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聴いてない 第231回 パット・ベネター

前回のプレイヤー同様、出会いは中学生の頃と非常に古いが全然聴いてないパット・ベネター。
いちおうリアルタイムで聴いてる曲もあったのだが、BLOG開始後14年目にしてようやく初登場である。(遅すぎ)
時系列的にはなんとなくだがリンダ・ロンシュタットマドンナの間にいた人、という感じにとらえている。

聴いた曲は以下のとおり。
・Heartbreaker
・We Live For Love(愛にまかせて)
・Hit Me With Your Best Shot(強気で愛して)
・Fire And Ice
・Little Too Late

他に全曲ブルースというアルバムをレンタルで聴いたことがあったが、そもそもブルースも得意ではないため1回だけ聴いて返却。
聴いてない度は3くらい。
能動的に聴きに行ったことはなく、FMでオンエアされた曲を録音できればしておく、という扱いだった。

ハードなロックナンバーを男まさりに歌うという立ち位置は嫌いではなかったが、申し訳ないけど顔も声も好みの範疇には入らなかった。
自分の場合、少なくとも顔面に関してはデボラ・ハリーが他の並み居る女性アーチストを全て粉砕していたのである。

つれない扱いに若干の罪悪感を覚えながら(ウソ)調査開始。
パット・ベネターの本名はパトリシア・アンジェイェフスキ。
えっそんな名前だったの?
姓の響きが東欧っぽいなと思ったら、やはりルーツはポーランドにあるようです。

本名パトリシア・アンジェイェフスキは1953年ニューヨーク生まれ。
ポーランド系の父親は板金工場経営、アイルランド系の母親は美容師という裕福な家庭に育つが、お嬢パトリシアは厳格な教育方針にやっぱり反発。
親は娘をクラシックかオペラ歌手にさせたかったようだが、パトリシアはジュリアード音楽院というクラシックの名門校のボイストレーニングの繰り返しに飽きてしまい、反動でロックに没頭というわかりやすい展開。

18歳からナイトクラブで歌い始め、レコード会社の担当者の目に止まり1974年にロック歌手としてデビュー。
この頃デニス・ベネターと結婚。
後に離婚することになるが、芸名パット・ベネターは変えなかったようだ。

しかしデビューはしてみたものの全然売れず、下積み時代が4年以上も続いた。
79年再デビューという形でようやくアルバム「In The Heat Of The Night」を発表。
シングル「Heartbreaker」は全米23位を記録した。
ということは自分もいちおうデビュー当時から聴いてはいた、ということになる。
偉くもなんともないが・・

なおこのアルバムのプロデューサーはスージー・クアトロやブロンディなどのプロデュース経験もあるマイク・チャップマン。
再デビューとはいえ売れっ子プロデューサーのチャップマンさんを起用できたというのはすごい話なんじゃなかろうか。
また収録曲である「I Need a Lover」はジョン・クーガーの作品とのこと。

ここから85年の間にコンスタントにアルバムをリリースし、特に「Precious Time」「Get Nervous」は大ヒット。
この間グラミー賞のロック女性ボーカル部門で5年連続受賞。
またバックバンドでギターを弾いて彼女をサポートし続けたのは夫であるニール・ジェラルドという泣かせる話もある。

しかし85年あたりに転機が来る。
この年のシングル「Sex as a Weapon」はタイトルが女性団体から問題視され、有害指定を受けたそうだ。
正確には「Stop Using the Sex as a Weapon」であり、むしろ女性団体から支持されそうなメッセージソングのはずだが、パットやレコード会社側の思惑とは違った形で騒動になってしまったらしい。
ちなみにこの曲とマドンナの「Like a Virgin」はどちらもトム・ケリーとビリー・スタインバーグという人たちの作曲だそうです。

別に競ったり衝突したわけでもないと思うけど、そのマドンナの台頭と入れ替わるような形でパット・ベネターの人気と活動量は下降していく。
チャートへの登場もアルバム発表も徐々に間隔が空いてきて、21世紀以降はあまり目立った活動はしていないようである。
スタジオ盤としては2003年の「Go」が今のところ最後のアルバムとなっている。
来日公演も95年に一度あったのみとのこと。

どれも全然知らない話ではあったが、確かに自分も80年代後半以降はパット・ベネターの曲はエアチェックできていない。
意識的に避けた記憶もないので、日本でもFMでのオンエア自体の頻度も下がっていたと思われる。

やはりロック・ボーカリストという特殊な職業は、特に女性が長い期間続けていくことは相当に難しいのだろう。
まあ女性に限らず男でもロック歌い続けるのがキツイのは同じだと思うけど。
マドンナは今も現役だがロック歌手とも言えないし、歌うスタイルもかなり変わってきている。
男でもミック・ジャガーという化けもんみたいな人だけが今もロックを歌っているのだ。

