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聴いてない 第224回 エディ・マネー

果たしてどれだけの人が覚えているだろうか、エディ・マネー。
日本ではなかなか人気が出ず、国内盤で買えるアルバムはベスト盤だけだそうだ。

そんな逆境の元警官シンガー、エディ・マネー。
実は顔と名前を先に知り、ほどなくヒット曲を聴いたという、自分にしては珍しい展開のアーチストである。
情報源は当時のナウいヤングの信頼を集めていた安心の月刊誌ミュージック・ライフ。
従って東郷かおる子がいなければ生涯エディ・マネーを知ることはなかった可能性も高い。

ただしエディを知ったのは記事ではなく、カセットインデックス用の写真である。
昔の音楽雑誌によくあったカセットケースにうまく収まるサイズのアーチスト写真で、エディ・マネーを知った次第。
これがその写真である。

Eddie

ページを切り取って保存しているので奥付は不明だが、おそらく79年頃の号と思われる。
ちなみに隣にはプリテンダーズ、裏面にはロバート・プラントとナックが載っていた。

86年の大ヒット曲「Take Me Home Tonight」だけは聴いており、聴いてない度は2。
この曲にはロネッツの大ヒット曲「Be My Baby」も挿入されているが、その部分を歌っているのはロネッツのボーカル、ロニー・スペクター本人ということで話題になった。
・・・らしいのだが、ヒットしていた当時は全く知らなかった。
この事実を知ったのはヒットしてから20年近く経ってからで、ココログ同期生のgetsmart0086さんの書かれたある記事を読んでのことであった。
ロニー・スペクターはこの頃すでに芸能界を引退しており、そこをエディ・マネーが直接頼み込んでボーカル参加が実現したそうだ。

さてエディ・マネーについて調査を開始したら、頼みの心の友ウィキペディアは日本語での紹介がない。
英語ページをむりやり日本語変換して読んでみたが、やはりカタコトでいまいちよくわからない。
いろいろ検索して引っかかった情報をなんとか整理してみた。
もし事実と違うようでしたらご指摘ください。

エディ・マネー、本名エドワード・ジョセフ・マホーニーは1949年ニューヨークはブルックリンに生まれ、マンハッタンで育つ。
祖父の代から三代続く警官一家であり、兄弟も全員ニューヨーク市警察局の警官。
エディも警官として働いたが、音楽で身を立てる決意をして西海岸に移り住む。

78年に「Eddie Money(噂のエディ・マネー)」でデビュー。
シングルカットされた「Two Ticket To Paradise」「Baby Hold On」は大ヒットし、アルバムもダブルプラチナディスクを獲得。
なおこのアルバムではスモーキー・ロビンソンの「You've Really Got A Hold On Me」もカバーしている。
エディは歌だけでなくギターやサックスも演奏できる器用な人だそうだ。

80年代に入るとプロデューサーにロン・ネヴィソンやトム・ダウドを起用してアルバムをコンスタントにリリースする。
プロモ・ビデオ制作にも積極的な姿勢を見せるが、一方で薬物中毒にもなってしまい、83年「Where's The Party?(パーティの夜)」発表後は一時期活動停止状態となる。
警官やってた人が歌手になって薬物中毒って、警官やめないほうがよかったんじゃないのかとも思いますが・・
もし今の日本でこんな人がいたら間違いなく袋だたきだよなぁ。

しかしエディ・マネーは86年にアルバム「Can't Hold Back」で見事復活。
プロデューサーはチープ・トリックハートのアルバムにおいても復活をアシストしたリッチー・ジット。
シングル「Take Me Home Tonight」がキャリア最大のヒットとなる。

しかし同じくリッチー・ジットのプロデュースによる88年の作品「Nothing To Lose」からは、日本盤発売はなくなった。
エディ・マネーにとって、日本はマーケットとしては見切りをつけられたらしい。

翌年には初のベスト盤が発表され、初のライブ曲も収録された。
90年以降も本国では活動を続けており、2007年にはアルバムも発表。
2010年にはフットボールのハーフタイムショウで、かつてのヒット曲のメドレーを歌ったそうだ。
しかし日本では話題になることもあまりないようである。

