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聴いてみた 第89回 ローリング・ストーンズ その4

新しいiPadにも新幹線のぞみラストランにも興味がない三流中年のSYUNJIといいます。
のぞみが走り始めて20年。
もうそんなに経ってるんですね。
当時のぞみは料金が高いので役員以外は使用禁止なんてことがあったなぁ。どうでもいい話ですけど。
そんな世の中全般について無関心な中年のあたしは、やや唐突だが最近少しマジメにストーンズを聴いてみようと思うようになった。(遅い・・)
昨年から今年にかけてストーンズの本をいくつか読んだりしたことも動機のひとつだが、やはりトシのわりには鑑賞履歴があまりにも貧弱だ。
そんなのストーンズだけでなくクリムゾンキンクスクラプトンジェスロ・タルもG.I.オレンジもそうなんだけど、聴いてないので本に書いてあることにいまいち共感できないのがどうも惜しい気がしてきたのだ。

これまで聴いたアルバムは「刺青の男」「Let It Bleed」の2枚とベスト盤「Made Of The Shade」だけだ。
決して得意ではない方面の人たちであることは容易に想像が付くが、このままでは世界の財産であるストーンズの音楽をロクに聴かないまま人生が終わってしまう。
よくわからない心理状態のまま三軒茶屋に久々に遠征し、3枚ほどストーンズをわしづかみにして大股で帰宅。
とりあえず発表年代順に聴くことにした。

まずは60年代ものから、「12×5」の紙ジャケ盤を選択。
12曲を5人のメンバーで、という意味だそうだ。
64年発表のアメリカにおけるセカンド・アルバムである。

12x5_2

7曲がカバー、5曲がオリジナルという構成。
録音は6曲ずつシカゴとロンドンで行われた。
若きストーンズの黒い音楽への強い憧れが投影された名盤だそうだが、初心者の自分にはどのように聞こえるのだろうか。

・・・・・聴いてみた。

1. Around And Around アラウンド・アンド・アラウンド
スタートは正調ロックンロールナンバー、チャック・ベリーのカバー。
ミック・ジャガーのボーカルにはそれほどのハジケぶりはなく、思ったよりもストレートに進行。
リマスター技術のせいなのか、古い曲のわりには音がクリアで広がりのあるサウンドだ。
出だしからなかなか快調でわくわくする。

2. Confessin' The Blues コンフェッシン・ザ・ブルース
2曲目はもったりしたブルース。
曲調はあまり好みではないが、ボーカルにエコーが少しかかっており、立体的なサウンドである。
奥のほうから聞こえるブルースハープが味わい深い。
この曲ではミックが少しワルな声を出している。

3. Empty Heart エンプティー・ハート
怪しい感じのややテンポの上がったブルース。
右側にギター、左側にキーボードだが、ボーカルとコーラスはそれほど合わせておらず、全体的にけっこう散漫な感じがする。
作詞作曲はNanker Phelgeという名前になっているが、これは当時のメンバー5人による共作の時の名前だそうだ。

4. Time Is On My Side タイム・イズ・オン・マイ・サイド
かなり昔だが、この曲のライブ映像をテレビで見たことがある。
このCDにはオルガン・イントロ・バージョンが収録されている。
ドラムやタンバリン?の音が少しジャリっとした感じで若干耳障りだが、いい曲だ。

5. Good Times, Bad Times グッド・タイムズ・バッド・タイムズ
ミックとキースによるオリジナルで、キースのアコースティックギターとブライアンのブルースハープが非常に特徴的な一曲。
ミックのけだるいボーカルとマッチしていて、まとまりのある楽曲。
ツェッペリンに同名の曲があるが全く別の曲。

6. It's All Over Now イッツ・オール・オーヴァー・ナウ
ツイスト調のロックだが、どこかカントリーのような雰囲気もある。
ボーカルとコーラスの調和はそれほどとれていないが、そういうことに頓着しないのがストーンズなのだろう。
ミックらしくややぶっきらぼうで投げやりな歌い方。

7. 2120 South Michigan Avenue 南ミシガン通り2120
ストーンズには珍しいとされるインスト。
歌詞はないが、ところどころ誰かのかけ声が聞こえる。
各パートがそれぞれきっちり主張しあっていていい感じだ。
タイトルは当時ストーンズが憧れていたチェス・レコードの住所だそうだ。

8. Under The Boardwalk なぎさのボードウォーク
どこかで聴いたことがある曲だと思ったら、これはドリフターズのカバー。
ストーンズもこんな曲を歌っていたのね。
粗野なところは少しもなく、あまりストーンズのイメージには合わない南国調のほのぼのユーモラスな曲だ。
アルバム全体の良いアクセントになっている。

