聴いてない 第238回 アルバート・ハモンド
最近自分の鑑賞対象がほんの少しだがAORにふれつつあるが、「興味がわいた」「夢中になった」というレベルには全く達していない。
メタルやグランジといったジャンルよりも聴きやすいのではないかという安い理屈でしかないが、そんなAORの大海原をさまよううちにアルバート・ハモンドの名前にたどり着いた。
アルバート・ハモンド、たった1曲だけリアルタイムで聴いているのが81年の「Your World and My World(風のララバイ)」である。
AORと書いたが、アルバート・ハモンドがAORに該当するのかどうかもわかっていない。
聴いてない度は2。
FMでエアチェックできたのはこの曲だけだが、他に「カリフォルニアの青い空」「落ち葉のコンチェルト」といったナイスな邦題のヒット曲がある、ということはなんとなく知ってはいた。
でもどっちも聴いたことはない。
おそらく自分が思っているよりもずうっと偉大なミュージシャンなんだろう・・とぼんやり考えていたが、調べてみたら意外な事実が判明。
本人ではなく他のアーチストが歌った曲、要するに提供作品のほうが知ってる曲が多いのだ。
具体的には以下である。
・スターシップ「Nothing's Gonna Stop Us Now(愛はとまらない)」
・カーペンターズ「I Need To Be In Love(青春の輝き)」
・フリオ・イグレシアス&ウィリー・ネルソン「To All The Girls I've Loved Before(かつて愛した女性へ)」
・シカゴ「I Don't Wanna Live Without Your Love」
厳密には他者との共作もあるようだが、いずれもアルバート・ハモンドの作品だとは今まで全く知らなかった。
やはり想像以上にすごい人なのだ。(単純)
ということであらためてアルバート・ハモンドのすごい略歴を調査。
1944年にロンドンに生まれたアルバート・ハモンド。
幼い頃に家族でスペインのジブラルタルに移住し、高校時代には友人とデュオグループを結成。
さらに「ダイアモンド・ボーイズ」というバンドでシングルレコードを出したりした。
その後イギリスでロス・シンコス・リカルドス、マジック・ランターン、ファミリー・ドッグといったバンドに参加し、ファミリー・ドッグでは「A Way of Life」というヒット曲も生まれた。
ちなみにこの曲にはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、エルトン・ジョンが参加しているそうだ。
70年代に入りアルバートはアメリカに活動の場を移す。
73年に「It Never Rains in Southern California(カリフォルニアの青い空)」を発表し、全米5位を記録する大ヒットとなる。
セカンドアルバムの収録曲「For the Peace of All Mankind(落ち葉のコンチェルト)」は日本でのみシングル発売され、日本でのみヒットした。
また同じ頃からアルバートの(共作含む)作品を他のミュージシャンが歌ってヒットという以下のようなパターンが続く。
・ホリーズ「The air that I breathe(安らぎの世界)」
・アート・ガーファンクル「Mary Was An Only Child(一人ぼっちのメリー)」
・カーペンターズ「I Need To Be In Love(青春の輝き)」
・レオ・セイヤー「When I Need You(はるかなる想い)」
その後も自身のシングルやアルバムはリリースしたが、80年代以降はほぼソングライター活動に主軸を置くことになる。
自分が聴いた唯一の曲「風のララバイ」は、実質アルバート・ハモンド最後のヒットシングルとなっているようだ。
この曲が収録された同名のアルバムにはジェフ・ポーカロ、ニコレット・ラーソン、ジェニファー・ウォーンズなどが参加している。
80年代のヒット作品は前述のとおり、スターシップやフリオ・イグレシアス&ウイリー・ネルソン、シカゴ、ホイットニー・ヒューストンといった多彩な人たちに歌われた。
その他にも以下のようなアルバート作品もある。
・リビング・イン・ア・ボックス「Room In Your Heart」
・クリス・デ・バー「The Snows of New York」
・ダイアナ・ロス「When You Tell Me That You Love Me」
90年代以降はそれほど目立った実績はないようだが、現在も活動中である。
2016年には43年ぶりの日本公演が行われた。
ビルボード東京及び大阪で自身のヒット曲に提供曲を混ぜたセットリストを披露し、日本のファンを喜ばせたとのこと。
相変わらず隅々まで知らない話だらけだが、やはり80年代のいくつかのヒット曲がアルバート・ハモンドの作品だったことに一番驚いた。
フリオ・イグレシアス&ウィリー・ネルソンの「To All The Girls I've Loved Before(かつて愛した女性へ)」は、自然界ではあまり出会わないくらいの凄すぎる組み合わせで話題となったことだけ覚えている。
当時アルバート作品という情報を仕入れていたら、アルバート本人の鑑賞もまた違った展開になっていたかもしれない。(適当)
ちなみに息子のアルバート・ハモンド・ジュニアは、ストロークスというバンドのギタリストとのこと。
・・ストロークスも全然知らないけど、わりと人気のあるバンドらしい。
ただジュニアは薬物中毒で他のメンバーとの間に溝ができてしまい、バンド運営にもいろいろ支障をきたしているそうだ。
お父さんはどう思っているんだろうか・・
というわけで、アルバート・ハモンド。
とりあえずは大ヒット曲「カリフォルニアの青い空」「落ち葉のコンチェルト」を聴かねばならないとは思いますが、「提供曲を含むベスト」みたいな企画盤はあるんでしょうか?
できればそんなところから試したいと虫のいいことを考えていますが、もしおすすめのアルバムがあれば教えていただけたらと思います。
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