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聴いてみた 第110回 ディープ・パープル その8

最近ペイジ周辺の学習に忙しく、ついサボリがちだったリッチー外為投資講座。
宿命のライバルの間を行ったり来たりウロウロする自分ですが、今日はリッチー方面へクロス円が大きく反発。
パープル第3期最後のアルバム「Stormbringer(嵐の使者)」を聴いてみました。

第2期は全盤制覇したので、正直それほど第3期以降に学習意欲はなかったのだが、ギランよりはカバのボーカルのほうが好きなので、やはり聴いておくことにした。(偉そう)

Stormbringer

「Stormbringer」は74年発表。
メンバーは「Burn」と同じく、リッチー・ブラックモア、ジョン・ロード、デビッド・カバーディル、グレン・ヒューズ、イアン・ペイス。
それまでのパープルのクラシカルでハードロックな路線とは異なり、ボーカル二人のファンクやソウル趣味をふんだんに採り入れた異色の作品らしい。
なのでリッチーはこのアルバムを「最低」と評しており、セールス的にもいまいち芳しくない結果となったそうだ。

バンド内の人間関係は相変わらず悪く、リッチーとしてはギランとロジャーを追い出してこれで安泰やれうれしや第3期かと思いきや、バンドの方向性を巡ってリッチーとジョンの関係は悪化するばかり。
アルバム制作中にリッチーは曲づくりの意欲もどんどんなくなっていったようだ。
ではカバとグレンのボーカル二人くらいは仲良しかと思うとやっぱしそうでもなく、どっちがどのパートを歌うのかでしょっちゅうモメていたらしい。
ああ楽しい・・

結局リッチーは作品にもバンドにも愛想が尽きてしまい、住み慣れたパープルを脱退。
新団体「ブラックモアズ・レインボー」を旗揚げし、聖地後楽園ホールで旗揚げ興行を行い、最後はランニング・ネックブリーカードロップでハリー・レイスからNWA王座を奪還したのは周知のとおり。(デタラメ)

パープル最大のターニングポイントに位置する「Stormbringer」。
果たしてあたしはカバとグレンが巻き起こす嵐に耐えて、バナメイエビと芝エビの違いを見分けることができるのでしょうか。(意味不明)

・・・・・聴いてみた。

1.Stormbringer(嵐の使者)
ベスト盤などで聴いていたのはこの「Stormbringer」くらい。
いわゆるハードロックの雄たるパープルのストレートなサウンドからは少し離れた印象である。
もわもわと鳴るキーボードもちょっと変な感じだが、トータルな印象はそれほど悪くはない。
リッチーとカバの共作で、歌詞は特撮ヒーローの主題歌みたいな内容。
カバの歌唱力が光る一曲である。

2.Love Don't Mean a Thing(愛は何よりも強く)
これもハードロックとはほど遠い、ファンクなナンバー。
カバがじれったく歌い、グレン・ヒューズが甲高く歌う。
ただ二人の歌い分けは「Burn」ほど効果的とも思えない。
全部カバでいいんじゃないかと思う。

3.Holy Man(愛人)
言われなければパープルの曲だと気づかないような音がする。
80年代のアメリカン・ロックバンドがたまにやるバラードみたいな雰囲気だが、これは悪くない。
こういう曲ならボーカルはグレンのほうが向いている。
パープルだと思って聴くと「なんか変・・」と感じるのだろうけど、曲そのものはいいと思う。

4.Hold On
これもパープルにしてはずいぶんウキウキとした楽しそうなサウンドだ。
このあたりはボーカル二人の趣味なのだろうか。
なんとなくストーンズみたいな楽曲。
間奏ではリッチーとジョンのソロパートの分け合いもあるが、少し短く物足りない。

5.Lady Double Dealer(嵐の女)
ようやく正調パープル節の登場。
疾走感に満ちたリズム、カバのシャウト、リッチーのテンポの速いギターはいつもの通り。
ただパープルお得意のド突き合いサウンドではなく、楽しくやろうぜ的な妙な協調感がある。

