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聴いてない 第213回 ドナ・サマー

シェールテイラー・スウィフトに続いてまたも聴いてもいない女性ボーカリストを採り上げる惰性なBLOGですが、今回はディスコの女王ドナ・サマー。
世代的には若干乗り遅れた感じなのだが、リアルタイムど真ん中であってもたぶん夢中になったりはしてなかったと思う。

ドナ・サマー、聴いてない度は3。
姉の部屋には友だちから借りたと思われるLPがあった記憶があり、おそらくは「Bad Girl(華麗なる誘惑)」「On the Radio」あたりのアルバムと思われる。 
これらを姉から借りたことはなかったが、姉がLPをかけている横で「MacArthur Park」「Hot Stuff」「Bad Girls」といったヒットシングルはなんとなく覚えてしまった。

自分でエアチェックしたのは以下の曲である。
・Heaven Knows
・On the Radio
・The Wanderer

全て柏村武昭の紹介により録音。
いずれも大ヒット曲の脇にあったような曲であり、特に気に入ったとか難しいといった感情はわかなかった。
録音した時点でドナ・サマーが大スターであることは知っていたので、テープから消したりすることもなかったが、さりとてアルバムを聴こうとする意欲もないままであった。
79年から80年にかけての曲だが、81年以降は全くエアチェックできていない。
おそらく柏村武昭もこの頃からドナ・サマーに対する興味は急速に失せていったものと思われる。

70年代にディスコの女王として君臨し、多くのミュージシャンに影響を与えた・・という経歴は雑にわかっているつもりだったが、知ってるのはそこまでで後は何も知らない。
そこであらためて彼女の足跡と功績をたどってみた。
いつもどおりネットで検索しただけですけど。

ドナ・サマーは1948年12月31日アメリカはマサチューセッツ州生まれ。
71年歌手デビューし、ミュージカル「ヘアー」のドイツ公演に出演。
この頃ヨーロッパに移住し、主にドイツやベルギーで活動。
デビュー・アルバム「Lady of the Night」は74年に本国アメリカよりも先にオランダとベルギーで発売された。(日本では未発売)
75年のアルバム「Love to Love You Baby(愛の誘惑)」が全米で大ヒット。

ここからドナは世界中のディスコ・ブームを牽引することになる。
ジョルジオ・モロダーのプロデュースによる「I Feel Love」は、当時の最先端のサウンドとしてブライアン・イーノやデビッド・ボウイやフレディ・マーキュリーなど、多くのトップミュージシャンに大きな衝撃を与えることとなった。

日本では77年から80年代前半までが最もヒットしていた時期になる。
「Once Upon a Time」「Down Deep Inside(ザ・ディープのテーマ)」「Last Dance」「MacArthur Park」「Heaven Knows」「Hot Stuff」「Bad Girls」などのヒット曲を量産し、79年と83年には来日公演も行われた。

しかしディスコブーム終焉とともに徐々にチャートをにぎわす回数も減っていき、80年代後半からはヨーロッパでのみ発売とか日本では未発表といった曲も増えていった。
要するに世界中どこでもドナの曲が売れる時代は終わったのだとレコード会社は判断したのだろう。

それでも90年代以降も比較的コンスタントにシングル曲を発表。
2000年の「Power Of One」は劇場版ポケットモンスター「幻のポケモン・ルギア爆誕」の挿入曲である。
また2005年には「I Got Your Love」という曲がアメリカの人気ドラマ「Sex and the City」の挿入歌として使用された。
生涯最後のシングル曲は2010年「To Paris With Love」。
アメリカのダンスチャートでは1位を記録したそうだ。

ということで、例によって全然知らない話ばかり。
確かに日本では90年代以降売れなくなったと思われるが、てっきり過去の人だと思っていたのは自分の勝手な思い込みであり、その後も本国やヨーロッパでは現役の歌手として活躍していたのだった。

2012年5月17日、ドナ・サマーは63歳の若さで亡くなった。
死因は肺ガンとのことだが、本人は9.11テロの時の粉塵を大量に吸い込んだことが原因であると考えていたらしい。
親族はドナが喫煙者だったと誤解されたくないという理由から「タバコは吸っていなかった」と発表。
なんだか背景にいろいろと事情はありそうな気はするが、日本のサイトやBLOGはアメリカからのニュース記事をなぞるだけで、検索しても詳しいことはよくわからなかった。
だいたいスターの死は様々な憶測やデマや妄言を呼ぶものだ。
世界はプリンスの死因をめぐって未だに騒然としているからなぁ。

