« やってない 第41回 ドライブスルー | トップページ | 聴いてない 第240回 トム・ジョーンズ »

聴いてない 第239回 デペッシュ・モード

今日も相当ムリして採り上げてみました、デペッシュ・モード。
BLOGでこの文字列を入力すること自体初めてですけど、当然全く聴いておりません。
アズテック・カメラ同様、1曲も知らずメンバーも誰一人わからず。
イギリスのバンドだということはおぼろげにわかっていたが、なぜ名前だけは知っているのかもナゾ。
80年代洋楽につながる情報ソースを必死に思い浮かべてみたが、柏村武昭・東郷かおる子は言うに及ばず、姉や友人との会話に登場した記憶も一切ない。
そもそもわりと最近までテペッシュ・モードだと思っていた。

なので相当コアでマニアックなバンドなのかと思い、たわむれにウィキペディアをのぞいたら、いきなり「欧米ではスタジアム級の人気を誇る大物バンド」などと書いてあってびっくり仰天(死語)。
そうスか・・
激しく落胆のまま大物バンドであるデペッシュ・モード学習に突入。

デペッシュ・モードはロンドン郊外のバジルドンという街で、労働者階級出身の若者により結成されたバンドである。
結成当時のメンバーは以下のとおり。
・デイヴ・ガーン(Vo)
・マーティン・ゴア(G・Vo・K)
・アンディ・フレッチャー(K)
・ヴィンス・クラーク(K)

・・・なんかキーボード担当が多くないスか?
あとベースとドラムはいないの?

1980年に学校の同級生だったヴィンス、マーティン、アンディが「コンポジション・オブ・サウンド」というグループを結成。
さらに年下のデイヴを加入させ、バンド名をデペッシュ・モードとした。

81年シングル「Dreaming of me」でデビュー。
この曲はチャートで50位以内には入らなかったが、続く「New Life」が11位、「Just Can't Get Enough」は8位を記録し、アルバム「New Life」も全英10位と順調なスタートとなる。
・・・81年と言えばデュラン・デュランなど英国エレポップが極東日本のFMでもふつうに聴けた時期である。
全英10位を獲るほどのバンドの曲をどうして聴けなかったんだろう・・
柏村武昭は何をしていたのだろう・・

しかし好調だったはずのデペッシュ・モード、意外なほど早く内紛が発生。
多くの作詞作曲を担当していたヴィンスが「New Life」発表後に脱退し、その後ヤズーに加入。
ヴィンス脱退でそれなりにダメージは受けたものの、バンドは存続しアルバム「A Broken Flame」を発表。
シングル「「See You」も全英6位まで上昇した。

83年にはマーティンやアンディより2歳上の中流階級出身であるアラン・ワイルダーが加入し、アルバム「Construction Time Again」をリリース。
このアルバムからサウンドが変化し始め、また歌詞も社会派な内容が増えてきたそうだ。
なお83年には初来日も果たしている。

翌84年にバンドの代表曲と言われる「People Are People」を発表。
人種や階級による差別を批判する内容と言われ、様々な音をサンプリングした完成度の高い曲とのこと。
同年「Some Great Reword」、86年「Black Celebration」、87年「Music for the Masses」とコンスタントにアルバムを発表。
この頃から本国よりもアメリカでの人気が高まり、ツアーやプロモーションなども戦略的にアメリカ市場を強く意識した方向性に切り替わる。

90年代に入り、再びイギリスでの人気が復活。
アルバム「Violator」は英米ともに大ヒットし、全英チャートでは2位という最大のヒットアルバムとなった。

しかし大ヒットの副作用か、一時活動は停滞。
93年にようやくグランジやロックの影響を受けたとされる「Songs of faith and devotion」がリリースされる。
興行的には順調でアジアや南米も含むワールドツアーも行われた。(でも日本には来なかった)
ただメンバーはそれぞれ疲弊しており、アンディは精神を病み、アランは自分の扱いに不満を抱き脱退、デイヴは薬物中毒・自殺未遂・離婚を経験、マーティンもアルコール中毒となり、まともな人がいない苦しい時期が続いた。

だがバンドは解散せず、97年にアルバム「ULTRA」を発表。
全米1位・全英5位という底力を見せつける成績だったが、アラン不在の作品に厳しい評価を向けるファンも多かったらしい。

苦難を乗り越え、21世紀になっても活動は継続。
2001年に「Excitor」、2005年「Playing the Angel」、2009年「Sounds Of The Universe」、2013年「Delta Machine」が発売される。
アルバムの音楽性はそれぞれ異なるそうだが、どれも完成度の高い円熟の作品と高評価のようだ。
最新のアルバムは2017年の「Spirit」。

