聴いていた 第4回 滝良子のミュージックスカイホリデー
久しぶりの「聴いていたシリーズ」。
過去3回はいずれもFM放送の番組を採り上げたが、今回はAM放送番組を語ることにします。
ソラマメさんこと滝良子の「ミュージックスカイホリデー」。
みなさんは覚えておられるでしょうか?
「ミュージックスカイホリデー」はニッポン放送の深夜番組である。
1時間の生放送で、放送されていたのは1976年10月10日から1984年4月8日だそうだが、自分が聴いていたのはたぶん79年から83年くらいではないかと思う。
初めの半年間は毎週日曜日21時放送開始だったが、後に毎週日曜日23時に変更。
自分が聴いていたのは23時開始になってからである。
なお今回調べて初めて知ったのだが、2009年版・2010年版として復活したことがあったそうだ。
番組は全日空がスポンサーだったので、飛行機のフライトをイメージした構成になっていた。
曲をかけてトークがあってゲストを呼んで・・という定番な音楽番組構成ではあるのだが、最初の曲紹介の時は「テイクオフ(離陸)」、最後の曲の時は「ナイスランディング(すばらしい着陸?)」という言葉を使っていたのだ。
また特集コーナーは「スペシャルフライト」。
ここも「スペシャルフライト・・フライト・・フライト・・」とエコーをかけ、その後飛行機が飛び去るきぃいいいーんという音を流すという演出があった。
番組からのプレゼントにはもちろん全日空の航空券が使われていた。
テーマソングはTinnaというデュオグループが歌う「シャイニングスカイ」。
今回ネットで歌詞を見つけて読んでいるうちに、あの懐かしいメロディを鮮やかに思い出した。
ラジオなんだけど目の前に真っ青な空が広がっていくのを感じるような曲だった。
当時全日空の機内でもかかっていたらしい。
なおTinnaは惣領智子と高橋真理子の女性デュオだそうだ。
初めて知った・・・そうだったのか。
惣領智子は「終わりのない歌」しか知らないけど、いい歌だなぁとずうっと思っていた。
音楽ジャンルは特に洋楽限定ではなく、むしろフォークやニューミュージック(死語)が多かったように思う。
残念ながらエアチェックに使える構成や音質ではなかったので、番組を録音したことは一度もない。
どんな曲がかかっていたかほとんど覚えていないが、ビートルズやオフコースや金子ゆかりの特集が何度かあった記憶はある。
オフコースについては「さよなら」がヒットしていた頃、小田和正本人をゲストに呼んで特集を組んでいた。
ここでも小田氏はテンションがやたら低く、つくづく生放送のトークに向いてない人だなぁと感じたものだ。
金子ゆかりはシャンソン歌手だが、自分はこの番組でしか聴いたことがない。
名前を覚えているのは、少なくとも2回は特集があったからだ。
ソラマメさん自身がオフコースや金子ゆかりのファンだったのだろう。
この番組の魅力はいろいろあると思うが、やはりソラマメさんのあたたかいトークに惹かれて聴いていた人は多いはずである。
当時の関東での深夜放送と言えば「オールナイト・ニッポン」「セイ・ヤング」「パックイン・ミュージック」の3大番組が毎晩シノギを削る状態であり、「ミスDJリクエストパレード」などといった若者向きの騒々しい番組全盛の時代であった。
友人の間では「千倉真理は特にうるさい」という評判だったなぁ。
そんな中で日曜深夜というあんまし楽しくもない時間帯に、幅広い年齢層をターゲットにした「ミュージックスカイホリデー」は放送されていた。
ソラマメさん自身は当時30代だったと思うが、ミスDJなど流行の若いパーソナリティを意識してか、自ら「姥桜の会」なる妙齢の女子会を立ち上げ、やや自虐的に会長を名乗るようなことをしていた。
そんな落ち着いたやさしい声のソラマメさんの番組は、明日からまた学校や仕事でテンションが下がっている状態のリスナーにとって、こころなごむ1時間だったのだ。
あとは飛行機をイメージした演出が気に入っていたことも確かだ。
昔から飛行機は最も好きな乗り物であり、番組のセンスも都会的で良かったと思う。
ソラマメさん時代でこの番組を聴いていて、退屈でスイッチを切ってしまったり不快感を覚えたりしたことは全くなかった。(小田和正にはややイラっとしたけど)
他の深夜放送だと、聴いているうちにいつの間にか寝てしまったことはしょっちゅうあったが、この番組ではそういうことも一度もなく、午前0時まできっちり聴いてから寝たものである。
一時期彼女が産休に入り、代わって森山良子が「アノマメさん」と称してパーソナリティを務めた期間があったが、申し訳ないが森山良子の声は何度聴いてもどうもなじむことができず、結局それがきっかけで番組を聴くことをやめてしまった。
ネットで「ミュージックスカイホリデー」を検索すると、みんな同じような感覚で聴いていたことがよくわかる。
ただひとつ気になったのは、滝良子さんのソラマメという愛称の由来について、自分が知っている説?を見つけられなかったことだ。
ウィキペディアには「作家中村真一郎に『ソラマメみたいだね』といわれたのきっかけ」と書いてあるが、この話は知らなかった。
自分が知っているのは、「よく飛行機に乗る=マメにソラを飛ぶからソラマメ」というものだ。
ややスポンサーを意識してのことかもしれないが、これは放送中にソラマメさん本人が何度か明かしていた話なので、もっと知れ渡っているものだと思っていた。
というわけで、「滝良子のミュージックスカイホリデー」。
もし聴いていた方がおられましたら、番組情報や思い出など教えていただけたらと思います。
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コメント
自己レス失礼します。
滝良子さんですが、2021年8月17日に亡くなられたとのことです。
https://www.oricon.co.jp/news/2204528/full/
投稿: SYUNJI | 2021.08.24 18:20