« 聴いてみた 第137回 エリック・クラプトン その2 | トップページ | 聴いてない 第222回 アズテック・カメラ »

聴いてない 第221回 モンキーズ

「長いこと勘違いしていた」というものは誰にでもあると思う。
それは人に言えないほどひどい勘違いだったり、他の人とも共通していて「オマエも?」といった連帯感を覚えたり、様々だろう。
で、自分の場合は「茶色い牛からコーヒー牛乳が出ると思っていた」「狂犬病の犬は電線を伝って歩くと思っていた」というのがある。(赤面)
いずれも小学生の半ばで勘違いに気づいたのだが、勘違いしたままオトナになっていたら・・と思うと寒気がする。
なお狂犬病については「伝染病」という言葉をよく理解せず「デンセン病=電線を歩く病気」だと解釈しておったのだろう。
子供ってメルヘンですね。(違うと思う)

さてさらにひどい勘違いが今日のお題。
実は「ビートルズに対抗すべくアメリカで作られたアイドルグループ」を、わりと長いことビーチ・ボーイズだと思っていたのだった。
いつ頃真実に気づいたのかは定かでないが、少なくとも80年代半ばまではそう思っていた。
柏村武昭も教えてくれなかったし。
ビーチ・ボーイズを聴いたのはこのBLOGを始めてからである。(遅すぎ)

そんな青春の誤解バンド、モンキーズ。
そもそもバンドじゃないと言い切る人もいるらしいが、聴いたことがあるのは「Last Train to Clarksville(恋の終列車)」と「Daydream Believer」だけ。
「モンキーズのテーマ」ってのもあったような気がするが、フルコーラス聴いたことはない。
聴いてない度は3。

作られたグループなので人気と活動が続いた期間は短いようだが、優れた作曲者と演奏者により名曲を残しているという不思議な人たちである。
洋楽における必修科目とされる存在でもないだろうが、自分より少し上の世代の方が親しんでいたと思われる。

誤解はいちおう解いたつもりでいるが、あらためてモンキーズについてサルのように補習。

ビートルズをはじめとするイギリスのバンド人気に触発されたアメリカのテレビ番組制作スタッフが、ビートルズっぽいグループ主体の音楽番組シリーズを企画。
ロサンゼルスでメンバーがオーディションによって集められ、1966年モンキーズが結成される。
メンバーはデイビー・ジョーンズ、ミッキー・ドレンツ、マイク・ネスミス、ピーター・トークの4人。
この人数もおそらくはビートルズを強く意識してのものだろう。
なおスペルは猿の複数形「Monkeys」ではなく「Monkees」だそうだ。
これもビートルズを意識しての命名ですかね?

こうして「テレビ番組で4人のグループを人気者にする」という企画ありきの音楽活動がスタート。
NBCテレビで放送された「ザ・モンキーズ・ショー」が狙い通り爆発的な人気を呼び、モンキーズは一躍スターとなる。
実際に楽器ができたのはマイクとピーターの二人だけで、作曲も演奏もプロの手を借りてのものであったが、それが功を奏したのだろう。
デビュー曲「Last Train to Clarksville(恋の終列車)」は全米1位を記録し、ニール・ダイヤモンド作の「I'm a Believer」は7週連続1位という記録を残している。

67年のシングル「Daydream Believer」も全米1位・全英5位の名曲である。
日本では80年にコダックのCMで使われ、現在も忌野清志郎(正確にはザ・タイマーズ名義)のカバーがセブンイレブンのCMで流れている。
今の若者の中には「Daydream Believer」がセブンイレブンのテーマソングだと思っている人もいるんじゃないだろうか。

その後メンバーは人気とは裏腹に次第に「やらされ感」に悩むようになる。
が、残念ながらビートルズみたいに音楽で自立できるほどの実力はなく、レコード会社や事務所側の意向に沿ってアルバム制作・映画撮影・世界各国での公演といった詰め込み活動を強いられ続ける。

3作目のアルバム「Headquarters」でオリジナル曲を7曲にまで増やしたものの、次の「Pisces,Aquarius,Capricorn & Jones Ltd(スター・コレクターズ)」ではオリジナル曲は3曲だけとなるなど、自立困難な状況が続く。

