行ってみた 第55回 猪苗代・会津若松・喜多方
先月京都にて桜は満開だけど雨と寒さでやや厳しい旅を経験したわたくしですが、懲りずにゴールデンウィークは福島に出かけることにしました。
福島に行くのは10年ぶりで、震災以降初めてです。
実は3年前の連休に行く予定で会津に宿も予約したのですが、出かける2日前に猛烈な下痢に襲われ、2つの宿予約をキャンセルし、あえなく旅行を断念したという経緯があります。
すでに連休前時点で桜前線は弘前あたりまで達していたので、正直福島県でのお花見はもうそれほど期待はしていませんでした。
場所や種類により咲いてたらラッキーくらいの感じで5日前くらいに会津若松と猫魔に宿を予約。
福島県内の桜開花情報は日々確認していましたが、大半の名所がすでに散った後。
わずかに残る標高の高い場所をチェックしました。
まず向かったのは猪苗代町の観音寺川沿いの桜並木。
猪苗代湖の北東岸に位置します。
下流側のあまり広くない駐車場は思ったより混雑していましたが、ほとんどが地元の人たちで県外からの観光客はあまりいないようでした。
ここの桜はとにかくやたらにきれいでした。
天気も良く風もおだやかで、雪の残る磐梯山をバックに咲きほこる光景は観光ポスターか絵葉書のようです。
目黒川のように混雑しておらず、車も入ってこないし、傾斜があるため流れが速く水がきれいです。
何より場所取りブルーシートやカラオケや酔客といった下品なものが存在しません。
屋台はいくつか出ていますが、ありがちな大音量の演歌や若者のヘタクソなバンド演奏などもなく、みなさんなごやかに花見を楽しんでいます。
つくづくこうしたスタイルは理想的だと感じます。
地元の方に混じって屋台でおにぎりを買い、満開の桜の下で幸せなひとときを過ごしました。
もちろんこうした地域密着の桜名所は他にもあるとは思いますが、旅の最初の目的地をここに選んで正解でした。
湖から峠を降りて会津若松市内へ。
鶴ヶ城に行ってみました。
観音寺川から車で1時間もかからない距離ですが、標高が違うためソメイヨシノは全て散っており、八重桜やしだれ桜が少し咲いている状態。
鶴ヶ城も10年ぶりですが、記憶はほとんどありません。
最近幕末に関する興味が少しだけわいており、関連本をいくつか読んでいますが、そうした歴史的背景をふまえて城に入るとやはり見え方が変わってきます。
会津の人は今も山口や鹿児島に対して複雑な思いを抱いていると言われますが、松平容保の境遇や白虎隊の悲劇を知ってしまうと、それも致し方ないとも思います。
続いて喜多方に行ってみました。
喜多方と言えばラーメンと蔵の街。
・・・なのですが、実は喜多方も二度目ですが会津若松以上に記憶がありません。
ラーメンを食ったかどうかすらあやふや。
今回の目的は桜です。
喜多方の桜並木と聞いて「ああーあそこね」とすぐ反応できる人もそれほど多くないのではないでしょうか。
日中線記念自転車歩行者道という、かつて線路があった2kmほどの場所を歩道にして、しだれ桜の並木を作っている場所があるのです。
「喜多方さくらまつり」ののぼりはありましたが、地味さ加減では観音寺川以上でした。
桜が若干盛りを過ぎたせいもあるのかもしれませんが、酔客はおろか屋台も出ておらず、人もあまりいません。
この日は日曜でネットでも「駐車場は大混雑が予想される」などといったアオリがあったのですが、全然余裕。(しかも駐車場は無料)
散り始めとはいえ、延々続くしだれ桜の並木は圧倒的な美しさ。
これ都内だったら間違いなくブルーシートと演歌とテキヤとよっぱらいの大集合になるはずです。
贅沢な花見となりました。
この日は会津若松に泊まる予定だったので、桜を見ただけで喜多方をあとにしました。
ラーメンや蔵を一切堪能することなく喜多方を出るというデタラメな観光。
・・・まあラーメンと蔵に興味が全くないわけでもないのですが、翌日は雨予報だったのでこの日のうちに桜をできるだけ見ておきたかったのです。
夕飯は会津若松の「田季野」というわっぱ飯で有名な店に行きました。
この店は以前も来たことがあり、店構えや部屋の中の記憶もわりと残っていました。
古いせいか店内は照明がやや暗いのですが、そこがまたいい雰囲気。
10年ぶりのわっぱ飯はやはり感動的なうまさでした。
翌朝は予報どおり雨。
終日雨予報のため、花見をはずした観光を画策しました。
まず大内宿に行ってみました。
山あいに茅葺き屋根の家が並ぶ、最近むやみに有名になった宿場町です。
大内宿は初めてです。
会津若松から車で1時間弱の距離ですが、連休谷間の平日で雨も降っていて気温も低いせいか、観光客はあまりいませんでした。
会津は10年ぶりでしたが、10年前には大内宿の存在すら知りませんでした。
外国人も含めて人気のスポットとなったのは間違いなくここ数年の話です。
うわさ通りの時代劇のセットのような風景。
大内宿といえば箸の代わりにネギで食う「ねぎそば」が名物ですが、まだ早い時間だったので食べませんでした。
大内宿から車で20分くらいのところにある「塔のへつり」という奇岩観光ポイントに寄りました。
ここは20年以上前ですが一度来たことがあります。
川岸の崖が流れによって浸食され覆道のような形になっており、岩がえぐられた部分を歩くことができるのですが、柵もなく川に落ちそうなところもあります。
高所恐怖症の人にはキツイ観光名所ですが、自分はバカなのでこういうスリリングな場所が大好きです。
ただ地震か災害の影響でしょうか、以前に比べて歩ける部分がかなり制限されていた気がしました。
会津若松に戻る途中、会津鉄道の湯野上温泉駅に立ち寄りました。
ここもまだ桜が満開。
駅の横には足湯もあります。
小さな駅舎は観光客でいっぱい。
列車が駅に入ってくると、大小さまざまなカメラを構えたおっさん達が競ってシャッターを切っていました。
桜と列車と田舎の駅舎は確かに被写体としてはレベルが高いです。
来るまで全く知りませんでしたが、鉄道界ではわりと有名な撮影ポイントのようでした。
昼は会津若松の満田屋へ。
味噌田楽の有名店で、ここにも10年前にも来ています。
やはり街中にはあまり人がいないのに、この店は混んでいました。
久しぶりに食べる田楽はやはりうまいです。
実は味噌田楽はそれほど好みでもないのですが、ここ満田屋の田楽は別格です。
旅はあと一日半続きます。
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コメント
幕末に興味がわいてきたんですかっ!! 素晴らしい(≧▽≦)。
ちなみに、私は今日、日野新選組まつりに行ってきました。
会津新選組同好会の皆さんもいらしていて、容保様と思われる扮装をした人もいましたよ。
猪苗代の桜はノーチェックでしたが、ステキなんですねー。
投稿: YAGI節 | 2017.05.14 20:48
YAGI節さん、こんばんは、お久しぶりです。
>私は今日、日野新選組まつりに行ってきました。
あっ!やはりそうでしたか!
いえ、実は今日クルマで高幡不動前を通過したのですが、たくさん人がいて侍姿の人もいたので、おそらく何か新撰組関連のイベントじゃないかな・・と思ってたのですが、やはりそうだったんですね。
>猪苗代の桜はノーチェックでしたが、ステキなんですねー。
そうなんですよ、今回初めて知ったのですが、観音寺川の桜はホントきれいでした。
おすすめします。
投稿: SYUNJI | 2017.05.14 21:26