« 聴いてみた 第110回 ディープ・パープル その8 | トップページ | 行ってみた 東京モーターショー2013 »

聴いてない 第188回 スレイド

大ヒット曲が実は他の人のカバーだったことを後から知った、というパターンは誰でもあるだろう。
オリジナルのほうを後から聴いて違和感を覚えた、なんてことも多いと思う。
今回採り上げるスレイドも、自分にとってはそのパターンの典型バンドである。

まずスレイドについて。
1曲しか聴いてないので、聴いてない度は2。
聴いたのは「Cum On Feel The Noize」。
83年にクワイエット・ライオットがカバーして大ヒットした、あの曲である。
スレイドはその10年前に発表して全英1位を記録している。

オリジナルを聴いたのはたぶん90年代になってからだ。
しかもスレイドのアルバムではなく、当時流行っていた「NOW」系のオムニバス盤に収録されていたものだったと思う。
この時初めてスレイドのほうがオリジナルであることを知った次第。
またクワイエット・ライオットは「「Mama Weer All Crazee Now」もカバーしているが、こちらはスレイドのオリジナルを聴いていない。

クワイエット・ライオットの巻でも書いたが、「Cum On Feel The Noize」はかなり好きである。
オリジナルも悪くないが、クワイエット・ライオットのケヴィン・ダブロウのヤケクソなボーカルのほうがずっといい。
イントロの「どんぱん・どぱん・どんぱん・どぱん」というドラムとケヴィンの絶叫が壮絶なサウンドを構成している。
で、後からスレイド版を聴いた時は「なんか迫力ないなぁ」と感じたものだ。
ケヴィン・ダブロウほど絶叫系でなく、ガヤガヤと歌う様子はなんか昔のアイドル親衛隊みたいな感じに聞こえる。

なのでスレイドのことは「オリジナルを歌った人たち」ということしか知らない。
まあクワイエット・ライオットも同じようなレベルでしか知らないのだが、この機会にスレイドも一応薄く調べることにした。

スレイドは1966年にイギリスで結成。
メンバーはノディ・ホルダー(V/G)、デイヴ・ヒル(G)、ジム・リー(B)、ドン・パウウェル(D)。
1969年にデビュー。
当初「アンブロージア・スレイド」というやや長いバンド名だったが、2枚目のアルバム作成以降はただの「スレイド」に改名。
この時バンドを強力にサポートしたプロデューサーが、アニマルズのベーシストだったチャス・チャンドラーで、バンド名をただのスレイドにしたのもチャスの発案らしい。

このバンド、70年代前半が黄金期と呼ばれる。
シングル「Coz I Luv You」「Take Me Bak 'Ome(恋のバックホーム)」「Mama Weer All Crazee Now(クレイジー・ママ)」「Cum On Feel The Noize」「Skweeze Me, Pleeze Me」などが全英チャート1位となった。
アルバムでも72年の「Slade Alive」が2位、「Slayed?」「Sladest」が1位を記録している。
「Sladest」はベスト盤だそうだが、69年デビューのバンドが4年くらいの間にベスト盤まで出して1位も獲得したというのはすごい話だと思う。
74年には中野サンプラザで日本公演も行っている。

ちなみに彼らの曲名には「Love」を「Luv」、「Night」を「Nite」、「Goodby」を「Gudbuy」、「Crazy」を「Crazee」と表記を変えているものがある。
もちろん正しくない英語表記なのだが、こうしたおフザケも当時のイギリスの若者には受けていたようである。
ニュアンスはあまりよくわからないが、「夜露死苦」みたいなもんだろうか。(違うと思う)

グラムロックの人気とともにあったスレイドは、70年代後半から徐々に勢いを失っていき、チャートにも登場しなくなる。
復活のきっかけとなったのが、前述のとおり83年クワイエット・ライオットによる「Cum On Feel The Noize」の大ヒットであった。
まさにコロッケが売れて再評価された美川憲一のような状態。(この例えも乱用しすぎだなぁ・・)
本家スレイドは同年アルバム「The Amazing Kamikaze Syndrome」をリリース。
これがうまいこと再評価の波に乗り、シングル「Run Run Away」も含めイギリスとアメリカで大ヒットを記録した。
しかし極東の貧乏学生だった自分は、当時のスレイドのヒットを全く知らない。

さらにあのオアシスも「Cum On Feel The Noize」をカバーしている。(聴いてないけど)
ノエル・ギャラガーはどうやらスレイドではなくクワイエット・ライオットを聴いてカバーしたくなったのではないかという話だが・・
ちなみにクワイエット・ライオットだが、日本では「メタル・ヘルス」を含む2枚のアルバムをリリースしているが、アメリカではこの2枚は発売されなかったそうだ。
なぜ?

