« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

聴いてない 第192回 アニマルズ

聴いてないシリーズの中でも最古のバンドかもしれない、アニマルズ。
ビートルズやストーンズ同様、60年代に登場した第一次ブリティッシュ・インヴェイジョンのひとつであるが、もちろん聴いてない。
なおフロイドのアルバム「アニマルズ」も聴いてないが、今日のお題目はバンドのほうです。

アニマルズで聴いているのは誰でも知っている「朝日のあたる家」だけ。
かなり前だが、NHKで昔のイギリスのテレビ音楽番組「ポップ・ギア」を放送したことがあった。
コメディアンみたいな人が司会で、当時のイギリスのヒット曲の映像(主にスタジオ演奏)を紹介する、MTVのハシリのような番組で、この中にアニマルズの「朝日のあたる家」もあった。
スーツに身を包んだエリック・バードンがどこかヤケクソ気味にがなり歌う姿は印象に残るものだった。
この映像を見る前から、どこかで「朝日のあたる家」は聴いていたような気がする。
ちなみに番組のトリはビートルズの「She Loves You」だった。

なぜかエリック・バードンの名前は知っていたが、最近ではチャス・チャンドラーの名前も覚えた。
スレイドを調べていてチャスのことを知ったのだが、チャスはジミ・ヘンドリックスを発掘し後にマネージャーも務めた人物としても知られている。
あとアニマルズで知っていることは、アンディ・サマーズが参加していた経歴があることくらいだ。
聴いてない度は2。

アニマルズについて獣のようにガサツに調べてみた。
結成は1963年だが、それ以前からバンドの原型は存在していたようだ。
メンバーはエリック・バードン(Vo)、チャス・チャンドラー(B)、アラン・プライス(K)、ジョン・スティール(D)、ヒルトン・ヴァレンタイン(G)。
アランとチャスが作ったバンドに、別のグループであったエリックとジョンが合流し、ヒルトンを加えてアニマルズとなった、という経緯のようだ。

しかしバンドとしては短命で、「朝日のあたる家」を大ヒットさせたわりには、3年くらいで解散してしまう。
その後「エリック・バードン&ジ・アニマルズ」としてアメリカ西海岸で活動再開。
この時参加していたのがアンディ・サマーズである。
当時の流行に乗ってサイケ調の曲を作って歌い、ストーンズの「黒くぬれ」もカバーしたが、68年にやっぱり解散。
エリックは70年代にウォーというバンドを結成。
アニマルズは70年代・80年代にも臨時に再結成したが、バンドとしての活動はほぼ60年代に限定のようである。
94年にロックの殿堂入り。
21世紀に入ってからエリックはニューアニマルズを結成したそうで、ベースは女性とのこと。
チャス・チャンドラーは96年に亡くなっている。

60年代当時、アニマルズはアランのテクニックとエリックのボーカルが突出してスゴイという評価を受けており、特にエリックは「黒人を超えた唯一の白人シンガー」とまで言われたらしい。
ミック・ジャガーが脅威に感じていたのはビートルズやザ・フーよりもアニマルズだった、という話もあるようで、それだけ人気も実力もすごかったのだろう。
なお今回調べて初めて知ったのだが、アニマルズの曲には「朝日のない街」というのもあり、ヴァン・ヘイレンもカバーしているそうです。

アニマルズというワイルドな名前の由来には諸説あるらしいが、彼らの活動を後押ししていた関係者の命名によるものらしい。
ステージがあまりにも荒っぽいため観客から「アニマル!」と呼ばれたのでそうなった、という説もあるそうだ。
日本語で言うと「ケダモノ組」「野獣軍団」「喧嘩上等」「極悪非道」「CRS連合」「ぷく組参上」みたいなもんだろうか。(後半適当)

そんなワイルドな組織に所属していたエリック・バードンだが、若い頃は画家志望でニューキャッスルの芸術学校に通っていたという絵心ある芸人でもあるようだ。
芸術全般に通じる才能あふれた人物ということだが、アニマルズ以降の活動はあちこちのバンドを転々とするコージーな状態らしく、レコード会社もバラバラなので、全ての時代から選曲したベスト盤はないらしい。

ということでアニマルズ。
60年代のワイルドなリズム&ブルース時代と、70年代のサイケな時代に大別されるようだが、日本でCDの入手がふつうに可能なのか困難なのか、それすらよくわからない。
聴くとすれば当然「朝日のあたる家」を含むアルバムと、後はアンディ参加のサウンドをチェックしておく、という学習計画になるんだろうか。
そんなことができるかどうかも含め、おすすめの作品についてご指導いただければ幸いです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