68年にはテレビ番組「ザ・モンキーズ・ショー」が終了する。
人気が落ちたからという理由ではなかったらしいが、当時テレビ番組はレコードセールスにおいてものすごい影響力を持っていたため、ここから売上は下り坂となっていく。

同年東京や京都で来日公演が行われるが、直後にピーターがグループを脱退。
69年に「Instant Replay」「Present」と2枚のアルバムを発表するがヒットには至らず、特に「Present」は全米100位までしか上がらなかった。
翌年マイク・ネスミスも脱退し、デイビーとミッキーの2人でアルバム「Changes」をリリースするが、全く売れないという悲しい結果に終わる。

モンキーズとしてのオリジナルアルバムはここまでとされているようだ。
86年にデイビー、ミッキー、ピーターによるデビュー20周年を記念しての再結成が行われ、新曲「That Was Then, This Is Now」も発表された。
全米20位まで上昇したそうだが、全然知らなかった・・
86年だとまだわりとマジメにチャートを追っていたはずなのだが・・

以降もベスト盤や企画盤は発売されており、結成30周年や45周年の節目に再結成ツアーを行なっている。
2010年には来日して「SMAP×SMAP」にも出演。
2012年にデイビー・ジョーンズが心臓発作で死去。
その後も残った3人(またはミッキーとピーターの2人で)時々ステージに立つことを続けている。

昨年モンキーズは20年ぶりの新作アルバム「Good Times!」を発表。
ノエル・ギャラガーやリヴァース・クオモが曲を提供し、亡くなったデイビーのボーカルも聴けるという。
マイクは不参加だが、アルバム発表を記念したツアーも行われたとのこと。

作られたバンドではあるが、デビューから50年経ってもオリジナルメンバーがステージに立てるというのはすごいことだ。
世の中に息の長いバンドはけっこうあるし、その肺活量も様々だとは思うが、こんな経歴と実績のグループだとは全然知らなかった。

初めて聴いた曲はおそらく前述のCMソングとしての「Daydream Believer」だったと思う。
その後FMの「オールディーズ特集」みたいな番組で「Last Train to Clarksville(恋の終列車)」を録音した。
これデビュー曲だったんスね。
初めて知りました・・

で、「Daydream Believer」である。
これもメンバーの作ではなく、作ったのはジョン・スチュアートという人。
親しみやすいメロディは清志郎の声でもいい曲だなぁと思うが、原曲の歌詞の意味はどうもわかりにくい。

タイトルの「Daydream Believer」自体がそもそもピンと来ないんだが、ネットで調べると「夢想家」「夢見る人」「夢見がちなヤツ」などとある。
さらにセットとなっている「homecoming queen」もなじみのない言葉だが、地域で学生によって選ばれる「ミス・キャンパス」みたいな意味とのこと。

サビの始まりの「Cheer up」は「元気出せよ」という訳が一般的のようだけど、言い方によっては「オマエ何言ってんだよ」というたしなめる時のセリフでもあるそうだ。
なので「いつも寝ぼけて夢みたいなことばかり言ってるジーン君、ミス・キャンパスだった彼女との現実の暮らしにはカネもいるし、そこんとこわかってるのか?」というおっさんくさい心配の歌、と解釈したんですけど、合ってます?
ジーン君本人が自らを奮い立たせる歌、という解釈もあるそうですが・・・

というわけで、モンキーズ。
ロクに聴いてない上に何一つ理解できていないという定番な有様ですが、正直それほどの危機感も持ってはおりません。
ただなんとなく「Daydream Believer」以外の曲も少し聴いてみたいとは思っています。
オリジナルアルバムが現在CDで入手可能なのかもわかってませんが、皆様の鑑賞履歴はいかがでしょうか?

|

« 聴いてみた 第137回 エリック・クラプトン その2 | トップページ | 聴いてない 第222回 アズテック・カメラ »

コメント

こんにちは、JTです。

テレビ番組「ザ・モンキーズ・ショー」、小1の時見てました。(兄が見ていたので)
ビートルズの映画「HELP!」のテレビ版のような番組でした。連続ドラマでなく1週完結のコメディでしたね。
マイクは夏でも毛糸の帽子を被ってるので不思議に思っていました。

