行ってみた 第23回 日光
カネもないのに連休となれば出かけたがる姉持弟三流腸弱中高年旅芸人のSYUNJIといいます。
今回は日光に行くことにしました。
・・・などと気安く決めましたが、実は日光に行くのは修学旅行以来35年ぶりです。
当時の市立小学校ではだいたい修学旅行といえば日光でした。
しかしながらどんな場所だったのか全っっっ然記憶にありません。
まあだいたい修学旅行については、訪れた場所の風景なんかよりも同級生とやらかした悪事とかその懲罰とか女子との禁断の交流とか他校との抗争とかこっそり持ち出したオールドの小瓶とかペナントとか木刀などといった方面に記憶が残っている中年紳士が多いと推察します。
あたしも小学校の修学旅行で覚えているのは男子生徒に対して先生が夜中に怪談を仕掛けた、ということくらい。
怪談でビビらせておけば夜中に宿から脱走するようなこともあるまい、という教師側の作戦だったようです。
そんなつまんない記憶しかない日光。
あまり深く考えずに出発の数日前に発作的に宿を予約。
震災の影響で日本中の観光地が影響を受けていると聞いていましたが、日光もその通りで連休直前にもかかわらず宿泊施設はどこも空室がありました。
まず最初に東照宮を目指します。
何のイントロもなくいきなり世界遺産直行。
東照宮は徳川家康をまつる神社で、豪華絢爛な陽明門が有名です。
また三猿・眠り猫など小学生にもわかりやすい見所があるのが特徴。
・・というのが東照宮基礎知識ですが、今回見に行くまで、三猿も眠り猫も陽明門の中にある彫刻だと思っていました。
実際にはそれぞれ別の建物にあります。
三猿は「神厩舎」という神馬をつなぐ厩(うまや)にあります。
なんで厩に猿が?というと、猿が馬を守るとされているからだそうです。
しかも猿は「見ざる・言わざる・聞かざる」の3匹だけではなく、彫刻自体は8面に施されており、人間の一生を全16猿によって表しているとのこと。
で、ゴージャスでグラマラスな陽明門は三猿を通り越して右折した先にあります。
唐様なデザインと精緻な彫刻はさすがに圧巻です。
クレイジーさではさすがに金閣寺や醍醐寺といった戦国時代の建造物にはかないませんが、時代がもう少し新しいせいか、非常にポップなものを感じます。(鈴木拓調)
続いて眠り猫。
奥宮に続く参道の入り口にあり、三猿同様に門の上の彫刻です。
ただ門そのものが狭い上に多くの善男善女が写真を撮ったりするので必要以上に混雑します。
なお境内入り口付近に銅製の灯籠がたくさんありますが、ひとつだけ地震のせいで傾いていました。
ただこれ以外には特に地震による損壊は見あたりませんでした。
午後は輪王寺に行ってみました。
東照宮の参道に隣接する天台宗の寺院総称で、東照宮よりもずっと古く奈良時代の創建です。
本堂は三体の仏像がある東日本最大の木造建築として有名です。
しかし。
昨年から始まった平成大修理のため、本堂外観は工事用の建屋に覆われていました。
(三体の仏像自体の見学は可能です)
2月に行った名古屋城と同じような光景で、工事用建屋を見学コース「天空回廊」として設定していました。
公式サイトでは「10年間だけの新名所」などといったキャッチが書いてあります。
最近の文化財は「修理中でも見せたるよ」というのがトレンドなんですかね?
東照宮の西側にある徳川家光の墓所「大猷院」にも行ってみました。
東照宮より豪華であってはならぬ、というのが家光の遺言だそうですが、金箔の使い方や色彩の鮮やかさなどはむしろ大猷院のほうがゴージャスに見えます。
夜叉門には色鮮やかな四体の夜叉像があります。
今の大河ドラマ「江」は家光の母ですが、思ったほど便乗した案内や土産品はありませんでした。
この日の宿は中心部から少し離れたところにある「ナチュラルガーデン日光」です。
震災の影響で満室ではありませんでしたが、部屋も広く食事もおいしく満足しました。
翌日はいろは坂を通って奥日光の湯ノ湖に行ってみました。
釣り人が思い思いに湖上に船を出したり岸で糸を垂れていてのどかな春の一コマ・・・のような写真ですけど、実は強風で異様に寒く、湖周りの木道には雪も残っていました。
こんなクソ寒い中釣りなんかしてたらOPP芸人の自分は間違いなく腹が冷えてゲリするはずです。
ゲリを避けるべく素早く移動し、中禅寺湖のほとりで昼食をとり、華厳の滝へ。
修学旅行で来た時に、滝壺にどばどばと流れる水を見て先生が「あそこに落ちたら田口選手でも助からない」という話をしたことを思い出しました。
昔の話で恐縮ですけど、田口選手とはミュンヘン・モントリオールオリンピックで活躍した水泳選手です。
で、田口選手に思いをはせつつ写真を撮っていたら、斜面にふつうにカモシカがいるのを発見。
カモシカは傾斜のきつい斜面で悠然と草を食っており、滝を見ていた観光客も半分くらいしか気づかない様子でした。
というわけで、旅はもう一日続きます。
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