・・・今回も当然ながら知ってる話はもちろんひとつも出てこなかった。
そもそも音楽性もかなり変化してきたバンドで、一言でくくれるようなカテゴリーはないようだ。
初期はいわゆる英国エレポップにも含められていたようだが、ゴシックやメタルやグランジなど時代ごとに先端のエッセンスを採り入れて独自の路線を歩み実績を残してきたバンドだそうです。
・・・ということは、自分の場合ぶっつけで適当にアルバム選んで聴くと痛い目にあう確率が高い気がする。
入念に調べてから聴いてもダメかもしれませんけど。
ちなみに途中で脱退したヴィンスが加入したヤズーも全く聴いておりません。

英米ではスタジアムクラスのビッグなバンドとのことだが、日本では事情が少し異なると思われる。
ウィキペディアにも「日本での知名度は低いものの」って書いてあるし。
当時FMでもふつうに聴けたとか雑誌にばんばん載ってたとか「夜のヒットスタジオ」に出演して芳村真理が紹介スベったなどという扱いではなかったと思う。
でも90年の日本公演は武道館が2日もあったそうなので、やっぱり自分がよく知らないだけかもしれない。

なお日本のミュージシャンにはデペッシュ・モードのファンが多いそうだ。
石野卓球はプロになる前からずっとファンを続けており、土屋昌巳、高松浩史、ラルクのyukihiroなどは2016年にデペッシュ・モードのトリビュート・セッションを行ったとのこと。
玄人好みのバンドってことなんでしょうかね?

ということで、結局なんにもわからないデペッシュ・モード。
アルバムごとの特徴が相当異なるようなので、できれば重くて暗い音がするのは後回しにしたいところですが、こんな自分にも聴ける楽しいアルバムがあれば教えてください。

| |

« やってない 第41回 ドライブスルー | トップページ | 聴いてない 第240回 トム・ジョーンズ »

コメント

SYUNJIさん、こんにちは。
デペッシュ・モードですが、記事を見てバンド名だけ
思い出しました。

SYUNJIさんのおっしゃるとおり、時代的にデュラン・デュラン
などがFMやMTVでじゃんじゃんかかっていたはずですが、
1曲もきいた記憶がありません。

例によって、ユーチューブで検索し、上位に出てきた曲を
聞いてみました……
いわゆるロック感が感じられず、このために避けていたのかなあ
と今になって思います。曲は、ア~ハの、ヒット曲ではなく
アルバムに収録されている曲に近いと思いました。

また、近年のライブ映像も見ました。まさにスタジアム級。
ものすごい盛り上がりです。

>>玄人好みのバンドってことなんでしょうかね?

そのように解釈して、自らの撃沈ぶりの理由にしたいところ
です(^^;

投稿: モンスリー | 2018.07.29 16:25

モンスリーさん、こんばんは。

>記事を見てバンド名だけ思い出しました。
>1曲もきいた記憶がありません。

おや、珍しく同じ状態ですね。
やはり当時あまり日本のメディアにはそれほど露出してなかったんでしょうか。

>いわゆるロック感が感じられず、このために避けていたのかなあと今になって思います。

うーん・・そうですか。
当時の産業ロック全盛の日本では少し受けにくい感じだったんですかね?
レコード会社側が日本をマーケットとして魅力に思ってなかったのかもしれないですね。
ただ自分みたいなド素人になぜ名前だけは伝わってたのかいまだに不思議ですが・・

投稿: SYUNJI | 2018.07.29 20:58

こんばんは。
ファーストだけ持ってます!
ファーストは楽しくポップですが、二枚目以降作曲者が変わって曲に陰影が付いたらしいですね。
個人的にこのバンド、悪くないしかっこいいと思うんですが、はまるところまではいかんのですよねぇ…。
無個性なのか、いまいち私の心を掴むものが足りないようです。残念ながら二枚目に進む気になれませんでした。
でもお洒落で正統派なのは間違いないので、買って損した感を味わう可能性は低いと思います!

投稿: ゆか | 2018.08.04 22:04

ゆかさん、コメントありがとうございます。

>ファーストは楽しくポップですが、二枚目以降作曲者が変わって曲に陰影が付いたらしいですね。

そのようですね。
自分もおそらく楽しくポップな音なら聴けそうな気はしますが・・

>個人的にこのバンド、悪くないしかっこいいと思うんですが、はまるところまではいかんのですよねぇ…。

うーん、そうでしたか。
でも日本での実績からすると、同じように感じた人は日本では多かったのかもしれないですね。
初期のポップな路線をもう少し続けていたら、また違った展開になったのかもしれませんね。
デビューアルバムから順に聴いてみたほうが良さそうですね。

投稿: SYUNJI | 2018.08.05 09:19

あー、この頃は時折読みに来るという感じで、ツイッターでSYUNJIさんの動向を追っている俺。
(ツイッターがそれ程つぶやかないのに逆のほうが動向追えるのでは?)

