« 聴いてない 第197回 エニグマ | トップページ | やってない 第29回 スキー »

聴いてない 第198回 シーナ・イーストン

先日国民投票により連合王国からの分離独立が回避されたスコットランド。
そのスコットランド出身で美貌の女性シンガーといえば、この人をおいて他にないシーナ・イーストン。
いえ、他にスコットランド出身の女性歌手を知らないだけですけど。

80年代の幕開けと同時に登場した人なので、全く聴いてないわけではないが、自分としては好んで追っていたという位置づけではない。
柏村武昭や小林克也が紹介するのを従順に受け入れていただけである。(失礼)
ヒット曲は多いので、聴いた曲を積み上げるとそれなりの数になりそうだ。
全部書き出してみるとこうなる。

・Modern Girl
・Morning Train (9 to 5:9時から5時まで)
・A Little Tenderness
・For Your Eyes Only
・Just Another Broken Heart(涙のブロークンハート)
・Machinery
・It's Christmas All Over the World(世界中のクリスマス)
・Telefone
・Almost Over You(悲しみ色に染めて)
・Strut
・Sugar Walls
・Magic Of Love
・So Far So Good

思ったより多いぞ。
かき集めるとベスト盤1枚くらいはできそうなレベル。
デビューアルバムもいちおう貸しレコード屋で借りて聴いたことはあるので、聴いてない度は4。
80年代後半以降は全然聴いていない。

80年代女性シンガー戦いのワンダーランドを生き抜いてきたシーナ・イーストンだが、同時期に活躍したオリビア・ニュートンジョンリンダ・ロンシュタットシンディ・ローパーやマドンナといったハデな人たちに比べると、やはり日本のリスナーから見ても少し後ろに回っていたような印象だった気がする。
ついでに自分の興味対象は上記のいずれの方々でもなく、デボラ・ハリーに向かっていたのでした。

スコットランド出身という肩書きはなんとなく知ってはいたけど、それ以上の細かなプロフィールは押さえていなかった。
ということでシーナ・イーストンに関するスコットランド・ヤードばりの内偵を開始。

本名シーナ・シャリー・オール。
1959年4月にスコットランドは造船の街グラスゴー郊外に生まれる。
バーブラ・ストライサンドにあこがれたシーナは、グラスゴーの王立スコットランド音楽演劇学校に入学。
20歳の時に最初の結婚をし、この時の相手の姓であるイーストンを今でも芸名としている。
(旦那のイーストンさんとはすぐ離婚したらしい)

80年に「Modern Girl」でデビュー。
BBCの音楽ドキュメンタリー番組でデビューまでの過程が放送され、人気が沸騰。
セカンドシングル「Morning Train」は全英3位・全米1位を記録した。
81年には映画「007/ユア・アイズ・オンリー」のテーマ曲として「For Your Eyes Only」を発表。
デビュー間もない女性シンガーが、歴史ある名画シリーズで主題歌を歌うという快挙を成し遂げる。

その後本格的に全米市場を主戦場とすべく、ダンス&ファンク路線に方向性を定め、「Strut」「Sugar Walls」などをヒットさせる。
プリンスから曲を提供されたり、ケニー・ロジャースとデュエットしたり、スペイン語で歌うなど、アメリカのマーケットを意識した活動が続く。

しかし80年代後半からは本国イギリスでの実績は下降し始めてしまった。
88年頃まではアメリカでの売上げは好調だったものの、イギリスと同様に厳しい展開に陥る。
90年代以降、今度は日本をターゲットにしてはみたが、それほどの数字は残せていない。

その後はCDやテレビといったメディア路線からは一歩引いた形となり、主にラスベガスなどでのディナーショーで歌うというステージ重視の歌手になっているそうだ。
今年の6月には日本にもやってきて東京や大阪で歌ったとのこと。

確かに80年代半ばまでは、ノエビア化粧品のCMに使われたり、焼酎のCMに本人が登場したりと、日本でもメディア露出は多かった人である。
自分は前述のとおり夢中になったというわけではなく、あの甲高い声はやや苦手な感じもしていたのだが、「A Little Tenderness」「It's Christmas All Over the World」「Almost Over You」なんかはいい曲だと思う。
なお「It's Christmas All Over the World」はニュー・エディションのカバーだそうです。

日本ではこの人とシーラ・Eが混同されることが多かったようである。
同じプリンス・ファミリーで名前の音が似ているからという情けない理由からだと思うが、雑誌で顔写真と名前が整合しなかったこともよくあったらしい。
「夜のヒットスタジオ」にシーラ・Eが出演した際、司会の吉村真理が「この人がシーラ・イーストンさんでぇーす」と大声で紹介してしまい、日本中の洋楽少年少女が一斉に脱力したという事件も起きた。
この番組は海外アーチストを出演させる時は基本的にクチパクで、楽器にさわる前に音が出てしまったり、フェードアウトする音にどう対応していいものやら困惑しスタジオを見回すボーカルの表情がイタかったりで、当時の洋楽好きなナウいヤングからの評判は良くなかったはずである。
シーナも「夜のヒットスタジオ」出演経験があり、新曲「Telefone」を歌った(合わせた?)そうです。
この曲、スペルが「Telephone」でないのはなぜ?

個人的にはこの人はバラードでこそ輝くシンガーではないかと思っていたので、ダンスやファンクに傾倒したスタジオ盤を聴くよりは、バラード集みたいな企画盤でもあったらいいのにと考えたりする。
まあシーナ・イーストンに限らず、聴かず嫌いなだけかもしれませんが・・
「そう言わずにファンクなアルバムも聴けよ」といったご意見などございますでしょうか?

| |

« 聴いてない 第197回 エニグマ | トップページ | やってない 第29回 スキー »

コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
懐かしいですね~シーナ・イーストン!!

