして」は織田裕二主演のTBSドラマで、共演は仙道敦子や大鶴義丹、保阪尚輝・・といかにもなトレンディなドラマ・・かと思ったら、舞台はナウいヤングの東京ではなく長野県の山奥で、視聴率はイマイチだったらしい。
視聴率と裁判に疲れたギルバート・オサリバンは、精神的にもダメージを負い音楽活動にも支障が生じ、しばらくジャージー島という離島に引きこもる。
90年代に発表したアルバム「The Little Album」「In The Key Of G」があるが、実は80年代に制作していたものだそうだ。
裁判などのモメ事のせいで、せっかく作ったアルバムを発表できないという面倒な事態になっていたらしい。
ヒット曲は多くはないが、当時は日本も重要なマーケットとされており、ドラマ放送以前から本国とは異なる日本盤が発売されるという少しややこしい状況だったようだ。
「Sounds of the Loop」というアルバムは、日本では本国よりも早い1991年11月に発売された。
イギリスでは1993年4月にリリースされているが、収録曲もジャケットも異なる。
しかも邦題はドラマ放送よりも先に「あの日の僕をさがして」と付けられている。
さらにドラマ主題歌の「Tommorrow, Today」はこのアルバムには収録されていない。
わかりにくい・・・
訴訟に勝って立ち直ったギルバート、その後はあせることなく自身の好きなペースで音楽活動を続けている。
2000年以降もコンスタントにスタジオ盤やライブ盤・ベスト盤を発表。
来生たかおや久保田利伸らとのデュエット曲もあり、92年の初ライブ以降、来日公演も何度も行われている。
今年も5月に東京と大阪で公演が予定されている・・が、残念ながらこれは開催中止となるかもしれませんが・・
今回も台本どおり知ってる話は全くなかった。
日本でドラマの主題歌になったり何度も来日してることも全然知りませんでした・・
「Alone Again(Naturally)」の訳詞も初めて読んでみたが、かなり厳しい内容だったことに驚いた。
歌詞だけではわかりにくいのだが、教会で結婚式挙げようと思って行ってみたら相手が来なかった、という笑えないコントのようなことを歌っている。
ヤケクソで近くのビルから飛び降りたろかとか、両親が亡くなった時のことを思い出したりとか、キツい心情を綴っており、とても「またフラれて一人になっちゃったw」といった軽い内容ではない。
メロディがどこかほのぼのした感じなので、こんなに重い歌だとは思ってませんでした・・
ちなみにこの曲、日本でも草刈正雄や九重佑三子が日本語でカバーしてるそうです。
というわけで、ギルバート・オサリバン。
やはり「Alone Again(Naturally)」を頼りに聴きたいので、自分の場合アメリカ盤「Himself」かベスト盤からということになりそうです。
ファンだった方も多いと思いますが、他におすすめのアルバムがあれば教えていただけたらと思います。
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