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聴いてない 第148回 ABC

80年代にあでやかに英国ミュージックシーンに登場した、いわゆるニューロマンティック系バンド。
彼らは「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」「エレクトリカルポップ」「ニューウェーブ」などのカテゴリーと広く大きく重なりながらヒット曲を飛ばしていった。
そんな中でデュラン・デュランやジャパン、スパンダー・バレエやヒューマン・リーグとともに必ず名前が登場するのがABCである。
実態は相当聴いてません。

ABC、聴いてる曲は3つある。
「The Look Of Love」:日本ではこれが最大のヒットという認識(だと思う)
「Poison Arrow」:邦題は「涙のポイズンアロウ」だそうです(初めて知った・・)
「When Smokey Sings」:実はこれが彼らの最大ヒット曲(全米5位)

アルバムは全く聴いてないので、聴いてない度は3。
メンバーの名前はほぼ全滅。
調べたらマーティン・フライという人が中心人物。
そう聞いても記憶としては、確かそんなような名前の人がいた・・・ような・・・わけで・・・という北の国から状態。

もう少し詳しく調べたら、マーティンとマーク・ホワイトの二人が核となっているようだ。
以下、例によってネットでかき集めたABCの歴史を並べてみる。

バンド結成としては80年頃だが、82年のデビュー・アルバム「The Lexicon of Love」は全英チャートで初登場1位の快挙を達成。
収録曲「The Look of Love」は全英4位を記録する大ヒットとなった。
この曲を含む4曲がチャート20位に登場し、次のアルバムはそれほど売れなかったものの、3枚目はアメリカでは大ヒットしたそうなので、日本での評価が米英よりも厳しいということらしい。
危うく一発屋扱いするところだったが、本国やアメリカではそう思われているわけではないようだ。

なお「The Look Of Love」のプロデュースはトレバー・ホーン、「When Smokey Sings」はバーナード・エドワーズが担当。
いずれも当時の超有名プロデューサーであり、当時のABCはそれなりにオカネがかかっていそうなバンドだったようだ。

89年にはいったん解散するが、97年に復活。
この時は実質マーティンのソロだったが、ABCとしてのアルバム「Skyscraping」を発表している。
2008年には10年ぶりくらいの新作もリリースしており、現在も活動中とのこと。
全て知らなかった情報である。

ABCを含むニューロマのスタイルは、ラメ入りのスーツに必ずネクタイ着用、なでつけた髪で姿勢良く歌うといったわかりやすいルックスが特徴的である。
スタイルとしてはロキシー・ミュージックやデビッド・ボウイあたりにルーツがあるらしいが、詳しくはよくわからない。
楽曲としてはスパンダー・バレエのように明るい曲調を好むバンドもあったが、どちらかというと粘りけのあるツヤっぽいボーカルに神経質なサウンドでアートな雰囲気を持った曲が多かったように思う。
あんまし多くは聴いてませんけど、そんな印象があります。
特にニューロマのバンドでハスキーボイスなボーカルってのはいなかったんじゃないかなぁ。

で、ABCも「The Look Of Love」「Poison Arrow」はモロにそんな感じである。
どちらも嫌いではないが、アルバムを聴いてみるところまではたどりつかなかった。
「When Smokey Sings」はこの2曲とは少し雰囲気が違いファンクなうきうきサウンドだが、日本ではあまり受けなかったようである。
ちなみに「Smokey」とはスモーキー・ロビンソンのことだそうです。

この頃のミュージックシーンを語る文献にはたいがい「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」という説明がある。
じゃあ第1次ってのがいつあったのかというと、それはビートルズや初期ストーンズの活躍した時期を指すらしい。
で、第2次には必ず「MTV」というキーワードが登場し、デュラン・デュランやカルチャー・クラブティアーズ・フォー・フィアーズ、ハワード・ジョーンズなどの名前があがることが多い。
特にデュランとカルチャー・クラブは、「MTVを利用して売りまくったチャラいバンド」という批判的ニュアンスで扱われることも多いように思う。

MTVの功罪については諸説あるだろうけど、彼らをひとくくりにして語る論調には若干の抵抗を感じる。
デュランとカルチャー・クラブはスタイルも楽曲も全く別のバンドであり、たまたま同時期にイギリスで流行っただけで、さらにMTVもたまたまうまいこと利用しただけなのではないかなぁ。
マスコミ用として対決姿勢をあおられたサイモン・ル・ボンとボーイ・ジョージもいい迷惑だったろうし、そもそもこの二人はルックスからして全然違うタイプのミュージシャンだ。
玉置浩二とマツコ・デラックスくらい違うと思うよ。(どうでもいい)

というわけで、ABC。
今回名前をあげた中で、この頃聴いてたのはカルチャー・クラブくらいなので当然ABCも聴いてませんが、みなさまの鑑賞履歴はいかがでしたでしょうか?