90年代に入り、ノディ・ホルダーとジム・リーが引退という形でバンドを去り、残ったデイヴ・ヒルとドン・パウウェルは「スレイドII」というバンド名で活動を継続。
その後2002年になって再びノディとジムが戻り、スレイドとしてアルバム「Cum on Let's Party」を発表している。

一時的に脱退はあったものの、メンバーはこの4人で変わらないというのは、ロックバンドにしては非常に珍しいケースである。
「不動の4人」と呼ばれるバンドにU2があるが、スレイドの歴史はU2よりも長い。
最近はそれぞれ個別に音楽や芸能活動をしてるそうだが、バンドとしては解散したわけではないようだ。

というわけで、スレイド。
「Cum On Feel The Noize」だけではどんなバンドなのか全然わかりません。
日本での知名度はそれほど高くはないようにも思いますが、おすすめのアルバムなどあればご指導ください。

|

« 聴いてみた 第110回 ディープ・パープル その8 | トップページ | 行ってみた 東京モーターショー2013 »

コメント

SYUNJIさん、おはようございます。
スレイドといつも間違えるのが、シン・リジィです。
こちらには「Boys Are Back In Town」というヒット曲が
あります。

どちらのバンドも名前とヒット曲名しか知らず、ヒット曲
もカバーでしか聞いたことがありません。
それでまだ現役で活躍しているのですね。これはすごい
です。

ハードロックやプログレは、日本では(言葉が悪いですが)
B級もかなり人気があります。スレイドも、確か紙ジャケ
が出ています。
しかし、それぞれのジャンルにはまっているときはいいの
ですが、あるとき「なんでこんなん聞いているのだろう」
と我に返る瞬間が来るときがあります。私はこれで、
プログレやソフトロックのB級アルバムを結構処分
しました。
ここがA級とB級の差でしょうか???

投稿: モンスリー | 2013.11.24 08:59

ご無沙汰しております。

相変わらず色んな所にご夫婦で行かれているようですね。羨ましいです。

さて、「Cum On Feel The Noize」がスレイドがオリジナルだとは全然知りませんでした。Youtubeで見てみましたが、ちょっとキッスのような感じですね。

オアシスもカバーしているとは、なんだか意外です。ノリノリの曲で盛り上がるとは思いますが、オアシスらしくないというか、イメージが合わない気がします。

スレイドと聞いて思い出すのは、確か80年代初頭だったと思いますが「Run Runaway」という曲です。ちょっとバグパイプのような音を使った、イギリスぽい曲でした。

投稿: getsmart0086 | 2013.11.24 16:21

モンスリーさん、コメントありがとうございます。

>スレイドといつも間違えるのが、シン・リジィです。

あれ、そうですか?
自分の認識ではゲイリー・ムーアやフィル・リノットを擁するシン・リジィのほうが認知度は高いと思ってましたが・・(聴いてないことに変わりはないけど)

>スレイドも、確か紙ジャケが出ています。

そのようですね。
紙ジャケが出るというのはそれなりにコアなファンがいるということでしょうか。
ただスレイドは本国と日本での人気には相当な差があるように思いますが・・

