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聴いてない 第165回 ポール・ヤング

1984年の歴史的ユニット「バンド・エイド」の「Do They Know It's Chiristmas?」。
ご存じの通りこの曲は当時のイギリスの著名なアーチストがメドレーで歌うものだが、その中でトップバッターとして登場するのがポール・ヤングである。
しかしポール・ヤングの曲は全然聴いていない。
聴いているのは大ヒット曲「Everytime You Go Away」と、86年の「Between Two Fires」のみ。
従って聴いてない度は3。

というわけでまずは恒例のウィキペディア確認・・・と思ってポール・ヤングのページを見たら、ちょっと驚くような内容だった。
情報がほとんど書かれていない。
聴いてはいないが、日本でもそれなりに知られているアーチストだと思っていたし、略歴や細かいエピソードくらいはあるやろと考えていたが、ツイッターで収まる程度の文字数でしか説明されていない。
まあウィキペディアがどのアーチストにおいても最高のソースであるわけではないけど、それにしても情報が少なすぎではないのか?

しかたがないので他のサイトやBLOGも必死に探し、かき集めた略歴は以下のとおり。
ポール・ヤングは1956年にイギリスのベッドフォードシャーに生まれた。
78年にQ・ティップスというソウルバンドを結成するが、3年程度で解散。
82年にソロ・デビュー。
マーヴィン・ゲイのカバー「Wherever I Lay My Hat(愛の放浪者)」が全英1位を獲得。
デビュー・アルバム「No Parlez」もミリオン・セラーを記録。
84年にバンド・エイドに参加し、翌85年にはホール&オーツのカバー曲「Everytime You Go Away」が世界的なヒットを記録した。
またライブ・エイドではアリソン・モイエとともに、マーヴィン・ゲイの「That's The Way Love Is」を歌っている。
89年にはネルソン・マンデラのトリビュート・コンサートに参加。
しかし90年以降はアルバムの売り上げも思わしくなくなり、チャートにも登場しなくなった。
現在も本国で活動中ではあるが、それほど目立ったものではない。

なおウィキペディアにも書いてあるが、マイク&ザ・メカニックスのボーカリストもポール・ヤングである。
こっちのポールは2000年に亡くなっており、新聞記事で知った時は「バンド・エイドのポール・ヤングが死んだのか・・」と見事に勘違いしてしまった。
ちなみにポール・ヤングとニック・カーショウとハワード・ジョーンズの3人は、80年代当時は英国若手シンガー御三家とか三羽烏などと称されていたらしい。
そうだっけ?
すいません、全部聴いてないですけど・・・

冒頭に書いたとおりバンド・エイドの「Do They Know It's Chiristmas?」では最初に歌い出すポール・ヤングだが、予定ではデビッド・ボウイがトップを務めることになっていたそうだ。
バンド・エイドのメイキング映像は当時NHKで放送されたのを見たのだが、ポール・ヤングの歌う場面は実はあまり覚えていない。
ボウイが都合で参加できなくなったためにトップ役がポール・ヤングに回ってきたということになるが、この順番決める時にもめたりしなかったんですかね?
当時ポール・ヤングよりも実績のあるアーチストばかりが集まっていたはずだし、ボウイの代わりという役割がすんなり承認されたものなのだろうか?
ミッジ・ユーロのお気に入りだったのか?(勝手な推測)
なおボウイは結局歌っておらず、間奏の部分でポール・マッカートニーらとともにメッセージでの参加という形になっている。

さて「Everytime You Go Away」のヒットは説明不要の不滅の金字塔だとは思うが、これがホール&オーツのカバー曲だということもよく知られた話だ。
当時のFM雑誌でホール&オーツのインタビュー記事を読んだが、ポール・ヤングの大ヒットにあせりを感じたのか、「あれは僕たちの曲だ」と強調していた。
ダリル・ホールはライブでこの曲を歌う前に「イギリス人歌手が歌ってるけどこれは僕たちの曲です」などと断りを入れていたそうだ。
ダリル・ホールにそう言わせてしまうほどのヒットだったのだが、ホール&オーツ側も想定外だったということだろう。
どちらのバージョンも聴いているが、ホール&オーツのほうが少し落ち着いた印象だ。