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やってない 第8回 パチンコ

ドラゴンズが日本シリーズ進出を決め、さぞかし名古屋の街は盛り上がっていることと思いますが、その日本シリーズ、試合日によっては地上波の全国中継放送がないそうですね。
いくらプロ野球の人気が低迷してるとはいえ、そんなんじゃ「日本」シリーズにならんのではないか?とも思います。
初戦は30日18時試合開始ですが、今のところ関東の番組表は普段どおり「天才!志村どうぶつ園」とか「お願い!ランキングGOLD」なんかが放送されるなごやかな晩になっています・・

さて今日のお題はその名古屋の名物と言われるパチンコ。
当然ですがゴムで小石を遠くに飛ばすヤツではなく、マリンちゃんとかのほうです。
一度も打ったことがありません。
これも確かコドモはやったらいかん遊びですよね。
店に入ったのは生涯で2度ある。
学生の頃友人が打つのを後ろで少しだけ見ていたのと、数年前に近所のパチンコ店内のフロアを近道として通り抜けただけ、という状態。(すいません)

やらない理由はさほど明確ではないんだが、たぶんカネを失うスピードが異様に早いであろうこと、おそらくいったん始めたら自分の場合性格的に簡単にはやめられないであろうこと、だと思われます。
友人が打つのを見ていた時は、ものの数分で千円分のタマが台に吸い込まれて終わってしまった。
麻雀や競艇だったら千円でももう少し長く遊べるよなぁ。
そんな費用対効果の原理でとらえたら、娯楽としては魅力が薄いような気がしているのだ。
あとは聴覚がふつうの人に比べて若干おかしいので騒々しい場所が苦手とか、煙草のけむりが嫌いという理由もある。
禁煙台ってのはあるのかな?

学生の頃友人でパチンコ好きなヤツはいたけど、そいつは全然勝ってなかったし、誘われた記憶もない。
働くようになってからも、上司や同僚から誘われたことは一度もない。
父親はたま~にやっていたらしいが、母親から聞いた話では「全然だめ」だったらしい。

やったことがないので仕組みや内容もよくわかってないのだが、タマを買って台に入れてはじいて所定の穴に入れたり数字や絵柄がそろったりしたら入れた以上のタマが返ってくる遊び、という認識なんですけど、合ってます?(ド素人)
最近さかんに新台のCMをテレビでやってるけど、ドラマやキャラクターがどういう形で台に登場するのか全然わかっていない。
「ウルトラセブン」「エヴァンゲリオン」「冬のソナタ」「仕置人」とかいろいろありますけど、台の上(中?)でそれらのドラマがどういう展開をするんでしょうか・・?

新規開店や改装オープン日などで朝早くから開店待ちの行列ができてることがあるけど、やっぱそういうタイミングだとタマの出方も違うんですかね?
結局はいかに素早く出る台を見極めるかがポイント、ということでしょうか・・

買ったタマをお菓子など物品と交換するのは店の中だけど、おカネに換えるのは店の外の妙なスペースなんですよね。
換金する景品買取店は風俗店ではなく古物商として営業しているそうだ。
まあいろいろ規制や利権の関係でそうなってるんでしょうけど、真の理由はよくわからない。
基本的に我が国ではお上が胴元以外のバクチは認めないというタテマエになってるので、こうした不思議な構造になっているのだと思うが。

基本的にパチンコって1人1台の孤独のナイトゲームなので、友人同士で入店してもその後は自由行動という展開ですよね。
麻雀のように終わるまで相手との戦いのワンダーランドが続く遊びではないので、「いっしょに遊ぶ」という感覚にはなりにくいと思う。
もしかして1台をペアで打ったりできる席ってあったりするのかな?