6.You Can Do It Hight
再びファンクなリズムにカバとグレンのソウルフルなボーカル。
キーボードの音がかなりいじられており、やや耳障りな感じ。

7.High Ball Shooter
後のレインボーやホワイトスネイクにつながるサウンドの原点がここにある、という感じの曲。
カバの本領発揮とも言えるソウルフルなナンバー。
グレンとのツインボーカルも歌い分けだけでなくコーラスでもハモっており、これはいい感じ。
第2期ではなかなか聴けない「明るさ」がある。
ようやくジョン・ロードのまともなソロが聴ける。
というか楽曲全体を支配しているのはジョンのキーボードサウンドである。

8.The Gypsy
カバとグレンが歌い分けやメインとバックといった住み分けをせず、ほぼ全ての歌詞を同時にそれぞれ歌う、まさにツインボーカルな合唱曲。

9.Soldier Of Fortune(幸運な兵士)
ラストは哀愁に満ち満ちた演歌路線。
パープルっぽくはないけど楽曲としてはいいと思う。
歌詞ももの悲しい男の心情を歌った内容となっている。
こういう曲を聴くとボーカリストとしてのカバの器用な面がよくわかる。

ネットで見てきた評価のとおり、ディープ・パープルのパブリックなイメージからは少しはずれた変わったアルバムである。
楽曲としてはどれも決して悪くなく、80年代っぽいサウンドは聴いていてふつうに楽しめる。
何より二人のボーカルが楽しそうだし、明るいし、のびのび歌っている。
グレン・ヒューズの出番も「Burn」よりは多い。
ハードロックが苦手な女性を助手席に乗せていても、このアルバムならクルマの中でかけてもあまり問題はなさそうな、そんな感じ。
(たとえ話が80年代っぽくてダサイ)

ただし。
ハードロックバンドとしてのパープルを評価するとなれば話は変わってくる。
やはり気になるのはサウンドの大きな変化だ。
とにかくジョン・ロードの出番がなんとなく少ないように聞こえるし、これはこの後の「Come Taste The Band」にも感じたことだが、第2期ほどリッチーのギターとの対立構造がなくなって来ている。
ギランのボーカルはあんまし好みじゃないんだが、それでも第2期のボーカル対ギター対キーボードという緊張感にあふれた関節技の応酬が味わえないのはやはりどこか物足りない。
その後のレインボーの三頭体制を見れば、リッチーの当時やりたかったことはやっぱり各パート同士のガチなド突き合いだったんだろうなと思う。

この後パープルはリッチーの後任として富墓林ことトミー・ボーリンを加入させてアルバムを作る。
しかし評判はさらに悪く、コンサートでもトミーは全然評価されず、結局パープルは解散。
トミーは精神的にも深いダメージを負い、やがて非業の死をとげるという、パープル史上最も不幸な結末をたどったメンバーとなってしまった。
リッチー脱退からパープル解散・トミーの死までは、パープルの歴史の中でも悲しき負の連鎖期間だったのだろう。
ちなみにリッチー自身はトミーのことを高く評価していて、テレビでトミーの演奏を見て「彼は大物になる」とインタビューで語ったことがあるそうだ。

第3期のパープルは、ギランがいなくなったが故にリッチーの不満をまともに受け止めるのがジョンだけになってしまい、メンバー間のパワーバランスが崩れてしまったんじゃないかとも思う。
いずれにせよ、このアルバムは「カバとグレンによる方向転換」「リッチー在籍最後の作品」というのが付加価値であるようだ。

なお「Stormbringer」のアルバムジャケットはパープルにしては珍しく?メンバーの姿がない。
農地で炎上して立ち上る煙が上空に伸びて、それをペガサスが飛び越えようとしているイラストである。
これはタイトルナンバーである「Stormbringer」のイメージを表現したものだろうか?
歴代のポンチなジャケットに比べて非常にセンスの良い作品だと思う。(上から目線)

