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聴いてない 第209回 ロクセット

世の中にワールドクラスのヒット曲を持つミュージシャンはたくさんいるが、形態として比較的珍しいと思われるのが男女デュオである。
そのデュオでも最も成功した人たちがロクセットだ。
断言してますが、ほかにあんまし男女デュオって思い浮かばないんですけど・・・
ソニー&シェールとかアイク&ティナ・ターナーとか言ってはみるものの、全く聴いてないし。
ムリヤリひり出してみても、出てくるのはチェリッシュとかつなき&みどりとかヒロシ&キーボーとか南海キャンディーズ・・・

そんなスウェーデンの南海キャンディーズことロクセット。
全然聴いてません。
言い訳が固定化しているけど、この人たちも80年代末の登場なので、もう5年早ければ事態は違っていたはずである。

聴いたことがあるのは以下の3曲。
・The Look
・Listen To Your Heart
・Joyride

FMでエアチェックした曲はなく、「Listen To Your Heart」はMTVで、「The Look」「Joyride」は何かのオムニバスライブ盤に入っていたのを聴いている。
アルバムは1枚も聴いてないので、聴いてない度は3。
しかもある事情から、自分はわりと最近まで彼らをオーストラリアのグループだと勘違いしていたのだ。
正しくはもちろんスウェーデン出身である。
ある事情については、後ほど説明しよう。

勘違い是正のため、ロクセットの経歴を正しく学習。
1958年生まれのマリー・フレデリクソン(女)と、59年生まれのペール・ゲッスル(男)による男女デュオグループ。
出会いは70年代後半だがロクセット結成は86年頃らしい。
主にペールがギターを担当し、二人で(またはマリーが一人で)が歌うスタイル。
シングル「Neverending Love」をスウェーデンで発表し、アルバムとともに本国では大ヒット。
セカンド・アルバム「Look Sharp!」もヒットしたが、あくまでスウェーデン国内での話だった。

しかしここからドラマチックな展開を見せる。
当時たまたまスウェーデンに留学していたアメリカの学生が、現地でヒット中のロクセットの「The Look」を気に入って、アメリカに帰国した後でスウェーデンの友人に頼んでテープを取り寄せ、さらにそれを地元デトロイトのFMラジオ局に持ち込んだ。
そのラジオ局ではまだアメリカ未発表だった「The Look」を繰り返し流し、すぐにリクエストも殺到。
この騒動から曲とロクセットの人気はまたたく間に全米に広がり、とうとうNo.1を獲得した。
インターネットもまだ普及してない時代に、アメリカ未発売曲がデトロイトで火がついて全米に広がるという話自体がホンマかいなという気もするが、ロクセットを語るサイトにはだいたい書いてあるので、そういうことなんだろう。

90年には「It Must have Been Love」が大ヒットし、映画「プリティー・ウーマン」のサウンド・トラックにも収録された。
91年にアルバム「Joyride」を発表。
同名シングルは全米1位となり、アルバムは初めて1,000万枚を超えるセールスを記録した。

自分が聴いたのはこのあたりまでだったが、その後も彼らはコンスタントに作品発表を続け、チャートに曲を送り込んでいる。
しかしその後2002年にマリーが脳腫瘍になり、活動は一時停止する。
闘病を続けたマリーは2009年にペールのソロツアーに参加するまでに回復。
ようやくロクセットとして再スタートし、2011年に10年ぶりとなる新作「Charm School」をリリースした。
今年に入り、「The Look」をリメイクしデジタル配信。
ロシアなど各国でのライブも行っているそうだ。

冒頭で述べたとおり自分はロクセットを全然聴いていないのだが、「The Look」に関しては思い出がひとつある。
90年にオーストラリア・ニュージーランドを新婚旅行で訪れたのだが、食事の付いている日は思った以上に格調高いディナーがほとんどだった。
日々繰り返される西洋のフルコースにいささかくたびれていたので、食事の付かないある晩、シドニーでラーメン屋に入ることにした。

