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聴いてみた 第97回 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

本日の鑑賞はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの「By The Way」。
聴いてないシリーズで採り上げてからかなり時間が経ってしまったが、今回モンスリー師匠のすすめで一番聴きやすいとされるアルバムを聴くことにした。

「By The Way」は2002年の作品で、バンドとしては8作目になる。
チャートでも全英1位・全米2位を獲得しており、入門編としては申し分ない実績である。
(一番売れたのは前作の「Californication」)
タイトル曲しか聴いてないので、イメージもほぼ白紙の状態。
ジャケットが母乳とか鬼太郎とかアビー・ロードのパロディなどヘンな絵が多いことくらいしか知らず、この「By The Way」のジャケットも見覚えはない。

By_the_way

ベスト盤でもないのに、16曲も収録されている。
長いアルバムはいまいち苦手なんだが、果たしてあたしは最後まで飽きずにチリ・ペッパーズを味わうことができるでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

収録曲は以下のとおり。

1. By The Way
2. Universally Speaking
3. This Is The Place
4. Dosed
5. Don't Forget Me
6. The Zephyr Song
7. Can't Stop
8. I Could Die For You
9. Midnight
10. Throw Away Your Television
11. Cabron
12. Tear
13. On Mercury
14. Minor Thing
15. Warm Tape
16. Venice Queen

「By The Way」はすでに何度も聴いている曲だが、不思議な構成だ。
メインの部分は微妙なコーラスワークの効いたメロディアスな流れだが、間に登場するラップな部分は対照的に怒りっぽいサウンド。
何度も出てくる「And there's a light on heavy glow」という歌詞は、列に並んでいたところに突っ込んできた車のライトを意味していて、轢かれて死んだ男の心情を歌っている、ということらしい。
ラップ部分の歌詞は「ステーキナイフ」「いかさま」「キャッシュバック」「ハードトップ(の車?)」など意味不明な単語を並べており、なんとなくニルヴァーナのような感じがする。
はっきり言って変な展開の曲なんだが、なぜか繰り返し聴きたくなる。

「Universally Speaking」は「By The Way」に比べてかなりまともな楽曲。
タイトなリズムに明るく力強く歌う、なんだか青春まっただ中なサウンドである。
デトロイトを歌った内容らしい。

「Dosed」「The Zephyr Song」も哀愁に満ちたマジメな音がする。
「The Zephyr Song」は「By The Way」とともにシングルカットされた曲だそうだ。
この人たちは意外にコーラス重視のボーカルが多い。
聴く前に想像していたイメージとはかなり違う。
声楽的に完璧なハーモニーなのかは全然わからないけど、彼らなりに考え抜いたそれぞれのパートを懸命に組み合わせているように思う。

「Can't Stop」でようやく怒れる若者調のパンクっぽい音になるが、これも根底に流れるのはもの悲しいバックコーラスだったりする。
直後にバラード風な「I Could Die For You」を持ってきたり、曲順や構成にも綿密な計算が施されているようだ。

「Midnight」はイントロや終盤にストリングスを使用していて、オアシスっぽい90年代テイストなサウンドである。
壮大な展開はなかなかいい。

「Throw Away Your Television」はここまでの曲とは少し雰囲気が違う。
ドラムに時々ポリスのような音が聞こえるが、テクノのようでもあり、雑多な感じ。

「Cabron」も全然感じが違う。
ネットではカントリー・ナンバーという表現があったが、自分が聴いた範囲ではフラメンコに近い。
サビのボーカルやきゅいーんというギターは確かにカントリーっぽい気もするけど、鳴り続けるアコースティックはフラメンコギターのノリだと思う。

「Tear」はブルースを基調としたドラマチックなスローバラード。
途中のバラエティなサウンドはビートルズやストーンズに影響を受けているように思える。

ラストは「Venice Queen」。
暗い。
U2みたいなサウンド。

さてようやく聴き終えた。
全体的に思っていたよりもずっとおとなしくおだやかな曲が多い。
もっとパンクで投げやりなXTCっぽい楽曲があるのかと思っていたが、コーラスを多用したりしていて、かなり丁寧な造りである。
曲調はバラエティに富んではいるが、楽曲そのものはシンプルで、それほどアレンジやミックスをしているようには聞こえない。
ボーカルや楽器それぞれの生音を大事にしているような感じがする。

音楽としての調和は微妙である。
コーラス多用と書いたが、ハーモニーは完璧ではないし、それを求めているわけでもないのだろう。
思い思いにメンバーが高低のパートを歌い、いい感じに仕上がったらOK、みたいなアマっぽいノリが残っている。
ただし不思議とイヤな感じがしない。
パンクは苦手だが、このアルバムにはあまりパンクの香りを感じないようである。

じゃあ好みかと問われると、これも非常に微妙。
「By The Way」「Midnight」あたりはいいと思うが、他のアルバムにも手をのばしたくなるような感動とまではいかなかった、というのが正直な感想になる。

というわけで、レッチリの「By The Way」。
結局何を言っているのかわからないような感想になってしまいましたが、もう少し他のアルバムも聴いてみないといけないようです。
次に聴くとしたら最大のヒットアルバム「Californication」になろうかと思います。

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