9. Congratulations コングラチュレーション
これもミックとキースの共作。
この曲もノリは前の曲と同じようなゆったりな感じ。

10. Grown Up Wrong グロウン・アップ・ロング
やや辛口のロック。
ミックとキースによるオリジナル曲だが、リズムやサウンドはわりと単調。
とにかく彼らが黒い音楽に憧れていることがよくわかる。

11. If You Need Me イフ・ユー・ニード・ミー
スローバラードのブルースだが、この曲ではミックがかなり投げっぱなしでワイルドなボーカルを聴かせる。

12. Susie Q スージーQ
ストーンズらしいサウンドとボーカル。
繰り返されるベースの音がシブイ。
ギターソロは結構鋭いんだが、軽い拍手がずうっと鳴っていて、曲全体の印象をなんとなく安いものにしてる気がする。
短いので盛り上がる前に終わってしまい、少し物足りない。
日本ではクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのカバーのほうがヒットしたそうだ。

トータル32分なのであっという間に終わる。
率直な感想として、かなりイイ!(軽い)
いや、そもそもストーンズもブルースも聴き慣れていないので不安だらけではあったんだが、多少の凹凸はあれど拒絶感は全然ない。
シンプルなリズムとサウンドは聴きやすいし、おだやかな曲も激しい曲も適度に混在しててバラエティに富んでいると思う。

これは確信を持って言えるのだが、このアルバムをもっと若い頃(80年代)に聴いたとしたら、おそらくクソガキな自分はとても受け入れられずそれっきりだっただろう。
80年代の産業ロックに夢中だったミーハーなレベルの精神状態では、むしろこういった楽曲やボーカルにはついていけなかったと思うのだ。
よく音楽や文学など「もっと早くに出会っていれば・・」という定番な後悔のセリフがあるが、今回「12×5」はこのトシで聴いてみて良かったと思う。
結果論だが、この音楽が聴けるようになるまで、自分の場合はここまでの期間が必要だったのだ。
アホウな表現になるが、自分はこのトシでやっとストーンズを聴ける仮免許を取得したのである。

1964年というと、ビートルズは「A Hard Day's Night」「Beatles For Sale」を発表し、すでに英国ロック・ミュージックの頂点にいた。
ジョン・レノンから「ストーンズは俺たちよりいつも半年遅れている」と皮肉られたりしたそうだが、この時点では確かにそう評価されるのも無理ない話だ。
ビートルズもストーンズもアメリカの黒人音楽に強い影響を受けているのは同じだが、64年の時点ですでにビートルズはそれを自らのものに昇華させ、別の音楽芸術を形成し始めている。
少し後からストーンズも彼ら独自の世界を築きあげていくのだろうが、「12×5」ではそこまでのインパクトは感じられない。
ここからストーンズがどう変化していくのかを、自分なりにたどって学習していけばいいのである。

というわけで、「12×5」。
これは聴いてよかったと思います。
今頃ストーンズの初期アルバムを聴いて喜んでるのもどうかとは思いますが、次は70年代の彼らを試してみることにします。

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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
最初期のストーンズに挑戦されましたか。当方、
全く聞いたことがありません。今回紹介された
アルバムの4曲目
「Time Is On My Side タイム・イズ・オン・マイ・サイド」
のみ手持ちのベスト盤に収録されていましたので
聞き直しました。

コーラスがビートルズ風といいますか、時代の音でしょう
か。ビートルズより、ルーズでダルな感じがストーンズ
の個性だと思います。

ちなみに、60年代のストーンズで一番古いものは
「アフターマス」を聞いております。これはなかなか
おすすめできます。

>>次は70年代の彼らを試してみることにします。

60年代と並んで名作が多い時期ですが、先日友人に
聞かせてもらった「女たち(Some Girls)」はとても
よかったのでおすすめです。

投稿: モンスリー | 2012.03.20 20:43

モンスリーさん、コメントありがとうございます。
この歳になって徐々に耳がストーンズに慣れてきているのを実感してるところです。(本当か?)

>コーラスがビートルズ風といいますか、時代の音でしょうか。

そうですね、この時代のロックバンドに共通した音のように感じます。
ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」も同じ頃の作品ですが、ハジケ方はストーンズよりも上を行っている気がしますね。

>ちなみに、60年代のストーンズで一番古いものは「アフターマス」を聞いております。

なるほどそうでしたか。
「アフターマス」、調べてみましたが知ってる曲がほとんどないですね。
英盤と米盤で少し選曲が違うみたいですが、知ってるのは米盤の「黒くぬれ」くらいです。
学習のしがいがありそうです。

>先日友人に聞かせてもらった「女たち(Some Girls)」はとてもよかったのでおすすめです。

そうですか!
やはりストーンズと言えば60年代70年代なんでしょうね。
ビートルズも完全後追いですが、聴いた順番はバラバラでした。
ストーンズもすでにバラバラな聴き方をしてますが、あまり順番にはこだわらずにいろいろ試したいと思っています。

投稿: SYUNJI | 2012.03.20 22:06

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