やってない 第27回 社員旅行

日本独特の風習らしい社員旅行。
会社でなくても所属する職場の人たちと団体で慰安旅行したりすると思いますが、それも含めての話です。

自分の職場に関して言うと、社員旅行はもう15年以上実施していない。
理由は至極ごもっともな直球で「会社が儲かっていないから」である。
また万が一儲かったところで今さら社員旅行なんてやっても社員は喜ばないだろう。

なお自分は社員旅行の経験がないわけではなく、日本中が今よりずうっと景気が良かった頃には、海外も含めて何度か社員旅行が実施された。
ただし定期的なものでもなくなんとなく行き当たりばったりで、突然海外に行ったかと思えば翌年は箱根だったり、クリスマスイブなのに研修旅行と称して伊豆に招集されたりといった適当で若干迷惑な展開だった。
なので国内の温泉地などに泊まる昭和な香りのする旅行から、小人数のグループで順番に海外に出かけるそれなりにカネのかかった旅行まで、それぞれいちおう経験はしている。

国内旅行に関しては、まだ会社が今より小さかった頃、伊豆とか三浦とか草津の温泉旅館に社員全員で押しかけ、大部屋で浴衣を着てグダグダと酒を飲むという漫画みたいなことをわりと誠実?にやっていた。

海外の社員旅行には3度行っている。
行き先はヨーロッパ、香港、カナダ。
というか自分の場合、生涯4度の海外旅行のうち3回は社員旅行である。
90年代後半にも10人程度のグループ単位で順番に海外(場所はヨーロッパやアジアなどグループにより様々)に旅行に行っていたが、全社員が参加し終える前にアメリカで同時多発テロが起こり、あえなく中止。
その後業界まるごと不況が深刻化し、未だに社員旅行は復活せず今に至る。
なお自分はこの時の旅行には参加していない。
同時多発テロがなければ最終組あたりで行っていたはずだった。
特に行きたくもなかったので、中止になってくやしい思いをしたということもない。

社員旅行が楽しくなるかどうかは、場所ではなくメンバーにかかっている。
・・と思いませんか?
どんなに美しいリゾート地や楽しい遊園地が行程に組み込まれても、行動をともにしたり部屋が同じだったりのメンバーがイタイおっさんばっかしだったり普段からムカつく上司だったり使えない若造だらけだったりでは、旅も楽しいどころか苦痛でしかない。

なので過去の社員旅行では、普段の仕事では考えられないほどメンバー構成には全身全霊を傾けて注意を払ったものだ。
行き先が複数で選択制の場合は、いろいろ理屈を付けて選択を後回しにしておいて、あらかた各社員の選択が終わったところで、そのメンバー表を入念に確認してより楽しそうなグループに加入するという作戦を大まじめにやっていた。
他にも普段から仲のよい女子社員と申し合わせて同じ組になる、という女子中学生みたいなマネも平気でやった。
とにかく旅先でまでキライな上司やめんどくさいおっさん達といっしょに行動するということが耐えられなかったのだ。
この時点で自分が日本の正調サラリーマンとして明らかに欠陥な人間であることは明白ですが・・
(ちなみに我が社の場合、「辞退」という選択肢は基本的になかった。強制参加がふつう。)

そんなつきあいの悪い自分なので、社員旅行については「もういい」というのが正直な気持ちである。
業績不振や不況はホントに困った話だけど、社員旅行が行われないことだけはありがたい。
たぶんそう思っている社員も多いと思う。

しかし。
ここ10年くらいの間に入社してきた若い社員は、社員旅行を全く経験していないのだが、話を聞いてみると意外に「行ってみたい」といったことを言うヤツもいる。
大部屋の宴会やくだらない出し物や朝からバスの中で酒飲むといった、テレビや漫画の中でしか知らない昭和テイストな社員旅行を一度経験してみたい、ということのようだ。
そうかい・・・そんなもんかね・・・
そんな時は必ず「あのね、そんなに楽しいもんじゃないよ」と若い人の夢をパイルドライバーで粉砕するような感想をしかめ面で言ってしまうイヤなじじいです・・

でもこうした若者の回帰?な傾向は我が社固有の状況ではなく、最近はIT産業やベンチャー系を中心に社員旅行や運動会や大宴会みたいな昔風行事をする企業が少しずつ増えているらしい。
どの行事も、参加する若い社員からの評判は上々とのこと。
なんだか変な話だなぁ。

で、自分は転職も経験していないので、よその会社さんがどんな社員旅行を展開しているのか全く知らない。
みなさんの職場では、今も社員旅行ってありますか?
これまでに社員旅行で行った場所や、記憶に残るできごとなど、教えていただけたらと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

聴いてない 第191回 ファイアーハウス

今日採り上げるのはファイアーハウス。
果たしてどれくらいの方がご存じでしょうか?