特に普段から「お友達といっしょにわいわい遊ぶ」のが好きなタイプでもないんだが、麻雀の楽しさには「ゲーム」「対戦」という基本要素に加えて「会話」ってのがあると確信している。
仲間同士で夜中まで長く麻雀打ってると、思考回路も疲労してきて言ってることも果てしなくバカなことばっかしになってくる。
「だじゃれシバリ」「ものまねシバリ」「英語禁止」とか、麻雀好きな方なら一度はやってるんじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか?
念のため解説すると、「だじゃれシバリ」は捨て牌の時に必ずなんかダジャレを言わないといけない限定ルール。
あーいうくっだらないやりとりをしながら打つと、負けてても結構楽しいもんなのだ。
あたしは人見知り芸人なので知らない人とは卓を囲めないのである。
従ってフリー雀荘では打ったことはない。

ちなみに学生の頃新宿の雀荘で働いていた時、木曜の夜に来て日曜の昼まで打っていた客がいた。
自分は木曜と土曜の夜バイトだったのだが、土曜の夜に出勤したら同じ客が同じ卓で打っていて、伝票見たらずうっと継続していたのだ。
4人は常連でタクシー運転手同士だったが、ほぼ3日間寝ずに打っていたことになる。
先輩に聞いたら「あの客たちは丸2日間くらいならよくある」との答え。
オトナってすごいなぁ。
若かったあたしは素朴に驚いていた。
今よりもずうっとムダに景気が良かった頃の話である。

というわけですっかり話が麻雀になっちまいましたが、パチンコ。
今のところ手を出す予定は全くないのですが、皆様の出玉は快調でしょうか?

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聴いてみた 第78回 ジェフ・ベック・グループ その3

ジェフ・ベック予備校秋の特別講習2回目。
本日はモンスリー講師ご指導のもと、バンド名と同じタイトルで1971年発表の通称「オレンジアルバム」を聴いてみました。

グループとしては4作目、第2期では2枚目のアルバム。
前作はタイトルが「間に合わせ」だったこともあってかベック自身も出来にあんまし満足しておらず、同じメンバーで今度こそと気合いを入れて作ったのがこのみかんアルバムとのこと。

Orange

セールスとしても前作よりも成功したようで、バンド経営も順調に進行かと思いきや、この翌年ベックはメンバーのボブ・テンチ以外の3人をクビにし、カーマイン・アピスとティム・ボガートとの活動に入る。
従ってジェフ・ベック・グループ名義では感動の?ラストアルバムでもある。

同じメンバーによる連作が非常に珍しいベックのアルバム。
果たしてあたしはベックの作った甘いみかんをこたつで味わうことができるでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

1. Ice Cream Cakes
オープニングは粘りのあるブルース系ロックである。
ボブ・テンチの声はやはりちょっと好みからははずれている。
この曲ではベックのギターは左側から聞こえるが、右からのキーボードのほうが主張が強い気がする。
不思議な構成で今ひとつ落ち着かない。

2. Glad All Over
アップテンポでファンクな雰囲気。
時々聞こえるドラム(ウッドブロック?)の「こっ」という音がコミカルだ。
コージーはこんな音も出せるのか・・

3. Tonight I'll Be Staying Here With You(今宵はきみと)
この曲はボブ・ディランのカバーだそうだが、原曲はもちろん知らない。
ブルースに少しフォークやカントリーのテイストが混じった感じの曲だ。
前の2曲に比べてベックが少し前に出てきている。

4. Sugar Cane
ピアノを基調とした規則正しいリズムに、どこかELPフロイドっぽい不協和音スレスレのギターとボーカル、コミックバンドのようなコージーのドラム。
案外単調でサビがどこだかわからず、かえって不思議な構成だが、ベックの作品だそうだ。

5. I Can't Give Back the Love I Feel for You(帰らぬ愛)
壮大なオープニングでベックのギターがうなる。
これこそベックの作品かと思ったら、ダイアナ・ロスのカバーとのこと。(作者はダイアナとも別の人)
思ったより短い。

6. Going Down
ジャズっぽいピアノとロックなドラムにベックのギターがからみ、楽曲としてのまとまりが意外に高い。
ギターの音幅が一番広くとってあるのがこの曲である。
コージーのドラムは少し軽いが、ようやくおもしろくなってきた感じだ。
ボブ・テンチには悪いが、こういう曲をロッドに歌ってほしいなぁ。
もう少しテンポアップしてもいいと思う。