ポール・ヤングはわりとカバーが好きなようで、ホール&オーツやマーヴィン・ゲイの他にもシャイ・ライツ、トム・ウェイツ、クラウディッド・ハウスのカバー曲もあるらしい。
クラウデッド・ハウスの「Don't Dream It's Over」は名曲だが、ポール・ヤング版も聴いてみたいと思う。
本人はマーヴィン・ゲイのほかポール・ロジャースも憧れの対象と発言しているそうだ。

また変わったところでは91年に鈴木雅之とのデュエットで「Come On In」という曲を発表している。
どういう経緯で実現したのかは不明だが、この二人は同い年だそうだ。
ポールの「From Time To Time」というベスト盤に収録されているとのこと。

ということで、ポール・ヤング。
正直好みかどうかすら意識したことのないアーチストですけど、拒絶するような要素も特にありません。
アルバムの数もそれほど多くはないようですが、その中でも「聴くんだったらまずはコレ」というのがあれば、ご指定いただきたいと思います。

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コメント

SYUNJIさん、お邪魔します。

ポール・ヤングとは懐かしい。
あの当時、一時期でしたがもてはやされましたね。
でも、個人的には「Everytime You Go Away」しか記憶に残っていません。この曲のヒットのイメージが強すぎます。

バンド・エイド。
昔、ボブ・ゲルドフのインタビュー記事を読んだ時に、録音に参加した面子の間でエゴ丸出しの争いやら、裏ではやはり色々あって腹立った・・・みたいな事を語っていた覚えがあります。

投稿: まったり男 | 2012.01.24 18:37

まったりさん、こんばんは。

>でも、個人的には「Everytime You Go Away」しか記憶に残っていません。

やはりそうですか。
この人は日本ではこの曲以外ではあまり話題にならないようですねぇ・・

>録音に参加した面子の間でエゴ丸出しの争いやら、裏ではやはり色々あって腹立った・・・

うーん、楽しそうな話ですねぇ。
動機は美しいのに、やはり個性の強い人がたくさん集まるとそういうこともあるんでしょうね。
USAフォーアフリカでも、スタジオに集まったアーチスト同士が交流を楽しむばかりで全然録音が進まず、現場に登場したボブ・ゲルドフが「チャリティーなんだからね」と注意する場面があったような記憶があります。

投稿: SYUNJI | 2012.01.25 23:44

SYUNJIさんこんばんわ、ご無沙汰しています。
先日SYUNJIさんがたまに記事に書かれている
新宿DISCUNIONにいってこんな所が熊本にあったらなぁーと思ったボレロです(笑)
ポールヤングはまったり男さんが書かれているようにEverytime You Go Awayしか知りませんねぇー
バンドエイドのDo They Know It's Chiristmas?の歌いだしはWHAMのジョージ・マイケルと思っていましたよ。
新たな事実を知りました・・・

投稿: ボレロ | 2012.01.27 21:24

ボレロさん、東京にいらしてたんですね。
自分は最近あまり新宿ユニオンには行ってませんが・・

>ポールヤングはまったり男さんが書かれているようにEverytime You Go Awayしか知りませんねぇー

やはりボレロさんもそうですか。
人によってはポール・ヤングを一発屋だと思ってたりするんでしょうかね?

>バンドエイドのDo They Know It's Chiristmas?の歌いだしはWHAMのジョージ・マイケルと思っていましたよ。

ジョージ・マイケルは3番目ですね。
ポール・ヤング → ボーイ・ジョージ → ジョージ・マイケル → サイモン・ル・ボン → トニー・ハドリー → スティング → ボノ・・という順序だそうです。

投稿: SYUNJI | 2012.01.27 23:47

SYUNJIさん、こんばんは。
ポール・ヤングですが、全盛期のヒット曲はだいたいFM
でチェックしていました。残念ながら、「Every Time・・・・」
以外はあまり思い出せません。
来日もしていましたし、ライブ風のプロモビデもも
かっこよかったので、是非ライブを聞きたいと思った
のですが、残念ながら当時FMでは放送してくれません
でした。
ただ、80年代半ば~後半まではスターでしたので、
フェスにはよく登場しライブでの歌唱も聴けましたし、
あのライブエイドのDVDにも出演場面が収録されました
ので、それなりに見ることはできました。

