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聴いてない 第148回 ABC

80年代にあでやかに英国ミュージックシーンに登場した、いわゆるニューロマンティック系バンド。
彼らは「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」「エレクトリカルポップ」「ニューウェーブ」などのカテゴリーと広く大きく重なりながらヒット曲を飛ばしていった。
そんな中でデュラン・デュランやジャパン、スパンダー・バレエやヒューマン・リーグとともに必ず名前が登場するのがABCである。
実態は相当聴いてません。

ABC、聴いてる曲は3つある。
「The Look Of Love」:日本ではこれが最大のヒットという認識(だと思う)
「Poison Arrow」:邦題は「涙のポイズンアロウ」だそうです(初めて知った・・)
「When Smokey Sings」:実はこれが彼らの最大ヒット曲(全米5位)

アルバムは全く聴いてないので、聴いてない度は3。
メンバーの名前はほぼ全滅。
調べたらマーティン・フライという人が中心人物。
そう聞いても記憶としては、確かそんなような名前の人がいた・・・ような・・・わけで・・・という北の国から状態。

もう少し詳しく調べたら、マーティンとマーク・ホワイトの二人が核となっているようだ。
以下、例によってネットでかき集めたABCの歴史を並べてみる。

バンド結成としては80年頃だが、82年のデビュー・アルバム「The Lexicon of Love」は全英チャートで初登場1位の快挙を達成。
収録曲「The Look of Love」は全英4位を記録する大ヒットとなった。
この曲を含む4曲がチャート20位に登場し、次のアルバムはそれほど売れなかったものの、3枚目はアメリカでは大ヒットしたそうなので、日本での評価が米英よりも厳しいということらしい。
危うく一発屋扱いするところだったが、本国やアメリカではそう思われているわけではないようだ。

なお「The Look Of Love」のプロデュースはトレバー・ホーン、「When Smokey Sings」はバーナード・エドワーズが担当。
いずれも当時の超有名プロデューサーであり、当時のABCはそれなりにオカネがかかっていそうなバンドだったようだ。

89年にはいったん解散するが、97年に復活。
この時は実質マーティンのソロだったが、ABCとしてのアルバム「Skyscraping」を発表している。
2008年には10年ぶりくらいの新作もリリースしており、現在も活動中とのこと。
全て知らなかった情報である。

ABCを含むニューロマのスタイルは、ラメ入りのスーツに必ずネクタイ着用、なでつけた髪で姿勢良く歌うといったわかりやすいルックスが特徴的である。
スタイルとしてはロキシー・ミュージックやデビッド・ボウイあたりにルーツがあるらしいが、詳しくはよくわからない。
楽曲としてはスパンダー・バレエのように明るい曲調を好むバンドもあったが、どちらかというと粘りけのあるツヤっぽいボーカルに神経質なサウンドでアートな雰囲気を持った曲が多かったように思う。
あんまし多くは聴いてませんけど、そんな印象があります。
特にニューロマのバンドでハスキーボイスなボーカルってのはいなかったんじゃないかなぁ。

で、ABCも「The Look Of Love」「Poison Arrow」はモロにそんな感じである。
どちらも嫌いではないが、アルバムを聴いてみるところまではたどりつかなかった。
「When Smokey Sings」はこの2曲とは少し雰囲気が違いファンクなうきうきサウンドだが、日本ではあまり受けなかったようである。
ちなみに「Smokey」とはスモーキー・ロビンソンのことだそうです。

この頃のミュージックシーンを語る文献にはたいがい「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」という説明がある。
じゃあ第1次ってのがいつあったのかというと、それはビートルズや初期ストーンズの活躍した時期を指すらしい。
で、第2次には必ず「MTV」というキーワードが登場し、デュラン・デュランやカルチャー・クラブティアーズ・フォー・フィアーズ、ハワード・ジョーンズなどの名前があがることが多い。
特にデュランとカルチャー・クラブは、「MTVを利用して売りまくったチャラいバンド」という批判的ニュアンスで扱われることも多いように思う。

MTVの功罪については諸説あるだろうけど、彼らをひとくくりにして語る論調には若干の抵抗を感じる。
デュランとカルチャー・クラブはスタイルも楽曲も全く別のバンドであり、たまたま同時期にイギリスで流行っただけで、さらにMTVもたまたまうまいこと利用しただけなのではないかなぁ。
マスコミ用として対決姿勢をあおられたサイモン・ル・ボンとボーイ・ジョージもいい迷惑だったろうし、そもそもこの二人はルックスからして全然違うタイプのミュージシャンだ。
玉置浩二とマツコ・デラックスくらい違うと思うよ。(どうでもいい)

というわけで、ABC。
今回名前をあげた中で、この頃聴いてたのはカルチャー・クラブくらいなので当然ABCも聴いてませんが、みなさまの鑑賞履歴はいかがでしたでしょうか?

