聴いてない 第156回 コリー・ハート
カナダのミュージシャンと言われて日本のリスナーが思い浮かべるのは、世代によってもちろん違うであろう。
70年代を聴いてきた人であれば、ニール・ヤングやザ・バンド。
80年代ならブライアン・アダムスやラヴァーボーイ。
90年代だとセリーヌ・ディオン、2000年以降はアヴリル・ラヴィーンになるだろうか。
そんな中で80年代に「ブライアン・アダムスの弟分」といった扱いを受けてきたのが、本日の主役コリー・ハートである。
コリー・ハート、アルバムは聴いてないので聴いてない度は3。
80年代当時はFMでもかなりかかっていたほうだと思う。
聴いたのは以下である。
・Never Surrender
・Everything In My Heart
・I Am By Your Side
・Boy In The Box
・Can't Help Falling In Love(好きにならずにいられない)
・Dancin' With My Mirror
・Baby When I Call Your Name
・92 Days Of Rain
・Rudolph The Red-Nosed Reindeer(赤鼻のトナカイ)
最初に聴いたのは「Never Surrender」。
当時のFM雑誌にも写真付きで紹介されていたが、ジーンズの上下を着た細い目の純朴そうな赤ら顔の青年が、組んだ手にあごを乗せて物憂げに宙を見つめる・・といった感じだった。
ブライアン・アダムスよりもどこかあか抜けなく、またブライアンほど声にインパクトはなかった。
なのでレコード会社や事務所的にどういう戦略だったか不明だが、「ブライアンの弟です」的なプロモーションは、むしろどこか損してるような状態だった気もしますが。
好みかと言われると非常に微妙だが、バラードありロックありの器用なアーチストであり、エアチェックでも特に遠ざけたことはない。
可能な限り録音してみた、という結果が上記の曲だ。
ただし「Baby When I Call Your Name」「92 Days Of Rain」はMTVの音声をテープに録音し、「赤鼻のトナカイ」はクリスマスCDに収録されていたものである。
アルバム借りても良さそうなところだが、そこまでには至らなかった。
ネットで経歴を調べると、意外な才覚やキャリアの持ち主のようだ。
本名コリー・ミッチェル・ハート、モントリオール出身だが育ったのはアメリカのフロリダ州。
幼少の頃はイタリアやメキシコでも暮らしたことがあり、英語以外にフランス語・イタリア語・スペイン語も話せるそうだ。
デビューは1983年。
アルバム「First Offense」にはエリック・クラプトンも参加している。
85年にシングル「Never Surrender」がヒットし、この曲を納めたアルバム「Boy In The Box」も大ヒット。
続く86年にはアルバム「Fields Of Fire」を発表。
プレスリーのカバーである「Can't Help Falling In Love(好きにならずにいられない)」をヒットさせ、スターの地位を獲得した。
しかし88年の「Young Man Running」以降は急速に低迷。
以後日本でもあまり売れていないようである。
この後の活躍は基本的にカナダでのものとなる。
97年、映画「タイタニック」のテーマソングで一躍有名になったセリーヌ・ディオンに曲を提供。
セリーヌのアルバム「Let's Talk About Love」にキーボードとバックボーカルで参加し、99年のセリーヌのコンサートツアーにも同行している。
現在はバハマに住み、主にカナダのミュージシャンに曲を提供する作曲家として活動しているとのこと。
自分はどちらかと言えば「Never Surrender」「Everything In My Heart」「I Am By Your Side」などのバラードのほうがいいと思って聴いていた。
ロックな曲だと声に今ひとつインパクトがなく、頼りない感じもしていたのだ。
比べたつもりはあまりなかったが、カナダに行った時もブライアン・アダムスのCDは買ったけど、コリー・ハートを買おうとは思わなかった。
さてネットで見つけたこの人の意外な経歴が以下の2つだ。
・1980年に単独で来日したことがある
当時18歳だったコリー・ハートは、ヤマハ世界歌謡祭のカナダ代表として武道館で歌ったそうだ。
ヤマハ世界歌謡祭って、確かに毎回どこの誰だかわからない外タレ(死語)が登場してたような気もするが、カナダ代表だったとは・・・って、あれってそういう国別対抗の催しだったの?
さらに調べてみたら、世界歌謡祭公式サイトの1980年(第11回)の記録に、コリー・ハートが「Trudy Blue」という曲を歌ったことが書いてあった。
・映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主役を断った
もちろん実際に主役を演じたのはマイケル・J・フォックスである。
しかしその前に実はコリー・ハートにオファーがあり、しかもコリー側は断ったという話。
ホンマかいな。
これって映画ファンの間では鉄板な話ですかね、ぷく先輩?
映画公開は88年だから、オファーがあった頃はコリーの絶頂期でもあったと思う。
もしコリーが主役を演じていたら、あのシリーズは果たしてどんな評価であったのだろうか。
というわけで、コリー・ハート。
聴く前にいろいろ調べてみたら意外な情報が見つかって勉強になりました。
当時のアルバムは廃盤になってしまったものもあるようですが、みなさまの鑑賞履歴はいかがでしょうか?
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コメント
コリー・ハートってアーティストの名前は生まれて初めて聞きました。
カナダのアーティストと言われて思い浮かぶのはラッシュとトライアンフとダイナマイト・キッドです。キッドは生まれはイギリスらしいですが。
こんなコメントで申し訳ありませんm(__)m
投稿: ajina | 2011.07.06 22:39
ajinaさん、コメントありがとうございます。
>コリー・ハートってアーティストの名前は生まれて初めて聞きました。
あれ、そうでしたか。
今では話題になることも少ないと思いますが・・
>キッドは生まれはイギリスらしいですが。
初めはこの人、国際プロに来てたんですよね。
生まれはイギリス、主戦場はカナダのようです。
デイビーボーイ・スミスとのコンビでよく日本に来てましたね。
ウチは音楽BLOGということにしてるんですが、こういう話題で盛り上がることも多い・・
投稿: SYUNJI | 2011.07.08 23:04
SYUNJIさん、お邪魔します。
コリー・ハート。
最初に聴いた(もしくはPVを観た?)「サングラス・アット・ナイト」が強烈な印象を残し、もちろんその後の大ヒット曲も知っていますが、私の中では彼=この曲になっています。
しかし、申し訳ないけれど「好きにならずにいられない」以降は、私の中で自然と忘れられた存在になってしまいました。(汗)
>「ブライアンの弟です」的なプロモーション
そう言えば、当時、けっこう言われていたのを覚えています。
投稿: まったり男 | 2011.07.10 18:51
まったりさん、こんばんは。
>最初に聴いた(もしくはPVを観た?)「サングラス・アット・ナイト」が強烈な印象を残し、
この曲は聴いてないんですよ。
コリー・ハートを調べたら必ず出てくる曲ですが・・
>「好きにならずにいられない」以降は、私の中で自然と忘れられた存在になってしまいました。(汗)
うーん・・残念ながら日本の多くのリスナーがそういう状態ではないかと思いますね・・
「ブライアンの弟」という売り方もなんか苦労も多いような気もします。
投稿: SYUNJI | 2011.07.10 21:53