この人、ああいう歌唱法ですので高音がきつそう
ですが、それもまた芸風だと思っています。SYUNJIさんの
エントリーを拝見し、久しぶりに聞いてみたいと思います。
輸入ベスト盤ですと、1枚500円で購入できます。

「Everytime You Go Away」ですが、ヤング以外の人の演奏を
2回聞いたことがあります。最初は本家ホール&オーツ、2回目
はスガシカオのアコースティックカバーです。しかし、思い出
もありますので、ヤングのバージョンが一番好きです。

なお、「Do They Know It's Christmas?」のCDも持っております(笑)。
SYUNJIさんがかかれた順番に少し補足しますと、こんな感じです。


1. ポール・ヤング
2. ボーイ・ジョージ(カルチャー・クラブ)
3. ジョージ・マイケル(ワム!)
4. サイモン・ル・ボン(デュラン・デュラン)
5. スティング
6. トニー・ハードリィ(スパンダー・バレイ)
7. ボーノ(U2)
8. ポール・ウェラー(スタイル・カウンシル)
(以下、主要な参加者)
フィル・コリンズ(ジェネシス)
アンディー・テイラー(デュラン・デュラン)
ステイタス・クォー
ジョディ・ワトリー
ボブ・ゲルドフ(ブームタウン・ラッツ)
クール&ザ・ギャング
ジョン・モス(カルチャー・クラブ)
ニック・ローズ(デュラン・デュラン)
ゲイリー・ケンプ
ジョン・テイラー(デュラン・デュラン)
グレン・グレゴリー
ミッジ・ユーロ(ウルトラヴォックス)
バナナラマ

投稿: モンスリー | 2012.01.29 19:26

モンスリーさん、コメントありがとうございます。

>ポール・ヤングですが、全盛期のヒット曲はだいたいFMでチェックしていました。

ええ~?そうでした?
自分はFMでエアチェックできたのが2曲だけでしたが・・聴いてた番組が全然違ったんですかね?

>あのライブエイドのDVDにも出演場面が収録されましたので、それなりに見ることはできました。

残念ながらライブ・エイド出演のシーンも覚えてません。
というか、日本の番組で放送されたのかも知らないですが・・
アリソン・モイエが一人で歌ってたのは覚えてるんですけどね。

>なお、「Do They Know It's Christmas?」のCDも持っております(笑)。

やはり今見てもすごいメンバーですね。
ポール・ヤングは出だしだけでなく中盤でもソロで歌っていたようですね。

投稿: SYUNJI | 2012.01.29 21:34

かなり出遅れましたが初めておじゃまします。ポール・ヤング、ほんとにWikiに情報ないですねえ。ダリルが自分の曲だ!とアピールした話、初めて聞きました。なんか感じ悪〜。Everytime〜の頃、かの東郷かおる子女史はじめシンコーミュージック系女子がすんごい持ち上げてたのを覚えてます。シャイで誠実なとこが受けてました。かくいう私もポールに惚れましたが。「何も言わないで」のビデオで共演したモデル、ステイシー・スミスと長年交際していると知ったときはショックだったなあ。
Between to〜以降、ポール自身や制作スタッフが盗作疑惑で騒がれアルバム何度か録音しなおしていました。しかし駄目押しのようにスタジオが火事にあい、音源紛失。ふんだりけったりの末に生まれたアルバムがたしかOTHER VOICES。飛ばすとこがほとんどない名盤です。ラストのcalling you は圧巻です。あのクセのあるファルセットを上手く使い孤独と焦燥を見事に歌い上げた名曲です。是非お聴きください。Don'tDreamIt'sOverもいいですよ〜。
あと、ニック・カーショウに「ルートン(ポールの出身地)は牛しか歩いてないド田舎」とからかわれてたなあ。関係ないけど。ほんとに今どうしてるんでしょうね。

投稿: タカえもん | 2012.02.07 23:16

タカえもんさん、初めまして。
コメントありがとうございます。

>ポール・ヤング、ほんとにWikiに情報ないですねえ。

そうなんですよ。
だいたい聴いてないアーチストを調べるのに真っ先に使うのがウィキペディアなんですけど、ここまで情報が少ないとは思いませんでした。
誰か続きを書かないかな?

>ふんだりけったりの末に生まれたアルバムがたしかOTHER VOICES。飛ばすとこがほとんどない名盤です。ラストのcalling you は圧巻です。

なるほど。
「Calling You」って「バグダッド・カフェ」で使われた曲で、ジョージ・マイケルも歌っていたと思いますが、同じ曲ですよね?
ポール・ヤングも歌ってたんですね。
興味がわいてきました。

>あと、ニック・カーショウに「ルートン(ポールの出身地)は牛しか歩いてないド田舎」とからかわれてたなあ。

ははは!そうですか。
ニック・カーショウも実は全然聴いてませんけど、今どうしてるんでしょうか・・
ご覧のとおりのシロウトBLOGですが、他にも聴いてないアーチストを採り上げてますので、ご指導いただけたらと思います。

投稿: SYUNJI | 2012.02.10 23:59

お邪魔します

ポール・ヤング
好きです。

オススメは1st”No Parlez”
アンソニ^・プライスのスーツが似合ってますね。

おっしゃるとおりカバー曲が有名ですよね。
どこかの雑誌(多分ミュージックライフか音楽専科)で見かけたのですが、ロッド・ステュワート(がこの1st ソロアルバムの選曲を評して、「ポールって若いくせに凄い奴だね」と言いながら、「でも、僕だったら違うアプローチするけどネ」と自分の次にセンスがあると話していました。

特に
♪Wherever I Lay My Hat (That's My Home)♪
どこから引っ張り出してきたのだろう?
シングルカットもされていないマーヴィン初期のアルバム収録曲。
当時♪Love of the Common People♪の12"シングルにカップリングされていたライヴバージョンが鳥肌物でした。
プレーヤーもレコードも処分してしまって長年聴きたいと思っていましたが、デビュー25周年盤で1stが2CDで出ていたのですね。。。
在庫切れですが。。。
機会があれば聴いてみて下さい。
オーディエンスも素晴らしいです。

https://www.amazon.co.jp/NO-PARLEZ-PAUL-YOUNG/dp/B001BBH6PO/ref=ntt_mus_ep_dpi_7

投稿: tatsuroman | 2018.01.11 15:02

tatsuromanさん、コメントありがとうございます。
どれも同じ答えになりますが、ポール・ヤングも手つかずです・・
久しぶりにウィキペデイアを見ましたけど、情報量は変わってないみたいですね。

>オススメは1st”No Parlez”
>おっしゃるとおりカバー曲が有名ですよね。
>「ポールって若いくせに凄い奴だね」

デビュー当時からカバーの選曲がロッドにも評価されてたんですね。
選曲は全部ポール・ヤング本人の趣味なんでしょうか?
誰かブレーンがいたのかな?
ただ残念ながらオリジナルのほうも聴いてない曲ばかりなんで、選曲のよさも自分にはわからないですが・・

投稿: SYUNJI | 2018.01.15 22:36

お邪魔します。

> 選曲は全部ポール・ヤング本人の趣味なんでしょうか?
> 誰かブレーンがいたのかな?
全部はわかりませんが、ジョイ・ディヴィジョンもやってるところから多岐にわたりますよね。

ブレーン
居てもおかしくないし居るでしょうね。
ロッドも居ると思ってます。

Everytime You Go Away♪もそうですが
1stからしてすでにサウンドプロダクションが大げさなので残念な気がします。。。

投稿: tatsuroman | 2018.01.24 17:26

>Everytime You Go Away♪もそうですが
>1stからしてすでにサウンドプロダクションが大げさなので残念な気がします。。。

時代の特徴でもあるのでしょうけど、ポール・ヤングは元の曲より大げさにアレンジして歌うのが好きだったのかもしれないですね。
「Everytime You Go Away」も確かにホール&オーツのほうは落ち着いた感じですね。

投稿: SYUNJI | 2018.01.25 21:55

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