このバンド、自分としてはほぼウォレントと同じような位置づけにある。
80年代末期に登場し、ハードロックな楽曲で長髪を振り乱して歌う人たちだが、全然聴いてないという点が共通。(乱暴すぎ)
聴いたことがあるのは「Reach For The Sky」「When I Look Into Your Eyes」の2曲だけ。
厳密には「「Reach For The Sky」はテープが途中で尽きてしまい、フルコーラスで録音できていないので、2曲に満たない。
従って聴いてない度は2。
「When I Look Into Your Eyes」は日本でもヒットしたはずだが、バラードなので彼らの本質的なハードロックバンドとしての魅力をほとんど知ることなく今に至る。
この点もウォレントと同じである。
各アルバムのジャケットにも見覚えのある絵はひとつもない。

ファイアーハウスは、ノースカロライナ州で結成。(ヴァージニア州と記載されているサイトもあり)
西海岸の出身ではないので、いわゆるLAメタルではないようだ。
1988年、ホワイト・ヒートというバンドにいたビル・レバティとマイケル・フォスターに、別のバンドで活動していたC.J.スネアとベリー・リチャードソンが合流。
ここからファイアーハウスとしてスタートする。

ファイアーハウスのデビューにはジョン・ボン・ジョビの強力な後押しがあったと言われる。
ジョンの紹介によりエピック・ソニーとの契約が決まり、1990年にファースト・アルバムをリリース。
デビューアルバムなのにダブルプラチナム獲得と異様に売れ、シングル「Don't Treat Me Bad」と「Love Of A Lifetime」は全米チャートの10位と3位を記録した。
91年にはアメリカン・ミュージック・アウォードでヘヴィメタル部門最優秀新人賞を受賞。
翌92年にセカンドアルバム「Hold Your Fire」を発表。
「Reach for The Sky」「Sleepin With You」「When I Look Into Your Eyes」とヒット曲を連発。
自分が2曲聴いたのもこの頃で、FMのエアチェックではなくMTVの音声をテープに録音している。

しかし。
ファイアーハウス、これ以降の動向が興味深い。
3枚目のアルバムからアメリカでの評判はぐっと落ちていくのだが、それがいわゆるグランジ・オルタナの台頭によるメタル粉砕の悲劇の体現なのか、ファイアーハウス自らの全米市場との決別の表れなのか、評価は分かれるところらしいのだ。

4枚目の「Good Acoustics」ではタイトルのとおりアコースティックに傾倒し、アメリカでは当時のアンプラブームにうまく乗れたかと思いきやあんまし売れず。
その後セルフ・プロデュースで「Category5」というアルバムを出したが、やっぱしアメリカではいまいち売れなかった。
それでも90年代のファイアーハウスは日本をはじめアジア各国やヨーロッパでは依然高い支持を得ていた、という話。
自分は聴いてなかったのでよく知らないんだが、日本ではそんなにファイアーハウスって売れてたの?

ちなみにファイアーハウス、ロックバンドにしては珍しくそれほどハデな離合集散は行っておらず、オリジナルメンバーの4人のうち3人は今もバンドにおり、途中から参加してきた人もそんなに多くはないそうだ。
仲良しでなによりではあるが、あたし的には物足りない感じですけど・・・

ファイアーハウスは、マーケットとしての日本をデビュー以来ずっと重視し続けてきた、クイーンのようなバンドであるらしい。
デビュー翌年の91年に早くも「Love Of A Lifetime」という来日公演のライブ4曲が入った日本限定のミニアルバムを発売している。
2000年には大阪公演のライブ盤「Bring'em Out Live」をリリース。
同年スタジオ盤「O2(オーツー)」を発表した際、ボーカルのC.J.スネアは日本向けのインタビューで「アルバムタイトルの意味は?」と問われて日本語で「お疲れさまでした!オッツ!」と答えている。
2008年にはナイト・レンジャーとともに、さらに2014年にはウィンガーやY&Tとともに来日公演を行っている。
へぇー・・・全然知らなかった。
「アメリカで売れなくても日本で売れればOK」と思っていたのだろうか?

