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聴いてみた 第100回 ローリング・ストーンズ その9

おかげさまで「聴いてみた」シリーズ、記念すべき100回目となりました。
聴いてない」シリーズと同様に、100回目はストーンズを採り上げることにします。

親身の指導・日々是決戦・信頼と実績のストーンズ年末年始特別講習で聴いてみたのは76年の作品「Black And Blue」。
近所のレコファンで年末に買ってみました。
・・・などとのんきに構えていたが、ストーンズはシリーズ中9回目の登場なのに前回はもう半年前だということに今気づいた。
こんな調子ではストーンズ検定3級でも合格圏内は極めて危ういと三者面談で担任教師から厳しい言葉を浴びせられたような状況である。(終始意味不明)
いや、もしストーンズ検定あっても受けませんけど。
まだまだたくさんの未聴アルバムが残っているストーンズ、楽天の社訓並みに急いで聴かねばならない。

Blackandblue

「Black And Blue」はロン・ウッドが参加した最初のアルバムとして知られる。
参加当初はまだフェイセズのメンバーだったロン・ウッドは、契約上正式加入するまでは給料をもらってストーンズの音楽活動に参加していたそうだ。
じゃあ契約上の正式メンバーとなったのはいつかというと、なんと17年後の1993年とのこと。
そんな長期間契約社員の身でストーンズに貢献してきたロン・ウッド、果たして最初の働きぶりはどんな感じなのでしょうか。(偉そう)

・・・・・聴いてみた。

1. Hot Stuff
70年代っぽいディスコ調のサウンドでスタート。
ストーンズの音としてはやや意外で唐突な感じがする。
同じリズムとフレーズが延々繰り返されるだけで盛り上がりもなく、少し退屈な印象。

2. Hand Of Fate
これは本来のストーンズの楽曲そのものだ。
鋭いギターがよく聞こえるが、ベースラインも思ったより主張が強く、トータルなまとまり感がある。

3. Cherry Oh Baby
一転してレゲエなサウンド。
この曲は彼らのオリジナルではなく、ジャマイカのエリック・ドナルドソンという人の作品だそうだ。
後のポリスっぽくて悪くはないが、ミックやキースの声がレゲエのリズムに乗るという構図には、まだ聴き慣れないせいか若干のとまどいを覚える。

4. Memory Motel
ピアノのおだやかな調べで始まるバラード。
キースはギターを弾いておらず、キーボードとボーカルを担当しているとのこと。
さすがにかなり慣れてきたが、二人のボーカルはハーモニーや調和という点ではそれほど高い評価にはならないと思う。
しかしそれを補ってなお有り余るほどの「何か」があるのがストーンズなのだろう。
7分の大作。

5. Hey Negrita
独特のリズムに辛口なギターとミックのシャウトが乗る。
この前方やや右側に聞こえるギターがロン・ウッドと思われる。
作詞作曲ではなく「インスピレーション」という名目でロン・ウッドの名がクレジットされている。

6. Melody
ブルースとジャズが混ざったようなサウンド。
そのジャズっぽいピアノはあのビリー・プレストンだそうだ。
後半は叩きつけるような音に変わり、ボーカルも叫びが多くなる。
進行が読みづらく、ちょっと難しい曲。

7. Fool To Cry(愚か者の涙)
再びゆるやかなピアノが奏でられるバラード。
楽器の音は心地よいが、ボーカルの大半がファルセットなので、少々聴きづらい。

8. Crazy Mama
ミドルテンポのロック。
ミックとキースとロンの3人がギターを弾く豪華な構成だそうだが、センターで聞こえる高いギターがキース、右サイドがロンと思われる。
粘着なミックのボーカルはこういうガヤ系な楽曲の中でこそ冴える見本みたいないい曲だ。

・・・聴き終えた。
全8曲はストーンズのスタジオ盤としては最少だそうだが、結構変わった曲が多い。
レゲエありバラードありジャズあり食いタン先ヅケなんでもありといったバラエティパックな展開だが、好みに合致する曲は思ったほど多くはない。
激しく猥雑なストーンズが好きな人にとっては、微妙な評価になるんじゃないだろうか。
いろいろな音が聴けて楽しいのかもしれないけど、自分はレゲエやジャズでストーンズを楽しむというところまではまだたどり着いていない。
なので正直「少し難しい」「どこか物足りない」という印象がまずある。
アルバムごとに音楽性の特徴がかなり異なるのがストーンズだと思うが、このレゲエやジャズ路線と比べると「Let It Bleed」のカントリーテイストのほうがまだ自分には聴きやすい。