7. I Got to Have a Song
今度はスティービー・ワンダーのカバーだが、残念ながらこれも元の曲は聴いてない。
けっこうアクティブな曲で、コージーのドラムの音がいい。

8. Highways
これまた妙な進行だが、ベックのギターはこの曲が一番切れ味がいい。
もう少しギターソロが長いといいんだが・・
エンディングはキーボード主導で終わってしまうのも物足りない。

9. Definitely Maybe
ラストにベックによるインスト作品。
音は直線ではなくカーブを描く変化球である。
少し暗くてもの悲しいサウンドだ。
ベックのギターに別のトラックでベックのギターを積み重ねている部分があるけど、どっちもキーが高くてやかましい音に聞こえる。
あっさり終わるところもどこか違和感が残る。

うーん・・・
全曲ベック弾きっぱなし、というわけではないし、ドラムやキーボードにも聴きどころはあるのだが、自分の求めている音とは少し違うところに位置しているようだ。
前作「ラフ・アンド・レディ」に比べセールス的には断然こっちのほうが売れたそうだが、それはなんとなくわかる。

これでBBAも入れて6枚ベックのアルバムを聴いたことになるが、ベックのギターは思ったよりも高いキーでびゅーびゅーと勝負を挑んでくる。
楽曲自体は案外正統派で、その中でもわんもわんと音をカーブさせて独自の世界を築くタイプのギタリストだと感じる。

しかしだ。
あえてジミー・ペイジとツェッペリンを比較対象に持ってきて恐縮だが、自分はペイジのすんげえ変な曲の中で奏でる思いっきり怪しいサウンドのほうが圧倒的に好みだとはっきりわかるのだ。
自分はコージーのドラムもロッドのボーカルも好きだが、それでもジェフ・ベック・グループのアルバムよりはツェッペリンの初期のアルバムを選んでしまうだろう。
おそらく演奏技術はペイジよりもベックのほうが全然上、と評価する人が多いと思われるが、自分にはあまりそのへんは関係ないらしい。
今のところツェッペリンのアルバムならどれでも繰り返し聴く気にはなるが、ジェフ・ベック・グループのアルバムにはそこまでの強い情動がない。

では3大ギタリストのもう一人、エリック・クラプトンと比べるとどうだろうか?
まあクラプトンも数ある作品のほんの一部しか聴いてないんで比較もできないのが正直なところだが、聴いてる範囲ではクラプトンのほうが音が多様な気はする。
気がついたら鑑賞実績で一番遅れをとってしまったのがクラプトンという状態だ。
早いうちにクラプトン補習を受ける必要がありそうだ。

ジャケットになぜオレンジなのか不明だが、りんごを使ったこともあるからベックは果物が好きなんだろう。(適当)
デザインとしては「ラフ・アンド・レディ」のほうが優れていると思う。

というわけで、ベックのみかんアルバム。
好みの点ではやはりりんごアルバムになりますが、みかんもそれほど苦手な印象は残りませんでした。
ベック全盤制覇などという野心は全く持ってませんが、もう少し学習を続けてみてもいいかなと思います。

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聴いてない 第147回 ドッケン

たとえば同世代の方々4人くらいと有楽町の居酒屋に行き、「昔こんなロックバンドの音楽を聴いていた」という話題になったとしよう。
サバスジューダスやディオやスコーピオンズやブルー・オイスター・カルトなんかに混じって名前が出た時、「ああーいたいた、いたよね」などと相づちは必ず打ってしまうであろうバンド、それがドッケンだ。
実際には全く聴いてない。
ファンの方には失礼極まりない話だが、名前だけは知っているのである。

ドッケン、1曲も知らないので聴いてない度も1。
バンド名がドン・ドッケンに由来することしか知らない。
ディオやギランやボン・ジョビヴァン・ヘイレンなど、ハードロックの人たちにこうしたお名前バンドは多い気がする。
日本のお名前バンドって、あんまし多くないですよね?
「甲斐バンド」とか「KUWATAバンド」くらいしか思い浮かばないですけど・・
芸人コンビだと「ますだおかだ」「品川庄司」「まえだまえだ」「中川家」「フジワラ」とかいますけど・・

まずは恒例のバンド・ストーリーをたどることから始める。
・・・と思ってウィキペディアとか見たらエライことになってますなぁドッケン。
中心メンバーはドン・ドッケンとジョージ・リンチなんだが、「過去のメンバー」に書いてある名前が18人もいる。
全員集まったら楽団になれるくらいだ。
名前を見ていくとたまに見覚えのある人が出てくる。
ジョン・ノーラムはヨーロッパのメンバーだが、ドッケンにはかなり協力的な位置にいるようだ。
ツアーメンバーのフランキー・バネリもどこかで見た名前だと思ったら、クワイエット・ライオットのドラマーだった。

