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聴いてみた 第82回 クーラ・シェイカー

昨年夏に発行された厚生労働白書は、当時の長妻大臣の写真が13ページに渡ってそこかしこに散りばめられ、まるで長妻大臣の卒業アルバムのよう。
しかも大臣発案の巻末付録「子ども向けの政策PR用カルタ」というアナーキーな企画も。
先日の予算委員会で自民党からは「こんなもん仕分けの対象とすべきちゃうんかい」との質問も出たようですが、民主党側の回答は「カルタは使いたいヤツがつこたらええやないけ。経費は前回とあまり変わってへん(ので問題ないやろ)」とのことでした。
正直どっちもどっちなんですけど、こうして国家レベル的八百長事業が相変わらず続いているのに、新聞では大相撲の八百長問題よりもずうっと扱いが小さいってのもポンコツな話ですね。

などとたまには鋭く時事問題に切り込むエセ社会派論客ブロガーのSYUNJIといいます。
今日聴いてみたのはクーラ・シェイカーの「Peasants, Pigs and Astronauts」。(社会派はどこに・・)
クーラ・シェイカーは実は全く聴いておらず、メンバーも一人も知らず、バンド名しか知らない状態だった。
なので本日のエントリは「聴いてないので聴いてみた」という少年漫画雑誌の新年合併号のようなノリで書いてみました。(意味不明)

Kula_2

クーラ・シェイカー、このとおり聴いてない度は1。
「90年代に人気のあった人たち」というイメージ以外の情報は一切ない。
鑑賞前に彼らの履歴書を人事部ばりに検証してみる。

1994年ロンドンで結成。
メンバーはクリスピアン・ミルズ(Vo・G)、アロンザ・ベヴァン(B)、ポール・ウィンターハート(D)、ジェイ・ダーリントン(Key)。
実際には90年から別のバンド名で活動していたが、クーラ・シェイカーとしてのスタートがこのメンバーによる。
バンド名はインドの皇帝の名前に由来するとのこと。
由来のとおりインド音楽を多分に採り入れたサウンドが特徴であり、一方でビートルズをルーツに持つブリット・ロックの代表としての評価も高い。

デビューアルバム「K」はイギリスで1位となる大ヒットを記録。
しかし次の作品完成まで意外に時間がかかり、99年に2枚目のアルバム「Peasants, Pigs and Astronauts」を発表。
この後バンドは金銭面での苦境に陥り、同年解散。
2006年再結成し、現在も活動中。
再結成後はジェイ・ダーリントンに代わってハリー・ブロードベントが参加。
2006年フジロックに登場、2008年には単独の日本公演も行われた。
2010年発表のアルバム「Pilgrim's Progress」は本国イギリスより日本での人気が高いという現象が起こっている。

意外だったのはアルバムの数が少ないことだ。
こんな自分でも名前だけは知っているバンドなので、それなりに発表実績を積み上げてきたのだろうと思っていたのだが、実態としてはポリスよりも少ないよ。
あとインド音楽を採り入れていることも全然知らなかった。
こうして知識のないまま発作的に新宿ユニオンで買ったのが「Peasants, Pigs and Astronauts」。

一度も釣りなんかやったことがないのに相当マニアックなメーカーの釣り竿をつい買ってきてしまった・・・ような心境。
果たしてあたしは竿をうまく扱ってインド洋で魚を釣り上げることができるでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

1.Great Hosannah グレイト・ホサナ
オープニングはSF映画のBGMのような音から始まる。
どこかもの悲しく殺風景な旋律。
ボーカルはそれほど重くはなく、結構いろいろな楽器の音が聞こえる。
時々ベックを思わせるギターがあったり、ヴァニラ・ファッジのようなキーボードがあったり。

2.Mystical Machine Gun ミスティカル・マシン・ガン
胡弓のような音とブルースっぽい調べ。
サビのタイトルコールの部分はボーカルがちょっと投げやり。
なんか少しフロイドに似ている。
エンディングにかすかにバグパイプの音が聞こえる。

3.S.O.S. エス・オー・エス
これはもっと叫ぶ系のクリムゾン風な曲。
ボーカルもかなりグレッグ・レイクが入っていると思うが、いかがでしょうか?
曲そのものはあまり楽しくはないが・・

4.Radhe Radhe ラディ・ラディ
今度は女性ボーカルによる民族音楽。
これが彼らお得意のインド音楽のようだ。
ちょっと騒々しい。

5.I'm Still Here アイム・スティル・ヒア
アコギ一本の弾き語り。
意外にバラエティに富んだ展開だが、この曲は短い。

6.Shower Your Love シャワー・ユア・ラヴ
少しアップテンポな、インド系フォークソングのような感じ。
ここまでの中では明るい曲である。
思ったよりメロディが古くさく、70年代の雰囲気。