ネットでストーンズを調べていくと、ブライアンやミック・テイラーの高い評価はけっこう簡単に見つかるが、ロン・ウッド絶賛の感想はあまり出てこないように思う。
ド素人リスナーの自分にはもちろんロン・ウッド登場の成果や影響などを聴き分けることはできない。
レビューやサイトで得る情報から「たぶんこっちがロンのギターだろう」と推測できるに過ぎないし、キースやミック・テイラーとの違いを語ることなんかも不可能だ。

このアルバムを作った当時、ロンだけが20歳代で、他のメンバーはみんな30歳代。
ジェフ・ベック・グループやフェイセズ出身という華麗な経歴があったとしても、ビル・ワイマンなんかロンよりも10歳くらい年上なので、メンバーからは若造と見られていても不思議はなさそうだ。
ロックバンドのギタリストにしてはわりと性格がおだやかで、どのバンドでもあまり他のメンバーとの衝突はなかったんじゃないだろうか。
知り合いじゃないけど、なんかそんな感じの人に見えます。
なおロン・ウッドは「絵心ある芸人」としても有名であり、自分もロンの描く人物画は大好きである。
メンバーの似顔絵なんかハンパなくうまいよね。

ミック・テイラーの後任ギタリストとしては、ジェフ・ベックやロリー・ギャラガーの加入も構想にはあったようで、アルバム制作の過程ではオーディションやテスト的な意味合いも含まれたセッションなんかもやってたらしく、映像記録が残っているそうだ。
もしベックがストーンズに参加してたら、それはそれですごい事件だったろうなぁ。
なんとなく長続きはしなかったんじゃないかとも思いますけど・・

アルバムタイトルの「Black And Blue」だが、直訳の「黒と青」という言い回しは日本語にはない。
「白黒」や「紅白」という言葉はあるけど、「黒と青」はふつう日本語では定型の対比ではないと思う。
ヴァン・ヘイレンの曲にも同名のタイトルがあるが、ネットで調べたら、「青あざ」「あざができるほど痛めつける」を意味する言葉らしい。
転じて「こてんぱん」とか書いてあるので、今風?に言うと「ボコボコ」「フルボッコ」といったところだろうか。
果たしてストーンズがそういう意味で付けてるタイトルなのかはよくわからないのだが・・・

ジャケットはわりと昔から知っており、ストーンズのアルバムジャケットの中では結構好きなほうである。
ミックがぼてーんと無表情で写っていて、キースが「人の話聞けよ!」といった感じでミックに何か言っている。
その間にどこかおびえたような暗い表情のビル・ワイマン、という構図は緊張感に満ちていてなかなか良い。
裏はロンとチャーリーなのだが、ロンは横顔ながらチャーリーよりも手前にいる。
新加入のロンについては、ジャケットに限っては期待も込めて大きく扱われた、ということかな?

ということで、「Black And Blue」。
3回ほど繰り返し聴いてみましたが、まだ少し難しく物足りない感覚は抜けない、というところです。
次回はまた少し時代をさかのぼって「Beggars Banquet」「Sticky Fingers」「Exile On Main Street」あたりに挑戦しようかと思います。

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コメント

毎度です。実は「ブラック・アンド・ブルー」、今も昔もストーンズで一番好きなアルバムです。なぜなら一番好きな曲「ホット・スタッフ」が一番最初に入っているからです。このストーンズならではのドタバタ・ファンク、最高。

このアルバムが一番好きという時点でストーンズ・ファンとしてはダメダメですけどね。自分もストーンズ検定受ける資格ないなあ。

SYUNJIさんのロン評、的確ですね。実際にオーディションやりながらのレコーディングだったみたいで、ロンは③⑤⑧の3曲にしか参加してません。わたしの大好きな①④はハーヴィー・マンデルという人がギター弾いてます。ベックは実際にオーディションに呼ばれたのかわかりませんが、合わないですね。

全体的にビリー・プレストンの貢献度が高いので、黒っぽいというかアーバン・ソウルっぽい仕上がりで、その辺が好き嫌いの分かれ目かも知れませんが、わたしは偏愛してます。

投稿: カナ | 2013.01.13 04:22

カナさん毎度です。

>なぜなら一番好きな曲「ホット・スタッフ」が一番最初に入っているからです。このストーンズならではのドタバタ・ファンク、最高。

あーなるほど、ドタバタ・ファンクってのはまさにその通りの表現ですね。
これがまだ自分にはわからないんだろうなぁ・・

>ベックは実際にオーディションに呼ばれたのかわかりませんが、合わないですね。

そうですね、性格が。(←知り合いかよ)
ベックとのセッションは映像が残ってるようなので行われたことは確かなはずですが、ストーンズのノリとは違っていたのかもしれないですね。

>全体的にビリー・プレストンの貢献度が高いので、黒っぽいというかアーバン・ソウルっぽい仕上がりで、その辺が好き嫌いの分かれ目かも知れませんが、わたしは偏愛してます。