1曲しか聴いてないので何もわからないが、ルックスやボーカルからはスタイリッシュで都会的な印象を受ける。
「Take Me Home Tonight」も夢中になったほどではないが、悪くはないと思う。
誰も共感しない意見だとは思うが、エディの声に近い感じがするのはエリック・カルメンである。

ただ同時期に活躍していたブライアン・アダムスジョン・クーガーに比べると、洗練された分インパクトは弱かったかもしれない。
あと2~3曲柏村武昭が紹介してくれていれば、アルバム1枚くらいは聴いていたのに。(でまかせ)
どっぷり産業ロックに染まってチャラい曲を量産するとか、あちこちで女性トラブルばかり起こすとか、バックバンドのメンバーをギターで殴ったりとか、なんかしらの尖った話題があったら違った展開になっていただろう。(言いたい放題)

というわけで、エディ・マネー。
これまで意識してCDを探したことがないので、輸入盤も含めて2017年現在でどれだけ店頭在庫があるのかわからないが、「Can't Hold Back」は聴いてみてもいいかなと考えている。
他にもおすすめのアルバムがあればご指導いただけたらと思います。

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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
エディ・マネーは名前しか知りません。ですので、ユーチューブで
「Take Me Home Tonight」を試聴しました。

典型的80年代サウンドがかっこいいですね。しかし、それに負けない
ロニー・スペクターのボーカルの存在感がすごすぎます。さすが、
多くのロックミュージシャンを夢中にさせたボーカリスト!
と、思わずロネッツに反応してしましました。

記事を拝見しますと、そこそこヒットしていたにもかかわらず
1曲も知らないのはなぜか? と自分でも疑問に思いましたが、
>>同時期に活躍していたブライアン・アダムスやジョン・クーガー
>>に比べると、洗練された分インパクトは弱かったかも

私の場合、間違いなくこのパターンですね。あと、記事から察するに
ソウルフルな分、産業度が弱かったのも、私的に合わなかったのかも
しれません。

ところで、
>>誰も共感しない意見だとは思うが、エディの声に近い感じがするのは
>>エリック・カルメンである。

最近、エリック・カルメンを聞いてみたいと思っていたところでした。

投稿: モンスリー | 2017.04.16 16:39

モンスリーさん、こんばんは。

>エディ・マネーは名前しか知りません。

え、そうだったんですか?
まあ自分もロニー・スペクターのことは何も知りませんでした・・

>私の場合、間違いなくこのパターンですね。

インパクトは自分の主観かもしれないですが、やはり事務所やレコード会社側も日本を重視してなかったようなので、雑誌やラジオでの露出も少なかったんじゃないかと思います。

>最近、エリック・カルメンを聞いてみたいと思っていたところでした。

そうでしたか。
似てませんかね、この二人の声?
そういえば姉はエリック・カルメンは姉がよく聴いてましたが、エディ・マネーは全然聴いてませんでした・・どうでもいい話ですが・・

投稿: SYUNJI | 2017.04.16 21:25

SYUNJIさん
おじゃまします。

ちょっと和製ミック・ジャガーこと山本翔を追っていたら、こちらへたどり着きました。(笑)
当時エディと山本翔が対談してたのですね。

オススメできるほど聴いた事無いのですが
”1st:Eddie Money”と”No Control”好きです。
今ジャケ見るとデイヴ・リー・ロスを洗練した感じにも見えますね。
都会派ロックンローラーってイメージでしょうか。

ってか”エディー・マネー”でググると、こちらがトップページにヒットしますね♪

投稿: tatsuroman | 2018.04.19 16:37

tatsuromanさん、こんばんは。

>”1st:Eddie Money”と”No Control”好きです。

「オススメできるほど聴いた事無い」とおっしゃいますけど、じゅうぶん聴いてるのでは・・(笑)?
日本で入手可能なのか?と思ったら2013年にリマスター盤が出たようですね。
「噂のエディ・マネー」って邦題が70年代そのものでいいスね。

>ってか”エディー・マネー”でググると、こちらがトップページにヒットしますね♪

それはいけませんね、聴いてもいない自分のBLOGがトップページに出るなんて・・
tatsuromanさん、ぜひ今すぐ日本語版ウィキペディアの執筆をお願いいたします。

投稿: SYUNJI | 2018.04.21 22:05

お邪魔します~

ジジイ(=私)が初めて聴いたのは
「Think I'm In Love」ラジヲで(笑)

日本人には受けないルックスで日本ではスルーされた?
エアチェックしたカセットに残ってるこの曲が好きでした

ハスキーなVoと適度なポップ感のRockで
今聴くと80年代感バリバリ?

