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聴いてみた 第128回 ウィンガー

ロスジェネ中高年メタル学習シリーズ、本日の必修科目はウィンガー。
実は全く聴いたことがなく、1曲も知らずメンバーの誰も知らないという知識ゼロ状態でいきなりCDを(中古だけど)買ってみた。

知っているのはバンド名とデビューアルバムのジャケットだけ。(貧弱)
聴く前にバンドについてオブラートのように薄く調査。
ウィンガーは80年代末期にニューヨークで結成されたメタルバンド。
元アリス・クーパー・バンドのキップ・ウィンガーとポール・テイラーを中心に、レブ・ビーチとロッド・モーゲンスタインを加えた4人体制でスタート。
なるほど・・と腕組みのひとつもしたいところだが、アリス・クーパーも名前しか知らないのでああそうですかという藤本義一的反応しかできない。
バンド名は初めは「サハラ」になる予定だったが、すでにサハラという別のバンドが存在したため、ウィンガーを名乗ることとなった。

バンド名のついたデビューアルバムは88年発表。
アメリカのビルボードでは21位、200万枚を超えるセールスを記録し、プラチナ・ディスクに認定された。
続く二作目の「In the Heart of the Young」は全米15位とさらに大売れ。
ところが93年ポール・テイラーが脱退。
騒動と混乱の中で発表された「Pull」は83位止まりでウィンガーは失速する。
ちょうどこの時期はグランジ台頭の真っ只中であり、メタルが軒並みグランジによって粉砕された頃だが、ウィンガーもこの波に飲み込まれた形となったようだ。
バンドは解散し、ギターのレブ・ビーチはその後ドッケンホワイトスネイクといった名店を渡り歩くことになる。
ちなみにレブは、エドワード・ヴァン・ヘイレンやスティーブ・ルカサーなど多くの名ギタリストを輩出したバークリー音楽学校の出身だそうだ。

2006年にメンバーを5人にして再結成。
2014年には4人でアルバムも発表し、現在も活動中とのこと。

ウィンガーを全然聴いていなかったのは、デビューが88年という点が大きな理由。
エアチェックをしなくなり、新しい音楽をあまり仕入れなくなった時期と重なる。
なのでもう3年ほどデビューが早ければ、少しは聴いていた可能性が高い。
そんな言い訳に何の意味もないが、後ろめたさ払拭のため取り急ぎデビューアルバムを聴くことにした。

Winger_2

・・・・・聴いてみた。

1. Madalaine
2. Hungry
3. Seventeen
4. Without the Night
5. Purple Haze
6. State of Emergency
7. Time to Surrender
8. Poison Angel
9. Hangin On
10. Headed for a Heartbreak
11. Higher and Higher

基本的には重低音なベースラインにメロディアスなギターを乗せたポップなサウンドである。
メタルなのでみんな楽しくワイワイやろうぜ的な曲はなく、どちらかというと辛口のヤケクソなメロディが続く。
でも「Without the Night」「State of Emergency」「Headed for a Heartbreak」なんてすごくアメリカン・ポップな音だし、サバイバーとかナイト・レンジャーがやりそうな曲だよなぁ。
ハードロック・バンドが好んで差し込みたがるようなうっとりバラードは、このアルバムにはない。
「Purple Haze」はジミヘンのカバーだが、メンバーや関係者はあんまし評価していないそうだ。

感覚的には「80年代産業ロックの香りを残すメタル」。
「デイヴのボーカルを上品にしたヴァン・ヘイレン
「メタル寄りにチューニングしたボン・ジョビ
「ワイルドにアレンジしたナイト・レンジャー」
「やや角の丸いデフ・レパード
・・・みたいな表現でわかっていただけるだろうか。
ここに挙げたどのバンドにも似ており、どのバンドとも違う。(当然か)
トータルで言うとデフ・レパードに一番近い気がする。

キップ・ウィンガーのボーカルも意外にまともで、どの曲もそつなく歌いこなしている。
厚めのコーラスを当てている曲も多く、ここはボン・ジョビやデフ・レパードと同じ手法。
逆さに言うとキップの声は全体を牽引するほど尖っておらず、ハードロックバンドのボーカルとしてはやや弱いように思う。
ケヴィン・ダブロウやサミー・ヘイガーややっさんのように、「一度聴いたら忘れない」ような人間離れしてる声とは違うのだ。
じっくりとソロで歌い上げるという曲はなく、どの曲でもわりと投げっぱなしな粗野な歌い方だ。

レブ・ビーチのギターもかなりテクニカルで、ところどころエドワード・ヴァン・ヘイレンみたいな音がする。
ただしヴァン・ヘイレンほどクスリっぽくもなく、あそこまでハジけたサウンドではない。
メタルにしてはどのパートも実直誠実な音であり、自分みたいな素人には聴きやすいことは確かだ。
こういう音楽はコアなメタルファンからの評価がどうなのか、気になるところではある。

ウィンガーがデビューからいきなり鋭いセールスを記録した理由は、メンバー全員の卓越した技量にあったという分析が定説のようだが、聴いてみてわかるような気はする。
職人さんの作るメタルサウンドという感じなので、粗暴で野蛮なニオイはあまりしない。
もしかしてメンバーのみなさんもすごくマジメで、ホテルの壁に日本刀で穴開けたり窓から女を投げたり頭に入れ墨して側転したりするヤツはいないのではないだろうか?

ジャケットは無機質な人面に光(稲妻?)が刺さっている絵だが、これはなぜかよく覚えている。
メタルバンドのアルバムジャケットにしては全然恐ろしくない、SFチックなアートである。
こういう絵は嫌いではない。
確かまだLPが店に置いてあって、バンド名もこのジャケットで覚えたのだが、メタルのコーナーにあったので聴く意欲は全くなかった。
バンド名のロゴの形はデフ・レパードに似ているけど、問題はなかったのだろうか?

というわけで、ウィンガー。
好みに程よく合致しましたとは言いがたいけど、悪くなかったです。
二作目はさらに売れたアルバムらしいので、次に聴くとしたらその「In the Heart of the Young」になると思います。

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