7.108 Battles (Of The Mind)  108バトルズ(オブ・ザ・マインド)
これもけっこう古典的なコミックソング調の楽曲で、がやがやしたノリとブルースハープにキーボードがうまくマッチしている。
ラストにわざとギターのミスタッチを「ぺしっ」と入れて終わる。

8.Sound Of Drums サウンド・オブ・ドラムス
これはドアーズだ。
キーボードの音がモロにドアーズなのだ。
ただボーカルはジム・モリソンよりもだいぶ軽い。

9.Timeworm タイムワーム
静かで抑揚のないメロディの中、奥行きのある歌が進む。
この曲にもインド音楽が練り込まれている。
カレー屋で流れているような曲だが、これも聴いていてあまり楽しくはない。

10.Last Farewell ラスト・フェアウェル
これは1曲目と同じ歌詞かな?
フロイドのようなブルース基盤のプログレッシブな曲。
イントロのビブラなキーボードはジョン・ロードを思わせる。

11.Golden Avatar ゴールデン・アヴァター
ここまでの雰囲気からするとむしろ珍しいアメリカン・ロックバンドのようなサウンド。
中盤転調があり、水中の音のようなアレンジ。
逆回転も少し混じっているようだ。

12.Namami Nanda Nandana ナマミ・ナンダ・ナンダナ
小鳥のさえずりが聞こえ、やがて笛の音がやってくる。
だいぶ経ってからようやく歌が始まる。
でも歌詞は英語ではなく、お経のようなタイトルを連呼している。
歌が終わった後、5分くらい無音があり、再び音や声が入っている。
この後「シークレット・トラック」として「Stotra」となっているが、3秒ほどの無音が入っているだけ。
この仕掛けはよくわからない。

うーん・・・
難解であることは間違いないが、基盤にブリットなロックがあり、プログレとインドとフォークを練り込んだような感じがする。
全然伝わらないとは思うが、壁に下がっている縦横10mくらいの布に描かれた円形の絵画(曼陀羅)を、下から見上げているような感覚だ。
拒絶感は思ったほどないが、理解もできていないし好みとも言えない。
芸術鑑賞ってこんな気分になること多いですけど。

ブラー
を聴いた時と同じ言い回しで恐縮だが、こういう音楽だったのか・・
もっとポップでチャラい(失礼)音なのかと勝手に思ってましたが、全く違いますね。
訳詞を見ると結構実直で切実な言葉が多く、チャラい内容の曲は全然ない。

ジャケットは、森の中になぜかエスカレーターがあり、そこを昇ってくる宇宙飛行士のような姿の人間、というもの。
とりあえずここからはインド音楽は全く想定できない。
アートとしては意外におもしろく、悪くないと思う。

というわけで、クーラ・シェイカー。
全く知識のないまま無謀な飛び込みで聴いてみましたが、かなり不思議な印象です。
90年代のバンドらしく多様性を持ちつつも、かなり個性的な芯のある音楽だと感じました。
「K」を聴くまではこのバンドの評価をしてはいけないことはわかりましたので、いつになるかわかりませんが、次は「K」を聴いてみようと思います。

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コメント

こんにちは、
僕は、オアシスよりもブラーよりもなによりも、このクーラー・シェイカーと言うバンドが大好きだったのです!

確かに一発目に、2ndは敷居が高かったかもしれませんね。

彼らは、このアルバムで、金を使いすぎて解散に追い込まれましたが、今も復活して、インド風味と言うよりも、欧州の霧や靄の彼方で鳴っている様なアシッドでアコスティックな音を鳴らしてくれています。Kともども、新譜も宜しくお願いします。

とにもかくにも、ブラーは僕もパークライフを推薦しましたが、撃沈された模様ですので、僕は完璧にオジキの感性とずれてるトンチンカンというか、僕が薦めるのを外しておけばOKかもしれません。

なので、クーラもダメだと思いますが(苦笑)もしも、機会がございましたら、聞いて見て下さい。以前書いた記事をトラバさせて頂きます。(いつになく真剣。このバンドに関しては思い入れが強いんですよ(笑))

投稿: V.J. | 2011.02.06 12:02

V.J.若、コメント感謝です。

>確かに一発目に、2ndは敷居が高かったかもしれませんね。

うーん・・想定よりもかなり変わった音だったので、まだ慣れずにいる、という状態ですね。

>欧州の霧や靄の彼方で鳴っている様なアシッドでアコスティックな音を鳴らしてくれています。

これもまた意外な情報ですね。
インド音楽ばかりではないのがクーラということなんでしょうか。

>僕は完璧にオジキの感性とずれてるトンチンカンというか、僕が薦めるのを外しておけばOKかもしれません。

いやーたぶんトンチンカンはあたしのほうでしょう。(深いうなずき:byぷく先輩)
基本ミーハーなもんで、許容量が非常に少ないというのが実態ですね・・
まあブラーもクーラも1枚だけでは何も語れないはずですんで、他のアルバムも機会があれば聴いてみようと思います。