投稿: SYUNJI | 2013.11.24 21:17

ゲッツさん、お久しぶりです。
カネも体力もないのに全国を徘徊しております。

>さて、「Cum On Feel The Noize」がスレイドがオリジナルだとは全然知りませんでした。

おお、それではかつての自分と同じだったんスね。
クワイエット・ライオットで大ヒットした時、日本ではスレイドもつられてヒット・・とはなりませんでしたし。

>Youtubeで見てみましたが、ちょっとキッスのような感じですね。

あーなるほど・・メイクや火吹きはないですけど、なんか騒々しい感じとか似てるところはありますね。

>ちょっとバグパイプのような音を使った、イギリスぽい曲でした。

へぇーそうなんですか。
「Run Runaway」は復活後の曲だそうですが、これは全く知らないですね。
スレイド、とりあえずベスト盤を聴いてみようかと思います。

投稿: SYUNJI | 2013.11.24 21:47

オジキ
スレイドですが、本編で書かれていたように、改名前のサイケ臭が残ってるヤツと、Coz I Love Youとかのイメチェン後一発目のSlayed?までの3枚はアルバムを聴いても良いかもしれません。

でも、やっぱ、奴らの魅力はコドモがダイスキ、ポップでシンガロンのシングルの数々ですので、ベスト盤が一番かと思います。

コドモ向けのバカバンド。のイメージしかないですが、ポップなメロディ。みんなでサビを大合唱。のスタイルは、その後、クイーン、オアシスに受け継がれるのを見ると、やっぱ、英国人はこういうのが好きなんだろうなぁ。と思います。

そんな意味で、英国ロックの中では意外と重要なバンドなのでは?と勘違いしてしまうバンドですが、You Tubeとかでオカッバ厚底野郎の姿を観てしまうと、あんま考えなくてもいいや。
と、思わせてしまうバカ達です。

僕はキライじゃないです。ボウイなんかみたいなインテリぶってるのより全然好き♪
変態オヤジ、ゲイリー・グリッターと一緒に聴いて下さい☆

投稿: V.J. | 2013.11.30 08:35

指摘があるときだけ出てくるイヤなヤツ、ajinaでございます。すいません。

それはあとに回すとして、スレイドはベスト盤しか持ってませんが(そんなことをここで告白すると「ベストは聴いたうちに入らない」と怒られてしまいそうですが)、好きです! ステイタス・クォーとか、スージー・クアトロとか、グランド・ファンク(レイルロード)とか、AC/DCとか、ウルフルズとか、デイヴが唄うヴァン・ヘイレンとか、そういうバンドと似たものを感じます。アホでノリノリ!

さて、指摘といっても大したことではございません。クワイエット・ライオットのアルバム「メタルヘルス」は、アメリカでリリースされております。大ヒットしました。Wikipedia(英)によると、ビルボード初の、1位をとったヘヴィ・メタル・アルバムだそうです。で「メタルヘルス」は彼らのアメリカにおけるデビューアルバムです(再結成後の最初のアルバムでもあります)が、紛らわしいことにその前に実は2枚のアルバムがあって(ギターはランディー・ローズ)、それが日本のみの発売だったそうです。事情はよく知りませんが、クイーン的な、ミュージックライフ的な、“外タレ”的なことでアイドル人気を狙って、売り出されたもよう。そういうことって、当時はよくあったんでしょうか?

投稿: ajina | 2013.11.30 15:51

V.J.若、コメント感謝です。

>コドモ向けのバカバンド。のイメージしかないですが、ポップなメロディ。みんなでサビを大合唱。のスタイルは、その後、クイーン、オアシスに受け継がれるのを見ると、やっぱ、英国人はこういうのが好きなんだろうなぁ。と思います。

あーなるほど・・そういう流れなんですね。
なんとなくハードルがかなり下がったような気がします。(単純)
とりあえずベスト盤を探してみます。

>変態オヤジ、ゲイリー・グリッターと一緒に聴いて下さい☆

ゲイリー・グリッターは全く聴いたことないですね。
グラム・ロッカーだけど世代としてはボウイよりもっと上の人だという話ですが・・

投稿: SYUNJI | 2013.12.01 23:13

ajinaさん、まずはご指摘ありがとうございます。

>クワイエット・ライオットのアルバム「メタルヘルス」は、アメリカでリリースされております。大ヒットしました。

そうですよね・・
調べて書いたつもりがなんか変だなぁと思ってましたが、確かにメタルで全米初の1位なんてニュースもどこかで聞いたような気がします。
正しくはご指摘のとおり「メタル・ヘルス」以前の2枚が本国発売なし、でした。すいません・・

> ステイタス・クォーとか、スージー・クアトロとか、グランド・ファンク(レイルロード)とか、AC/DCとか、ウルフルズとか、デイヴが唄うヴァン・ヘイレンとか、そういうバンドと似たものを感じます。アホでノリノリ!