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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
>>彼らをひとくくりにして語る論調には若干の抵抗を感じる。
>>デュランとカルチャー・クラブはスタイルも楽曲も全く別の
>>バンドであり、

そうですね。いわゆる「カテゴリー」は便利で私も
重宝しますが、これにこだわって聴いてしまうと
それぞれの良さがわからなくなってしまう場合が
ります。私は「プログレ」という言葉もカテゴリー分け
も好きですが、全部違うバンドだと思います。キンクリも
イエスもフロイドもELPも、共通点を探す方が
難しいかもしれません。

そんな訳で、「80年代」というカテゴリー、「第2次
ブリティッシュ・インベイジョン」という分類も
好きですが、今回ABCというバンド名を久しぶりに
拝見し、「あ~聴いていない」「80年代は好きだが、
結局は知らないバンドの方が圧倒的に多い」と
改めて気がついた次第です。

投稿: モンスリー | 2010.10.31 20:31

モンスリーさん、コメント感謝です。

>いわゆる「カテゴリー」は便利で私も重宝しますが、これにこだわって聴いてしまうとそれぞれの良さがわからなくなってしまう場合があります。

そうですねぇ・・
結局それぞれのアーチストのファンからすれば「他のといっしょにすんなよ!」という思いは少なからずあると思います。
あたしも以前はプログレなんて全く聴いてなかったんで、クリムゾンもELPもイエスも同じようなくくりでしかとらえてませんでした。
今もそれほど正しく区別できてはいませんが・・

>今回ABCというバンド名を久しぶりに拝見し、「あ~聴いていない」「80年代は好きだが、結局は知らないバンドの方が圧倒的に多い」と改めて気がついた次第です。

そうでしたか。
あたしも80年代を聴いてきたわよ的な自負は多少あったんですが、結局チャートを追っていただけの薄いリスナーだったことははっきりしています・・
ABCも3曲しか聴いてないし・・

投稿: SYUNJI | 2010.10.31 21:49

The Lexicon of Loveは、ズバリ愛聴盤です。
よくできてますよ、これ。さすがトレヴァー・ホーン。今度コ●ーして持って行きましょうか?

ヒットしていた当時のマーティン・フライは、ただの若造でしたが、今では貫禄がつき、ちょうど昔のデヴィッド・パーマーみたいな感じです。位置付けもそんな感じかと。
直近のことはよくわかりませんが、ABCはまだまだ現役のようですね。(ただしオリジナルメンバーはマーティン・フライのみかな?)

> ラメ入りのスーツに必ずネクタイ着用

これはいまでも、ステージでは“お約束”のようです。
ちょうど、「いつも心に太陽を」を歌うとき、プレスリーちっくなド派手な衣装を身にまとうにしきのあきらのように。

投稿: ルドルフ | 2010.11.06 09:04

ルドルフさん、コメント感謝です。

>The Lexicon of Loveは、ズバリ愛聴盤です。
>よくできてますよ、これ。さすがトレヴァー・ホーン。

そうだったのか・・ルドっちがそこまでABCを聴いていたとは、なんとなく意外な感じですが・・
しかしトレバーさんてイエスに入った時にはいまいちな評価だったのが、プロデューサーとしてすんごい手腕を発揮してメンバーをオカネもちにさせた・・というドラマな人のようですね。

>ちょうど、「いつも心に太陽を」を歌うとき、プレスリーちっくなド派手な衣装を身にまとうにしきのあきらのように。

わははは!これはわかりやすい例えだなぁ・・
ニューロマ語るのににしきのあきらを持ち出すのは、東洋ではルドっちだけですよ。(西洋なら他にいるのか?)
ちなみにスターの曲名は「空に太陽がある限り」ですね。

投稿: SYUNJI | 2010.11.07 10:23

おじゃまします。

ABC
好きです。

> 第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン

> ニューロマのスタイルは、ラメ入りのスーツに必ずネクタイ着用、なでつけた髪で姿勢良く歌うといったわかりやすいルックスが特徴的

>彼らをひとくくりにして語る論調には若干の抵抗を感じる。

SYUNJIさんのおっしゃるとおり一括りに出来ませんよね。
音楽性もファッションも色とりどりでした。
パンクもニューヨークとイギリスでも違いますし。
ウィキペディアのニューロマなアーティス・リストにも疑問が(笑)
自分的にはごく短期間のブームで1年に満たない'80~'81で
'82はほぼブーム終息以降のABCやカルチャー・クラブはブーム後な感じに見えました。
ほぼ同時期にストレイ・キャツやシェイキン・ステキーブンス等のネオ・ロカビリー・ブームもありましたね。
ニューロマ・ブームに少しかぶりながらヘアカット100やモダン・ロマンスのファンカラティーナ・ブームに移行した感じかと。
このブームはパンク~ツートン、スカ~ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・ブームの汗臭さやモノトーンや無骨さへの反動か、お金は無いので古着や所有の服にフリルとか縫い付けたりして自作の衣装で華やかに着飾るファッションで夜な夜なクラブに集い競い合うのも特徴だったようです。

