やってない 第38回 徹夜
子供はあまりやらないと思われる徹夜。
オトナになって頻繁にやるようになってしまった人もいるかもしれないが、自分は全然やってません。
徹夜の定義は人によって異なるかもしれないが、基本的には夜を通り越して朝まで起きて活動する、というあたりと考える。
まずは労働の話から。
夜中に働く人や、消防・医療機関など夜勤や緊急対応の多い職業は別として、我々昼型サラリーマンにとっては徹夜仕事は非常事態である。
で、わりと長いこと昼型サラリーマンやってるけど、徹夜仕事をしたことは実は一度もない。
深夜2時くらいまでイヤイヤ働いて、その後赤坂のカプセルに泊まったり錦糸町のサウナで仮眠したりはあるが、朝まで寝ずに働いたことはない。
理由は簡単で徹夜する体力も根性も意欲もないからである。
出版社なので担当によっては誤植とか版ズレとか台割間違えとか刷り直しとか菓子折りとか始末書とか謝罪とかで徹夜を強いられたヤツもいるとは思うが、自分は幸いにしてそうした経験はない。
印刷物は作ってしまうと訂正できないので、社内ではなく印刷会社の中でギリギリまで最後の校正を行うことはふつうにある。
出張校正と呼ばれ、大きな印刷会社だと専門の部屋まであったりする。
版元によっては社内より印刷会社の校正部屋にいる時間のほうが明らかに長い、なんて社員もいるだろう。
自分も出張校正の経験はあるが、それが徹夜になるほど長時間に及んだ、ということはない。
この時点で業界の人であれば「こいつ大した仕事してねえな」と気づくだろう。(←誰でもわかる)
冒頭で述べたとおり、そもそも徹夜は非常事態だ。
ふつうなら帰って寝るか飲み屋にいるような時間帯に、まだ労働せねばならない状態。
ところが。
どこの会社にも徹夜がけっこう好きな人間がいると思われる。
自分のようなナマケモノから言わせれば「ようしみんなで徹夜して仕上げるぞぅ!」といった掛け声は正直迷惑でしかない。
業務や職種にもよるとは思うが、徹夜仕事なんてやらせる会社も喜んでやる社員も問題。
徹夜せざるを得なくなった時点で、工程管理の責任者や会社自体の不手際なのだ。
回避策を事前にとっておくとか、他の手段を考えることが重要であり、安易に徹夜を選択すべきではないのは当然である。(←何様)
あとイヤなのが徹夜した後の「間違った達成感」だ。
そもそも徹夜しないで終わっていないといけない話なのに、徹夜になるとなぜか終わった時に異様な高揚感・達成感。
これがクセモノで、間違った達成感にとらわれるので、徹夜せざるを得なくなったことについて反省しなくなる。
「全員寝ないで朝を迎えた時は本当に感動しました」などというのは大きな勘違いで危険である。
それでも不可抗力的に徹夜を強いられる事態になることはあるだろう。
自分に非はなくても上司がポンコツだったり部下がアホウで大ミスしたり業者が思いっきり使えなくて仕様と全然違うものをよこしたりで納期に間に合わない・・なんてのはよく聞く話だ。(寒気)
その時は業務進行優先で徹夜するとしても、再発防止や常態化防止に努めるのが重要。
昼型サラリーマンが徹夜でできる仕事なんてたかが知れている。
どのみち長続きしないしね。
とまあいろいろ文句を書いてはみたが、要は平常時から勤労意欲が低いだけなのだ。
仕事ができないヤツが並べるゴタクの典型のようですいません・・・
学生の頃に徹夜のアルバイトを週1で2年続けたことがあるが、当時のほうが明らかに労働意欲は高かったなぁ。
仕事以外での徹夜も基本的にはしない。
夜通し飲んだり夜中に登山してご来光拝んだり朝まで踊ろうなんてのはしたことがないし、正月だって初詣に行くのはだいたい1月3日以降にのんびり出かけるので、神社の参拝行列に並んで新年を迎えるなんてのはやったことがない。
若い頃に友人と旅先で麻雀したことがあったが、やっぱり夜中には寝てましたね。
こんなじじい体質なので、最近(でもないか?)の子供たちの夜行活動には驚くばかりである。
今や中学生の間でも「オールする」なんて言い方がふつうに浸透しているそうで、早く寝ろよと言いたくなる。
そういや子供の頃もオールナイト・ニッポンを最後まで聴いたこともなかった・・
というわけで、徹夜。
もちろん自分は今後も極力避けながら生きていくのは間違いなさそうですが、みなさんはどれくらい徹夜してますか?
