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聴いてみた 第80回 レディオヘッド

今回聴いてみたのはレディオヘッドの97年の作品、「OKコンピューター」。
吉祥寺のユニオンで衝動買いしてみました。

Okcomputer

レディオヘッドは実はこれが初めて聴くアルバムではない。
以前「ベンズ」を中古で買ったことがあり、2回くらいは聴いたはずなのだが、どんなサウンドだったのか全く覚えていない。
従って実質は初めての鑑賞も同然である。
発表順序では「ベンズ」の後が「OKコンピューター」だそうだ。

彼らの最高傑作と評されることも多い「OKコンピューター」。
果たしてあたしはこのアルバムにOKが出せるでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

1. Airbag
イントロはブルージーなウッドベースとギター。
雰囲気はU2に近いが、少しオアシスにも似ている。
奥行きのあるサウンドに重いベース、やや乾いたドラム。
終盤で時々音が止まったりゲーセンのような音がしたりするが、ちょっと余計な気がする。

2. Paranoid Android
アコギ中心のうら寂しい旋律。
マラカスなどの鳴らしものの音が聞こえ、遠くで誰かがしゃべっている。
中盤からサウンドが重みを増してきて一気に転調。
階段を下りるような陰気なメロディが続き、再びハードに転調して終了。
全体的に暗い。

3. Subterranean Homesick Alien
この曲も明るくないが、3拍子(6拍子?)で「ずんずたずた」という独特のリズム。
あちこちエコーがかかった音がして、プログレっぽい。

4. Exit Music (For A Film)
静かな歌い出しで始まるバラード。
旋律は意外に古くさく、むかーしのシャンソンのようにも聞こえる。
中盤から遠くに人の歓声みたいな小さなノイズが仕込まれていて、その後ビブラートの効いたベースとドラムが割り込む。
この構成は80年代ポップスにはあまりないものだと感じる。

5. Let Down
メロディやボーカルにあまり音階の幅がなく、お経のように歌う。
ちょっとつかみ所のない曲だ。
真っ暗ではないが、明るいとも言えない。
周辺に散らばる楽器で相当雰囲気は変わっているが、元がフォークのように思える。

6. Karma Police
この曲も悲しげな哀愁の調べ。
よく聞くとボーカルもものすごい歌唱力、というほどでもないようだ。
旋律に音階を意識的にはずしてくるポイントがあり、違和感があるがむしろそれがねらいなのだろう。

7. Fitter Happier
歌ではなく、ピアノと電子音をバックにしたナレーション。
生声ではなく加工が施してあり、詰まった感じがする。

8. Electioneering
テンポはいいがサウンドはかなり散漫だ。
平たくいうと騒々しい曲。
音がセンターから左に寄っており、バランスがよくない。
もう少し調和のとれた音にならんもんだろうか?

9. Climbing Up The Walls
この曲はもう少し暗い。
エコーの効いたドラムが陰を作っている。
物憂げなボーカルはややノイジーで割れて聞こえる。
あまり気分のいい音ではない。

10. No Suprises
ここまで聴いてきて初めて明るめの音。
楽しくわいわいといった楽曲ではないが、おだやかなバラードである。
最後まで調子は変わらず、安心の一曲。
このメロディはどこかで聴いたことがある。

11.Lucky
タイトルはラッキーだけど全然そういう雰囲気ないなぁ。
依然として暗く、少しダレたU2という感じだ。
この音は聴いていて楽しくならない。

12.The Tourist
ラストはゆるいペースで流れるブルース調の曲。
歪んだギターサウンドに押しの強さあり。
メロディは単調な繰り返しなので構成としてはむしろ地味。
最後は電子レンジのような音で終わる。

うーん・・・
正直、あまり楽しい音楽ではない。
どの曲も暗めで短調に傾いており、ノリとかグルーヴといった感覚とは遠いところに路線がある。
聴いていて思うのは音のズレというかはずし方である。
ビートルズ以降、普通に70年代から80年代にかけて作り上げられてきた楽しいポップスの旋律に対して、かなり意図的に半音ずらしてあるように思うのだ。
それぞれの楽器で最も悲しく聞こえる音階を選んで進行している、そんな感じ。
90年代のサウンドってやっぱこういうのが流行っていたのかなぁ。
オアシスやU2やR.E.M.など、いろいろなバンドを思わせる音があちこちにある。
タイトルがコンピューターだけあって電子音も豊富な感じで、エコーも多用していて立体的な作りの曲が多い。

