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聴いてない 第202回 ブルース・スプリングスティーン(70年代)

徐々にシリーズ化しつつある「70年代聴いてない」パターンだが、今回も超大物を惜しげもなくさらす開き直り企画。
我らがボス、ブルース・スプリングスティーンである。

今さら紹介など不要なスターなので、いきなり本題。
聴いたアルバムは以下のとおり。
・Born in the U.S.A.(1984)
・Human Touch(1992)
・The Ghost of Tom Joad(1995) 
・Greatest Hits(1995)

ご覧のとおりボスに関しても全然マジメなリスナーではない。
CDを持っているのはベスト盤だけで、後は全てレンタルである。
「70年代」と書いたが、厳密にはデビュー以降82年の「Nebraska」までは全く聴いていない。

初めて聴いた曲は80年の「Hungry Heart」である。
でかい顔ジャケだったアルバム「The River」は、貸しレコード屋にあったことは覚えているが、2枚組で高かったので借りなかった。(貧乏人)
シングル「The River」を聴いたのはずっと後のことだ。

続いて82年に「Nebraska」「Atlantic City」をエアチェック。
ここまでの3曲は特に悪くはないけど、アルバムに手を出すほどの意欲はわかなかった。

しかし84年に柏村武昭の案内で「Born In The U.S.A.」「Dancing In The Dark」を録音したあたりで様子が変わってくる。
アルバム「Born In The U.S.A.」は鬼のように売れ、シングルカットされた曲はどれもたやすくエアチェックできた。
当時の自分はパーソンズやピンクハウスなどに身を包む偏差値の低い極東の大学生だったが、さすがにボスがスーパースターであることに気づき、あわててアルバム「Born In The U.S.A.」を借りに行った。
このアルバムにある「Glory Days」は、今でも一番好きな曲である。
また「No Surrender」「Bobby Jean」「I'm Goin' Down」「My Hometown」などB面は名曲揃いだ。 

87年の「Tunnel Of Love」は結局聴かなかったが、この頃まではFMでもよくボスのヒット曲特番をやっていて、ベスト盤が作れそうなくらいの曲を録音することができた。
またたぶん東京公演だと思うが、ライブの特番も録音したテープが1本残っている。

結局80年代は「Born In The U.S.A.」とエアチェックでだいたい満足してしまい、過去の名盤をさかのぼるような模範的な行動には移らなかった。
こんな不良リスナーだったが、なぜか90年代にもアルバムをいくつか聴いている。
92年、アルバム「Human Touch」「Lucky Town」の2枚が同時に発表されたが、「Human Touch」だけを借りた。
理由はあまりよく覚えていないが、たまたま店に在庫があったのが「Human Touch」だったから、くらいの話だと思う。
タイトル曲と「With Every Wish」は好きだが、他の曲はもうほとんど覚えていない。
さらに95年の「The Ghost Of Tom Joad」も聴いたが、これも印象に残った曲はない。

自分の鑑賞履歴は以上である。
ベスト盤CDを買ったのは10年くらい前のことだ。

他にもこういう事例はたくさんあるのだが、結局自分はボスの魅力がなんなのかあまりよくわかっていないままなのだ。
流行っていたから聴いていたという主体性のないいつものパターンである。

歌うボスはかっこいいとは思うが、曲単位ではわりと好みははっきりしている。
パワフルなロックよりは明るい曲や美しいバラードのほうが好きだし、暗く重いブルースや地味なフォークソングは苦手だ。

「Born In The U.S.A.」は鬼のように流行っていたのでよく聴いてはいたけど、自分はU.S.A.で生まれてないので、ボスが本当に何を言いたいのか実はよく理解できていない。
本国でも「Born In The U.S.A.」はタカ派のテーマソングという印象のようだが、ボス自身は民主党支持者であり、この曲が愛国歌のように扱われることに困惑もしていたらしい。
「オレはアメリカ生まれだ」を連呼する歌だが、それを肯定的にではなく「仕方がないだろ」というような苦悩に満ちた叫びである、ということだろうか。
後から他の曲を聴いてみて少しわかったのは、この大ヒット曲はどうやら「ちょっと変わっている」ということだった。

