読んでみた 第41回 ENGINE
大してクルマの運転が好きでもないくせに外車に12年も乗ってるSYUNJIといいます。
まあ外車と言ってもものすごく小さくて軽自動車くらいの値段だったんスけどね。
その小さな安い外車が思いのほか気に入って12年も乗ってるんですけど、次に買うとしてもやっぱり外車だと思います。
不思議なもので自分みたいにそれほど運転が好きでもなくメカニックにも外観にも凝らないタイプの人間でも、なぜか一度外車に乗ってしまうと、もう国産車には戻れない体質になるようなのだ。
そんな外車マニア気取りの自分が今回手にしたのは、自動車雑誌「ENGINE」。
買ったのは初めてである。
特集「オススメのスモール・カー11台はこれだ!」のアオリにひかれて2013年1月号を買ってみた。
「ENGINE」は新潮社発行の月刊自動車雑誌である。
キャッチは「クルマとファッションを中心とした月刊ライフスタイル・マガジン」。
自動車だけでなくファッションや時計、食べ物や酒など、男のライフスタイル全般を扱う月刊誌とのこと。
発行部数は2009年の数字では35000部ぐらいだそうだが、2008年には12万部と書いてあるサイトもある。
1年で部数が激減したということだろうか?
自動車そのものが若者に売れなくなってきているようなので、関連雑誌もおそらく非常に厳しい状況にあると思われる。
そんなの自動車雑誌に限らないけど、「ENGINE」はターゲットがもともと中年以上の男性なので、年々購買層も加齢しているはずである。
果たしてこの雑誌であたしのライフスタイルにもエンジンがかかるのでしょうか。(迷惑)
・・・・・読んでみた。
1月号は226ページ、880円。
目次はこんな感じである。
【巻頭特集】It's a small world. 小さなクルマの大きな世界。
[第1部]ENGINE'S SMALL ELEVEN エンジン選、オススメのスモール・カー11台はこれだ!
[第2部]ニッポンには“軽”がある!
[第3部]ワンダフル・スモール・カー・ライフ
[第4部]これからのスモール・カーの世界
【ニューモデル海外試乗記】
・(1)完全に生まれ変わった新型VWゴルフにイタリア、サルディニア島で乗る。 オドロキの完成度!
・(2)新型ポルシェ911カレラ4&4Sにオーストリア、グラーツ近郊で乗る。 安心感とスポーティさの両取り
【ENGINE ROAD TEST】
・#1 V8エンジン搭載のベントレー・コンチネンタルGTCに沖縄で乗る。 ヤング・アット・ハート!
・#2 メルセデス・ベンツの中堅SUV、MLクラスのAMGとディーゼルに乗った。 どっちも速い!
【ENGINE名物!】CAR PEDIA
・日本篇 STIのコンプリート・モデル、レガシィ2.5i tSに乗る。etc.
・イタリア篇 新型クアトロポルテ、デトロイトで発表。etc.
・フランス篇 パリでシトロエンのDS5ハイブリッド4に乗る。etc.
・アメリカ篇 マスタングの2013年モデルに乗る。etc.
自動車雑誌にもいろいろあるが、この「ENGINE」はどうやら自動車を見る時に「センス」を重視しているように感じる。
逆に言うとメカニックや性能などにそれほど強いこだわりを持たず、トータルなバランスやファッションとしての自動車を評価する、というのが根底にあるようだ。
この号だけで判定してはいけないかもしれないが、少なくともカスタムパーツや中古車の広告は全然なく、痛車やスモガラのアメ車やデッパや竹ヤリや7連や特攻服といった世界には一切ふれていない。(当然か)
記事の文章はそれほど堅苦しくもなく、かといってチャラいノリなわけでもない。
ベントレーやポルシェやベンツなど高級外車も採り上げているが、全般的に車種やグレードとしてはセンターをややはずしたあたりにある。
これが全く手の届かないクソ高級車(下品)ばっかだったりするとカタギの人向けじゃなくなるんだが、高級車から今回の特集のように小さな大衆車までバランスよく配置してあり、一歩間違うとイヤミでスカした印象に受け取られかねないところを、ほどよく上品なセンスによって車情報を表現する、という、思ったより難しい編集をこなしている。
表紙も毎号外国と思われる街中での自動車写真となっていて、この写真だけでも現代アートとして通用するような雰囲気だ。
体裁がそれほど尖っていないのも、手には取りやすい一因となっているだろう。
判型はA4変形判だと思うが、ページ数はそれほど多くないし、値段もふつうの範疇だ。
紙質も悪くないし、厚みも光沢も適度な水準にあり、レイアウトや写真も当然だが高いレベルにある。
ただ個人的には本文の文字級数がやや小さいと感じる。
ターゲットは中高年なのだから、もう少し配慮してもらえたら・・と日々老眼が進んでいるあたしは思いました。
自動車に関しての広告が思ったよりも少ない。
その分読みやすいことはありがたいが、記事自体が広告の要素を兼ねているとも思われるので、収支の仕組みはよくわからない。
ということでなかなかセンスのいいバランスのとれた雑誌であるなぁ、という評価で締めようと思ったんだが、読み進むうちに事態は急転する。
自動車情報ページが終わってライカのデジカメや999.9のメガネの広告っぽい記事が登場するあたりから様子がおかしくなってきた。
後半60ページ以上が全部腕時計に関する紙面となっている。
写真も異様にでかく、これはほぼ広告と言って差し支えない。
しかも値段がものすごい。
時計だから当然ピンキリではあるが、100万円以上のものがどかどか載っており、中には5000万円以上というものまである。
こんなのデヴィ夫人でもなければ買えないって。
この構成はいったい何だ?