輝かしい栄光の徹夜体験や最長最大の徹夜仕事など、教えていただけたらと思います。
| 固定リンク | 0
コメント
SYUNJIさん、こんばんは。
>徹夜になるとなぜか終わった時に異様な高揚感・達成感。
>「全員寝ないで朝を迎えた時は本当に感動しました」などというのは大きな勘違いで危険である。
そのとおりだと思います。(大爆笑!!)
疲労が大きいとエンドルフィンという脳内物質がでて
苦痛を和らげるために気持ちよくなります。
ナチュラルハイという状態ですね(笑)
若いときには2日ぐらいはなんとも無かったのですけど
いまの年齢では無理です。
今は健康には十分な睡眠が必要と考えるようになりましたので無理はしないほうなのかなぁ~。
>今や中学生の間でも「オールする」なんて言い方がふつうに浸透しているそうで
今は「オールする」って言うんですね、初めて知りました。
私のときも夜間はオールナイト聞いている友達もいました。
私はもっぱらFMで洋楽をひたすら聴いていました(録音)
FMファンなんて雑誌があった事すら今の人は知らないんでしょうね(笑)。
投稿: ボレロ改めbolero | 2016.10.03 20:33
SYUNJIさん、こんばんは。
>>出張校正と呼ばれ、大きな印刷会社だと専門の部屋まであったり
昔私が包装材料の営業をしていた頃、東京で超大手印刷会社の工場に
営業で出向いたことがありました。すると、「○×出版」という札の
かかった部屋がいくつもあるのです。
「あれは何だろう」と思っていましたが、これが専門の部屋なんですね。
さて、徹夜仕事は一度だけあります。仕事といいますが、
いわゆる「カイゼン活動」です。
バブル崩壊の直前期で、社内はイケイケの雰囲気。逃げられるわけもなく
やっておりました。
それっきりですが、私もサラリーマン。終電近くの仕事というのは
たまにあります。しかし、翌日がつらく、仕事に支障が出ます。
もちろん、夜遅い仕事も能率は悪いです。
日本の労働生産性は、諸外国に比べて低いそうです。厚生労働省も
そろそろ、本腰をいれて時短に取り組んでほしいですね。
投稿: モンスリー | 2016.10.04 21:12
boleroさん、コメントありがとうございます。
>ナチュラルハイという状態ですね(笑)
原理はそうなんでしょうけど、徹夜仕事でナチュラルハイってのももったいない気がします。
(怠け者)
なんか違うことに使いたいなぁ・・
>若いときには2日ぐらいはなんとも無かったのですけどいまの年齢では無理です。
そうスか・・
自分はおそらく若くてもムリだったと思います。
>今は「オールする」って言うんですね、初めて知りました。
昨年中学生が殺される事件がいくつかあった時、殺された中学生とその仲間がいずれも「オールする」と言って夜中に行動することが頻繁にあった、という話でした。
オールナイトで遊ぶという意味で使われるそうですけど、あんまりいい言葉じゃないですね。
夜中に起きてラジオ聴くなんてのは今時の中学生はやらないのかな・・
>FMファンなんて雑誌があった事すら今の人は知らないんでしょうね(笑)。
でしょうね・・
「FMの雑誌なんて、読んでどうするんですか?」とか真顔で聞かれそうな気がします。
投稿: SYUNJI | 2016.10.04 23:08
モンスリーさん、こんばんは。
>すると、「○×出版」という札のかかった部屋がいくつもあるのです。
まさにそれが校正部屋です。
版元によってはほぼ校正部屋に住んでるんじゃないのかというような社員もいるらしいですが・・
>終電近くの仕事というのはたまにあります。しかし、翌日がつらく、仕事に支障が出ます。
そうですか・・大変ですね。
自分は自宅から会社までムダに遠いので、終電近くまで働くと、睡眠時間は4時間くらいになってしまいます。
>日本の労働生産性は、諸外国に比べて低いそうです。
日本の企業で働く欧米人が一番おかしいと思うのがこの点らしいですね。
マジメで勤勉という評価が多い日本人ですが、一緒に働いてみると要領が悪くムダが多く休みも少ないし、それをあまり変えようとも思っていないのが不思議でしょうがないようです。
投稿: SYUNJI | 2016.10.04 23:19