投稿: SYUNJI | 2011.02.06 18:07

SYUNJIさん、こんばんは。
>>少年漫画雑誌の新年合併号のようなノリで

それは「帰ってきたウルトラマン」のクリスマス前後の回で、
初代マンとセブンが豪華共演したようなノリですな。

さて、クーラ・シェイカー名前しか知りませんでした。
勝手にメタル系か90年代以降のネオプログレ系かと
思っていましたが・・・・

>>本国イギリスより日本での人気が高いという現象

おお、まさにキンクリのようなアクションではないですか!

で、SYUNJIさんのレビューを拝見しましたが、プログレ
要素はあるものの、その他の音楽性も取り込んでいる
まさに90年代的なサウンドのようですね。

それにしても、インド音楽はミュージシャンを引きつける
魅力があるのでしょうか。個人的にはちょっと苦手
ではあります(^^;)。

投稿: モンスリー | 2011.02.06 20:54

モンスリーさん、コメント感謝です・・が、クーラ・シェイカー、聴いておられませんでしたか。

>それは「帰ってきたウルトラマン」のクリスマス前後の回で、初代マンとセブンが豪華共演したようなノリですな。

なんちゅうマニアックな例え・・
ブラックキングの回ですね。(若い人が置き去り・・)

>勝手にメタル系か90年代以降のネオプログレ系かと思っていましたが・・・・

あたしも勝手にアイドルポップのような人たちかと思っていました・・

>それにしても、インド音楽はミュージシャンを引きつける魅力があるのでしょうか。

どうなんでしょうね?
ジョージ・ハリスンのインド傾倒も有名でしたが、神秘的な雰囲気にひかれるということでしょうか。

投稿: SYUNJI | 2011.02.06 22:00

SYUNJIさん、お邪魔します。

クーラ・シェイカーですか!好きでした。『K』だけは今も持っています。
いやぁ、「グレイトフル・ホエン・ユーアー・デッド」を聴いた時の衝撃は忘れません!
当時ブイブイ言わせていたオアシスよりも、刺激的でかつクセになる新鮮なサウンドで、サイケな雰囲気+ギターサウンドに惚れて聴きまくっていたのを覚えています。

でも2枚目を聴いて脱落してしまったので、大声で好きとは言えませんが…。(汗)

投稿: まったり男 | 2011.02.07 00:07

どうもSYUNJIさんこんばんわ
そしてお久しぶりです
この記事を観て秋葉原のヨドバシカメラマルチメディア館に
記事(コメントどおり)の【K】を買いに行きましたよ、まだ聴いてませんが・・・
3泊4日で東京観光してきました
主に上野、御徒町、秋葉原、がメインでしたが
リフレッシュ出来ました
私のブログにアップしましたのでよろしければ
観てくださいませ
オフ会の計画があれば将来的に参加希望です
その時はよろしくお願いいたします。

投稿: ボレロ | 2011.02.07 23:20

まったりさん、コメント感謝です。
クーラ・シェイカー、やはり人気は高いですね。

>当時ブイブイ言わせていたオアシスよりも、刺激的でかつクセになる新鮮なサウンドで、サイケな雰囲気+ギターサウンドに惚れて聴きまくっていたのを覚えています。

ええ~そうなんですか?
やっぱり「K」から聴くべきだったか・・
でもまだ「K」が残っているという妙な希望がわいてきました。

ボレロさん、コメント感謝です。

>記事(コメントどおり)の【K】を買いに行きましたよ、まだ聴いてませんが・・・

そうですか!
やはり「K」はこのバンドを語る上では避けて通れないようですね。
ボレロさんのご感想をBLOGで発表いただけたらと思います。

>主に上野、御徒町、秋葉原、がメインでしたがリフレッシュ出来ました

御徒町ですか・・シブイ東京観光ですね。
その昔父親の会社が御徒町にあってたまに行きましたが、最近は全然行ってません。

>オフ会の計画があれば将来的に参加希望です

わかりました!
あたしは社会性のない人見知り芸人ですけど、オフ会開催の際は連絡させていただきますんで、よろしくお願いします。

投稿: SYUNJI | 2011.02.08 23:42

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前回記事で書いたけど、今まで、これっぽっちも好きになれなかったOASISですが、意外にキュンとなってしまったV.J.です。 しかし、終わったものは終わったもの。 今、2010年も半分に差し掛かった程度ですが、新譜で恐らく今年No.1のアルバムがもう、僕の中では決まってし…... [続きを読む]

受信: 2011.02.06 12:03

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