行ってみた 第54回 佛光寺・妙顕寺・東寺
二日目の朝、起きたら窓の外は落胆の大雨。
予報では午後には止むような感じだったので、かすかに期待を寄せつつまずはホテルのすぐ南にある佛光寺へ。
この寺も初めてです。
浄土真宗佛光寺派に属する寺で、大師堂と阿弥陀堂の前には大きな紅しだれ桜がありました。
この紅しだれ桜は秩父宮・高松宮・三笠宮の皇族方の手により昭和47年にに植えられたそうです。
七分咲きというところでしたが、幅がかなり大きく見応えがあります。
この寺も観光客はおらず、地元の人に親しまれる地域密着型の桜の名所です。
次の目的地は堀川通りを北上したところにある妙覚寺。
四条駅前からバスに乗って移動しようとしましたが、行先が金閣寺方面のためか異様に混雑しています。
2本ほど見送ってみましたが、どのバスも同じようにすし詰めで乗れない状態。
仕方なく地下鉄を使うことにしました。
鞍馬口駅で降りて10分ほど西に歩いて妙覚寺を目指します。
なんとか雨は止みました。
10年ほど前に妙覚寺には来ています。
門の手前に桜の木が数本あり、八重桜はまだ大半がつぼみですが、他は満開。
境内は意外に広い寺ですが、観光客は全くいません。
地元の人が自転車で通りがかって見事な桜にしばし見とれる、という場所です。
妙覚寺から歩いて5分の水火天満宮に移動。
ここも以前来たことがあり、紅しだれ桜が見事な小さな神社です。
桜の写真を撮りに来た人が数人。
中には明らかに家族でない年配男性と着物姿の妙齢女性という異様にはしゃぐ二人連れがいました。
続いて本法寺。
日蓮宗の寺ですが、桜の木があちこちにあります。
境内は思ったより広いですが、建物と木が複雑に入り組んだ感じで、開放感はそれほどありません。
小さな塔があり、桜の背景にするといい感じです。
妙顕寺はこの日一番時間をかけて見学しました。
広い境内に様々な建物と桜があり、順路が丁寧に案内されており、写真スポットも日本語と英語でわかりやすく示してあります。
妙顕寺も日蓮宗の寺で、日蓮の孫弟子にあたる日像が後醍醐天皇より領地を与えられて建立したとのこと。
妙顕寺・妙覚寺と、前の日に訪れた立本寺の三寺で「龍華の三具足」と呼ばれているそうです。
桜も種類が豊富できれいでしたが、小さな庭も趣きがあってよかったです。
なにより竜安寺や詩仙堂のような混雑が全くなく、しばし庭の貸し切り鑑賞。
何度来てもこういう場所を発掘できるのも京都の旅のいいところ。
堀川通りを横断して妙蓮寺へ。
似たような名前の寺が続いて多少混乱。
宗派を選んで巡ったわけではありませんが、ここも日蓮宗の寺です。
桜は咲いていましたが、妙顕寺に比べてやや地味な印象。
妙蓮寺は鎌倉時代創建ですが、何度か火災などで焼失・移転しており、現在の寺は江戸後期再建だそうです。
京都御苑に行ってみました。
しだれ桜や山桜は満開。
八重桜は満開まであと10日くらいといったところ。
さすがに御苑は人がそれなりに来ていますが、そもそも広いので混雑というほどではありません。
外国人が桜を背景にグラスに入れたビールという不思議な写真を撮っていました。
丸太町駅前に「ごはん日和」という和食の店があったので入ってみました。
ちょうど昼時だったので少し待ちましたが、西京焼き定食はうまかったです。
あとで調べたら京都にいくつか店舗があるようです。
午後は久しぶりに東寺に行ってみました。
東寺へのアプローチはバスか鉄道ですが、鉄道では意外に難しいことも今回わかりました。
近鉄の東寺駅からは歩くと思ったより距離があります。
五重の塔がでかいので近くに感じるのですが、東の正門まではおそらく10分近くは歩くのではないかと思われます。
京都駅からも五重の塔が見えるのですぐ近くにあるような気になりますが、近鉄東寺駅からよりも遠く、おそらくは1km以上あると思われます。
雨だったら京都駅発のバスに乗るか、タクシーで行ったほうがいいんでしょうね。
で、今回自分は愚かにも地下鉄九条駅から行ってみました。
(地下鉄・バス二日乗車券を持っていたので。)
しかし九条駅も東寺まではまた遠く、歩くとムカつく距離で雨や風の日はおすすめできません。
ほなバスに乗ればOKでっしゃろと思ってバス停に行ってみると、本数が異様に少ないことに気づきました。
京都駅からそう遠くない世界遺産なのでバスも九条駅前からばんばんあるやろと思っていたのですが、そうではないようです。
九条駅は駅前商店街もなく、タクシーも全然通る気配すらなし。
絶望的な気分で地図に目をやると、打開策が見えてきました。(大げさ)
ポイントは九条駅から九条通りを西に5分ほど歩いて市バスの車庫まで行くこと。
この九条車庫まで来ると、その車庫前バス停からは東寺方面に行けるバスがかなりあります。
そもそも地下鉄で東寺を目指す人もあまりいないとは思いますが、この情報を知っていればアプローチはかなり楽です。
グダグダ騒いだわりには結果的にわりとすんなり東寺入り。
世界遺産なので入場券売り場には長蛇の列。
時刻は午後1時半でしたが、雨はあがったのに気温がかなり下がってきました。
それでもさすがは東寺。
塔の周辺に様々な種類の桜が咲き乱れ、ソメイヨシノは満開です。
紅しだれ桜はやはりまだこれからという状態。
しかし。
風も強く、屋外で桜を眺めるにはかなり厳しい状況になってきました。
前日はかなり蒸していたため、この日は薄着で来ていました。
桜咲き誇る世界遺産に来たにも関わらず、寒さに耐えきれず伽藍や仏像も一切見ることなく30分ほどで退散してしまいました。(バチあたり)
バスで京都駅に戻り、ユニクロに直行。
カーディガンをわしづかみにしてレジの人に「今すぐ着る」ことを伝えてタグを切ってもらいました。
ふと周囲を見ると、自分たちと同じように寒さに耐えかねてユニクロに飛び込んだとおぼしき観光客ばかり。
買ったばかりのカーディガンや上着を店の前で着るという人がたくさんいました。
後で記録を調べたら京都の11時の気温は16.9度、14時は15.0度。
感覚的には10度くらいに思ってましたので、少し意外な数字。
一番気温の上がる時間帯に2度近く下がっていますし、風も強かったので寒く感じたものと思われます。
時間的にもう観光に出る余裕はありませんでした。
カーディガンを着込んでやっと落ち着いたので、駅の上の茶屋で最後の休憩。
その後JR伊勢丹の地下で土産を物色しましたが、以前に比べて混雑は多少緩和されていたような気がしました。
ということで京都桜の旅も終了。
満開に当たったのは幸運でしたが、2日間とも天候がいまいちだったのはやはり残念でした。
来年どこで桜を見ることになるかわかりませんが、花も天気も体調も良いことを今から祈りたいと思います。
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