なるほど。
確かにここまで聴いてみたどのアルバムとも違いますね。
この個性を好むかどうか、というところですね。
もう少し修業を継続いたします。

投稿: SYUNJI | 2013.01.13 09:13

こんにちは、JTです。

私も「ブラック・アンド・ブルー」好きなアルバムです。
バラードナンバー「メモリー・モーテル」や「愚か者の涙」、本来のストーンズ調の「ハンド・オブ・ヘイト」、「クレイジー・ママ」、ファンクナンバーの「ホット・スタッフ」などバラエティに富んでいていいです。

ジェフ・ベック先生の参加の件ですが、以前インタビューでこんな事を言っていました。
ストーンズ側から「アルバムに参加して欲しい」、とオファーがあり、たまには酒とドラッグと女の日々(←勘違い(笑))もいいかと参加したようです。セッションはするがいつまでたってもレコーディングにならなので、「いつからレコーディングすんの?」と聞いたらしいです。
先生はゲスト参加のつもりだったのですが、オーディションとの事で、加入する気はない、と断ったようです。

なんでも適当にメンバーになりたかったとか言うあの人とは違いますね(笑)。さすが孤高の人。

投稿: JT | 2013.01.14 07:58

JTさん、こんにちは。

>私も「ブラック・アンド・ブルー」好きなアルバムです。

そうですか・・
みなさんの評価が高いですね、このアルバム。

>先生はゲスト参加のつもりだったのですが、オーディションとの事で、加入する気はない、と断ったようです。

なるほど、そうだったんですね。
ベックにはメンバーとして加入する意志はなかったのか・・
もしこの時クラプトン(あ、名前出しちまった)に声がかかっていたら、きっとジャケットにも大写しで登場していたんでしょうかね。
でもクラプトンも長続きしそうにない気がしますけど・・

投稿: SYUNJI | 2013.01.14 09:31

SYUNJIさん、こんにちは。
「ブラック&ブルー」 は、昨年初めて友人に聞かせて
いただきました。「メインストリートのならず者」以降は
スタジオ作品を聞いていませんでしたので、新鮮な驚き
がありました。

まずアイデアが豊富で、彼らのバックボーンの奥深さも表現されて
いるように思います。
相変わらず1曲目は衝撃があります。今回はファンキーな
ギターに驚きました。3曲目も驚きのレゲエ。4曲目の
「メモリーモーテル」は名曲ですなあ!
全体的に渋く、ブルース色も強く、ストーンズらしいアルバム
だと思いました。

>>ミック・テイラーの後任ギタリストとしては、ジェフ・ベック

これは全然知りませんでした! しかし、仮に加入していたと
しても、アルバム1枚を作ることなく脱退していたような
気がします(笑)。

投稿: モンスリー | 2013.01.14 11:15

モンスリーさん、コメントありがとうございます。

>まずアイデアが豊富で、彼らのバックボーンの奥深さも表現されているように思います。

これはその通りですね。
好みかというと微妙ですが、このアルバムはかなりいろいろなストーンズが表現されていると思います。

>しかし、仮に加入していたとしても、アルバム1枚を作ることなく脱退していたような気がします(笑)。

自分もそう思います。
別にベックの親戚でもありませんけど・・
たぶんロン・ウッドという人は、ミックとキースにとって「決して仕事のジャマをしないヤツ」なんじゃないでしょうか。

投稿: SYUNJI | 2013.01.14 16:25

SYUNJIさんこんばんは。
>正直「少し難しい」「どこか物足りない」という印象がまずある
「ブラック&ブルー」はCD持ってますけど
聴かない部類の作品ですねぇ~
「エモーショナル・レスキュー」や「ミス・ユー」は好きなんですけど・・・KYな感想ですいません・・

以前、福岡ドームにストーンズが来たんですよ。
見には行ってませんがベスト電器本店の地下のCDコーナーでロン・ウッドの絵(複製)が50万円で売ってありました・・・(笑)

投稿: ボレロ | 2013.01.14 19:57

ボレロさん、こんばんは。

>「エモーショナル・レスキュー」や「ミス・ユー」は好きなんですけど・・・

あーその路線だと自分はどちらかというと苦手な感じですね。
ここまで聴いてきて、どうも自分はワイルドなロックをストーンズに求めているだけのような気がしています・・

>ベスト電器本店の地下のCDコーナーでロン・ウッドの絵(複製)が50万円で売ってありました・・・(笑)

えええ~??!
複製で50万ですか?すごい値段だなぁ・・
直筆だったらたぶん一桁違いますね。
どんな人が買うんだろう・・

投稿: SYUNJI | 2013.01.14 21:13

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受信: 2013.01.13 04:26

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