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聴いてない 第246回 ボニー・レイット

聴いてない女性ボーカリストシリーズ、メイヤに続きボニー・レイット。
意外すぎるチョイスですが、ご安心ください、全然聴いておりません。
聴いているのは89年の「You Got It」だけ。
従って聴いてない度は2。

そもそもこの曲を聴くまでは、名前もぼんやり知っていた程度。
聴いた後も知識は全く増えてないのでぼんやり度も何ら変わりませんが。
80年代にこの人の曲をエアチェックしたり雑誌で記事を読んだりしたことはない。
キャリアは非常に長いようだが、我が国での知名度はどれくらいなのか見当もつかない。

というわけでスマートスピーカーに向かって「ボニー・レイットとは?」と話しかけたら、以下のような答えが返ってきた。
・・・というのは嘘だけど、たぶんこのくらいのことはもう実現してるんだろうね。

ボニー・レイットは1949年11月8日、カリフォルニア州バーバンクに生まれた。
1971年、ワーナー・ブラザーズと契約しデビューアルバム「Bonnie Raitt」を発表する。
ゲストにブルース・プレーヤーのジュニア・ウェルズ、サックスのA.C. リードが参加し、ロバート・ジョンソンやトミー・ジョンソンなどのデルタ・ブルースの名曲をカバーするという大胆なデビュー。
事務所やレコード会社の期待の大きさがうかがえるが、セールスとしてはそれほどには伸びなかったらしい。

続く72年にセカンドアルバム「Give It Up」をリリース。
ジョン・ホール、ポール・バターフィールド、エリック・カズなどが参加しており、このアルバムをボニー・レイットの代表作と評する人も多いようだ。

以降ほぼ毎年のようにアルバムを出し続け、86年の「Nine Lives」までワーナーから9枚アルバムをリリース。
しかしながらどれも残念ながら大ヒットには及ばなかった。
この70年代後半から80年代半ばまでは、セールスや作品の方向性をめぐってレコード会社との摩擦や対立が続き、徐々に活動は停滞していったようだ。
9枚もアルバム出せてたんだから順調だったのかと思ったら、いろいろ苦労もあったらしい。

ウィキペディア日本語版では日本公演は78年しか書いていない。
他のミュージシャンとの競演で日本に来たりしたこともないのだろうか?
レコード会社も事務所もあまり日本をマーケットとして重視していないということか?

あちこちのサイトに書いてあるが、ボニー・レイットの最大の転機はそのレコード会社の移籍とともにやって来たそうだ。
ワーナーとの契約を解除し(され?)、ボニーはアルコール中毒になり活動は休止。
3年ほどのリハビリ期間を経てキャピトルに移籍したら状況が一変。
プロデューサーにドン・ウォズを迎え、ゲストとしてデビッド・クロスビーやグラハム・ナッシュ、ハービー・ハンコックらが参加した89年のアルバム「Nick of Time」で初めて全米1位を記録し、グラミー賞も3部門で獲得。

・・・そうなの?全然知らなかった・・・
89年というと個人的にはかなり微妙な時期で、FM雑誌を買ったりエアチェックしたりはもうやめていて、全米チャートも真剣に追ったりはしていなかった。
なのでボニー・レイットがこの年に本国ではむやみに売れていた、という情報は仕入れることができなかったと思われる。
ちなみにこの「Nick of Time」は、シングルは特に売れたわけでもないけどアルバムとしてがっちり売れた、とのこと。
タイトルは「間一髪」という意味だそうだ。

この後は91年「Luck of the Draw」で全米2位、94年「Longing in Their Hearts(心の絆)」が全米1位と、キャピトルの偉い人を喜ばせる好調な売り上げが続く。
95年にはブライアン・アダムスジャクソン・ブラウン、ルース・ブラウン、ブルース・ホーンスビーなどが参加した初の2枚組ライブ盤「Road Tested」を発表。

2000年にはロックの殿堂入りを果たす。
キャピトルとの契約は2006年のライブ盤「Bonnie Raitt and Friends」まで続いた。
このライブではノラ・ジョーンズ、ベン・ハーパー、アリソン・クラウスなどとの競演が見られるそうだ。

今年で70歳となるが、現在も精力的に活動中。
昨年もジェイムス・テイラー&ヒズ・オールスター・バンドとともに北米やイギリスなどでコンサートを行い、今年もロサンゼルスやタルサなどアメリカ各都市をツアーで巡っている。