大ざっぱに分析すると、日本ではメタルやハードロックに傾倒した音楽はアメリカほどには売れない傾向にあるようだ。
「ほどよくハード、適度にメロウ」「メロディーの美しさ・繊細さ」「キャッチーなリズム」といったあたりが日本では比較的支持されることになる。
具体例で言うと、ボン・ジョビは日本でもアメリカでも人気は高いが、シンデレラやスキッド・ロウになると日本ではなかなか評価が厳しいものになる。
もちろんシンデレラもスキッド・ロウもG.I.オレンジもレイフ・ギャレットも好きで聴いている人はたくさんいると思うが、なんとなくわかるような気もする。(本当か?)
で、その日本人受けする路線で進んできたのがファイアーハウスだという。
産業ロックの延長といった批判もあるようだが・・・

2曲しか聴いてないので評価なんか全然できないのだが、この2曲に限って言えば「うまい・しっかりしている」楽曲であると思う。
大して聴いてもいないくせに上から目線で申し訳ないが、少なくともムダに絶叫したりひび割れるほどサウンドいじったり生きたコウモリを食い散らかしたりサーベルで若手をどついたりといった野蛮な音楽ではなさそうです。

ウォレントもそうだが、もう5年早く登場していたら確実にもっと聴いていたであろうことは容易に想像できる。
80年代前半からあのサウンドを携えて活動していたら、柏村武昭もきっと無視はできなかったに違いない。
いえ、実際自分が90年以降は「サンスイ・ベストリクエスト」を聴かなくなっただけで、柏村武昭はきちんとファイアーハウスも紹介してたかもしれないですけど。

ということで、ファイアーハウス。
聴くとしたら自分の場合まずは当然「Hold Your Fire」からになりますが、他におすすめのアルバムがあればご指導いただけたらと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

聴いてみた 第117回 ローリング・ストーンズ その14

実は先週原因不明の大下痢を発症し、会社も休んだ上に次の日から予定していた旅行も全てキャンセルしていたSYUNJIといいます。
朝ふつうに起きて会社に行くつもりが、突然20分おきくらいの下痢となり、旅行どころか電車に乗って会社に行くことすら不可能になりました。
まあ会社に行く前に発症したのがせめてもの救い。
電車の中で発症してしまったら、おそらく社会復帰さえも困難な中年になっていたことでしょう。

ということで病み上がりのさなか今日聴いたのは、イーグルスとはおそらく交流は全然なかったであろうストーンズ
ストーンズ予備校の一般教養必修教科である、70年代最後の未聴盤「Sticky Fingers」。
いえ、ホントにイーグルスと交流がなかったかどうか調べてはいませんけど・・・
ふつうストーンズを学習するにあたっては、このあたりから始めるもんだとは思っていたんだが、いろいろあって結局かなり後のほうの鑑賞となりました。

Sticky_fingers

「Sticky Fingers」は71年発表。
スタジオ盤としては「Let It Bleed」の次で、「Exile on Main Street」の前になる。
この頃のストーンズはブルースやカントリーなど様々な要素を採り入れつつ、それを自らのオリジナリティに満ちた音楽に昇華させ、ストーンズの楽曲として確立させてきた時期と言われる。
大ヒット曲を連発しながら、アルバムでは多面性を開花させ、セールス的にも成功していた、という状況。

自らのレーベル「ローリング・ストーンズ・レコード」を設立し、そこからこのアルバムは発表された。
ミック・テイラーも本格的に参加し、メンバー全員のテンションや自信が楽曲に表現されているとのこと。
果たしてあたしはこれで無事に不服申し立ても受理されてストーンズ論文発表の名誉も回復できるのでしょうか。(意味不明)

・・・・・聴いてみた。

1. Brown Sugar
今さら説明不要なストーンズを代表するナンバーでスタート。
よく聴いてみるとサウンドはシンプルで、そんなに厚みのある音ではない。
若い頃はもっと騒々しい印象だったが、今聴くとそれほどでもないのは、多少ストーンズに慣れたということだろうか。
高校生の頃、ユウコという後輩の女の子が熱烈なストーンズファンで、いろいろ熱く語ってくれたのだが、残念ながら当時自分にはストーンズ体験がほとんどなく、ユウコの熱い想いを全然理解してあげられなかった。
そんなユウコが一番気に入っていたのが、他ならぬこの「Brown Sugar」であった。
すまなかったなぁユウコ。
どこかで会えたら、今ならオレも少しストーンズわかるようになってきたから、また語ってくれよ。
・・・といったセンチメンタルな気持ちにさせる名曲。(何言ってんだか)

2. Sway
ゆったりしたリズムながらハードなサウンドが非常にシブイ。
ストーンズにしては珍しい感じの太いベースラインとリズムギターに、ミック・テイラーのノリのいいギターがからむ。
これはいい曲である。
エンディングの長いギターを聴いて、エアロスミスの「Amazing」という曲を思い出した。