当時日本でも、この曲を聴いてこぶしを突き上げることがファッションとしてイケてることだと信じられていたと思う。
我が家は米軍施設のすぐ近くなので、休日には米兵がムダにでかい音で「Born In The U.S.A.」をカーステレオで鳴らして走っていたし、それをマネして自分も夜中に友人たちと大音量で「Born In The U.S.A.」をかけて歌いながら環八通りを中古車で走る、なんてことを結構誠実にやっていたのだった。

スタジオよりもライブを重視し、プライベートは非公開でインタビューにもあまり応じないボス。
見た目も歌い方もパワフルなので「強いアメリカ」の象徴のように扱われることが多いと思うが、きっと本人は我々が考えるよりもずっと繊細で不器用な人なのかもしれない。

さて聴いてない82年までのアルバムは以下となる。
・Greetings From Asbury Park, N.J.(アズベリー・パークからの挨拶)
・The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle(青春の叫び)
・Born to Run(明日なき暴走)
・Darkness on the Edge of Town(闇に吠える街)
・The River
・Nebraska

邦題がいい感じで付いてるのが70年代っぽいが、曲目を見て興味がわくのは「明日なき暴走」かな?
アルバムの雰囲気はそれぞれ異なるとは思いますが、みなさまにとっての「これぞボス」がどれなのか、教えていただけたらと思います。

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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
私のブルース体験はMTVの影響ですね、やっぱりBorn In The U.S.Aです。。。
かといって人にお勧めするほど聴いてきたわけではないです・・・(汗)

「Nebraska」を愛聴していますが、ブルースに関しては
これ一枚で分かった気になっている「にわか」ファンですね。どうも自分の感性には合わなかったのかなぁ~。
同じアメリカンなミュージシャンとしてはどっちかっていうとビリージョエルにはしった世代です(笑)

ネットのレビューを見ると「Nebraska」はかなり重たいテーマの作品みたいですけど。。。

投稿: ボレロ | 2015.03.21 23:30

ボレロさん、コメントありがとうございます。

>私のブルース体験はMTVの影響ですね、やっぱりBorn In The U.S.Aです。。。

やはりそうでしたか。
確かにMTVでもよく流れてましたね。
そういえば当時他にも「U.S.A.」「America」という言葉が付いた曲が多かったことを思い出しました。

>「Nebraska」を愛聴していますが、ブルースに関してはこれ一枚で分かった気になっている「にわか」ファンですね。

このアルバムは全曲アコースティックの弾き語りだそうですが、自分にとってはハードルが高そうな気がしています。
「Nebraska」「Atlantic City」「Johnny 99」は聴いたことがありますが、アルバム全体があの感じだとちょっとどうかな・・という印象ですが・・

>同じアメリカンなミュージシャンとしてはどっちかっていうとビリージョエルにはしった世代です(笑)

あ、自分も同じですね。
ボスとビリー・ジョエルを比較してよいのかわかりませんけど、ビリーについてはいちおうスタジオ盤は全て聴いている、自分としては稀なケースです。

投稿: SYUNJI | 2015.03.22 09:56

ボスの曲は本当にアメリカ人向けですからアメリカの生活、情勢、価値観などのバックボーンをしっかり勉強しないと歌詞についてはよくわからないでしょうね
市井の人の行き場のない怒りや悲しみが大体のテーマです

70年代ならBorn to Runですね
しかし聞きやすさなら21世紀のMagicとWrecking Ballが数段上です
Nebraskaは鬱ここに極まれりといった感じでアコギの弾き語り的なアルバムでは1番好きです

投稿: akakad | 2015.03.22 16:51

akakadさん、コメントありがとうございます。

>市井の人の行き場のない怒りや悲しみが大体のテーマです

そのようですね。
訳詞を読んだだけではよくわからない曲も多いです。
「Born In The U.S.A.」は特にサウンドが強烈なので、イメージが音に引っ張られている部分が大きいのではないかと思います。