ということで毎度ながら全て初めて知る話ばかりであった。
少しずつわかってきたが、この人を表現するキーワードとして「ブルース」「スライドギター」「カバー」があるようだ。

音楽基盤はブルースにあり、少なくとも産業ロックの住人ではないだろう。
柏村武昭からは教わらなかったし、小林克也が紹介してた記憶もない。
またスライドギターについても子供の頃に自宅の庭で、ローウェル・ジョージとライ・クーダーの3人でスライドギターを弾いたりしていたそうなので、「弾ける歌手」ではなく「歌えるギタリスト」で全然いいくらいのキャリアと腕前とのこと。
自作曲も歌うが、他の人の作品をカバーしたり、曲を提供してもらうのも好きなようで、全曲自作のアルバムはないそうだ。
(逆に全曲他作アルバムはある)

自分が聴いた「You Got It」、調べて初めて知ったが、ロイ・オービソンの曲だそうだ。
しかも発表された直後にロイは亡くなったので、彼の遺作である。
(厳密にはロイとトム・ペティ、ジェフ・リンの共作)
この曲をボニー・レイットが歌い、それが95年の映画「ボーイズ・オン・ザ・サイド」で使われ、全米第33位を記録したとのこと。
自分はMTVの音声をテープに録音しており、ギターを抱えて楽しそうに弾き語るボニー・レイットの姿をかすかに記憶している。
サウンドは合いの手のようにどんどん!と鳴るドラムが印象的で、言われてみると確かにジェフ・リンが好きそうな音のような気がする。(知ったかぶり)

というわけで、ボニー・レイット。
そもそもブルースも得意ではないような素人の自分に聴けるような感じがあまりしないのですが、日本ではどれくらい売れてたんでしょうか?
皆様の鑑賞履歴について教えていただけたらと思います。

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聴いてみた 第149回 キッス

前回ポール・マッカートニー「Ram」を聴いてみたが、実は同時に購入したのがキッスである。
我ながら毎度脈絡のないズサンな購入と鑑賞にめまいがするが、ポールつながりでなんとなく気が向いたので買ってみました。(適当)
買ったのは2004年発売の「The Very Best Of KISS」。
来日記念ベスト盤である。

Kiss_2

キッスは「聴いてない」シリーズでかなり早めに採り上げているが、その時書いたとおり「能動的に聴いたことはないが相当数聴かされた」バンドだ。
おそらく姉のコレクションが最も多く鑑賞期間も長かったのがキッスだと思う。
デビュー当時から5年ほどは日々強制鑑賞が行われたため、記憶に残っている曲も多い。
あれから40年(!)ほど経過し、自分もようやく自主的にキッスを聴いてみることになったのだ。
ただしさほど強固な決意でもなく、目に止まって安かったから買っちゃったんですけど。
しかもベスト盤。

邦題は「地獄の宝石」という彦摩呂っぽいタイトル。
ジャケットは結成当時メンバー4人の顔写真で、集合写真ではなく、構図としてはビートルズ「Let It Be」形式。
途中参加のエリック・カーやヴィニー・ヴィンセントの顔はない。

ベスト盤なので知っている曲の確認作業が主眼となりそうだ。
果たしてどれだけ知っている曲があるのだろうか。

・・・・・聴いてみた。

1. Strutter
2. Deuce
3. Got To Choose
4. Hotter Than Hell
5. C'Mon And Love Me(激しい愛を)
6. Rock And Roll All Nite (live)
7. Detroit Rock City
8. Shout It Out Loud(狂気の叫び)
9. Beth
10. I Want You(いかすぜあの娘)
11. Calling Dr. Love(悪魔のドクター・ラヴ)
12. Hard Luck Woman
13. I Stole Your Love(愛の謀略)
14. Christine Sixteen
15. Love Gun
16. New York Groove
17. I Was Made For Loving You(ラヴィン・ユー・ベイビー)
18. I Love It Loud(勇士の叫び)
19. Lick It Up
20. Forever
21. God Gave Rock 'N' Roll To You II