メンバーの出入りがやたら複雑なのはハードロックの慢性疾患みたいなもんなので楽しくていいんだけど、ドン・ドッケン、ジョージ・リンチ、フォアン・クルーシェ、ミック・ブラウンというラインナップでデビュー・アルバムを作成したのに「実際、ベースをプレイしているのはピーター・バルデス」ってよくわからないんだが・・?
スタートから快調なドッケン。

で、88年頃にバンドは3派に分裂しそれぞれの活動が続く。
94年に再結成されるも、人の出入りは相変わらず。
でも最近はドンとジョージがドッケンのベスト盤編集に関わったり、それぞれのバンドを率いて同じステージに登場するなど、ドッケンというバンドのまわりでゆるいつながりを保っているらしい。
2009年にもドンとジョージの二人は来日して共演もしてるそうです。

三流の自分は意外なことにドン・ドッケンが関わったイベントをひとつ覚えている。
85年にロニー・ジェイムス・ディオの呼びかけで、ハードロックのメンバーによるチャリティ・ユニット「ヒア・アンド・エイド」が臨時に組まれ、「Stars」という曲を出したのだが、これにドンが参加している。
もちろんこのユニットはロニーがあのバンド・エイドやUSAフォー・アフリカに触発されて行動を起こしたものだろう。

このイベント、参加メンバーは非常に豪華だ。
まあ話題としては前述の2大ユニットに比べ若干弱かった気もするけど、ロブ・ハルフォード、ケヴィン・ダブロウ、ドン・ドッケン、エリック・ブルーム、イングヴェイ・マルムスティーン、ジョージ・リンチ、ニール・ショーン、ブラッド・ギルス、フランキー・バネリといった面々が登場。
他にもコーラス隊としてカーマイン・アピス、ヴィンス・ニール、テッド・ニュージェントなどが参加している。

自分はこのイベントを確かFM番組で知ったのだが、情報を流していたのは我らが伊藤政則氏だった。
政則氏はボーカルに登場するメンバーの名前を順にあげ、最後に「・・、ドン・ドッケンと続きます」と述べた。
この「ドン・ドッケンと続きます」のフレーズだけが脳内に残っているのだ。
肝心の「Stars」という曲がどんな感じだったか全く覚えていないが、放送を聴きながら「ああドン・ドッケンも参加してるんだ」と思ったことも覚えている。
ドッケン聴いてないのに。

チャリティとしての成果のほどは不明だが、イベントと楽曲の評価はイマイチだったようだ。
ロニーに呼ばれて当時のディオは全員参加してるそうだが、さすがにオジー・オズボーンとかコージー・パウエルとかリッチー・ブラックモアやギランやデビカバは不参加。
ロニーが彼らに声かけたのかどうかわからないけど、たぶんこの中の一人でも参加したらきっと録音中に大ゲンカが始まってイベント自体が成立しなかったんじゃないかと勝手に思います。
(それはそれで楽しそうなニュースですけど)

あと、今回ドッケン調べていて長年の勘違いが判明した。
実は当時からずうっとドン・ドッケンはドイツ人だと思っていたのだ。
正しくはノルウェー系アメリカ人で、デビュー当時ドイツでレコーディングやツアーはしてるけどドイツ人ではないそうです。
ネットでも「ドイツ人のドン・ドッケンが結成したグループ」などという記述はいくつか見つかるので、自分と同じように勘違いしていた人もいるってことでしょうかね。

サウンドの魅力は哀愁に満ちたドンのボーカルとジョージのギタープレイにあるようだが、この評価はスコーピオンズに対するものと似ている気がする。
実際の音や楽曲も似ているのだろうか?