アルバムは持って無かったのですが
(十)数年前急に「Take Me Home Tonight」収録の
「Can't Hold Back」をゲトもちろんLP=レコード(笑)

個人的にはアルバム一枚は・・・

しかし全然名前聞かないなと思ってた頃に
TVで「Take Me Home Tonight」が流れた時に
テンション上がったのは間違い無いっす

投稿: KAZOO(カズー) | 2018.05.01 21:31

KAZOOさん、コメントありがとうございます。

>日本人には受けないルックスで日本ではスルーされた?

どうなんでしょうね?
ルックスも悪くはないし、ニューヨークの警官あがりなんて経歴も当時の若者になら受けそうな気もしますが・・
記事にも書きましたが、やはりレコード会社や本人の日本への見切りが早かったんだと思います。

>「Can't Hold Back」をゲトもちろんLP=レコード(笑)

やはりそうでしたか。
CDで再発されるまでは中古LPが捜索対象だったんですね。

>TVで「Take Me Home Tonight」が流れた時に
>テンション上がったのは間違い無いっす

これは自分にもわかります。
ファンでもなんでもないですが、たまにFMで流れると「おっ」と思ってしまう曲ですね。

投稿: SYUNJI | 2018.05.04 10:03

2019年9月に70歳で亡くなったエディーマネーのアルバムを引っ張り出して、久々に聴きながら、ネット記事を見ていたら、この記事が目に入りました。
ご参考になれば、と情報を提供します。

>>88年の作品「Nothing To Lose」からは、日本盤発売はなくなった。

私が所有しているCDの情報。
・最初はコロンビアレコード所属でしたので、日本ではCBSソニーから発売

 ・噂のエディー・マネー 25AP 883
 ・ノー・コントロール  25AP 2368
 ・パーティーの夜    25AP 2713
 ・キャント・ホールド・バック 32DP 531
 ・ナッシング・トゥー・ルーズ 25DP 5238 (1988年)
 ・ライト・ヒア     SRCS-5578 (1991年、Sony Music Entertainment Japan)

10作目のアルバム「アンプラグ・イット・イン」はSONY ENTERTAINMENT / Columbiaが発売したUSA盤しか
持っていないのですが、11作目は日本盤があります。

エディーを見出したプロモーター ビル・グラハムが立ち上げた「Wolfgang Record」から発売されており、
日本盤は東芝EMIが発売しています

  ・ラヴ・アンド・マネー TOCP 8797 (1995年)

これ以降の作品は、輸入盤しか持っていません。
なので、1997年の12作目から、日本発売がなかったのかもしれません。

懐かしいなぁ、と思いながら、ご参考まで。 2020年 梅雨のさなかに


投稿: フランケン | 2020.07.10 11:58

フランケンさん、詳細な情報ありがとうございます。
この記事を書いたのは3年前でしたが、エディ・マネーは昨年亡くなったんですね・・

>日本盤は東芝EMIが発売しています
>・ラヴ・アンド・マネー TOCP 8797 (1995年)

>1997年の12作目から、日本発売がなかったのかもしれません。

すみません、日本盤についてあらためて調べてみました。
正しくは、88年の作品「Nothing To Lose」からは、日本盤のLP発売はなくなった、でした。
ご指摘のとおり、CDの日本盤が発売されなくなったのは97年の「Shakin' with the Money Man」からだそうです。

ご紹介の「Unplug It in」は、その名のとおりアンプラグド集だそうですね。
当時アンプラグドがはやってましたが、エディ・マネーも出してたんですね。
全く知りませんでした。

自分が聴くとしたら、やはり最初は「Take Me Home Tonight」を頼りに「Can't Hold Back」からかなと思っています。

聴いてないアーチストや名盤を延々告白してる愚かなBLOGですが、他にも聴いてないものが山ほどありますので、またご指導いただけたらと思います。

投稿: SYUNJI | 2020.07.10 22:20

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