5大ニューロマなアーティストのアルバムやファッションの特徴?
筆頭はやっぱりヴィサージで始まったブーム。
ヴィサージの1st(顔面キャンバスファッション)で始まり
ソフト・セルの1st(ボンデージファッション)
スパンダー・バレエの1st(中世ヨーロッパファッション)
デュラン・デュランの1st(フリルのブラウスなひらひらファッション)
アダム&ジ・アンツの2nd(海賊ファッション)
ヒューマン・リーグの3rd(ファッションに特徴なし?)
どれもオススメしたいぐらいの、今もなお愛聴盤となっております。
それぞれ次作ではブームのピークは過ぎ、ほぼニューロマ・ブームは終息していた感じだと思います。

ジャパンは”第2次ブリティッシュ~”入らないと言うかアメリカでは受けて無かったと思います。
そもそもニューロマにカテゴライズされず、ニューロマ・ブーム時4th「孤独の影('80)」5th「錻力の太鼓('81)」の曲は受けて無くて過去3rd「クワイエット・ライフ('79)」の曲がニューロマでヒットしてたかと。。。

さて本題のABC
必聴の一枚は1st”The Lexicon of Love”
今も愛聴の'80代を代表する傑作だと思います。
後もシングルとして良い曲はありますが、アルバムトータルでもシングルカットでも両方ありの本作は凄いと思います。
やや、やり過ぎ感のサウンドプロダクションではあるもののトレバー・ホーン+ファミリー(後のZTTレーベルメンツ)の力量と相まっての傑作。
曲もアレンジも曲順も考え尽くされて作成されたのでは無いでしょうか。

ZTTレーベル、影の軍団
アート・オブ・ノイズ初期もおすすめです。

投稿: tatsuroman | 2018.02.15 14:26

連投すみません。。。

Apple Musicの共有プレイリストを眺めて居たのですが、
外人と思われる名前のニューロマなプレイリストを数点サンプリングしたところ。。。
何点かのプレイリスト内に
ABCもカルチャー・クラブも
ジャパンの”錻力の太鼓”からもセレクトされていました。

私の認識違いだったようです。
訂正させて下さい。

投稿: tatsuroman | 2018.02.15 16:49

コメントありがとうございます。
ABCも含め、ニューロマの定義や範囲をよくわかってないまま記事書いてました。
今もよくわからないままですけど。

>SYUNJIさんのおっしゃるとおり一括りに出来ませんよね。
>音楽性もファッションも色とりどりでした。

あ、自分が書いた「ひとくくりにして語る論調には若干の抵抗」は、デュランとカルチャー・クラブに限定した話です。
まあカルチャー・クラブだけわりと聴いていたんで、一緒くたにされるのが不満だったんですね。
ニューロマな方々の多様性はご指摘のとおりではないかと思います。

>必聴の一枚は1st”The Lexicon of Love”

やはりそうですか。
「Look Of Love」「Poison Arrow」がありますもんね。
「Look Of Love」ってpart1とpart4があるみたいですけど、part2と3はどうしたんでしょうか・・?

>アート・オブ・ノイズ初期もおすすめです。

やっぱりそう来ましたか・・
アート・オブ・ノイズ、名前しか知らない弱点バンドです。
いつか記事にしようと思います。

投稿: SYUNJI | 2018.02.16 22:00

お邪魔します。

> カルチャー・クラブだけわりと聴いていたんで
自分も1st、2nd良く聴きました。
Time (Clock Of The Heart)
好きです。
一生分の仕事と言ってもいいくらい素敵な曲を作ってくれたと思ってます。
一生聴き続けるだろうなぁ。。。

> part2と3はどうしたんでしょうか・・?
part1?シングルのカップリングでアルバム未収録なはず。
まぁ、アレンジ違いみたいなので聴かなくても全然問題無いと思います。(笑)

> アート・オブ・ノイズ、名前しか知らない弱点バンドです。
意識してないだけで、聴いた事あると思いますよ。
Mr.マリックのテーマはご存じでしょうし、CMやテレビ番組のバックに流れる事珍しく無いと思います。

投稿: tatsuroman | 2018.03.09 17:24

tatsuromanさん、こんばんは。
ABCの記事ですが、カルチャー・クラブに反応。

>自分も1st、2nd良く聴きました。
>Time (Clock Of The Heart)
>好きです。

そうでしたか。
カルチャー・クラブ、日本での人気も結果としては一時的で、ビジュアルやゴシップのイメージが先行した感じでしたけど、音楽のセンスや楽曲のレベルは秀逸だったと思っています。

あと、アート・オブ・ノイズですが・・

>Mr.マリックのテーマはご存じでしょうし、CMやテレビ番組のバックに流れる事珍しく無いと思います。

へぇーそうだったんですね。
知りませんでした・・
マリックが出てこないパロディやギャグの場面でも、あのメロディだけで充分効果が出たりしてますけど、あれアート・オブ・ノイズの音楽だったんスね。

投稿: SYUNJI | 2018.03.11 20:19

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目の前にタワーレコード(以下タワレコ)とHMVがあったら、迷わず黄色いほう・・・つまり、タワレコに入るルドルフです。 いまタワレコでは、たぶんどこの店舗もそうだろうけど「NO MUSIC, NO LIFE」という標語(?)もしくはアジテーション(??)のようなポスターが貼っ....... [続きを読む]

受信: 2010.11.06 08:54

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