というわけで、ドッケン。
全く聴いてない上に勘違いまでしていたというチカラいっぱい失礼な話で恐縮ですが、おすすめの曲やアルバムがあればご指導願いたいと思います。

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やってない 第7回 釣り

釣り。
ネットでは意味の違う言葉もあるけど、今日のお題は本来の意味の魚釣りです。
全っ然やってません。
とりあえず釣り堀で数回経験があるくらいで、渓流や磯での釣りも船釣りもルアーもフライもカツオの一本釣りも全くやったことがない。
成人男子としてこの経験のなさはかなり危険な領域かもしれない。

まず釣りというホビーになぜか興味が全くわかない。
「なんで?」というお問い合わせが全国から寄せられそうですけど、「あなたが生け花をやらない理由と同じですよ」というイヤミな答えになります。
生け花やってる人はごめんなさい。適当に全然やらない趣味に置き換えて下さい。
興味がわかないことに明確な理由はないのです。

釣ったら食べる、という前提なら多少わからなくもないけど、釣る行為そのものが楽しいという感想には共感はしないのである。
やったことないから楽しさがわからないんでしょうけど、それは生け花もテコンドーもホットヨガも競馬も同じだ。

貧しく乏しい釣り堀の体験は小学生時代までさかのぼる。
父親に連れられて近所の釣り堀で2回くらいニジマスを釣り、塩をふって食ったことを覚えている。
実は父親もさほど釣りが好きなわけではなく、気まぐれに息子を誘ってみた程度だったと思う。
1回目は確か父親の会社の人もいっしょだった。
どこの釣り堀もそうだと思うが、えさを付けずに針で魚を引っかけて釣ることを禁じていたのだが、父親は店の人の目を盗んで「引っかけ」を行い、案外うまくいってしまい会社の人とムダに騒いでいた。
はしゃぐオトナたちを横目で見ながら子供心に「とうちゃんそういうことはやめようよ・・」と思ったりした。

あとは同じく小学生の頃に北海道を旅行中、友だちの家族といっしょに釣りをして遊んだという記憶がある。
だがなにしろ釣りなんかほとんどやったことがないから基本的な「型」がわからず、針をとても浅く水に浸して待っていて、当然だが全く釣れず、一人泣きそうになっていた。
たぶん「浮き」が空中にあるくらいの位置で待っていたんじゃないかと思う。
見かねた友だちが「もっと竿を下げろ」と指導し、下げた途端にものすごくでかい魚(マスだったかな?)が釣れてほっとした、ということを鮮明に覚えている。

自分の人生における釣り体験はここで終了している。
以来釣り堀にすら行っていない。
友だちから釣りに誘われたこともないままオトナになってしまった。
近所の川でザリガニとったりしたことはあるが、あれは釣りとは言えない。

もう10年以上前になるが、社員旅行でカナダに行ったことがある。
「カナダの海でサーモンを釣る」という、今思うとかなり贅沢なオプションツアーがあった。
同僚はみな参加したのだが、ツアーは到着当日であり、自分は「時差ボケのまま船に乗ったら絶対酔う」自信があったので参加しなかったのだ。
その夜に同僚が釣ったサーモンでイクラ丼を作って食いましたが、死ぬほどうまかったなぁ。
「オマエもやれば良かったのに」と何度も言われたが、船釣りなんかしたらおそらくイクラ丼も全く食えないくらい体調不良になっていただろう。

釣りというと糸を垂れてじっと待つというイメージしかないので、そこから「退屈そう」という誤った感覚を持ってしまっていることは確かだ。
磯釣りや渓流釣りなどは本来もっとアクティブなスポーツだと思うが、それはそれで「疲れそう」という救いようのない感想しか出てこないのだ。
こんなヤツに釣りやらしたらいかんですね。

やってないのに言うのもナンだが、自分みたいなクソ素人は釣り場に行ったらさぞかしジャマになるんだろうなとも思う。
何も知らないから「ああーもうそういうことすんなよ」というような痛い振る舞いを釣り場でついしてしまい、佐野実みたいなベテラン釣り人に叱られる・・といった図式を想像するだけで「あああームリムリムリ」と雑誌「つり情報」を伏せてしまうのである。
いや、「つり情報」も読んだことありませんし、具体的に何をやったらいかんのかもわかってませんけど。

というわけで釣りとは縁のないつまんない暮らしをしておるのですが、最近非常にかすかな感覚だが、「もしかして釣りもやってみたらおもしろいのかな?」などと濁ったアタマでぼんやり考えることがある。
電車から釣り堀が見えたりすると、なんとなく楽しそうに思える時があったりするのだ。
まだ全然行動に移すほどの情念はないんですけど、機会があったら釣りの上手な人に教わって始めてみるのもいいかななどと甘いことを考えたりしています。
みなさん、釣りはお好きでしょうか?
釣り、楽しいですか?

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