というわけで、「Stormbringer」。
パープルというバンドの作品としてはややイメージと違いましたが、楽曲そのものは良かったと思います。
また第3期も制覇した達成感もありました。
ただ、パープルについてはもう他の未聴盤を聴く意欲はほとんどありませんが、もし次に聴くとしたら第1期の作品になるような気がします。

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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。

洋楽ファンなら避けては通れないパープル勉強会。
ついにここまで来られましたか・・・

私はLPで持ってましたが名作とは言わないまでも
ある程度は好印象な作品ですね。

>リッチーの当時やりたかったことはやっぱり各パート同士のガチなド突き合いだったんだろうなと思う。
上手い表現ですね(大爆笑)多分そうです。

>トミーは精神的にも深いダメージを負い、やがて非業の死をとげるという、パープル史上最も不幸な結末をたどったメンバーとなってしまった。
昔読んだ音楽雑誌にはトミーはソロアルバムに富墓林と漢字の当て字をつけたので呪われて死んだって話を読んだ記憶があります。当時は物凄く怖かったです(ガクブル)

>農地で炎上して立ち上る煙が上空に伸びて、それをペガサスが飛び越えようとしているイラストである。
これはタイトルナンバーである「Stormbringer」のイメージを表現したものだろうか?
これは・・・どう見ても嵐(ストーム)っていうよりも竜巻(ツイスター)に見えます(笑)どうでもよいですけど・・・

>もし次に聴くとしたら第1期の作品になるような気がします。
未知の世界に挑戦ですか? 記事が楽しみです。

投稿: ボレロ | 2013.11.11 21:49

ボレロさん、コメントありがとうございます。
避けて通れないはずのパープル学習、こんな中年になって今頃やってるヤツもどうかしてるとは思いますけど・・

>私はLPで持ってましたが名作とは言わないまでも
ある程度は好印象な作品ですね。

確かに印象としては決して悪くないんですよね。
ただなんつうか第2期ほどの疾走感はないようですが・・

>昔読んだ音楽雑誌にはトミーはソロアルバムに富墓林と漢字の当て字をつけたので呪われて死んだって話を読んだ記憶があります。

うーん・・実際トミーは死んじゃったのでどうとでも言えるような話ですけど、じゃあ富墓林って当て字を考えたのは誰なんだろう・・
これたぶん日本人ですよね?

>未知の世界に挑戦ですか? 記事が楽しみです。

果たして聴くのはいつになるやらわかりませんけど、「詩人タリエシンの世界」はなんとなく気になるタイトルです。

投稿: SYUNJI | 2013.11.12 23:15

オジキ
お勤めご苦労様です。
これ、1ミクロンも聴いた事ないです。
なんとなくジャケを見た事がある程度です…

もう、パープルはバーンで打ち止めでいいような気が…

>もし次に聴くとしたら第1期の作品になるような気がします。
1stは大好物です!!!!
パープルは1stだけ聴いていれば良い♪
って位最高です☆
ハッシュ(ナーナナナーナナナーナナナ)はお聞きになっているかもしれません

後の変なクラッシックみたいなのはいいです。
1st、おススメですぜ

投稿: V.J. | 2013.11.19 21:58

V.J.若、コメント感謝です。

>これ、1ミクロンも聴いた事ないです。
>なんとなくジャケを見た事がある程度です…

そうスか・・
まあ確かに名盤と呼ばれるアルバムでもないみたいですけど。
決して悪くはないんですけどね。

>ハッシュ(ナーナナナーナナナーナナナ)はお聞きになっているかもしれません

「ハッシュ」は聴いたことがありますね。
なんか昔の深夜のテレビみたいな雰囲気だと感じましたが・・(伝わらない)
第1期にも少し興味がわいてきましたんで、近いうちに聴いてみようかと思います。

投稿: SYUNJI | 2013.11.19 22:44

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