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聴いてない 第196回 ストライパー

流浪のメタルシリーズ、今回は満を持しての登場、ストライパー。
みなさんはご存じでしょうか?

ネットでストライパーを調べると必ず出てくるのが「クリスチャン・メタル」という表現。
こういうジャンルがアメリカでは確立されているのかよく知らないのだが、やってる音楽はメタルなんだけどメンバーは敬虔なキリスト教徒で歌詞も神様を讃える内容という、極東の三流リスナーな自分にとっては異色のバンドという印象である。

日本でもヒット実績はあるようで、こんな自分でも1曲だけ聴いている。
88年頃の「Always There For You」というMTVで拾った曲なんだが、もうクリスチャン・メタルというイメージ全開のショートケーキにアラザンと角砂糖をトッピングして練乳かけたようなクソキラキラなサウンドで、実はわりと好きである。
しかし他の曲やアルバムを聴くまでには至らず、聴いてない度は2。

バンドのことはクリスチャンなメタルという薄皮な部分しか知らないので、彼らの歴史をおごそかに学習。

ストライパーは兄ロバート・弟マイケルのスウィート兄弟と、オズ・フォックスを中心にカリフォルニアにて結成され、ティモシー・ゲインズを加えてストライパーとして84年にデビュー。
バンド名は、聖書のイザヤ書53章5の文中の「stripe」という単語に由来。
stripeは「傷」と訳されるようです。
なお基本コスチュームは黄色と黒のストライプというリゲインなスタイルで、日本のファンからは工事中とか阪神とか言われているらしい。
なおスウィート兄弟のパートは、兄がドラムで弟がギターというヴァン・ヘイレンと同じ組み合わせ。

85年のアルバム「Soldiers Under Command」が50万枚以上の売上げを記録する。
さらに86年のアルバム「To Hell With The Devil」がプラチナムディスクを獲得した。
この時点でクリスチャン・メタルバンドとしての地位を確立したと言われる。
欧米だと教会で歌うミュージシャンは結構いるとは思うが、ロックやメタルというジャンルで信徒から支持されるというのはやはり珍しいケースではないだろうか。そうでもないのかな?

クリスチャンだけどメタルなのでやはりメンバーチェンジはあるようで、86年くらいでティモシーは脱退。
ただレコーディングには参加しないけどツアーにはついてくるという、ややゆるい離脱だったらしい。
88年には4枚目のアルバム「In God We Trust」 を発表。
このアルバムに自分が聴いた大ヒット曲「Always There For You」が収録されている。
ただしファンからはサウンドが大衆的すぎるという評価を受けたそうだ。

さてストライパー、以降の展開は非常に興味深い。
90年にバンド史上最大の問題作とされる「Against The Law」をリリース。
直訳すれば「法に触れる」という題名。
ここで神を讃える歌詞もばっさりやめて、サウンドも重く激しく暗いものに一変。
しかもプロデューサーはモトリー・クルーを手がけた実績を持つトム・ワーマンである。
クリスチャンでレアなメタルからふつうのメタルへと大きく方向転換したのだ。
なぜ?

で、予想どおりクリスチャンなバンドのストライパーを支持していた人たちからはものすごい反発。
マスコミからも「神を利用していただけのふつうのメタルなバンド」などと叩かれたらしい。
その後レコード会社も倒産し、92年頃バンドは消滅する。

メンバーはそれぞれ他のバンドやソロで活動していたが、2000年にめでたく再結成。
ただオリジナルメンバー全員が参加したわけではなく、またマイケル・スウィートは2008年にはボストンに加入しながらストライパーも兼業というフレキシブルな活動が続く。
2010年頃ようやくベースのティモシーがバンドに復帰し、翌年には「The Covering」という直球なカバーアルバムを発表。
このカバー集がなんというか高校生の学園祭のノリのような選曲で、サバススコーピオンズオジー・オズボーンやらカンサスやらヴァン・ヘイレン、果てはパープルの「高速道路の星」とツェッペリンの「移民の歌」を詰め込むというベタな構成。
ジャケットも漫画アクション連載の不良学園漫画(ねえよそんなジャンル)みたいな絵が素敵。
・・・現在もストライパーは存続で、神賛美路線も健在とのこと。

やはりいまいちよくわかんないのは90年に大幅な路線変更を試みた点である。
理由はいろいろあるんだろうが、全米のクリスチャンから支持されて教会で演奏したら信徒から寄付までされるというバンドなので、いきなりただのメタルに変身したらそりゃ怒られるよなぁ。