南半球に行ってまでラーメンなんか食ってんじゃねえよサルというお叱りはあろうが、さすがに英連邦の正調ディナーは飽きていたのだ。
だってニュージーランドのホテルでのディナーなんか終わるまで3時間もかかったんだよ。
そんな子供みたいな理由から、シドニーのダウンタウンにあるラーメンでさっさと夕飯を済ませることにした。
店に入ると中はけっこう広かったが、造りは完全に日本のラーメン屋で、数人いた店員も客も半分は日本人だった。

ふつうに日本語でラーメンを注文し、出てきたラーメンに「ああ日本っていいな」などと感動しながら食っていたら、BGMで流れてきたのが「The Look」であった。
ノリのいい曲なので店員も曲に合わせて鼻歌を歌ったり体を揺らしたりしていたが、サビのところで「ラーララララーラ!」と日豪店員全員が大合唱。
こちらはちょっとびっくり。
ラーメンを食う手が思わず止まってしまったが、隣の妻は事態に全く動じることなく食い続けていた。
曲がロクセットの「The Look」であることはわかっていたので、「へぇーシドニーでもこの曲は人気なんだな」と思ったのだった。
店の名や場所はもう忘れてしまったが、このラーメン屋での大合唱だけは鮮明に記憶に残っている。
ここからどうやら自分のアタマの中でロクセットとオーストラリアがセットになってしまい、以来勘違いし続けていた、という話。

もっとどうでもいい情報がひとつ。
かつて大相撲で若貴が人気だった頃、若乃花が雑誌で「洋楽をよく聴いている」と答えていた記事を読んだことがある。
お兄ちゃんは「好きなのはロクセット、ハートかな」と答えていた。
言われてみればマリーとアン・ウィルソンは声や歌い方が似ているような気もする。
だからと言って自分もお兄ちゃんを見習ってロクセットを聴くようなこともなかったのだが・・・
ちなみに貴乃花が当時何を聴いていたのかは知らない。
その後一家まるごと骨肉の争いに発展しようとは・・・
ロクセットとは何の関係もないですけど。

というわけで、ロクセット。
ネタがなくて若貴までひっぱり出してしまいましたが、結局全然聴いてないことに変わりはありません。
聴くとしたらまずは「Look Sharp!」からだとは思いますが、みなさまの鑑賞履歴はいかがでしょうか?

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コメント

こんばんは、JTです。

ロクセット、全く聴いたことありません。ちなみに「ろくせっと」と入力したら最初に「六セット」が変換されました。

>ネタがなくて若貴までひっぱり出してしまいましたが、

オーストラリアのラーメン屋の話、面白かったです。奥様は曲自体もご存じでないから、無反応だったのでしょうか。

若はそんな発言してましたか。あの兄弟、子供の頃から実は仲悪かったんじゃないかなぁ(テキトーです)。

今年も楽しいブログ、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

よいお年を!!(* ̄0 ̄)ノ

投稿: JT | 2015.12.30 21:06

JTさん、コメントありがとうございます。

>ロクセット、全く聴いたことありません。

ええ~?そうだったんですか?
まあ確かに日本で流行ったのは80年代末からの数年間だとは思いますが、少し意外ですね。

>奥様は曲自体もご存じでないから、無反応だったのでしょうか。

曲自体知らない上に腹が減っていたんだと思います・・
大合唱の後店員は再びそれぞれの仕事を続けてましたので、何が起きたのかわからなかった客もいたと思います。

>あの兄弟、子供の頃から実は仲悪かったんじゃないかなぁ(テキトーです)。

いやーそうですよねぇ(知ったかぶり)
現役の頃は理想の兄弟・理想の家庭などともてはやされてましたけど・・
お兄ちゃんがロクセットを聴いていたことを覚えてる人もそんなにいないような気はしますが。

今年もこんな低レベルBLOGにコメントいただきありがとうございました。
JTさんもよいお年を。

投稿: SYUNJI | 2015.12.31 17:22

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