« 行ってみた 第34回 春日大社・東大寺・金戒光明寺・真如堂 | トップページ | 読んでみた 第41回 ENGINE »

聴いてみた 第99回 キャロル・キング

聴いてないことを告白したら各方面からお叱りを受けたキャロル・キング
死の宣告まで受けるほど鉄板で聴いてて当たり前なアーチストであることに恐れをなしたあたしは、モンスリー師匠の教育的指導により取り急ぎ今年発売の「Legendary Demos」というアルバムを聴くことにしました。

Demo

主に60年代に録音された未発表のデモ音源を集めたもので、大半は他のアーチストに提供された曲である。
不朽の名盤「つづれおり」に収録されている曲も5曲あり、ファンにはたまらない構成。
しかし「つづれおり」を聴いたことはあるが「It's Too Late」しか覚えていないので、自分にとってはほとんどが初めて聴く曲に等しい。
そんな情けない逆風の中、意を決して聴くことにしました。(大げさ)
果たしてこれを聴けばあたしの寿命も少しは延びるのでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

曲名と提供先のアーチスト名は以下のとおり。

1. Pleasant Valley Sunday(モンキーズ)
2. So Goes Love(タートルズ、モンキーズ)
3. Take Good Care Of My Baby(ボビー・ヴィー)
4. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman(アレサ・フランクリン、シャーリー・スコット)
5. Like Little Children(ニッカーボッカーズ)
6. Beautiful(バーバラ・ストライザンド)
7. Crying In The Rain(エヴァリー・ブラザーズ、フラッシュ・キャデラック)
8. Way Over Yonder(ジュディ・マウアット)
9. Yours Until Tomorrow(ディ・ディ・ワーウィック、イングルベェト・ハプディンク) 
10. It's Too Late(アイズレー・ブラザーズ)
11. Tapestry
12. Just Once In My Life(ライチャス・ブラザーズ)
13. You've Got A Friend(ダスティ・スプリングフィールド)

デモだけあって楽曲はピアノ中心のシンプルな構成。
なんとなくノイズも残っているし、キャロルの歌い方もけっこう自由でワイルドな部分もある。
小さな会場で歌うライブ音源みたいな雰囲気だ。

聴き覚えのある曲はやはり「It's Too Late」だけだ。
他にもかすかに聴いたことがあるような・・・と思う曲はあるが、はっきりしない。
「It's Too Late」の進行は「つづれおり」収録のものと違うのかどうかもよくわからない。

楽曲自体はシンプルで情感がこもっていて悪くない。
あまり楽しそうなメロディはないが、どんより暗いとかムダに叫ぶとか火を噴くとか生きたコウモリを食うとかはもちろんなく、古き良き60年代の美しい曲が楽しめる。

しかしだ。
聴いていてあらためて思ったのだが、やはりキャロルの声がどうも今ひとつ好みに合わないのだった。
やや低くこもった感じで、サビのところが若干不安定な歌い方は、何回か聴いてはみたがやはりすんなりと気持ちが入っていかない。
じゃあ低い声の女性ボーカルが苦手なのか?というとこれはそうでもない。
きちんと聴いてきたわけでもないが、ジョーン・ジェットやスティービー・ニックスといった人たちの声はけっこう好きなほうなのだ。
無意味な例えだが、このアルバムを全曲スティービー・ニックスが歌ったとしたら、評価はかなり違ったものになると思う。

これも賛同されるとも思えない失礼な意見なのかもしれないが、感覚的にはユーミンの曲を聴いた時のものに近い。
ユーミンの声も実はかなり苦手なほうだ。
ただ楽曲は素晴らしいものも多く、できたら他の人のボーカルで聴きたい・・と思う曲はけっこう多い。

自分にとっては音楽を聴く時のボーカリストの声や歌い方はけっこう重要なファクターで、声質が変わったりボーカルが交代しただけで評価が急変するケースはわりと多い。
ツェッペリンの後期なんてのは自分の中での評価が下がっちゃった典型である。
キャロル・キングもアルバムや時代によって多少は違うかもしれないけど、以前に「つづれおり」を聴いた時の難しい感覚は今回もやはり変わらないようだ。
まだキャロル・キングを聴き慣れていない段階なんだから当然・・とも言えるが、直感的な好みの問題なので克服する自信はあまりない。

というわけで、キャロル・キング。
ある程度予想はしておったのですが、やはり難しい展開となりました。
ストーンズのように聴き慣れたら少しは評価も変わるのかもしれませんが、いずれにしても自分にはもう少し修業が必要なようです。

| |

« 行ってみた 第34回 春日大社・東大寺・金戒光明寺・真如堂 | トップページ | 読んでみた 第41回 ENGINE »

コメント

SYUNJIさん、こんにちは。
試聴、お疲れ様でした。

収録曲のオリジナルシンガーも初めて知りました。
知らない、聞いたことのないミュージシャンの
オンパレードですが、こんないい曲群を惜しげもなく
他人に提供していたとは、改めて驚きました。

>>聴いていてあらためて思ったのだが、
>>やはりキャロルの声がどうも今ひとつ好みに合わないのだった。

私も正直なところ、キャロル・キングは決して美声では
ないと思います。ご指摘の、スティービー・ニックスに
通じるものがあります。
しかしキャロルは曲の隅々まで知り尽くした強みと
ソウルフルなボーカル、スティービーは時に妖精、
時に小悪魔、年を取ってからは悪女な魅力で、
ファンは乗り切っております(^^;)。

今回、曲のよさに気づいていただき何よりです。
キャロルは他人への提供曲、本人制作アルバムなど
多面的な聴き方ができますので、次回の挑戦に
期待しております(^^;)。

投稿: モンスリー | 2012.12.16 16:49

モンスリー師匠、ご指導感謝です・・・が、やはりまだ自分には難しい結果となりました・・

>知らない、聞いたことのないミュージシャンのオンパレードですが、こんないい曲群を惜しげもなく他人に提供していたとは、改めて驚きました。

自分も聴いたことのないミュージシャンばかりですね。
名前を知っているのもモンキーズとアレサ・フランクリンとバーバラ・ストライザンドくらいですね。

>ご指摘の、スティービー・ニックスに通じるものがあります。

同じく低い声ですが、スティービーのほうがビブラートが効いていて個性的ですね。

>キャロルは他人への提供曲、本人制作アルバムなど多面的な聴き方ができますので、次回の挑戦に期待しております(^^;)。

なるほど・・
確かにこの1枚だけでは何も評価できませんので、もう少し学習が必要ですね。
引き続きご指導ください。

投稿: SYUNJI | 2012.12.16 21:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 聴いてみた 第99回 キャロル・キング:

« 行ってみた 第34回 春日大社・東大寺・金戒光明寺・真如堂 | トップページ | 読んでみた 第41回 ENGINE »