なおドナの死の前後で、ドナルド・ダック・ダンとレヴォン・ヘルムも相次いで亡くなっている。
ドナルド・ダック・ダンはクラプトンのバンドにも参加した経験を持つベーシストだが、東京公演のため来日していた時に、都内のホテルで死亡したそうだ。
ドナとレヴォン・ヘルムの死亡ニュースは覚えているが、ドナルド・ダック・ダンが都内で亡くなっていたのは知らなかった。

さて。
まさに一世を風靡したドナ・サマーだが、日本でも化粧品のCMに「Hot Stuff」が使われたり、バラエティ番組などで「MacArthur Park」がBGMに流れたりすることがあるので、若い世代でも曲を聴いたことがあるという人も多いのではないだろうか。
ノリのいいディスコソングは、当時のイメージを想起させるのにぴったりだからだ。
ただ自分の好みにはあまりディスコやダンスというジャンルは合致してこない。
・・・という勝手な決めつけで聴いてこなかっただけなんですけど。

というわけで、ドナ・サマー。
今さらこのトシでディスコの女王を再履修というのも愚かな話ですが、歌唱力は文句なく素晴らしいので、後世に残る音楽として鑑賞しておくことも必要なのかなとぼんやり考えたりします。
もしかしてディスコ以外にもバラードやポップな歌もあったりするんでしょうか?
みなさまの鑑賞履歴やおすすめのアルバムをご紹介していただければと思います。

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聴いてみた 第132回 ヴァン・ヘイレン その2

今日聴いてみたのはヴァン・ヘイレンの「Tokyo Dome Live in Concert」。
2013年の東京ドーム公演のライブ盤である。
ライブ盤マイスターのモンスリー師匠からの指導を受け、聴くことにしました。

Tokyo_dome_live_in_concert_2

ヴァン・ヘイレンを記事にするのは久しぶりである。
最も好きなバンド、と言ってもいいと思っているし、聞かれればそう答えることにしている。
ただし全ての作品を制覇しているわけでもなく、何より自分はファンの中では少数派のサミー派なのである。
なおおそらくゲイリー派というのはほとんどいないような気がする。
そもそもゲイリーがいたことなんか忘れていた人も多いんじゃないだろうか。

世の中にはいろいろなバンドが存在するが、ヴァン・ヘイレンはやはりちょっと変わっている。
超絶ギタリストとそうでもないドラマーとデタラメボーカルというアバウトな組み合わせ、家族経営、カバー好き、ボーカルごとの音楽性の激しすぎる転換。
部分的には似たようなバンドも多いが、こういう要素を全部持ち合わせて30年以上やってるケースは珍しいようにも思う。

今回のライブ盤はもちろんデイヴ・リー・ロスがボーカルである。
デイヴが歌う初めての公式ライブ盤となるが、それもなんだか意外な話だ。
実はヴァン・ヘイレンのライブのブート盤CDを1枚持っている。
サミー加入直後の86年頃のものだが、ジャケットはデイヴという適当な造り。(でも内容はすんごくいい)

さて今回の「Tokyo Dome Live in Concert」、音源は2013年6月21日の東京ドーム公演だが、実はこの公演は前年の11月に予定されていた。
しかしエドワードが大腸憩室炎という病気になり、半年ほど後に延期になったそうだ。
昔からエドはあちこち体が悪くなることが多く、その都度ファンは再起不能や引退を心配したが、今回もなんとか復活してヘラヘラしながらすごいギターを鳴らすという、毎度ありがたい展開。
果たしてどんな音が聴けるのだろうか。

・・・・・聴いてみた。

曲目は以下のとおり。

[Disc one]
1. Unchained
2. Runnin' With The Devil
3. She's The Woman
4. I'm The One
5. Tattoo
6. Everybody Wants Some!!
7. Somebody Get Me A Doctor
8. China Town
9. Hear About It Later
10. (Oh) Pretty Woman
11. Me & You (Drum Solo)
12. You Really Got Me