>70年代ならBorn to Runですね

やはりそうですか。
「Thunder Road」は結構好きなので、次に聴くとしたらこのアルバムにしようと思います。

>Nebraskaは鬱ここに極まれりといった感じでアコギの弾き語り的なアルバムでは1番好きです

うーん・・やっぱりそうですか・・
その鬱極まる雰囲気に最後まで耐えられる自信がないんですが・・
まずは「明日なき暴走」から勉強してみます・・

投稿: SYUNJI | 2015.03.22 20:55

SYUNJIさん、こんばんは。
早速ですが、「リバー」までの作品はどれもすばらしいです。
次の順番でお聴きになることをおすすめします。
「明日なき暴走」→「闇に吠える街」→「リバー」→「青春の叫び」

特に「暴走」は50年に一度出るかでないかの傑作です。ライブだけではない、
スプリングスティーンのスタジオワークにおける職人ぶりもしっかりと味わって
いただけると思います。この点だけを見ると、スプリングスティーンは
ストーンズやジミー・ペイジに近いものを感じます。
「闇」における苦悩と希望の表現力、「リバー」でみせる
ロック小僧たる面白躍如もたまりません。「青春」には今でもライブの
定番になる曲が収録されています。

また上記に挙げた4枚は、アメリカ人の青春~いくつになっても青春~
国境や人種、性別を越えても普遍的に存在する青春と悩みと苦しみ~
がひしひしと伝わって来ます。これがあるからこそ、老若男女等しく今でも
スプリングスティーンが人気がある秘密だと思います。

ほかの方もおっしゃっているとおり、2000年以降のロック系アルバムも
おすすめですが、まずはぜひ、上記4枚、「明日なき暴走」から
聞いていただければと思います。

投稿: モンスリー | 2015.03.23 21:05

モンスリー師匠、お待ちしておりました。

>特に「暴走」は50年に一度出るかでないかの傑作です。

いやー絶賛ですね。
やはりそうですか・・そんな名盤をこの歳まで聴いてなかったんですね・・(今さら)

>この点だけを見ると、スプリングスティーンはストーンズやジミー・ペイジに近いものを感じます。

うーんそうですか。
あまりボスにスタジオワークの職人というイメージもなかったですが・・やはり自分は全然わかってなかったんですね。

>ほかの方もおっしゃっているとおり、2000年以降のロック系アルバムもおすすめですが

あ、2000年以降のアルバムはロック系なんですね。
もしかすると自分にはそっちが合うのかもしれんなあ・・
いずれにしても「明日なき暴走」から聴いてみます。

投稿: SYUNJI | 2015.03.23 21:57

初めて買ったCDが、ブルース・スプリングスティーンの『ザ・リバー』だった、かまぼこRockです。(それも1990年かな?)

柏村武昭さんの案内で様子が変わり、ブルースが、日本に?

そうなんですね、1984年頃から、ブルースは、絶頂期を迎え、日本にたびたび来日しました。(私も、2回ほど、コンサートに行きましたが・・・)

さてさて、ブルースに恋い焦がれて、アメリカに行った人もいますが・・・

そこまで、毎日、聴くのはと?思いつつ・・・

お薦めは、『闇夜に吠える街』

冒頭の<バッド・ランド>は最高の曲ですよ!

投稿: かまぼこRock | 2015.03.25 21:16

かまぼこRockさん、コメントありがとうございます。

>初めて買ったCDが、ブルース・スプリングスティーンの『ザ・リバー』だった

おっと、そうだったんですね。

>柏村武昭さんの案内で様子が変わり、ブルースが、日本に?

いや、柏村武昭の政治力でボスが来日したわけではないと思いますが・・(何言ってんだか)
いずれにしても自分にボスを最初に教えてくれたのは柏村武昭でした。

>お薦めは、『闇夜に吠える街』
>冒頭の<バッド・ランド>は最高の曲ですよ!

なるほど。
「Badlands」だけ聴いてますが、確かに名曲ですね。
このアルバムも聴いてみようと思います。

投稿: SYUNJI | 2015.03.25 22:35

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