毎号こんな調子なのか、今月号だけやたら時計に注力してるのか、よくわからないが非常に唐突な印象を受ける。
掲載されてる腕時計はまさに自動車のような値段だが、購買層は違うはずである。
300万円のクルマに乗る人は、300万円の腕時計をするとは思えないんですけど。
今月号がスモールカーという比較的お手頃な価格帯のクルマを特集しているだけに、腕時計情報のページとの格差がありすぎてバランスが非常に悪い気がする。
こんな腕時計紹介が延々続くなら、中古車やパーツの広告ページのほうがまだマシだ。
もしかして「ENGINE」ってのはそもそもお金持ちの人向け雑誌で、今回のスモールカーはセカンドカーまたはサードカーとしての紹介のつもりだったのだろうか?
雑誌を維持するために必要な施策だとしたら、それは読者のほうを向いていない話だ。
版元や編集サイドの労苦や葛藤もあるとは思うが、やはり支持できないよなぁ。
申し訳ないけど、この腕時計ページのせいで雑誌そのもののイメージはかなり良くないほうに傾いてしまった。(貧乏人のひがみ)
というわけで、どこか悲しい評価となった「ENGINE」。
いちいち広告ページにグダグダ反応する自分も器が小さいですけど、こういう雑誌だったんだ・・・というガッカリ感のほうが強く残ってしまいました。
今後はよほど興味のある車種やメーカーの特集でもない限り、手に取ることはもうないと思います。
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コメント
ども、SYUNJIさん。
自分、雑誌の高級時計の広告と記事がバンバン乗っているのが不思議と思っている人間(この雑誌に限らず)、、。
広告主がそうだからもう仕方のない事なのか?、、
雑誌自体は面白そうと思っていても、読んだことは無いですね。
最近はクルマ好きならテレビのBSで「おぎやはぎの愛車遍歴」が楽しみで、車雑誌を読むという事は殆ど無いですね。
この番組はおそらくゲッツも毎週見ているという、、。
車の情報というか、読んでみて楽しむというのならば、近頃中古車検索販売サイトで、いろんなここ十年くらいで気になる車を検索して買いもしないのにこれはいいな、、とか思いながら見ているのが楽しいですね。
そうした楽しみから、車の雑誌を買って読む、、というのは、そうとうな動機がないともうしない行動の一つのような気がします。
後、外車に乗ったら次も、、と言うのを読んで羨ましいです。自分は雪国なので信頼できる4WDであるかどうかが選択の第一になります。そうなると、、トヨタか日産。スバルが必然、、。外車で4WDとなるとアウディ、、高すぎて無理。
選択肢が広い、関東より西の人達が羨ましいです。
投稿: だいまつ | 2013.02.01 06:51
だいまつさん、コメントありがとうございます。
>自分、雑誌の高級時計の広告と記事がバンバン乗っているのが不思議と思っている人間(この雑誌に限らず)、、。
同感ですね。
誰が読んでるんでしょうかね?ぷ○先輩?
>最近はクルマ好きならテレビのBSで「おぎやはぎの愛車遍歴」が楽しみで
たま~に自分も見ますよ。
ゲッツさんは毎週見てるんですか?
>そうした楽しみから、車の雑誌を買って読む、、というのは、そうとうな動機がないともうしない行動の一つのような気がします。
確かに自分も次にクルマ買う時には雑誌は見ない気がします。
ますます自動車雑誌は厳しい状況ですね・・
>自分は雪国なので信頼できる4WDであるかどうかが選択の第一になります。
なるほど。それはそうですね。
先月都内でも15cmくらいの積雪がありましたけど、もともとどのクルマもドライバーも雪への備えが全然ないので、あちこちに運転をあきらめたクルマが放置されてました。
ムリして動かして事故起こすよりはいいんですけど、雪国の人たちから見たら情けない光景でしょうね・・
投稿: SYUNJI | 2013.02.02 23:08