うーん・・あげていただいた中ではヴァン・ヘイレンしか聴いてません・・
でもスレイドもそういうアホでノリノリなバンドということですね。
先にクワイエット・ライオットを聴いたから薄い印象を感じたようですが、他の曲も聴いてみると違うかもしれないですね。

投稿: SYUNJI | 2013.12.01 23:26

いましたねえこんなバンド。日本で売れたのは グッバイジェーンだったと思います。指摘あったように、当時、こんなの聴いてるとガキ扱いされたような?!でもTRexはいいのか??なんて、ブギーの質が違うでしょっていうか、TRexは今おもえば、プロデューサーのトニービスコンティの手腕によるとこが強いか。。

投稿: マルチオーディオ | 2013.12.03 15:25

マルチオーディオさん、コメントありがとうございます。

>日本で売れたのは グッバイジェーンだったと思います。

これは「Cum On Feel The Noize」より前のヒット曲だそうですね。
全然聴いたことがないですけど・・

>TRexは今おもえば、プロデューサーのトニービスコンティの手腕によるとこが強いか。。

話がスレイドからどんどん離れてますけど、この人の名前はうっすら聞いたことがある程度でしたが、調べたらシン・リジィの「Black Rose」なんかもプロデュースしてるんですね。
あのメイ・パンと結婚して離婚もしてたというのも初めて知りました・・

投稿: SYUNJI | 2013.12.03 21:14

SYUNJIさん、お邪魔します。

ベスト盤コレクターの自分、スレイド持っています。けっこうお気に入りだったりします。

初めて聴いたのは、当時ヒットしていた「Run Run Away」でした。今自分の手元に残っているエアチェック・カセットテープの、最も古いテープに何故かAB面両面に録音されています。
面白い雰囲気の曲だったので、好きになりました。

それから、クワイエット・ライオットで「Cum On Feel The Noize」を聴き、スレイドのヴァージョンを探して聴いた覚えがあります。
自分はスレイドの方が好きですね。声質は似ている感じですが、どっかダサい感じのスレイドとは違い、80年代らしい金属的なサウンドが苦手なのかも知れません。
SYUNJIさんが書かれているように、オアシスもカヴァーしてますが、まだ勢いある頃の録音なのでそっちも結構好きです。

自分が知っている限りでは、オアシスは他に「Merry Xmas Everybody」もカヴァーしていて、個人的には明るい本家よりも、ノエルのボーカル(だったと思う)で落ち着いたアレンジなので好きです。

スレイドの持つB級感が、自分の感性にピッタリ合っている感じです。
アルバムを買い揃えようとまでは思いませんけど。(苦笑)

投稿: まったり男 | 2013.12.07 13:00

まったりさん、コメントありがとうございます。
意外とスレイド人気ありますね。

>初めて聴いたのは、当時ヒットしていた「Run Run Away」でした。

そうスか・・自分はこの曲は知らないんですよ。
エアチェックでもスレイドの曲って一度も録音してないですね。

>自分はスレイドの方が好きですね。声質は似ている感じですが、どっかダサい感じのスレイドとは違い、80年代らしい金属的なサウンドが苦手なのかも知れません。

なるほど、確かに声質は近い感じもしますね。
まあクワイエット・ライオットのほうは絶叫系なんで好みは分かれるとは思いますけど。

>オアシスもカヴァーしてますが、まだ勢いある頃の録音なのでそっちも結構好きです。

You Tubeで聴いてみました。
ボーカルよりもギターサウンドが目立つ感じですね。
いかにもオアシスという音になってると思います。

投稿: SYUNJI | 2013.12.09 21:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9509/58630645

この記事へのトラックバック一覧です: 聴いてない 第188回 スレイド:

« 聴いてみた 第110回 ディープ・パープル その8 | トップページ | 行ってみた 東京モーターショー2013 »