3. Wild Horses
この曲はベスト盤で聴いている。
カントリー調のおだやかな進行、アコースティックとエレキ、ミックのボーカルとコーラスの、ややはずした感のある程良い調和が見事である。
これまで聴いてきたストーンズの曲の中でも、好みのランキングでは10位以内に入る。
何度聴いても飽きることがない。

4. Can't You Hear Me Knocking
これも「Sway」同様くもったベースに、がなるギターがマッチした鋭いサウンドだ。
ミックもギターに負けずシャウトで応戦。
・・・なんだが、後半はボーカルが引っ込んでジャズの即興みたいな展開に。
この構成はちょっと残念だなぁ。

5. You Gotta Move
スライドギターにミックの歌がねちっこくからむ、少しヘンな曲。
うちにやって来る浄土真宗の坊さんに、こんな声でお経を読む人がいるなぁ。(どうでもいい)
アルバムの中でこれだけがカバーだそうだ。
フレッド・マクダウェルというブルースミュージシャンのカバーとのことだが、この路線はなんとなく耳になじまず苦手。

6. Bitch
これもベスト盤で聴いている。
ストーンズの持つ一番基本的なイメージをふつうに体現したらこうなるという曲。
左側のギターがミック・テイラーだと思うが、よく聴くとスゴイ音を出している。

7. I Got The Blues
これもタイトルどおりどっぷりのブルースなのだが、明るい旋律が多少聴きやすく感じる。

8. Sister Morphine
かきならしアコギにミックが捨てバチな声でストリートミュージシャンのように歌う。
中盤から右側のエレキギターが主張を強め、やや曲調が厳しくなる。
深みのある味わい。
ギターで、ライ・クーダーが参加し、作詞でマリアンヌ・フェイスフルが協力したとのこと。

9. Dead Flowers
これもギターがぽよーんとしたカントリーなサウンドだが、ミックの低めな歌い方もカントリー歌手のようだ。
砂漠に止まったアメ車のカーラジオなんかが似合いそうな曲。

10. Moonlight Mile
ゆったりと流れる壮大なリズムにアジアっぽいメロディ。
ストーンズらしくない変わった曲。
映画のエンディングのように終了。
この曲をラストに持ってきたのは見事である。

さて聴き終えた。
簡単に言うとカッコイイ曲が多い。
ノリのいいロックだったり、聴かせるバラードだったり、ストーンズの持つワイルドさとナイーブさ、ポップとブルースとカントリーという多面性が、絶妙のバランスで続々と登場する名盤である。

ネットで調べるとやはりミック・テイラーのギターサウンドを評価する意見が数多く見つかる。
またゲストに迎えたライ・クーダーの評判も高いようだ。

おそらくもっと若い頃にここからストーンズを聴き始めていたら、もっとストーンズが好きな人間になっていただろうと思う。
ストーンズのアルバムは自分にとって非常に序列が付けにくいのだが、聴いてきた中では上位に位置すると言って間違いはないだろう。
実際「Beggars Banquet」「Let It Bleed」「Sticky Fingers」「Exile on Main Street」と名盤が続いた時期を、最絶頂期と評する人は多いようで、この4作は自分でもいいアルバムだと感じている。

意欲的なサウンド構成である一方、歌詞には絶望や死や混沌といった暗い内容を歌ったものが多いそうだ。
もともとそんなに脳天気な歌ばかりではないのがストーンズなんだろうが、バンド創始者であるブライアンの死やオルタモントの悲劇など、あってほしくなかったけどどうしようもなかった悲しい出来事が、この頃の曲に投影されていると分析する人もいる。
訳詞を読むだけではそこまでわからないが、当時の英米の若者の心をゆさぶる作品だったことは間違いない。

ジャケットは20世紀最大の名作とも言える、有名なジッパージャケット。
デザインはアンディ・ウォーホル。
CDになってアートとしての価値はほとんどなくなってしまったが、楽曲のレベルとジャケットの芸術性が相乗効果を生みだしていると思う。
70年代のLP盤はこういうところも楽しかった、という典型である。

というわけで、「Sticky Fingers」。
これは良かったです。
ストーンズの名盤という意味でも、また20世紀のロック・ミュージックとしての楽しさとしても、非常に聴きごたえのあるアルバムだと思います。
いちおう目標としていたアルバムはこれで聴き終えたことになりますが、この先もう少し60年代や80年代以降の作品などもかじってみたいと考えております。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »