聴いてない 第159回 エコー&ザ・バニーメン
これまで「いや、あのへんは70年代だから」「うーん・・プログレだしね」「ほら、ボクってメタル聴かない人じゃないですか」(知らねーよ)など、濁った言い訳をまき散らしながら「聴いてない」ことを延々世界中に公表しとるわけですが、上記のどれにも当てはまらないのに、ほーらやっぱり聴いてないというのもあったりする。
まあそんなの不思議でもなんでもないんですが。
その昔「ビールは飲めませんので」と言って上司のついだビールを拒否したら「じゃあ焼酎なら飲めるだろ」と言われて押し問答になったことがあります。
「じゃあ焼酎」って言われても・・
アメトーークでもやってたけど、飲める人は必ず「こんなん水みたいなもんやで」って言いますよね。
それが水だったためしもないんですけど。
そんな誰しもが聴いているであろう水みたいな?バンド、それがエコー&ザ・バニーメンである。
さすがに最近「知らない」シリーズ化してるので、マクラもとても適当。
エコー&ザ・バニーメン、聴いてない度は1。
全く聴いていないし、1曲も知らない。
知っているのはバンド名と「やまあらし」というアルバムがあることくらいだ。
ファンの間では「エコバニ」と呼ばれるそうです。
まあそのまんまだけど、「ドリムシ」よりは定着してそうな略称。
仕方がないので水のようにエコバニの歴史をさらっとおさらい。
1978年イギリスはリヴァプールにて結成。
中心メンバーはイアン・マッカロクとウィル・サージャント。
80年に「Crocodiles」というアルバムでエコー&ザ・バニーメンとしてデビュー。
彼らはネオ・サイケと呼ばれ、ドアーズやヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響を受けたと思われるサウンドで一躍有名になる。
83年にアルバム「Porcupine(やまあらし)」をリリースし、全英2位を記録。
87年にバンドと同名のアルバムを発表するが、その後イアンがバンドを脱退し、ドラムのピートが交通事故により死亡する。
この時点でバンドは解散同然となり、90年にはバンドが「Reverberation」というアルバムを出し、イアンはソロを発表するなど分裂した活動が続く。
97年にピート以外のメンバーで再結成。
その名も「Evergreen」というアルバムを発表。
リアム・ギャラガーも参加したそうだが、評判は今ひとつ。
サウンドもかつての攻撃的な印象は薄れていき、99年にはアコースティック中心の「What Are You Going To Do With Your Life」を発表。
2005年まではオリジナル盤を出している。
現在はイアンとウィルの二人でイギリス国内やアメリカ各地をツアーしたり、地道に活動を続けているそうだ。
・・・ということで今回も全然知らない話だらけ。
なぜか「やまあらし」というアルバムは知っているが、中身は聴いていない。
この情報は雑誌かなにかで仕入れたのだろう。
エコバニを語るサイトには、「ネオ・サイケデリック」「暗い」「陰鬱」「洗練」「美しいメロディ」「渦を巻くサウンド」などのいまいち整合してない表現が並ぶ。
そう言われても全然想像がつかないんだが、時期やアルバムごとにサウンドはけっこう違うらしい。
1・2枚目まではかなり暗いサウンドだっだのが、3枚目からポップありロックありの多様性を見せ、4枚目ではバラードやオーケストラなどにも拡張していった、という展開のようだ。
聴いてない理由を少し考えたのだが、特にない。
というか、80年にデビューして83年全英2位という経歴なのに、どうして聴いてないのか不思議である。
ただ当時のFMではあまり流れていなかったのではないかとは思う。
「サンスイ・ベストリクエスト」でオンエアされた記憶は全くない。
いや、実際にはあったのかもしれないけど、自分が聴いていた範囲では、柏村武昭が「では続いてエコー&ザ・バニーメンです」などと紹介した記憶は全然ないのである。
いずれにしても1000曲以上のエアチェックをこなしてきた中で、エコバニの曲はひとつも録音していないのだった。
同時期に活躍したバンドとしてはU2やザ・キュアー、ニュー・オーダーがあがることが多いようだが、その中では自分が聴いてるのはU2だけだ。
いろいろ調べてみたらなんとなくわかってきたんだが、エコバニはどうやら当時の流行にはあえて乗ることを拒否していたらしい。
そのためセールス的には80年代半ばで失速することになったのだろう。
「Ocean Rain」は84年の作品だが、録音はパリで行っているそうだ。
イアン・マッカロクによれば、「イギリスで録音したらカルチャー・クラブのような音にされそうだったから」とのこと。
当時カルチャー・クラブはおろか、あのイエスまでもがダンス・ミュージックに傾倒してたんまりオカネをかせいでいたはずなのだが、そういう音にはしたくなかったのだね。
そういう意味では相当頑固な人たちなのかもしれない。
あるサイトでは「ベストヒットUSA」で採り上げられるようなバンドではない、という評価?もあったが、そうなると自分が全く聴いてないのもなんとなくわかる気がしてきた。
玄人受けするタイプのバンドってことですかね?
というわけで、エコー&ザ・バニーメン。
当時まさにカルチャー・クラブなんか好んで聴いていたので、ハードルはたぶんそれなりに高いだろうなと覚悟はしているのですが、そんな軽薄なあたしでも聴けそうな音楽なんでしょうか?
とりあえず「やまあらし」の評価だけでも教えていただけたらと思います。
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コメント
SYUNJIさんこんばんわ。
私も聴いていない度1です。
>エコバニを語るサイトには、「ネオ・サイケデリック」「暗い」「陰鬱」「洗練」「美しいメロディ」「渦を巻くサウンド」などのいまいち整合してない表現が並ぶ
この項目に音楽性は知らなくても「美しすぎるアルバムジャケット」も加えてください・・・(笑)
今日はこのへんで失礼します。
投稿: ボレロ | 2011.08.13 23:32
オジキ。
あっしは、オジキの向学心の高さに涙しています(号泣)
エコバニですか♪
大好物です(笑)
でも、全ロック的に言うと(なんじゃそりゃ?)V.U.は知らないと済まされませんが、エコバニは知らなくても済まされちゃうと思います(苦笑)
U2(初期)のを聴いておられるのであれば、肌触りとしてはそれに近いかなぁ。あそこまでポップじゃないす。
キュアー程エッジが立って無いし、ゴスでも無いけど、ギターのエコー感とかはちょっと近いかも。
ニューオーダーは遠いすかね(笑)
なんか、ムリに聴かなくても良い様な気がして来ました(笑)でも、聴くなら、やまあらしよりも、個人的には、2ndの「Heaven Up Here」のほうがエコバニぽいと思います。
靄の中で鳴っているような浮遊感のあるアルバムだと思うんすけど、今、書いていて全然、エコバニの事って説明できない自分に気付きました(苦笑)
もう、いなかった事にしちゃいましょう(←こればっかw
投稿: V.J. | 2011.08.14 00:27
ボレロさん、コメント感謝です。
>私も聴いていない度1です。
おお、そうですか!
安心しました。
>この項目に音楽性は知らなくても「美しすぎるアルバムジャケット」も加えてください・・・
そうだ、確かにあちこちのサイトにジャケットの美しさを評価するコメントが書いてありました。
メンバーと風景写真のジャケットばかりですが、確かに美しいですね。
V.J.若、コメント感謝です。
>U2(初期)のを聴いておられるのであれば、肌触りとしてはそれに近いかなぁ。あそこまでポップじゃないす。
うーん、そうスか・・
U2の初期は聴いてはいますが、後追いだったんでそれほど印象に残ってないんですよ。
聴いてるU2は「ヨシュア・ツリー」や「魂の叫び」の頃ですね。
>靄の中で鳴っているような浮遊感のあるアルバムだと思うんすけど、今、書いていて全然、エコバニの事って説明できない自分に気付きました(苦笑)
なるほど・・
「靄の中で鳴っているような浮遊感のあるアルバム」ってのは、なんか叙情的で良さそうな説明になってると思いますけど・・
でも「いなかったことにしよう」とか言われると、やっぱりハードルは高い気がするなぁ・・
投稿: SYUNJI | 2011.08.14 21:55
SYUNJIさん、こんばんは。
私も営業時代にアルハラで苦しみました。営業を
離れてからはなくなりましたが、非営業部署でも
ひどいところはひどそうですので、これからも
油断大敵です。
さて、エコバニですが、名前しか知りません。
1曲くらいエアチェックしたかもしれませんが、
全く思い出せません。
>>エコバニを語るサイトには、「ネオ・サイケデリック」
>>「暗い」「陰鬱」「洗練」「美しいメロディ」「渦を巻くサウンド」
一部はプログレ的ですね。プログレの大御所を
気に入っている今なら聞くことができるかも
しれません。
が、「サイケデリック」とあるのは、ちょっとやっかい
そうです(^^;)。
投稿: モンスリー | 2011.08.16 20:30
モンスリーさん、コメント感謝です。
>私も営業時代にアルハラで苦しみました。
そうですか、それはそれは・・
さすがに21世紀になって露骨なハラスメントは我が社ではなくなったと思いますが・・
>さて、エコバニですが、名前しか知りません。
おっと、そうですか。
だいぶ心に余裕が出てきましたよ。
誰もが聴いてるバンド、ということでもないんですかね?
>プログレの大御所を気に入っている今なら聞くことができるかもしれません。
評価の表現を見ると確かにプログレにもあてはまりそうな文字が多いんですけど、「プログレっぽい」などとは書いてないんですよ。
「大好物」と絶賛するV.J.若は確かプログレは好みじゃないって言ってたしなぁ・・
おそらくプログレとも違う音楽性を持っているのではないかと推測します。
投稿: SYUNJI | 2011.08.16 22:48
お邪魔します。
エコー&ザ・バニーメン
好きです。
オススメは
2nd”Heaven Up Here”
ティアドロップ・エクスプローズも良かったけど。。。
やはりこの時期
リヴァプールからはエコー&ザ・バニーメン
マンチェスターからはジョイ・ディビジョン
共に勢いもあって抜群にカッコ良かったです。
投稿: tatsuroman | 2018.01.12 15:36
tatsuromanさん、コメントありがとうございます。
エコバニも記事書いたことすらすっかり忘れておりました。
>オススメは
>2nd”Heaven Up Here”
うーん、やはりそうですか。
V.J.若も「エコバニっぽい」と評してましたが、エコバニが好きな方はセカンドの評価が高いみたいですね。
暗いサウンドという情報にびびってるんですけど・・
>マンチェスターからはジョイ・ディビジョン
ジョイ・ディヴィジョンってニュー・オーダーの前身バンドでしたっけ?
どちらも全く聴いておりません・・
投稿: SYUNJI | 2018.01.17 22:09
おじゃまします。
> ジョイ・ディヴィジョンってニュー・オーダーの前身バンドでしたっけ?
そうです。
ニュー・オーダーはエレクトロ~ダンス路線に向かいましたけど、ギターロック路線だったら?と思ったりしてましたが、その後出てきたInterpolなるバンドが近い感じがして好きです。
ジョイ・ディビジョン
今となっては、ニルバーナと同じくフロントマンの自殺エピソードと切り離しての評価が難しくなってしまってると思います。
投稿: tatsuroman | 2018.02.02 15:53