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読んでみた 第34回 ラジオライフ

今回はシリーズ史上最もコアなマニア向け雑誌かもしれない、ご存じ月刊「ラジオライフ」。
「ラジオ深夜便」とは全く違う、電波関連技術系情報誌である。
創刊当時は文字どおりラジオ放送に関する情報雑誌だったが、その後無線機や傍受といった内容が誌面を埋めるようになり、最近では官庁や業務用の周波数情報や、盗聴盗撮といったセキュリティ関連の記事が多いという、部外者にとっては全くナゾの雑誌である。
編集サイドもジャンルを説明しづらいらしく、公式サイトでも「書店でも犬猫コーナーや経済コーナーなど、意味不明なところに収まっていたりします」などと書いてある。

Radiolife_2

「ラジオライフ」、今回読んでみたのは7月号、890円。
判型はA5、230ページ。
版元は三才ブックス、発行部数は2009年で10万部とのこと。
存在自体はかなり以前から知ってはいたが、買ったのは初めてである。
とにかく「裏」「盗」「悪」「偽」といった文字によるグレイなイメージが先行していたのだが、果たしてその実態はどうなっているのだろうか。

・・・・・読んでみた。

今月号の目次はこのような内容である。

■第1特集
速く、安く、捕まらずに走るための「クルマの極悪パワーアップ」
●ワルい大人のクルマ偽造テクニック
●路上の隠し撮りを防ぐ盗撮防止剤の威力
●安全な宅急便はどれだ?GPSと衝撃ロガーで追跡
 
■第2特集
ドラマ・アニメ・映画・アダルトをおいしいとこどり!
「人気100タイトルを厳選!タダ動画大全」
 
■第3特集
トホホな盗撮事件に学ぶ
「絶対にバレない擬装カメラの作り方」
 
■特別企画
「戦車だけじゃない!陸上自衛隊車両カタログ」
「読者が選ぶ受信機オールタイムベストバイ」
「受信機を持ってアウトドア受信に出かけよう!」
 
■好評連載
●アリエナイ理科ノ実験室 ドクウツギの有毒成分を猛然抽出!
●今井亮一の交通裁判ウォッチング
●唐沢俊一のトンデモ都市伝説探偵団
●前田日明の漢の人生相談
●ファイアータイムス
●今月の(鉄)
●投稿フォトアラカルト
●お手軽!投稿コレクション
●おもしろ無線部員のり子ちゃん
●おもしろ無線最新情報
●投稿フェスティバル

予想どおり裏情報満載なのだが、犯罪行為を助長していると見るか抑止していると見るかは個人の判断によるだろう。
「ワルい大人のクルマ偽造テクニック」ではナンバープレートをPET板やエポキシ樹脂で偽造する手順が掲載されているし、自動車重量税印紙の偽造方法なんかはそのまま実行してできたニセ印紙を使えばチカラいっぱい犯罪行為だ。
それなりに面倒な手順だし器用なほうでもないので、まあ実際にやろうという気にはならんけど、読む分にはおもしろい記事である。

「アリエナイ理科ノ実験室」はこのテーマだけで書籍にもなっている人気?コーナーらしいが、今月号では「ドクウツギの有毒成分を猛然抽出!」という、後始末がめんどくさそうな実験を紹介。
「猛然抽出!」ってのもなぁ・・抽出して誰に盛るつもりなんだろうか?
ただ毒に関する知識や技術は全然持っていないが、この手の情報も実は嫌いではない。
まあ裏情報という禁忌に対する一種のあこがれだろう。

犯罪ではないが「安全な宅急便はどれだ?GPSと衝撃ロガーで追跡」という記事は意外に感心する。
荷物の中にGPS測位機と衝撃を感知・記録するロガーを仕込み、宅配会社別にそのルートと衝撃度合いを分析するという記事。
会社によっては荷物を投げたと思われる衝撃の記録がしっかり残っていて、どの会社が荷物の扱いが乱暴なのかが予想できる、という内容。
よくやるよなぁという話だが、こういう情報もこの雑誌ならではだろう。

覆面パトカー情報や消防・自衛隊関連の特殊車両紹介ページなどは載っていて当然という感じだが、「今週の(鉄)」という鉄道の新型車両案内コーナーのような比較的健全なページもあり、思ったよりもバランスを考えた編集になっている。

記事や広告の主流は今でも無線だ。
無線機の広告がたくさんあるし、無線に関する記事は特集から連載まで数多く掲載されている。
自分は無線とは無縁の無駄な人生を送ってるので、記事内容は正直さっぱりわからないし興味もわかない。
父親は生前アマチュア無線の免許を持っていて、コールサイン(JE1***)を表札に刻印したりしていた。
自宅に無線機はなかったが、仕事仲間同士でクルマに乗って無線で応答しあうようなことをやっていたような記憶がある。
無線に限らないが、よく考えたら父親がやっていた趣味を自分もやっている、ということがまるでない。
父親はゴルフ・バイク・模型・ラジコン・無線・園芸・ペットといった趣味を持っていたが、今の自分はどれも一切やっていない。
平たく言うと自分は父親には全然似ていないのだ。
21世紀の今、もし父親が生きていたら「ラジオライフ」を読んでいても何ら不思議ではないと思う。

読者投稿のページには、様々な無線の周波数情報が寄せられている。
役所が使う公用の無線や、遊園地のスタッフ用無線などの周波数について、「××.×であることがわかりました!」などとテンションの高い投稿が掲載されている。
それを知ってどうするのかよくわからないけど、マニアの間では貴重な情報なんだろうか?