このデペッシュモードはコメント書き込まないと駄目っすね。

実は、就職したての頃に結構disk unionとかで「買うかなー」と思いつつシングル一枚を買ったきりでそれが結構良かったのにもかかわらず、次につながらなかったバンドでした。
結局、中古にそれ程出回っていない為に買わなかったという感じでした。
つまり日本で売れていなかったという感じです。

自分はペットショップボーイズが好きで、それから電気グルーヴも大好きなので、このバンドの曲は好きです。

とは言っても、好きになったのは二年前に、WOWOWのライブ放送でデペッシュモードが放送され、見た所で気に入ったからです。思えばもっと早くにもっと聞いていればというバンドです。

何度も繰り返し繰り返しライブを見ています。
ライブはものすごく盛り上がっていて、演奏はそれ程でもなくても「盛り上げ上手」なバンドだと思います。ギターも結構スキル的にはそれ程でもないのかもしれませんが、自分にはとてもキャッチーに耳障り良い曲です。(キャッチーなんて表現、、)

ライブを見ていて思うのは、ボーカルの人が意図的にかもしれませんが敢えてゲイファッションと仕草。これが日本ではあんまり流行らない理由かもしれません。
おそらく、出始めはルックス人気的なのが先行して、それを嫌ったのかもしれません。
メンバーの出入りが激しいので、そこら編はSYUNJIさん好みかも。

自分の気に入った曲は、Never Let Me Down Again、PersonalJesusです。
一時期、こればっかり繰り返し聞いていました。(見ていました)
この曲のときは本当に盛り上がっています。
自分はライブを見てそのバンドを好きになるという手法なんで、そこら編は結構点数たかいです。

投稿: だいまつ | 2018.09.22 11:16

だいまつさん、コメントありがとうございます。こちらではお久しぶりです。
山本KID亡くなりましたね・・

>つまり日本で売れていなかったという感じです。

うーん、やはりそんな感じなんですかね。
自分も名前は知ってましたが、曲もアルバムジャケットも全然知りませんでした・・

>好きになったのは二年前に、WOWOWのライブ放送でデペッシュモードが放送され、見た所で気に入ったからです。

え、そうなんですか?
つい最近ですね。

>ライブはものすごく盛り上がっていて、演奏はそれ程でもなくても「盛り上げ上手」なバンドだと思います。

へぇー・・あまりイメージわきませんけど、ノリがいいってことなんですかね?

>メンバーの出入りが激しいので、そこら編はSYUNJIさん好みかも。

その点は確かに興味ありますね。
・・そんな見方でいいのかという話もありますけど。

>自分の気に入った曲は、自分の気に入った曲は、Never Let Me Down Again、PersonalJesusです。

You Tubeで見てみました。
どちらもやはり初めて聴く曲ですが、それほど難解とか苦手といった印象ではないです。
「Never Let Me Down Again」はPVの映像がモノクロでどこかU2にも似てる感じですね。
この頃の作品であれば、聴けそうな気がしてきました。

投稿: SYUNJI | 2018.09.23 21:04

SYUNJIさん。

自分よりも若いアスリート、格闘家が亡くなるというなんとも精神的にキツイ出来事です。
高山を心配していましたが、Kidですか、、。

しっかり、まずはレスリングでオリンピックを目指してもいいような気がしていました。
あの人の能力からしたら、もっとできたような気がしますが、ブームに乗ってしまい記録より記憶に残る人になってしまった気がします。
記録も記憶も凄いことがもっとできたような気がします。

投稿: だいまつ | 2018.09.24 15:03

>自分よりも若いアスリート、格闘家が亡くなるというなんとも精神的にキツイ出来事です。

全く同感です。
闘病の報道からあまり時間がたたないうちに死亡のニュースだったんで、よけい驚きましたね。

>あの人の能力からしたら、もっとできたような気がしますが、ブームに乗ってしまい記録より記憶に残る人になってしまった気がします。

そうですね・・実力は間違いなくあったでしょうけど、ブームに乗るかと思ったら勝てない試合も増えて、ケガもあってレスリングでオリンピックに出ることもかなわず、運がなかったところも多かったと思います。

投稿: SYUNJI | 2018.09.24 16:21

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 聴いてない 第239回 デペッシュ・モード:

« やってない 第41回 ドライブスルー | トップページ | 聴いてない 第240回 トム・ジョーンズ »