[Disc two]
13. Dance The Night Away
14. I'll Wait
15. And The Cradle Will Rock…
16. Hot For Teacher
17. Women In Love…
18. Romeo Delight
19. Mean Street
20. Beautiful Girls
21. Ice Cream Man
22. Panama
23. Eruption (Complete Guitar Solo)
24. Ain't Talkin' `Bout Love
25. Jump

思ったより知らない曲が多い。
またわかってはいたが、やはりサミー時代の曲はない。
まあサミーが歌った曲をデイヴが歌えるはずもないし、歌ったらどうせ痛いことになるだけで、会場のファンも喜ばないだろうし、それは致し方ない。

デイヴの声については、加齢による衰えをほとんど感じない。
もともと歌がうまいという評価をあまりされないボーカリストだし、ノドに気を使ったり節制したりというイメージも全然ないんだけど、アレンジやコーラスにも頼らずこれだけの声がまだ出せるというのはやはり驚きだ。
一時期バンドを離れて芸能活動もやめて救急救命士になるといった報道もあったりしたが、いやーやめないでよかったよ、デイヴ。

ロック・ボーカリストがライブにおいて加齢や体調悪化でやむを得ずキーを下げて歌うのは珍しくもない話だが、このライブ盤を聴いてみた限り、デイヴがキーを下げて歌う場面はほとんどない。
つーかこの人の場合キーなんてあってないようなもんかもしれないけど、ラストの「Jump」などはむしろキーを勝手に上げて歌っていた。
2時間歌い続けてラストでこういうことができるというのもすごい才能だ。

で、時々デイヴは日本語で客席に向かって叫ぶのだが、「ニホンゴガヘタクソデスミマセン!」とか「ナニヲカンゲーテイタンダ?」とか「イシノウエニモサンネン!」とか、果ては「ヤキイモ!カキゴオリ!アイスクリーム!」など、どれもデタラメで適当で脱力なところがいかにもデイヴらしい。
最近まで数年間日本に住んでいたらしいけど、日本語は基本しゃべれないみたいですね。

エドのギターは全盛期に比べるとやはり多少はおとなしくなっている気はする。
それでも元々の技量レベルが超人的なので、不安になるような音は全然ないのがやはりすごいところである。
自分は楽器全般についてもド素人なので、具体的にエドのプレイの何がどうすごいのかは説明できないのだが、サウンドに限ってはやはり他のどのギタリストとも違うのだ。
「And The Cradle Will Rock...」の途中でパープルの「湖上の煙」のイントロを弾く場面があって思わず笑ってしまった。
本人に聞いてみたことはないが、エドはたぶんギタリストとしてのリッチーもペイジも好きなんだと思う。

アレックスのドラムについては、特に感想はないです。
・・・ってひどい物言いなんだけど、この人のドラミングが未だにすごいのか大したことないのかもよくわからんのですわ。
ネットでは昔から厳しい評価が多いことは知ってるけどね。
アレックスはこの時まさに還暦を迎え、そろそろ節々が痛くてリズム刻むのもしんどくなって来る頃なのではないかと思うが、今んとこネットでも「またヘタになった」といったキツいダメ出しはまだ見当たらない。
あくまで個人的な感覚でしかないが、ロックバンドのドラムにしてはどこか平坦というか、スタジオでもライブでもなんとなくぺたぺたした音がしてるような気は少しします。

さて、問題?のウルフギャング・ヴァン・ヘイレン。
昔のSF映画の悪役軍団みたいな名前だが、モーツァルトにちなんで命名されたというご存じエドワードの息子さん。
彼のプレイを聴くのは初めてである。
マイケル・アンソニーと比べてどうなのか、というとこれもよくわからない。
ただ身内とはいえこんだけの名門バンドに加入して、東京ドームで大観衆を前に父親と伯父とともに演奏するというのは、ものすごく勇気のいる話だ。
少なくとも素人の自分にも「げぇーヘッタクソ」と思わせるようなレベルでは全くなく、由緒あるバンドの名を汚すことなく誠実にプレイしている。
またこれはモンスリー師匠も指摘していたが、ウルフィーのコーラスは思ったよりもしっかりしており、これまたバンドの魅力の部分を損なうことなく歌っている。

マイケル・アンソニーが脱退(実質クビ)してウルフィーが加入した時、拍手喝采で喜んだ日本のファンてたぶんいないんじゃないかと思う。
よそのバンドで修行してきた熟練ベーシストならともかく、よりによってマイキーをクビにしてまで息子(しかも当時15歳)を加入させたエドワード。
インタビューでの発言もどこか芸能界をナメてるような感じがしたウルフィー。
こうした親子の行動言動に、どこか野村克也や落合福嗣っぽいニオイを感じたファンも少なくなかっただろう。(自分だけ?)