各アルバムからの収録曲内訳は以下のとおり。
・Kiss(キッス・ファースト 地獄からの使者):2曲
・Hotter Than Hell(地獄のさけび):2曲
・Dressed to Kill(地獄への接吻):1曲
・Alive!(地獄の狂獣 キッス・ライヴ):1曲
・Destroyer(地獄の軍団):3曲
・Rock and Roll Over(地獄のロックファイアー):3曲
・Love Gun:3曲
・Dynasty(地獄からの脱出):1曲
・Creatures of the Night(暗黒の神話):1曲
・Lick It Up(地獄の回想):1曲
・Hot in the Shade:1曲
・Revenge:1曲
曲は年代順になっており、彼らのヒット曲が一通り押さえられている。

思ったよりも知らない曲が多い。
「Rock And Roll All Nite」「Detroit Rock City」「狂気の叫び」「いかすぜあの娘」「悪魔のドクター・ラヴ」「Hard Luck Woman」などはもちろん覚えていたが、初期の名曲とされる「Deuce」「Got To Choose」「Hotter Than Hell」「Beth」はメロディに全く記憶がない。
かなり意外な展開。
悩む必要は全然ないが、少し考え込んでしまった。
もう少し聴いてた(聴かされてた)と思っていたが・・

「Beth」はタイトルだけは知ってたが、こんなバラードだったとは知らなかった。
この曲はピーター・クリスのボーカルだが、クリスとボブ・エズリン、スタン・ペンリッジという人の共作だそうだ。
ピーターが歌う曲はいずれもバラードだが、個人的には「うまいボーカル」ではなく、「味わい深い歌声」だと思う。

「New York Groove」という曲だけ少し違った印象だが、これはエースのソロヒット曲とのこと。
83年の「Lick It Up」はメイクをせず素顔で登場したキッスの最初のヒット曲で、これはよく覚えている。
「Forever」はポールとマイケル・ボルトンの共作で、全米8位の大ヒットを記録している。

一通り聴いた中ではやはり「Detroit Rock City」「狂気の叫び」「Beth」「いかすぜあの娘」「Hard Luck Woman」「Lick It Up」あたりが好みだ。
(邦題はダサいのが多いが・・)

知っていた曲も、子供の頃に聴いた印象とは少し違うものが多い。
もっとギトギトでドスの効いた重低音なサウンドだったと思ったら、あらためて聴いてみるとそうでもない。
加齢により耳が退化したのかもしれないが、メイクやステージスタイルから受ける地獄の恐怖イメージに、幼い感性は支配されていたのだろう。
世の中にはもっと粗暴で野蛮な音楽がたくさんあることを、40年かけて学習してきたしね。

なので当時は姉への反発もあって「クソやかましい音楽」だと思っていた部分もあったが、今聴くと全体的には非常にキャッチーでよくできた造りの曲ばかりだと感じる。
凝ったアレンジや怪しいサウンドや変な構成楽曲はなく、その後の80年代アメリカ音楽の源流のような音がたくさんある。
メイクとパフォーマンスのイメージが先行するが、やってる音楽はわりとマジメでタイトなサウンドが多い。
キッスの成功の理由もここにあったと思われる。

ネット上ではファンの「この曲がない・あの曲がない」といった収録への不満がいくつか見つかる。
まあ他のアーチストでも企画盤についてはたいていこの現象は起こるもので、キッスみたいな人気バンドであればファンの好みも割れてくるはずだ。
いわゆる隠れた名曲といったナンバーは、このベスト盤には入っていないのだろう。
大して聴いてない自分でも、似たような感覚は不思議とあり、個人的には80年代のヒット曲「Shandi」「エルダーの戦士」も入れといてほしかったなぁ・・と感じた。
単にこの2曲がリアルタイムでエアチェックできたから、というだけですけど。

キッスは現在最後のツアー中で、メンバーはポールとジーン、トミー・セイヤー、エリック・シンガー。
ポール・スタンレーはツアー終了後引退することを表明している。
脱退組のエースとピーターは残念なことにツアー不参加とのことだが、ここに来てジーンとエースの仲が今さらだけどかなり悪いというナイスな情報もある。
元々ポール&ジーンとピーター&エースで年中対立してて、結局それが発展して脱退になったという話ですけど。
相変わらず楽しそうな人たち。

というわけで、キッス「地獄の宝石」。
小学校時代の教科書を実家で発見したような感覚でしたが、単純に良かったです。
このベスト盤を聴くまでは、オリジナルアルバム学習の意欲は全然ありませんでしたが、機会があれば聴いてみてもいいかなと思い始めております。

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