話がかなりそれましたけど、パット・ベネター。
出会いが早かったわりにちっとも聴いてこなかったが、理由に特に強固なものはない。
前述のとおり顔や声が好みではなかった、ということはあるかもしれないが。
アルバムジャケットや雑誌で見た範囲で言えば、化粧がかなり濃いなとは思っていた。
(中学生なのにそこかよ)

でもデボラ・ハリーの顔は大好きだったのにアルバムはまともに聴いてなかったし、ジョーン・ジェットも化粧濃いけど顔は好きだったので、化粧と顔は鑑賞にはあんまし関係ないみたいです。(適当)
あと個人的には声がシーナ・イーストンにも少し似ていると思う。
どちらもあのファルセットが少し苦手・・・

1回だけ聴いたアルバム「True Love」は全編ブルースで、たぶんレンタル料金も無料か激安で、他のCD借りるついでだったような気がする。
(自分の意志でなく姉の気まぐれだった可能性あり)
パット・ベネターでブルースという組み合わせはやはりハードルが高く、ラストのクリスマスソング「Please Come Home For Christmas」だけテープに録って返してしまった。
店側もずいぶんとマニアックな盤を入荷したもんだと思うが・・

しかし歌うスタイルや歌唱力はやはり非凡なものがあり、今一度おさらいをしておくのもいいかもしれない。
聴くとしたら大ヒット作品「In The Heat Of The Night」「Precious Time」「Get Nervous」は外せないと思いますけど、他にもおすすめのアルバムがあれば教えていただけたらと思います。


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行ってみた 東京モーターショー2017

人混みがキライで車にもさほど詳しくないくせしやがってなんだかんだでモーターショーには毎回行ってしまうSYUNJIといいます。(滝沢カレン調)
前回は平日に行ったため、客の少なさが効果的過ぎて驚くほど短時間で見終わってしまいましたが、今回は休日だったため、やっぱり人の頭越しに車とお姉さんをながめる形になりました。

回を重ねるごとに評判が落ちていく悲しき東京モーターショー。
一番の原因は出展社や展示車の数が減っていることでしょう。
特に外車メーカーはもう日本を市場として全く重要視しておらず、イタリア車やイギリス車のメーカーはとうとう出展ゼロとなりました。
なじみの深いMINIやアルファロメオも今回は来ていませんし、アメリカのビッグ3も全て撤退。
東京モーターショー自体の存続もどうなるのか不透明。

加えて国産車メーカーも三菱・日産・スズキが不正検査などでグラグラ揺れており、マスコミ調に言えばモーターショー開催に冷水を浴びせることに。
ジャーナリストからは「つまんない」「盛り上がらない」などさんざんな言われようで、「プレスデーの挨拶にトヨタの社長が出なかった」など、いろいろ異常事態が起きているようです。

そんなプロレス団体っぽい展開の自動車業界ですが、それでも一般公開日はムダにたくさん人来てましたよ。
個人的には毎回外車中心の見学でしたが、その外車自体の出展が減ってるので、もうそういう区分してる場合じゃない感じです。

まずはポルシェ。
永久に縁のないクルマですけど、ドイツ車はまだまだ強気です。
911やBoxterといった王道車種からカイエン・パナメーラなど幅広く展示。
新しいカイエンは参考展示だそうですが、専用のスペースでどおんと置いてありました。

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パナメーラ ターボSのハイブリッド、最高速度が310kmだそうですけど、そこまで出すとハイブリッドの意味はなくなるような・・・毎回ポルシェの開発意義はナゾ。

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これはスピードスターの1955年モデル。
適当に撮ったのですが、背景がうまい具合に暗く、どこかいい感じの写真になりました。

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さらに縁のないレクサス。
写真はレクサスGS F 10周年記念特別仕様車と、LS500h。
LS500hはメーカー希望小売価格11,200,000円からだってさ。(ヤケクソ)
ブランドが登場した頃はラグジュアリーさだけが強調されてたような気がしますが、最近はデザインにも若干ワイルドさが加わってきた感じ。
徐々に趣味が若向きに変わってきたように思います。
当然ですけどクルマにさわれない展示が多く、民衆は回転するレクサス様を遠巻きにながめて写真を撮るだけ。

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カタギじゃ買えないレクサスブースを舌打ちしながら通り抜け、大衆車メーカーのフォルクスワーゲンへ。
up! GTIはもちろんさわったり乗ったりもOK。

