聴いてみた 第79回 ディープ・パープル その6
ヤァ!ヤァ!ヤァ!こんばんわこんばんわ!
ボクちんの趣味はズバリ、音楽鑑賞。
特にレッド・ツェッペリンは全てのアルバムを制覇しています。
胸いっぱいの愛で死にかけて君から離れられないボクちんをヨロシク!
・・・・書いていて全身の毛穴が開くような不快感を覚えている自虐ブロガーのSYUNJIといいます。
きっと70年代のヤングの中にはこんな挨拶をラジオの深夜放送番組に投稿し読まれてはふとんの中でひとりどや顔をしていた方もおられたことでしょう。(本当か?)
さて一方のパープルですが(←ひどいフリ)、このバンドの場合アルバムによっては「パープルの作品」としての評価はかなり微妙なものもあるようで、全盤制覇は案外難しいのが実状です。
みなさんもお気づきのとおり、メンバーチェンジが激しすぎるというエレガントな理由からです。
リッチー不在・ジョン不在のアルバムを、「パープルの作品」とは認めないファン心理は、こんなあたしでも理解できます。
そんな中でこれなら鉄板パープル代表作として間違いなく衆議院も通過するであろう「Machine Head」。
今回ようやく聴いてみました。(遅い・・・)
「Machine Head」は72年の作品である。
内乱の予感が充満する第2期、メンバーは世界の御大リッチー・ブラックモア、鍵盤のCEOジョン・ロード、流浪の宿敵イアン・ギラン、戦いの好々爺ロジャー・グローバー、財形貯蓄型ドラマーのイアン・ペイス。
前作「Fireball」よりももっと激しさを追求した、最も濃紫色と評される歴史的名盤である。
録音は当初はスイスのモントレーにある野外ステージでライブ調に行う予定だったが、先にフランク・ザッパ&マザーズがコンサートをやっていて、どっかのバカが火を放ち建物が炎上、火の粉がパチパチ・・という、「湖上の煙」に歌われたとおりの展開で一時頓挫。
しかたなく近くの別の場所で録音を始めたが、あまりの近所迷惑な大音量でその都度苦情が来ては中断・別の場所に移動し、ようやくホテルの廊下で録音し完成をみたという、なんかアマチュアバンドのような話ではある。
こんなエピソードもファンの間では当然よく知られているはずだ。
頂点を極めたと言われる「Machine Head」。
三流リスナーのあたしでもすでに知っている曲はいくつかある。
果たしてあたしは殺到する苦情をかわしてホテルの廊下で大音量で聴くことができるでしょうか。
・・・・・聴いてみた。
1.Highway Star ハイウェイ・スター
今さら説明不要・問答無用の「高速道路の星」。
あまり注意して聴いたことはなかったが、ベースラインの裏メロが意外に楽しい。
構成としてはこれ以上ない王道ロックだ。
高校の頃多くの友人がこの曲を必死にコピーしていて、ギターソロの後半で誰もがグダグダになってしまう情景が思い浮かぶ。
御大への道は遠く険しいことがよくわかる名曲。
2.Maybe I'm A Leo メイビー・アイム・ア・レオ
初めて聴く曲だ。
やや粘り気のあるリズムと、どこか哀れなサウンド。
あまり好みの曲調ではない。
パープルの曲によくあるパターンだが、ギランのムダな叫びとかはないので安心して聴ける。
ペイスのロールなドラムもまあいい感じだ。
3.Pictures Of Home ピクチャーズ・オヴ・ホーム
これも初めて聴く。
メロディは決して明るくないのだが、少しテンポアップしたリズムがなぜかうきうきさせる。
この曲はリッチーのギターよりもジョンのキーボードが目立つ。
ちょっとプログレっぽい音がする。
4.Never Before ネヴァー・ビフォア
ここまで聴いてきたパープルの曲とは少し違う。
ギランのボーカルはいつもどおりだが、メロディがややポップだ。
なんて言うんだろ、表メロのない感じが最後まで続くような曲。
5.Smoke on the Water スモーク・オン・ザ・ウォーター
高校文化祭の定番、「湖上の煙」。(80年代の高校文化祭でもマジメにコピーしてる学生がまだいた)
イントロは日本の童謡「はとぽっぽ」のオマージュという都市伝説?もあるくらいに有名である。
歌詞に文学的叙情的なものはなく、情景をそのまま感情こめて歌うという紫の教科書どおりの展開がここにある。
間奏の部分のペイスのスキップするようなドラミングも、あらためて聴いていくと秀逸なものがある。
・・・のだが、後半から終盤、ドラムが少し行き急いでいるんだけど、これっていいの?
6.Lazy レイジー
実はアルバム中この曲が最も長い、大作「Lazy」。
リッチーのギターがのびのびしている。
基本ブルースなんだが、進行や構成はジャズに近い気がするのは、ロジャーとペイスのリズムのせいだろう。
後半やっとギランが登場。
この人の高音シャウトは正直あまり好きではない。
ラストに若干の転調をまじえて終了。
7.Space Truckin' スペース・トラッキン
王様には「宇宙のトラック野郎」と訳された名曲だが、Truckinのホントの意味は「交流」らしい。
中盤ギランが「カモン!」の連呼でややバテてるように聞こえる。
この曲にはドラムソロと言っていい部分もあるのだが、もっと長く激しく主張してもいいと思う。
最後の曲のエンディングにしてはちょっと淡泊にフェードアウト。
聴いてみて思うのは、やはりゴージャスなアルバムだという点である。
結果的に非常に有名な曲が集まっているのでそういう感想になるのだが、裏をかえせばパープルってバンドは曲単位評価が多い、ということなんだろう。
第2期の3作品の中では最もバランスのとれたアルバムだと思う。
じゃあアンタの好みもこれが一番なのかしら?とマツコ・デラックスに詰問されたら、「・・・違うかもしれません」と動揺してしまうような位置づけ。(あまり伝わらない)
正直、「In Rock」「Fireball」との好みの差はそれほどない。
このあたりもツェッペリンの作品とは感覚が異なるところが不思議だ。
(自分の場合、ツェッペリンのアルバムには明確な好みの序列がある)
ポンコツジャケットで鳴らすパープルだが、「Machine Head」も相当なものがある。
タイトルとどう関連しているのか不明だが、壁の前にいるゆがんだメンバーの姿。
うーん・・・
ロジャー爺さんもデザインに参加してるらしいが、なんかサウナっぽい絵で購買意欲をかき立てるものではないと感じる。
発売当時の評価はどうだったのか、パープルのアルバムについてはいつも気になる。
いずれにしてもこれでパープル検定受講のための必要な単位をとれたのではないかという安心感はある。
逆に未聴のうち課題盤と思っているのは、第2期の「Who Do We Think We Are(紫の肖像)」、第3期「Stormbringer(嵐の使者)」、少し下って第7期「The Battle Rages On(紫の聖戦)」である。
これらをなんとか早いとこ聴き終えて、真のパープルマニアと呼ばれるよう精進したいと思います。
| 固定リンク | 0
| コメント (7)
| トラックバック (0)
最近のコメント