だが。
親父の英才教育の成果なのか本人の努力の賜物なのかわからないが、ウルフィーは今や立派にベースパートをこなしている。
会場にいた多くのファンがウルフィー加入を心から喜んだことだろう。
バンドではずっとベース担当だが、実はドラム・ギター・キーボードもできるそうです。
写真見るとこの親子は顔はあんまし似てませんね。
親父は昔からヨッチャン顔だけど、ウルフィーはタカやザキヤマをイケメンにしたような感じ。

総合すると、ヴァン・ヘイレンの優れたライブ記録であり、隅々まで聴き所の多い名盤であると思う。
昔の音源発掘ではなく、つい最近の、しかも東京公演であるという点が非常に重要。
とにかくデイヴのボーカルが全然ヘタリがなく、ウルフィーがきちんと役割をこなしていることに驚かされた。
その辺の年寄りロックバンドのライブ盤にありがちな痛い音などがほとんどなく、臨場感あふれる安心の一枚である。(ダサい評価)

しかし。
冒頭に述べたとおり、サミー派の自分としては、デイヴの歌うヴァン・ヘイレンの音楽にふれる度に、サミー時代を合わせて思い出さずにはいられない。
デイヴを否定しているわけではもちろんないのだが、サミー・ヘイガーという歌えて弾けて曲まで書けるボーカルがバンドにもたらした影響は計り知れないものがあると考える。
セールス面は当然だが、サミーの最大の功績は緊張感だと思う。
サミーの音楽家としての才能に一番緊張したのはエドワードであり、サミーに対して「気を抜くとヤツに全部持って行かれる」と11年間常に思っていたのではないだろうか。
この緊張感こそが、バンドの作品やパフォーマンスにはプラスに作用したように思うのだ。

その後のサミーを全然追っていなかったのだが、数年前からジョー・サトリアーニ、マイケル・アンソニー、チャド・スミスとともに「チキンフット」というバンドを組んでいるようだ。
またそれとは別のバンド「ザ・サークル」でも活動しており、こちらはサミーとマイキーとジェイソン・ボーナム、ヴィック・ジョンソンというメンバー。
昨年までは取材を受ける度にエドワードを非難する発言が続いていたようだが、今年に入ってサミー・ヘイガーがツィッターで「誕生日おめでとうエディ」とツィートし、エドワードがそれに「ありがとう。お前も元気だといいな」と返礼したとのこと。
話はそれだけのことだが、それがニュースになるくらい仲悪い人たちだったのだね。
お互い元気なうちに、どこかで一度でもデイヴもマイキーも含めてヴァン・ヘイレン・ファミリーとして同じステージに立ってくれたらいいなぁと思う。
演奏中に全員で殴り合いに発展する予感もしますけど。

さて今回のアルバムのジャケットは、フランスのグラフィックデザイナーであるアドルフ・ムーロン・カッサンドルという人の作品を使用しているそうだ。
巨大な船がこちらに向かって来る絵なのだが、思ったよりは地味な印象。
せっかくのライブ盤なんだし、ウルフィーも含めてのメンバー写真のほうがよかったんじゃないのか?とも思ったが・・
なおCD化にあたってはミックスをボブ・クリアマウンテンが担当。
この人はボスやホール&オーツやロキシー・ミュージックのエンジニアとしても有名であり、80年代洋楽マニアの間では名前をよく知られた人物である。

というわけで、ヴァン・ヘイレン「Tokyo Dome Live in Concert」。
これは非常に良かったです。
アホウな感想だとは思いますが、安心できる内容でした。
これを機にデイヴ時代の作品の再履修にも取り組みたいと思います。

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