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聴いてない 第153回 ザ・バンド

古き良き70年代の音楽をさまよい歩く放浪の三流リスナーSYUNJIです。
今日採り上げるのは、ザ・バンド。
個性のカケラもないバンド名が逆説的にこれ以上ない固有名詞となっているというグループだが、残念ながら全く聴いていない。

ザ・バンド、1曲も聴いてないので聴いてない度は1。
おそらくリアルタイムで聴いていた世代よりも自分はやや若かったということもあるかもしれないが、バンドの知識も情報も全然持っていない。
新年度スタートにあたり、ザ・バンドの基礎情報についてまずはオリエンテーション開始。

ザ・バンドの原点は50年代末期に始まる。
ロニー・ホーキンスのバックバンドが原型で、当時は「ホークス」というバンド名だった。
このホークスに在籍していたレヴォン・ヘルムがカナダでメンバーを集めてホークスを継続。
この時のメンバーが後のザ・バンドとなる。

レヴォン&ホークスはボブ・ディランのバックバンドとしてアメリカやヨーロッパで演奏していたが、ちょうどディランのエレキ転換期とも重なり、評判は二極化し、ブーイングにヘコんだレヴォンは一時期脱退。
ディランの交通事故により仕事もなくなった彼らは、ニューヨーク郊外でセッションを始め、やがてこれがデビューにつながる活動となる。

レヴォンが復帰し、ザ・バンドとしてデビューしたのは68年。
メンバーはレヴォン・ヘルム、ロビー・ロバートソン、リック・ダンコ、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソン。
カントリーやリズム&ブルースやフォークなど様々な要素を採り入れた音楽性は高い評価を受け、ウッドストックやワイト島フェスティバルにも出演。
70年代中盤にはディランとのツアーが成功をおさめ、クラプトンリンゴ・スターのアルバムにも参加。
しかしメンバー間の力関係は徐々に変わっていき、ツアーをやめて解散を希望するロビーと、バンド継続を望むレヴォンとの対立が激しくなる。

76年サンフランシスコで行われたコンサートには、ディランやクラプトンの他、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソン、リンゴ・スター、ニール・ヤングなどビッグネームが多数参加した。
結果的にこれが解散コンサートとなり、映画「ラスト・ワルツ」として公開された。

ザ・バンドとしての活動は80年代以降も続き、83年にロビー以外の4人で再結成。
その後も数年ごとにメンバーを変えながら99年まで活動したが、リック・ダンコの死によってザ・バンドは完全に停止した。
なおリチャード・マニュエルは86年に自殺している。
「ラスト・ワルツ」以降のザ・バンドには、ロビー・ロバートソンは一度も参加していない。

・・・・うーん・・なるほど・・
なんだか壮絶な歴史小説を読み終えたような感覚だが、やはり全然知らないことばかり。
80年代以降も活動はしてたんですね。

メンバーで名前を知っているのはレヴォン・ヘルム、ロビー・ロバートソン、リック・ダンコの3人だが、レヴォン以外は全員カナダ人だということも今回初めて知った。
かなり前だが、友人の知人という人が飲み会の席で「仕事でレヴォン・ヘルムに会った」と話してくれたことがある。
その人がどういう仕事をしていてどんな経緯でレヴォンに会ったのかは忘れてしまったが、なによりその話をしてくれた時には自分はまだレヴォン・ヘルムを知らなかったのだった。
その人が多少酔っていたせいもあってか、何度名前を聞いても「レモン・ヘルプ」としか聞こえず、友人も自分も「そんなミュージシャンいたかなぁ?」という程度にしか反応できなかった。
今考えるとその人もきっと「こいつらレヴォン・ヘルムも知らないのかよ」という思いだったろう。(すいません・・)
ウィキペディアで初めてレヴォンの顔を見たが、どこかジンジャー・ベイカーに似ている気がする。