自分は1曲しか聴いてないけど、クリスチャンなメタルという情報はどこかで仕入れて知っていた。
ただしウィキペディアに書いてある「ステージ上から聖書を投げるといったライブパフォーマンスで有名」というのは知らなかった。
聖書投げたらあかんやろ。
いや、聖書に限らないが。
自分はいちおう出版社の人間なので、書物を投げたり踏んだりという行為はどうしても受け入れがたいのである。
自分が知っていたのは「ライブ終了後、会場出口でメンバーが客に聖書を配る」という、もう少しおだやかな話であった。
でも「聖書を投げる」話はあちこちのサイトやBLOGで見つかるので、やはり投げていたのだろう。
投げたらあかんやろ。

敬虔なキリスト教徒のバンドのはずが、マイケルの「ベッドでグルーピーに聖書の教えを話している」などといった発言もあり、神をも恐れぬ?サバスやオジーやジューダスをカバーしたり、思ったよりも俗っぽい方々のようです。
こういうバンドが日本ではどれくらい人気だったのか全然わからないが、ふつうのメタルよりはきっと聴きやすいのではないかと想像している。
実際「Always There For You」はサウンド面での拒絶感は全くなかった。
マイケル・スウィートの甲高いビブラートのボーカルも嫌いではない。
なので問題作「Against The Law」以外のアルバムならどれも案外聴けるのではないかと甘いことを考えている。
カバー集である「The Covering」なんかも面白そうだよね。

ということで、ストライパー。
日本での評価はこれまたほとんどわかりませんが、おすすめのアルバムや思い出の曲などありましたら教えていただければと思います。

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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
「CCM」といって、クリスチャンAORというのがあります。
また、カンサスの80年代前半の作品はCCM寄りになったと
言われています。どちらも聞いたことがありません。

さて、ストライパーですが、初めて名前を知りました。
>>「Always There For You」

ユーチューブで聞いてみました。おお、初期ボンジョビや
ナイトレンジャーに通じるポップメタル、しかもビジュアル系。
ついでにカンサスの代表曲「Carry on wayward son」のカバーも
聞いてみましたが、ほとんど完コピの世界。ギターソロも
ドラムパターンも同じに聞こえます。
私はメタルに弱いので収録曲はほとんどわかりませんが、
カバー集なら聞けるのではないか!? と思いましたが、
やっぱりメタルですねえ、私にはちょっとヘビーでした。

>>サバスやオジーやジューダス

この方々はすごい人気ですので、やはり「踏み越えてはいけない
一線」というのをよくしっていらっしゃるのでしょうねえ。さすが
ベテラン・・・・

投稿: モンスリー | 2014.10.14 21:58

モンスリーさん、コメントありがとうございます。

>「CCM」といって、クリスチャンAORというのがあります。

この言葉は初めて知りました。
ウィキペディアで調べたら、該当するミュージシャンにエイミー・グラントの名前がありますね。

>ユーチューブで聞いてみました。おお、初期ボンジョビやナイトレンジャーに通じるポップメタル、しかもビジュアル系。

確かにそんな感じですね。
自分はMTVでストライパーを知ったので、映像も印象に残っています。

>ついでにカンサスの代表曲「Carry on wayward son」のカバーも聞いてみましたが、ほとんど完コピの世界。ギターソロもドラムパターンも同じに聞こえます。

そうですか!
ということはやはりカバー集がいいのかもしれませんね。
しかし聴いたことのないアーチストでも、こうしてネットで確認できるというのはつくづく便利な話ですね。

投稿: SYUNJI | 2014.10.15 23:26

初めまして、ローリングウエストと申します。新潟県柏崎生れ川崎市在住の56歳・中年オヤジ(旅好き・歴史好き・洋楽好き・山好き)でございます。懐かしい名曲がオンパレードの素晴らしいブログですね!小生も70年代洋楽が大好きでジャンルを問わずダボハゼ的に何でも聴きます。また覗かせて頂きますので今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: ローリングウエスト | 2014.10.16 21:32

ローリングウエストさん、コメントありがとうございます。
2年ほど前にストーンズやアメリカの記事にコメントをいただいております。
まあ2年経ってもド素人なBLOGに変わりありませんが・・
今後もおそらく聴いてない音楽を披露し続けると思いますので、ご指導よろしくお願いいたします。

投稿: SYUNJI | 2014.10.17 23:51

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