観てみた NHK 「SONGS:TOTO」
ふだんNHKなんか全然観ないのだが、たまたま5月18日のテレビ欄で「SONGS」という音楽番組がTOTOを採り上げるのを発見。
録画して観てみた。
この番組自体今回初めて知ったのだが、すでに100回以上放送されており、日本のアーチスト中心ではあるが、たまにこうして洋楽特集もやっているらしい。
番組はTOTOの「Africa」「Rosanna」などのヒット曲のほか、バンド結成から現在に至る経緯をデヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・ポーカロのインタビューで紹介する、という構成。
紹介された曲は以下の4曲。
・Rosanna(1982)
・Hold The Line(1978)
・I'll Be Over You(1986)
・Africa(1982)
「Rosanna」「Africa」は82年に放送された「ヤングミュージックショー」の映像とのことなので、これは同じ年に行われた日本公演のものだと思う。
自分もこの「ヤングミュージックショー」は音声をテープに録音しており、今も手元に残っている。
同級生のスドウ君がこの日本公演を武道館に観に行っていて、弁当箱の中にカセットレコーダーを隠して会場の音を録音してきたのだった。
後で聴かせてもらったが、ガサつく雑音の中で小さくTOTOの音が聞こえる程度だった・・
さてTOTOである。
今さら説明なんかいらない人気バンドだが、自分はBLOGでは一度も採り上げていない。
なんでかっつうと「比較的聴いていた」からだ。
聴いてないアーチストを採り上げる馬鹿なBLOGなので、記事にして来なかったという状態である。
デビュー当時から聴いており、ジェフ・ポーカロが亡くなるまでのメンバーはだいたい言える。
ボズ・スキャッグスのアルバム制作に関わったメンバーが中心となって結成、という情報もミュージックライフで仕入れていた。
ただ今回TOTOを調べて初めて知ったのだが、スティーヴ・ルカサーとスティーヴ・ポーカロはハイスクールの同級生で、ジェフとマイクのポーカロ兄弟もデヴィッド・ペイチも、アレックス&エドワード・ヴァン・ヘイレン兄弟までもが同じ学校出身だそうだ。
すごいスター輩出学校ですね。
聴いていたアルバムは以下である。
・Hydra
・Turn Back
・TOTO IV(聖なる剣)
・Isolation
・Fahrenheit
・The Seventh One(第7の剣)
・Greatest Hits
ベタだが一番聴いたのは「IV」だ。
グラミー賞もとったし、日本でも相当売れたはずである。
ちなみにほぼ同時期に登場して、同じように結成当時から高い演奏技術と高いキーのメインボーカルを持ち、同じように4枚目のアルバムが大ヒットしたのがフォリナーだ。
ただしTOTOの都会的で洗練されたセンスはフォリナーにはなく、当時自分の周辺(特に女の子)には、サウンドもハードで神経質なルー・グラムのボーカルしかないフォリナーよりも、オサレでバラエティに富んだTOTOのほうが人気があった。
自分はどちらかというとフォリナーのほうが好みだったが、友人の中には「どっちも産業ロックでキライ」というヤツもいた。
TOTOは番組でも紹介されたように実はずうっと順調だったわけではなく、浮き沈みはかなり激しいものがあった。
「Hydra」でプログレ、「Turn Back」でハードロックといろいろ路線を変えて模索したが、この時はやや低迷していたと思う。
「Hydra」はかなり後になってから聴いたのだが、「St. George And The Dragon」などいい曲もあるけどやはり少し難解な音になってしまっていると感じた。
また「Turn Back」のジャケットは「TOTO」の文字を顔に見立てた落書きみたいな脱力アートで、中身とともに酷評されたりもした。(あたしは好きでしたが・・)
その次の「IV」で頂点を極めたが、その後ボビーが脱退しボーカルがファーギー・フレデリクセンに交代。
しかしファーギー加入後の「Isolation」はセールス的にも「IV」に遠く及ばず、バンドは再びボーカルをジョセフ・ウィリアムスにチェンジ。
「Fahrenheit」「The Seventh One」を発表するが、やはり「IV」を超えることはなかった。
90年代に入りバンドはルカサーをメインボーカルすることを決めたが、歌い方や声質を変えてしまってまた失敗。
そしてバンドはリーダーであるジェフ・ポーカロを永遠に失う・・
ジェフ・ポーカロは38歳で亡くなっている。
そんなに若かったのか・・とあらためて驚いたが、死亡の原因には諸説あるらしく、バンド運営の行き詰まりがジェフを精神的に追いつめていた、という話もあるようだ。
今回の番組では主にオリジナル・メンバーにスポットを当てており、ファーギー・フレデリクセンやジョセフ・ウィリアムスは名前も映像も全く登場しなかった。
バンド側の意向や権利関係の問題もあるのかもしれない。
歴代のボーカルでは確かにボビー・キンボールが一番だろうが、ファーギーやジョセフの歌う曲にもいい曲はあるので、なんとなく残念だ。
特に初期のファンからはファーギーの評判は良くなく、TOTOのファンが作るサイトでもファーギー参加の「Isolation」はすっ飛ばされたりしていることもある。
それでもファーギーのキャリアの中でTOTO参加は最大の経歴であり、日本でもそれなりに名前が知られているのはおもしろい現象である。
なお2002年頃、ファーギーはデヴィッド・ハンゲイトとバンドを結成してアルバムも出しているそうだ。
TOTOのファンからはそれほど支持されないだろうが、自分はハードロックな路線をこのバンドに期待していた。
なので一番好きな曲は「Goodbye Elenore」であり、「Hold The Line」の他、「Till The End」「Stop Loving You」「Only The Children」などジョセフの歌うロックな曲も好きである。
アルバムは確かに「IV」が最高傑作だが、「Isolation」「The Seventh One」もいいと思う。
シングルの良さとアルバムの好みが必ずしもシンクロしないという不思議なバンドでもある。
現在TOTOは時限付きで再結成しており、本当は今月日本公演もあるはずだったが、震災の影響で9月に延期になったらしい。
再結成の目的はマイク・ポーカロの闘病支援のためだそうだ。
ボーカルはジョセフが務めている。
そんなわけで、TOTO。
しばらく追いかけていなかったが、この番組で思いがけずまた彼らの魅力を思い起こすことになった。
あらためて歴代のアルバムを順に聴いてみようと思う。
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