映画「ラスト・ワルツ」は少しだけ見たことがある。
これもずいぶん前になるが、会社の年末納会を社内でやった時に、当時の上司がBGVとして「ラスト・ワルツ」を流したのだ。
ただし記憶にあるのはジョニ・ミッチェルとクラプトンが出てきた場面である。
この時もザ・バンドの偉大さをほとんど知らず(今もそうだけど)、特に画面にかじりつくようなこともなく、「ラスト・ワルツ」が流れる中で飲み食いしながらバカ話をしていただけだった。
だいたい「ラスト・ワルツ」に登場するミュージシャンも「そうそうたる顔ぶれ」などと表現されることが多いが、自分は聴いてない人ばかりなのだ。(すいません・・)
ちなみにこの上司は、日本のある有名なバンドの元メンバーである。

「ラスト・ワルツ」コンサートはそうそうたる顔ぶれではあるが、映画・ライブ記録としての出来はそれほど高い評価ばかりではないようで、2002年には「完全版」というボックスセットも発売になったが、曲順が実際とは違っていたり、映像と音が合っていない箇所があるなど、アラがそれなりにあるそうだ。
ちなみになんで「ラスト・ワルツ」なのか、というと、当日は感謝祭で演奏前にはみんなでワルツを踊ったから、ということらしい。

というわけで、ザ・バンド。
やはり彼らの栄光は70年代にあると思われますが、おすすめのアルバムを教えていただけたらと思います。

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コメント

こんばんは

ザ・バンドと言えば、アルバムでは『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)と『ザ・バンド』(1969年)がいいですよ。
曲では、『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』収録の<ザ・ウエイト>がいいのではと思います。
ライブ盤なら、ボブ・ディランのツアーに同行した『偉大なる復活』(1974年)で、実にかっこいい演奏をしていまして、ザ・バンドだけの演奏も聴けます。
エリック・クラプトンの夢(ザ・バンドのメンバーになりたい!)が少し叶ったクラプトンのアルバム『ノー・リーズン・トゥ・クライ』(1976年)もボブ・ディランが付いていますが、なかなかいいですよ。(実際のところ、わたしは、ザ・バンドの全体像を把握していないのですが...(汗))

投稿: かまぼこRock | 2011.04.05 20:12

ご無沙汰しております、JTです。

ザ・バンドですが、お薦めは先の「かまぼこRock」さんとほぼ同じですかね。20才の頃、セカンドアルバムの『ザ・バンド』を初めて聴きました。このアルバムの評判は知らず、単に廉価盤だったので購入しました。最初の頃は地味なアルバムだな、という印象でしたが、聴き込むと不思議と耳に残ります。

あと『南十字星』もお薦めです。

クラプトンとザ・バンドのメンバーの交流は有名ですが、クラプトンが最初にザ・バンドの連中にあった時(1970年頃)の印象を「全員、西部開拓時代の鉄道作業員のような格好でびっくりした(笑)。おまけにリック・ダンゴは自動車で木に激突したとかで全身ギブスだった(笑)。」なんて言っていました。

投稿: JT | 2011.04.05 22:20

こんにちは。実は私、このバンドも大ファンです。

JTさんと同様、セカンドアルバムは不思議なアルバムで、一度聞いてもピーンと来なくて、繰り返し聴きこむとジーンとくるのです。すごくいいアルバムです。

さて、我らぷく一族もチャリティーオフ会をやる時が来たような気がしますが・・・

投稿: ぷくちゃん | 2011.04.06 06:19

かまぼこRockさん、コメント感謝です。

>アルバムでは『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)と『ザ・バンド』(1969年)がいいですよ。

おすすめありがとうございます。
これ、ファーストとセカンドですよね。
セカンドのタイトルが「ザ・バンド」ってのもなんか変わってますね。
どちらかというとデビューアルバムにバンド名をつけることが多いと思いますが・・