他には唐沢俊一や前田日明の連載ページもある。
前田日明は古典的な人生相談を受け持っているが、あまり答えになっていないのがアキラ兄さんぽくてファンクである。
というかなぜアキラ兄さんが「ラジオライフ」で人生相談をやることになったのか、むしろその経緯を知りたいところだ。

判型がA5と小さめなのは、おそらく読者が持ち歩くことを想定してのものだろう。
希少な電波を求めて各地をさまようマニアにとって、判型のでかい雑誌は不都合ということだと思う。
ただし紙が意外に厚く固い感じだ。
カラーページも多いので体裁の割には重いと感じる。
背や小口でアタマ殴ったら相当痛いよ。

今回も基礎情報はウィキペディアで調べたのだが、そのウィキの記述が若干妙なことになっている。
読んでいただければおわかりかと思うが、「ラジオライフ」主催のイベントに参加している常連マニアの中にどうも素行の良くない人がいるらしく、ウィキの記述もかなり怒りに満ちているのだ。
どこの世界にもこの手の傍若無人な輩はいるもんだと思うが、この業界もそれなりに大変そうである。

というわけで、「ラジオライフ」。
ディープな無線ワールドの雰囲気はなんとなくわかりましたが、やはり大半は素人には全く理解できませんでした。
まあ怖いモノ見たさで買ってしまったところは否定しませんので、今後もっと怖い記事があったらまた読んでみてもいいかなと思います。

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コメント

ラジオライフって、10万部も印刷されているんですね。びっくりしました。

日本国民の1000人に一人が読者って事ですよね。うーん、そんなにいるのか。ハイテク犯罪が簡単にできるはずですね。

テクノロジーを探求する精神は感心しますが、その探求した結果の表現方法をこのような形にするのは、個人的には賛同できません。せめて、システムの不具合を指摘するレベルに留めておいてほしいな。ま、それだと売れないんでしょうけどね。

僕もSYUNJIさんと同じく、前田日明が連載を始めた経緯に興味があります。単に、編集長がプロレスファンだっただけだったりして。

投稿: getsmart0086 | 2010.07.04 21:15

ゲッツさん、コメント感謝です。

>ラジオライフって、10万部も印刷されているんですね。びっくりしました。

ウィキペディアによれば、公称10万部とあります。
2008年度は20万部あったという話ですが、いずれも実売部数ではないので、読者数も1000人に1人よりは少ないとは思いますが・・

>テクノロジーを探求する精神は感心しますが、その探求した結果の表現方法をこのような形にするのは、個人的には賛同できません。

まあどんな情報もそうですけど、一定の社会性が身についてないと犯罪に直結するおそれはありますね。
この手の記事はファンタジーだと受け止めて読むのが安全だと思います。

>僕もSYUNJIさんと同じく、前田日明が連載を始めた経緯に興味があります。

ネットでいろいろ探してみたところ、どうやら前田日明は一時期ラジオライフの読者だったそうで、それを編集部が知って、連載を依頼したのが始まりのようです。

投稿: SYUNJI | 2010.07.04 22:34

こんばんは。
ご無沙汰いたしました。またよろしくお願いします。

さて、ラジオライフですが、実は本誌は読んだことが
ありません。5年ほど前までは年に1,2冊、別冊を
購入して読んでおりました。
例えば「電話の本」といったものです。電話のタダ掛けや
インターネットの裏情報を特集していました。
もちろん、まねをしたことはありません(笑)。
最近は全く買わなくなりました。というのも、役に立たない
(=実践できない)裏情報に飽きたのと、似たような話題は
インターネットでいくらでも出てくるようになって
しまったからです(これも、わざわざ検索しなくなって
しまいました)。

>>犯罪行為を助長していると見るか抑止していると見るか

おっしゃるとおりです。法の抜け穴を指摘して、おもしろがる
という、ある種のオタク特有の雰囲気もします。
例えば、警察無線はデジタル化されているそうですが、これも
聞こうと思えば簡単に傍受でき、聞くだけなら一切罪に問われない
そうです。この辺から何とかすべきではないかと思います。

投稿: モンスリー | 2010.08.01 20:39

モンスリーさん、ご無沙汰しておりました。

>5年ほど前までは年に1,2冊、別冊を購入して読んでおりました。

この別冊も書店では見かけたことはありますが、中身は見ていません。

>法の抜け穴を指摘して、おもしろがるという、ある種のオタク特有の雰囲気もします。

基本的にはこの運用ができることが社会性でしょうね。
そういう意味ではオトナのたしなむ雑誌だと思います。

>警察無線はデジタル化されているそうですが、これも聞こうと思えば簡単に傍受でき、聞くだけなら一切罪に問われないそうです。

小学生の頃の話ですが、父親の知り合いに警察無線傍受マニアがいました。
車で移動中も延々警察無線を聴き続けていて、子供心に「変わった人だなぁ」と感じた記憶があります。

投稿: SYUNJI | 2010.08.01 22:59

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