やってない 第33回 漫画喫茶を使う
映画も芝居も観ないあたしですが、意外(でもないけど)にも漫画喫茶を利用したことがありません。
室内で漫画を読んで過ごすというインドア趣味の極致のようなレジャー施設だと思うが、一度も入ったことがない。
この略歴自体が世間ではどう判定されるものなのか、全く見当もつきませんが・・・
とりあえず子供だけで入場できる場所でもないだろうし、自分が子供の頃はこんなものは世の中にはなかったので、いちおうオトナ向け施設ということになるんだろうか。
そういえば子供の頃は「貸本屋」という商売がまだあったなぁ。
漫画喫茶は読んで字のごとく料金を払えば自由に漫画が読める喫茶店・・という定義でいいと思うが、ネットカフェや複合カフェなどともオーバーラップしていて、法的な境界はあまり明確ではなさそうである。
利用していない理由にこれまた強固なものは何もない。
まあ最近漫画を全然読まなくなったということはあるが、遠ざけたとか断ち切ったという意識はない。
もう少し年齢が若かったらふつうに利用していたように思う。
純粋に漫画を鑑賞する場としてのサービス業と認識して利用すればいいのだが、どうもそうではないダークな話題もつきまとう、気の毒な部分がある。
都内の駅周辺に、終夜営業の店が増え始めてからいろいろな話が聞かれるようになった。
最初に聞いたのは「漫画喫茶に住んでいる人がいる」という話。
当初は笑い話のように聞いていたのだが、その後もっと深刻な事態であることも判明。
要するに仕事も家もない人が、カプセルホテルよりも安くファストフード店よりも長時間過ごしやすい、という理由で一時避難所として利用している、ということである。
この実態が「難民」などという言葉でマスコミに採り上げられるようになった。
漫画喫茶を利用したこともない自分でも、このあたりの経過は比較的よく覚えている。
実は「日本複合カフェ協会」という業界団体を取材したことがあるのだ。
上記のような負の部分を取材したわけではなく、協会加盟の店舗展開の実態などを正面から取材しただけである。
取材当時も協会側では業界各社各店の健全な経営に取り組んでおり、マスコミによる「難民」という表現での報道には強い不満を抱いていた。
(自分が取材した後で協会側は「難民」と表現するセンセーショナルな報道に対する抗議声明を発表した。)
なので実態を自ら検証する意味でも、自腹で漫画喫茶に入ってみたほうが良かったはずなのだが、取材直後に仕事内容が変わってしまい、業界団体との接触もなくなってしまったのだった。
また取材の過程で知ったのだが、この業態発展には紳士服販売チェーンが大きく関与している。
理由はよくわからないが、AOKI・コナカなどの紳士服販売チェーン企業の関連会社がネットカフェ事業を手がけているのだ。
郊外の紳士服販売店が閉店した後に、複合カフェ店としてオープンすることがあるのは、こういう事情によるものらしい。
本業?の漫画だが、そもそもひとつの店舗にはどれくらい蔵書があるんだろう?
・・と思ったら、ネットで蔵書を検索できる店もあるんですね。
店内に在庫がない場合、ネット上でリクエストできるサービスまであるようだ。
少し見てみたが、「うる星やつら」「銀河鉄道999」などといったかなり古い作品までそろえている店もある。
このトシで漫画喫茶に通って全巻読破という行為自体をどう評価するかは議論の余地があるが(知らねえよ)、やはり「この漫画が読みたい」と思ったら検索して在庫を確かめて晴れて入店、というのが正しい道のりだと思われる。
大手の複合カフェチェーンのサイトを見ると、非常に清潔で高級感漂う店内風景、バラエティに富んだ設備などがきらびやかに紹介されている。
まあ店のレベルは様々であろうし、客層も地域や店舗によって大幅に変わってくるのだろう。
一度利用してみて楽しければ、その後も抵抗なく通うようになるんじゃないだろうか。
仕事や災害などで帰宅困難となった際に漫画喫茶を利用する、というシーンは今後あり得るとは思う。
ただ個人的にはこうした非常事態の際には「寝る」ことを最優先で考えると思うので、自分の場合はカプセルホテルから選択することになりそうだ。
というわけで、漫画喫茶。
これも利用の頻度には著しい個人差があるとは思いますが、みなさまはどれくらい利用されてますか?
最新のサービス事情や驚きのエピソードなど、いろいろ教えていただけたらと思います。
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