聴いてない 第194回 ハロウィン
最近「聴いてないシリーズ」ではメタル系かオールドなアーチストのいずれかを採り上げることが多い。
理由は簡単でネタがないからである。
どっちもハードに聴いていない分野のため、とりあえず聴いてないことだけは告白が可能だ。
こんなことをしていていったい何の意味があるのだろうか?
いったい現実を把握している者はいるだろうか?
といったシカゴっぽい悩みを抱えながら、11年目に突入した生ぬるいBLOG。
ということで今日は相場がメタルにふれてストップ高。(意味不明)
注目銘柄はドイツが生んだメロディックパワーメタルのハロウィンである。
意外なことに1曲だけ聴いている。
「When The Sinner」という93年発売の曲だが、MTVの音声をカセットテープに録音している。
日本でヒットしたのかは知らないが、プロモ・ビデオが流れる前にメンバーへのインタビューやメイキング映像なんかもあったはずなので、事務所的にもそれなりに売り込もうとしていた曲と推測される。
曲調はさほど金属っぽくなく、明るくはないがノリのいいリズムで延々歌い、エンディングにサックスの長めなソロがあるという、少し変わった構成。
インタビューでもこのソロについて「ちょっといいだろ?」的なことを語っていた記憶がある。
ハロウィンの音楽にふれたのはこれが最初で最後である。
なので自分の中での位置づけはウォレントやファイアーハウスとほぼ同じ。
グランジ前夜のメタルな方々、という印象でしかない。
しかし。
ハロウィンについてはメンバーも少しだけ知っている。
カイ・ハンセンとマイケル・キスクだ。
この二人の名を知ったのはFROCKLである。
当時はすでにハロウィンを脱退していて、FROCKLではその後の彼らの動向に注目したツリーがあちこちに立っていたのだった。
名前を知っただけでハロウィンやガンマ・レイを聴いてみようとは思わなかったが・・・
ということで相変わらず偉くもなんともない実績なので、ハロウィンを緊急追跡。
78年頃にカイ・ハンセンとピート・シールクが結成したジェントリーというバンドが原型。
その後メンバーとバンド名を変え、85年にハロウィンとしてデビュー。
バンド名の由来はホラー映画「ハロウィン」からとった、というさほどヒネリのないお話。
メンバーはカイの他にインゴ・シュヴィヒテンバーグ(D)、マーカス・グロスコフ(B)、マイケル・ヴァイカート(G)。
歌うのはカイ・ハンセン。
この布陣をバンドの初期と定義するらしい。
86年にマイケル・キスクが加入し、カイとヴァイカートとキスクがバンドを牽引したので、これを「三頭体制」と呼ぶ。
ハードロックってこういう呼び方が好きだよね。
で、そんな楽しい三頭体制が長続きしないのはハードロックの常識なので、やっぱり88年にはカイ・ハンセン脱退。
93年には喜助ことマイケル・キスクが脱退、同時にインゴ・シュヴィヒテンバーグがバンドをクビになる。
ここまでのキスクがボーカルだった時期が中期だそうだ。
94年にアンディ・デリス(V)、ウリ・カッシュ(D)が加入。
中期に加わったギターのローランド・グラポウとともに体制を立て直し、ヒット曲を量産した。
これを後期と呼ぶ。
現在もちゃんと活動中で、メンバーはアンディ、マイケル・ヴァイカート、マーカス・グロスコフ、サシャ・ゲルストナー(G)、ダニ・ルブレ(D)。
2013年には「Straight Out of Hell」というアルバムも発表している。
ということで、さすがにパープルみたいに1期・2期と細かく刻んだりまではしないようだが、メタルの条例どおりにボーカルにより時代を3つに区分している。
自分が聴いた「When The Sinner」はキスクのボーカルなので中期のものということになる。
Sinnerとは罪業人と訳されるそうだが、罪業とは宗教的な戒律などにそむくなどの行為を行うことを言うらしい。
日本語だと伝わりにくいが、2010年発表のアルバムは「7 Sinner」というタイトルだし、ジューダス・プリーストの曲にも「Sinner」というのがあるので、メタルの世界ではよく使われる言葉に当たるのではないだろうか。
「When The Sinner」が何を歌っているのかはもちろん全然わかりませんけど・・・
「When The Sinner」に限って言えば、楽曲として悪くはない。
好みかどうかは微妙な感じではあるが、聴きづらいという印象はなく、比較的記憶に残るリズム・サウンドである。
他の曲を聴いてないので何もわからないのだが、この曲で導入しているホーン・セクションのメンバーはストーンズでも採用された実績があるそうだ。
いずれにしても本業であるメタルの楽曲からは少し遠い位置づけなのだと思われる。
ただしこの曲が収録されている「Chameleon」というアルバムは、ネットで見たところ評判はいまいちで「駄作」「初心者向けではない」といった指摘が散見される。
まあ関係はあんましないとは思うが、ジャケットも「どこがメタルやねん」的なポッピーアート。
うっかりここから手を出すとケガしそうな雰囲気だ。
ハロウィンはいわゆるメロスピの元祖であり、その源流をさらにたどればレインボーやインギーにも通じる音の道があるという。
なのでその路線を丹念着実に拾っていけば、あたしのような軟弱80年代に汚染された胃腸よわよわ芸人リスナーでも多少は楽しめるのではないか?という淡い期待はある。
歌い手としてはカイ・ハンセンよりもマイケル・キスクのほうが優れているとのことなので、中期の人気作品から勉強していけばよかろう。
(本当か?)
ということで勝手に結論づけてますが、ハロウィン。
果たして本当に中期から聴いてみてよろしいもんなんでしょうか?
各期とも作品はいろいろあるようなので、おすすめのアルバムがあればご指導いただけたらと思います。
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コメント
「守護神伝」から入ることをお勧めします。
またこの作品はパート1とパート2と2作品ありますので「
守護神伝 -第二章- Keeper Of The Seven Keys Part 2」から入った方がいいと思います。
「Eagle Fly Free 」は多くの新たな若いメタルファンを開拓した日本メタル界に対する貢献度バツグンのキラーチューンです。
この曲以外にも「Rise and Fall」「Dr. Stein」「Save Us」「March of Time」「I Want Out」等名曲・佳曲が目白押しです。
これより以前の作品はVo.がカイ・ハンセンなので曲はいいのですがVo.がはっきりいってへたくそです。
投稿: へべれけ | 2014.10.15 14:14
へべれけさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
>「守護神伝」から入ることをお勧めします。
>「Eagle Fly Free 」は多くの新たな若いメタルファンを開拓した日本メタル界に対する貢献度バツグンのキラーチューンです。
なるほど・・わかりました。
この邦題がまたいい感じですね。
聴くとしたらこのアルバムからですね。
>これより以前の作品はVo.がカイ・ハンセンなので曲はいいのですがVo.がはっきりいってへたくそです。
やはりそういう評価ですか・・
ネットで調べると、カイのボーカルについてはファンの方の意見はほぼ同じでした。
やはりまずはキスク時代のものから聴いていくのが良さそうですね。
ハロウィンに限らず聴いてない音楽を延々語るという愚かなBLOGですが、他のアーチストも含めてまたご指導いただければと思います。
投稿: SYUNJI | 2014.10.15 23:41