「ベンズ」の曲を全く覚えていないので、トム・ヨークのボーカル自体初めて聴くも同然なんだが、ネットで書かれているとおりボノに似ているとは思う。
インパクトとしてはやはりボノには及ばないようだ。

ジャケットはなんとも評価のしようのない絵柄である。
「ベンズ」の顔ジャケよりもマシという程度で、印象に残るアートではないように思う。
書きかけの絵という感じだが、右端の飛行機?の先っちょの部分だけ雰囲気が違う。

というわけで、「OKコンピューター」。
想像以上に暗く重いサウンドで、かなり厳しい状況です。
他のアルバム鑑賞について意欲をかき立てるものが何もありませんでした。
おそらくここで自分のレディオヘッド鑑賞は終わってしまう予感がします。

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コメント

やっぱり予想通りの結果。
In rainbowsを勧めればよかったかな・・・。
そうですね~やっぱりRadioheadは好き嫌いというか、
ほとんどの人が嫌いそうなサウンドですからね・・・。
売れているからといって、Popしか聞いてなかった人がいきなり聞いたら
トラウマになりそうですからね。
(ぼろくそにいってますが、好きです^^;)
まあ、村上春樹と互いにファンであると説明すれば納得ですね。
まあ、こんなサウンドも元を辿ればまずはニルヴァーナですから、
ニルヴァーナが好きかで近年のロックが好きになるかが決まるかと。
(最近何気なく読んだウルフルズのメンバーの文でも、
あんなサウンドで(笑)ニルヴァーナが好きなんだってねぇ)

とりあえず改めてMuseを勧めます。
上手いこと暗い曲と明るい曲を交えているので
多分そこまで嫌いにはならないはず・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=99I7gpswhQ4&feature=related
↑2000年代のベストリフにも選ばれた曲。

投稿: Keith to Ascention | 2010.12.12 11:54

SYUNJIさん、こんばんは。
以前のエントリーで私はコメントを差し上げなかった
ようです。ですので、レディオヘッドについては
初の書き込みになりますが、例によって名前しか
しりません。

で、妻が「キッドA」を好んで聞いていたことがあり、
ステレオから流れる音を私もちょっと聞きましたが、
その感想は「まるでピンク・フロイドのようだ」
といったものでした。
暗めのサウンドが嫌いな訳ではありませんが、
私の場合すでにフロイドを聞いていたので、それで
十分だったのです。ついでに申し上げますと、フロイド
のレコードというかCDはものすごい売り上げ枚数で、
多分レディオヘッドよりたくさん売れているはずです
ので、ひょっとするとフロイドの方が取っつきやすいのかもしれません。

投稿: モンスリー | 2010.12.12 19:38

Keithさん、この度はご指導ありがとうございました。
・・が、どうもやっちまった状態のようです。

>そうですね~やっぱりRadioheadは好き嫌いというか、
>ほとんどの人が嫌いそうなサウンドですからね・・・。

ここまで暗い音だと思いませんでした・・
売れてるバンドなんでもう少しポップな音かと勝手に思っていたんですが・・

>ニルヴァーナが好きかで近年のロックが好きになるかが決まるかと。

この図式に当てはめると90年代のロックには相当高い壁を感じます。
というかニルヴァーナもアルバム1枚しか聴いてませんが・・

モンスリーさん、こんばんは。
今回は明確に敗退が決定しました・・

>その感想は「まるでピンク・フロイドのようだ」といったものでした。

うーん・・
フロイドもそんなに聴いてはいませんが、近いものはあるかもしれません。
ただフロイドにはブルースのニオイがしますが、今回のレディオヘッドにはあまり感じなかったです。
なんていうんだろ、プログレの持つ神経毒みたいなものが、レディオヘッドにはなかったような・・(伝わらない)
根本的にミーハーな自分にはいずれにしろ難しい音楽です。

投稿: SYUNJI | 2010.12.12 21:27

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