さすがに当時はLPを買うまでは至りませんでしたが、中学の時20曲入りのベスト盤(日本編集)買いました。これ、なかなか良くてヒット曲だけでなく、売れなくなったころの曲も収録されてました。

CDは「恋の終列車」、「アイム・ア・ビリーバー」、「小鳥と蜂とモンキーズ」を所有しています。まずはベスト盤からでもよいかと思います。

>優れた作曲者と演奏者により名曲を残している

そうですね、バンドというよりグループですかね。ソロデビュー前のキャロル・キングも「プレザント・バレー・サンディ」という曲を提供しています。

ちなみに「モンキーズのテーマ」(ザ・モンキーズ・ショーのテーマ曲)もタイマーズが「タイマーズのテーマ」としてカバーしています。
「ヘイヘイ、ウイ・アー・タイマーズ、大麻が大好き、いつでもどこでも大麻を持っている」という素敵な替え歌になっています(笑)。
原発批判ソングは発売中止にして大麻ソングはOKかよ東芝さん、なんて思ったりしました。

投稿: JT | 2017.02.12 12:51

JTさん、コメントありがとうございます。

>テレビ番組「ザ・モンキーズ・ショー」、小1の時見てました。(兄が見ていたので)

そうでしたか。
日本では67年10月から69年1月にかけて放送されたとのことですが、自分は小学校に上がる前だったので記憶にはないです。
我が家ではおそらく姉も見てなかったと思います。

>CDは「恋の終列車」、「アイム・ア・ビリーバー」、「小鳥と蜂とモンキーズ」を所有しています。まずはベスト盤からでもよいかと思います。

なるほど・・アルバムはCDでも入手可能なようですが、ベスト盤のほうが手に入りやすそうですね。

>ちなみに「モンキーズのテーマ」(ザ・モンキーズ・ショーのテーマ曲)もタイマーズが「タイマーズのテーマ」としてカバーしています。

え、そうなんですか?
それは知らなかったです。
大麻ソングですか・・今ならたぶん発売されないでしょうね。
原発批判ソングの「サマータイムブルース」は当時友人が聴かせてくれた記憶があります。

投稿: SYUNJI | 2017.02.12 22:06

SYUNJIさん、こんばんは。
モンキーズですが、名前しか聞いたことがありません。
書いていらっしゃるとおり、「デイドリーム・ビリーバー」
もセブンイレブンしか知りません。
ちなみに、ビートルズのパロディバンド「ラトルズ」は
聞かせてもらったことがあります。

>>「長いこと勘違いしていた」

「巨人の星」の有名な主題歌の出だしですが、

 「重いコンダラ、試練の道を~」

野球部員が地面ををならす大きいローラが「コンダラ」
という名前で、星飛雄馬がコンダラをひく場面を歌っていると、
本当につい最近まで、思い込んでおりました。
これ、最近読んだ漫画でもネタにされており、結構大勢が
勘違いしていたのではないかと思います。

投稿: モンスリー | 2017.02.19 18:08

モンスリーさん、こんばんは。

>書いていらっしゃるとおり、「デイドリーム・ビリーバー」もセブンイレブンしか知りません。

そうでしたか。
まあ確かに今は耳にするのは圧倒的に原曲よりセブンイレブンのCMのほうですね。

>ビートルズのパロディバンド「ラトルズ」は聞かせてもらったことがあります。

あー自分も同じです。
中学生の頃ラトルズのレコードを集めてたヤツがいてたまに聴かされましたが、マニアックすぎて自分はあまりよくわかりませんでした・・

>星飛雄馬がコンダラをひく場面を歌っていると、本当につい最近まで、思い込んでおりました。

最近まで?本当ですか?(笑)
でもコンダラって検索するとやっぱりローラーの情報や画像がやたら出てきますね。
まあ大半の人はギャグと認識してるんでしょうけど、あと10年くらい経つと本当に道具名として広辞苑とかに載るんじゃないですかね・・?

投稿: SYUNJI | 2017.02.20 22:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9509/64880223

この記事へのトラックバック一覧です: 聴いてない 第221回 モンキーズ:

« 聴いてみた 第137回 エリック・クラプトン その2 | トップページ | 聴いてない 第222回 アズテック・カメラ »