>ライブ盤なら、ボブ・ディランのツアーに同行した『偉大なる復活』(1974年)で、実にかっこいい演奏をしていまして、ザ・バンドだけの演奏も聴けます。

なるほど。
と言っても自分の場合、ディランはなかなかなじめませんので、やや不安があります・・

JTさん、こんばんは。

>最初の頃は地味なアルバムだな、という印象でしたが、聴き込むと不思議と耳に残ります。

そうですか。深いなぁ・・
ネットで調べると、ザ・バンドは「オトナの音」という評価が多いようですが、そんな感じでしょうか。

>「全員、西部開拓時代の鉄道作業員のような格好でびっくりした(笑)。

写真見ると確かにムサいおっさん集団ですね。
イギリスのポップアイドルとは対極にあるような印象です。

ぷく先輩、コメント感謝です。

>実は私、このバンドも大ファンです。

先輩、やはりスキがないですね。
ELPやキンクスからザ・バンドやボビー・ブラウンまで・・さすがです。

>セカンドアルバムは不思議なアルバムで、一度聞いてもピーンと来なくて、繰り返し聴きこむとジーンとくるのです。

みなさんセカンドの評価が高いですね。
では中華街では「私とザ・バンド」という演目で講義をいただければと思います。
あとで連絡いたします。

投稿: SYUNJI | 2011.04.06 23:22

SYUNJIさん、こんばんは。
偶然にも、ザ・バンドを1枚目から全部聞き直して
いたところです。
地味な印象がありますが、改めて聞き直しますと
骨太でどっしりとしたアメリカンロックであることが
わかります。

で、おすすめですが、名盤選には必ず「ビッグ・ピンク」
と「ザ・バンド(2nd)」が選ばれます。これは名曲
揃いです。

ですがあえて、私が一番最初にノックアウトされた
「Rock Of Ages」をおすすめします。現在はボーナス
ディスクが追加された2枚組ですが、オリジナルの
disc1だけでも十分に圧倒されます。1stと2ndの名曲が
強力に生まれ変わっているのです。
スタジオ盤でしたら、文句なく「南十字星」です。
彼らの歴史を彼ら自身がもう一度振り返る、ザ・バンド
の魅力が全てつまった実質的な最終アルバムです。

さらに意外といいのが「カフーツ」、ライブ盤としては
必ず押さえておきたいボブ・ディランとの共演盤「偉大なる
復活」、改めて聞き直すとそのすごさ、ミュージシャンから
受ける賛辞がひしひしと伝わる「ラストワルツ」・・・・
と、挙げていけばきりがありません。

投稿: モンスリー | 2011.04.07 21:56

モンスリーさん、コメント感謝です。
ザ・バンド、「地味な印象だが聴き込むといい」というのはみなさん共通の感想ですね。

>ですがあえて、私が一番最初にノックアウトされた「Rock Of Ages」をおすすめします。
>スタジオ盤でしたら、文句なく「南十字星」です。

おお、適当にAmazonのリンクを貼ってみたのですが、これらがおすすめなんですね。

>さらに意外といいのが「カフーツ」、ライブ盤としては
>必ず押さえておきたいボブ・ディランとの共演盤「偉大なる
>復活」、改めて聞き直すとそのすごさ、ミュージシャンから
>受ける賛辞がひしひしと伝わる「ラストワルツ」・・・・
>と、挙げていけばきりがありません。

すごい熱い評価・・
そんなにすばらしい音楽だったのか・・
今回ザ・バンドもそれほど緊迫感なく記事にしてしまいましたが、いったい自分は何を聴いて生きてきたのだろうかと徐々にあせり始めています。(今まで7年も聴いてないシリーズやっててあせってなかったのかよ)
明日にでも図書館で探してみます・・

投稿: SYUNJI | 2011.04.08 23:21

(オリジナルアルバムのおすすめとは)ちょっと趣旨が異なるかもしれませんが、

おすすめといったら、

「ラスト・ワルツ」を観るのではなく、聴くというのはどうでしょう。

できればオリジナルの三枚組みLPで。そうでなければ“完全版でない”CDで。
理由は・・・「私とザ・バンド」で語らせていただきます(笑)

投稿: ルドルフ | 2011.04.10 07:23

ルドルフさん、おはようございます。
やっぱルドっちもちゃんとザ・バンド聴いてるのね・・(なぜかオネエ調)
このままでは中華街大会でも皆がザ・バンドについて語る中、ひとり孤立したままもそもそと春巻きを食べることになりそうです。

>「ラスト・ワルツ」を観るのではなく、聴くというのはどうでしょう。
>できればオリジナルの三枚組みLPで。そうでなければ“完全版でない”CDで。

完全版ってのはあまり評判よくないんですかね?
あたしには完全版とそうでない版の区別がつかない可能性も高いんですが・・
あたしは「私とエア・サプライ」で講演準備をしておきます・・

投稿: SYUNJI | 2011.04.10 09:58

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