>ノエビア化粧品のCMに使われたり
「マシーナリー」ですね、わたし、中学2年の時にEPレコード買いました(笑)
POPで聴きやすい曲が多かったような気がしますが、なぜに消えていったのか・・・

他に「モーニングトレイン」とかは良く聞いていました。
すいません、私も80年代初期の話題しか無いです(泣)

 


投稿: ボレロ | 2014.10.26 18:59

ボレロさん、コメントありがとうございます。

>「マシーナリー」ですね、わたし、中学2年の時にEPレコード買いました(笑)

そうですか!
EPレコード、ドーナツ盤とか呼ばれてましたね。
(話題が年齢を感じさせるなぁ・・)
自分はノエビアのCMでは「A Little Tenderness」のほうが好きでした。

>すいません、私も80年代初期の話題しか無いです(泣)

やはりそうですか・・
おそらく日本では多くの人が80年代前半までのシーナ・イーストンしか知らないのではないかと思いますが・・・

投稿: SYUNJI | 2014.10.26 22:46

SYUNJIさん、お邪魔します。

シーナ・イーストン、1980年代までしか追いかけていません。
デビュー当時は、ヒットした楽曲はけっこう好きでした。でも、私もデビー・ハリー派なので女性としては魅力を感じなかったです。今、当時の写真を見てもそうですが。(笑)

そして「Strut」(曲は好きだけど)辺りから、何だか違うな・・・と思い出し、それ以降は全く聴かなくなりましたね。

80年代のヒット曲は、今聴いてもいいな~とは思います。

投稿: まったり男 | 2014.10.28 19:03

まったりさん、コメントありがとうございます。

>でも、私もデビー・ハリー派なので女性としては魅力を感じなかったです。

そうですよね。(握手)
まあ音楽の方向性もファッションセンスも全然違うので、比較に無理があるとも思いますが・・

>そして「Strut」(曲は好きだけど)辺りから、何だか違うな・・・と思い出し、それ以降は全く聴かなくなりましたね。

そうでしたか。
この曲は焼酎CMに使われてましたが、曲にも和服姿のシーナにもそれほど魅力を感じませんでした。
自分はこの人の歌うバラードが好きだったんだと思います。

投稿: SYUNJI | 2014.10.29 21:03

SYUNJIさん、こんばんは。
名前は知っていますが、ほとんど聞いたことがありません。
あれだけ人気がありましたから、1曲くらいはわかるかもしれませんが。
焼酎(「樹氷」でしたっけ?)のCMはよく覚えています。

私はオリビア・ニュートンジョンをよりロックっぽくした人だと勝手に
思っていましたが、

>>ダンス&ファンク路線に方向性を定め

そちらの芸風の方が長いのですね。
しかし、

>>今年の6月には日本にもやってきて東京や大阪で歌ったとのこと。

こういう地道な活動を続けているのは好感が持てますね。最近、私は
ビルボードライブ大阪のスケジュールをよくチェックしています。こういう
方々がよく出演されています。
ところでデボラ・ハリーですが、私がSYUNJIさんと全く同じ年齢でしたら
間違いなく夢中になっていたと思います。プロモビデオで見られる
あの露出度。あれが夕方のMTV系番組で堂々とみられたのかと
思うと・・・・あと、ネーナとか。いたいけな中高生には刺激が強かった(^^;)

投稿: モンスリー | 2014.10.30 21:10

モンスリーさん、コメントありがとうございます。

>名前は知っていますが、ほとんど聞いたことがありません。

あれ、そうですか?
でもたぶん耳にしたことがある曲はたくさんあると思いますよ。

>焼酎(「樹氷」でしたっけ?)のCMはよく覚えています。

宝焼酎「純」ですね。
今You Tubeで見てみると80年代っぽい映像だったんだなぁと感じますね。

>ところでデボラ・ハリーですが、私がSYUNJIさんと全く同じ年齢でしたら間違いなく夢中になっていたと思います。

そりゃあそうでしょう。(笑)
なんたって最初に「ハート・オブ・グラス」のPVを見た時は中2でしたから。
しかもほとんどは昼間の音楽番組ではなく、深夜でしたのでなおさら・・・

投稿: SYUNJI | 2014.10.31 23:35

懐かしいですね。このころ美人シンガーが多かったような気がします。デビューアルバム買いましたね。さて、9to5MorningTrain は映画の主題歌でもあったドリーパートンの9to5との混合をさけるためモーニングトレインというタイトルをつけて米国発売したんですね。過去にもTrexのGetItON(チェイスの黒い炎と同じで米国ではbang a Gong)などもありました。古い話なので記憶が混同していてこの曲同じものかと思っていました。実際確認したら違う曲でしたね。 

投稿: マルチオーディオ | 2014.11.06 11:49

マルチオーディオさん、こんばんは。

>9to5MorningTrain は映画の主題歌でもあったドリーパートンの9to5との混合をさけるためモーニングトレインというタイトルをつけて米国発売したんですね。

その通りですね。
自分も初めは二人が同じ曲を歌っていると思ってましたが、後からドリー・パートンが歌うのをテレビで見て全く違う曲だとわかりました。

>過去にもTrexのGetItON(チェイスの黒い炎と同じで米国ではbang a Gong)などもありました。

これは知りませんでした。
ウィキペディアでチェイスを調べたら、「「黒い炎」(原題:Get It On、T-REXの同名の楽曲とは関係ない)は日本でもヒット」と書いてありました。

投稿: SYUNJI | 2014.11.06 22:46

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 聴いてない 第198回 シーナ・イーストン:

« 聴いてない 第197回 エニグマ | トップページ | やってない 第29回 スキー »