行ってきた アラン・トゥーサン 日本公演
リズム&ブルースに日々身をゆだねる初老のSYUNJIといいます。
先日行われたアラン・トゥーサンの日本公演に行って参りました。
すっかりおなじみになった日本での公演ですが、ニューオーリンズの風を充分に感じさせる贅沢な一夜となりました。
やはり本物はいつ聴いてもいいものですね。
今日のところは以上です。
スタジオにお返しします。
・・・・・すいません、これ以上間が持ちません。
「なんでオマエみたいなド素人がアラン・トゥーサンなんか見に行ってるんだよ?」という素朴な憤りがあちこちで噴出してる音がしますが、ご指摘のとおり。
いえ、見に行ったことは事実ですけど、知り合いに誘われてついて行っただけで、そもそも誘われるまでアラン・トゥーサンの名前も全然知りませんでした・・
知り合いから誘われたのは公演の5日前くらいだが、もちろん名前も曲も全然知らないし、ジャズやR&Bのミュージシャンだと聞いたのでどうしたもんかと思って、少しネットで調べてみた。
するとジャンルを超えて幅広く活躍してきた人で、こんな極東の初心者でもアランが作った曲や参加した曲をいくつか聴いていたことが発覚したのだった。
まあだからと言って自分が聴いていた他人の曲をライブでやってくれる可能性もほとんどないとは思ったが、なんとなく興味がわいたので行ってみることにした。
古くからのファンにとってはあまりにも失礼な動機かもしれませんが・・
まずは簡単な略歴を駅前のスピード写真みたいにあわてて調査。
アラン・トゥーサンはニューオーリンズ出身のミュージシャンで、今年77歳。
ピアニストであり歌手でありプロデュースもこなすアメリカ音楽界の重鎮である。
主に60年代から70年代にかけて幅広く活動し、自身の最高傑作とされるアルバム「Southern Nights」は75年の作品。
ロックの分野にも多くの曲を提供しており、ストーンズもカバーした「Fortune Teller」、ヤードバーズの「A Certain Girl」、リトル・フィートの「On Your Way Down」、アイアン・バタフライの「Get Out My Life Woman」などはアランの作である。
またロックやポップスのミュージシャンとの競演も多い。
ポール・マッカートニー&ウィングスの「Rock Show」でエンディングに流れるピアノを弾いているのもアラン・トゥーサンで、録音はニューオーリンズにあるアラン所有のスタジオで行われた。
78年のアルバム「Motion」にはラリー・カールトンやジェフ・ポーカロが参加。
2005年のハリケーン復興支援プロジェクトではエルビス・コステロと競演を果たす。
2011年、シンディ・ローパーのアルバム「Memphis Blues」に参加。
昨年発売されたポール・マッカートニーのトリビュート・アルバム「The Art of McCartney」には、アラン・トゥーサンが歌う「Lady Madonna」が収録されている。
2014年には「NATIONAL MEDAL OF ARTS」を受章し、ニューオーリンズの大学の名誉学位も授与された。
とにかくいろいろすごい人なのだ。(雑)
ここ数年は毎年のように来日してライブを行っているそうだ。
いやー全然知らなかった・・・
ということで会場のビルボード東京に参上。
この日は完全入れ替え制で2ステージあり、自分は19時開始の第1ステージを鑑賞した。
ここの座席構成は大まかに言うとステージ前(3F)と上階席(4・5F)に分かれており、料理や酒を楽しみながら歌や演奏を聴くというオトナの施設である。
そろいのハッピにハチマキでウチワを振ったりペンライトをスイングさせたりといった連中はいない。
知り合いと自分はステージ前の奥に着席。
始まる前のステージは背景が東京の夜景ですんごくいい感じ。
(演奏中はカーテンが閉まって夜景は見えませんけど)
3Fについては、客の入りはほぼ満席。
さすがに年齢層は高く、昔ジャズ喫茶でユラユラグルグル揺れていました風なおっさん(失礼)が多い感じ。
自分みたいな昔からジャズ全く聴いてませんでした風なおっさんはいたのだろうか。
バックを務めるローランド・ゲリン(B)、ハーマン・ルボー・ジュニア(D)、レナード・ポッシェ(G)の3人が先に登場し、ギターのレナードが「アラン・トゥーサン!!」と叫ぶとソデからスパンコール付きのハデなスーツに身を包んだアラン登場。
客との距離がむちゃくちゃ近い。
すぐそこに重鎮アラン・トゥーサンがいる。
バレーボールを投げたら絶対アランはレシーブしてくれる距離。(意味不明)
アランがピアノの前に座ると同時に軽快なリズムで演奏と歌が始まった。
MCは全くなく、次々と演奏する4人。
残念ながらやはり知っている曲はなく、時々アランが即興で繰り出すメロディに一部聞き覚えがある程度だったが、比較的明るい曲が多かった。
アランの歌声は見た目ほど太くも低くもなく、思ったより普通の声だった。
ピアノを弾かず歌だけという曲はなく、やはりピアノ演奏で聴かせるミュージシャンのようだ。
当然アランがメインで進行するが、ギターソロなどそれぞれパートにも見せ場があり、特にレナード・ポッシェはリコーダーを2本同時に吹いたりフルートを披露したりの活躍ぶり。
終盤にはアランが紙袋からネックレスや造花やフリスビーみたいな円盤を取り出して客席に投げるというコーナーもあった。
この催しはアランのステージでは定番っぽいようで、この時が一番盛り上がっていた。
アランだけが一度退場し、メンバーが演奏でつなぎ、アンコールで再びステージに登場。
ブルースのような曲を最後に、1時間ほどでライブは終了。
最前列の客から次々と握手や抱擁や花束贈呈までされながら拍手に包まれてアラン退場。
誘われるまで全く知らなかったので、そもそもこうして語る資格もない話ではありますけど、アラン・トゥーサン、見に行けて良かったです。
機会があればアルバムも聴いてみようかと思います。
また自分の貧弱な洋楽コレクションの中に、いくつかアラン・トゥーサンの作品や参加してる曲があるようですので、そこから少しずつ復習もしていこうかと考えております。
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