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大衆車メーカーであるワーゲンにも回る展示がありました。
初めて知りましたが、アルテオンという車で、こちらは549万円。
今回日本初登場だそうです。
ライバルはBMW4シリーズ、アウディA5あたりとのこと。

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そのアウディも日本では元気です。
美しいブルーが映えるRS 4 Avantは日本初出品、黄色のオープンはR8 Spyder V10。
なんかその昔ホンダが作ったビートをでかくしたような車です。

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新型A8も日本初出品で、自動運転機能を搭載してるそうですが、こういう車はオーナー自身があんまし運転しないから、自動運転の必要もないように思うんですけど。

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再び大衆車メーカーのルノー。
意外に思いますが、販売はけっこう好調らしいです。
ルーテシアやメガーヌが置いてありました。

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トゥインゴは実際にディーラーで試乗して買うかどうか迷った車です。
この車の魅力はRR、つまりエンジンが後ろにあるという点をメーカーもディーラーも強調しますが、実は試乗してもRRの特徴的な加速はあまりわかりませんでした。
むしろマニュアルでありながら2速・3速の加速にやや物足りなさを感じたのが正直なところです。
まあ排気量を考えると当然ではありますけど。
展示車はオレンジでしたが、できればパリの夕暮れをイメージしたと言われる限定車「ノクターン」を置いといてほしかったです。

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不祥事で大揺れな日産も、この日はあまり関係なく結構盛り上がっていました。
もう他のブースにはあまりないような、車を機械で持ち上げてぐるぐる回すというアバウトな演出に対して、若者は野外フェスみたいに拳を上げていました。

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同じく揺れてるスズキも、ブース装飾は意外にハデでした。
壁面いっぱいに作ったビジョンで様々な映像を流し、ブース全体を明るくしていました。

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対照的にホンダは未来志向であまり身近に感じさせないイメージ。
市販車も一通りありましたが、コンセプトカーも多く依然として研究体質の強いメーカーという印象。
新型NSXも置いてありましたが、以前のようなエロさはなくなり、他のホンダ車同様トゲトゲしいマスクになっています。

強気のドイツ車はまだありました。
BMWアルピナです。

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基本的にはブース内に入れず、平民は見守るだけの展示。
青いほうのB7 Bi-Turbo Limousine Longは2216万円ですわ。

アルピナと言えばマット。
今回も置いてありました。

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マットな黄土色のほう(表現がダサイ)がConcept Z4、シルバーは上の青と同じB7 Bi-Turbo Limousine Long。
この塗装(と言っていいのかわからんけど)、他の車種ではまず見かけない質感です。
実物見てみるともっとわかりますが、絶対さわってみたくなります。

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スマートforfourは市販予定の電気自動車「electric drive」やBRABUSなどがありました。
forfourも購入を少しだけ考えたこともありましたが、やはり価格が高いので断念。(BRABUSは345万円)

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DSはシトロエンの車種が独立した新ブランド。
・・・ということを、実はこの展示で初めて知りました。
別ブランドにしたのは、「フレンチラグジュアリーの復活」のためとのことですけど、正直さっぱりわかりません。
シトロエンDS3は好きな車ですが、シトロエンの名をはずすことにどこまで意味や効果があるのか・・・?

最後に立ち寄ったのはダイハツとトヨタ。
この2つは会場が別の場所(西展示場)でした。

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ダイハツも雰囲気は良かったです。
ブースも明るくビジョンやスクリーンを効果的に使って映像を見せており、多くの人を集めていました。

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トヨタはやはり別格でした。
ウチの会社でもビッグサイトで開催された展示会に出展したことが何度もありますが、その感覚で言うとこのトヨタのブースはものすごくカネがかかっているはずです。
今回は特にブース装飾をシンプルにしてきたメーカーも多い中、幻想的なイメージはひときわ目立っていたと感じました。
ただ展示車そのものは個人的にはほとんど興味を引くものはありませんでした。

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ブース受付にいたこのコンパニオンのお姉さんも圧倒的な存在感でした。
ふつうモーターショーでカメラが殺到してるところにはたいてい露出の多い衣装に身を包んだコンパニオンがいるものですが、この人は顔だけで周辺の男どもを騒然とさせるだけの破壊力がありました。
調べたら一瀬優美さんというレースクイーンやモデルをしてる女性だそうです。

ということで、モーターショー見学も終了。
次回開催があるのかわかりませんが、このまま出展社が減っていくようであれば、次回見に行くのかどうかも本当にわかりません。
良くない話題ばかりの自動車業界ですが、次回はなんとか盛り返してイタリア車やイギリス車も見せてほしいと思います。

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