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聴いてみた 第75回 ディープ・パープル その5

三流中高年名盤カオスの旅、今回はパープルの「Burn」を聴いてみました。
ツェッペリン学習塾は赤点ぎりぎりで一応卒業したので、最近パープルとレインボーをよく聴いてるのですが、時系列的にはバラバラな鑑賞。

Burn

「Burn」はパープル第3期のアルバムだが、制作前にギランとロジャー爺さんが脱退。
デビッド・カバーディルとグレン・ヒューズという新加入コンビが歌う画期的なアルバムとして知られている。
実はリッチーはポール・ロジャースに歌わせたかったらしいが、結局かなわずオーディションでカバを採用したという話。
もしポール・ロジャースがリッチーの思惑どおり歌っていたら、その後のカバもパープルもホワイトスネイクもどうなっていたかわからない、という歴史的な名盤である。

「Burn」というタイトル自体が、その後のハードロックのイメージを象徴するようなキーワードのような扱いのように思う。
同名の雑誌もあるしね。(実際には「BURRN!」ですけど)
そういう意味では聴いてて当然何を今さらアルバムであるが、それを今さらですが聴いてみました。

・・・・・聴いてみた。

1. Burn
ご存じタマホームのCMソング。
というか、「タマホーーーーーーム」の部分のボーカルがカバの声そっくりなんだが、誰が吹き替えしたんでしょうね?
パープルの中では一番好きなナンバーである。
リッチーとジョンの間奏分け合いもパープルの王道パターンとはいえ、この曲がベストマッチだ。
印象的なイントロ、カバとグレン・ヒューズのボーカル、ペイスのドラム。
聴きどころがたくさんあって実に退屈しない。

2. Might Just Take Your Life
リズムやテンポは「湖上の煙」に似ているが、サウンドは「オレの彼女は東京出身」調。
グレン・ヒューズのボーカルはカバよりもハイトーンで安定している。
終盤はジョンの厚ぼったいキーボードが聴ける。

3. Lay Down, Stay Down
パープルにしてはやや軽いサウンド。
これもグレンとカバが同じメロディを交代で歌う。

4. Sail Away
どろんとした粘着系の曲。
かなり低いキーから入るカバだが、グレンはわりとマイペースで歌っている。
御大のギターはどこか中東っぽい響きで、後にこの世界はレインボーで開花したものと感じた。

5. You Fool No One
どこかまとまりを欠くような不思議な構成だが、リッチーのギターがかなり聴ける。

6. What's Going on Here
リズムは「変わった感じの女」と同じ。
この曲でもグレンとカバが仲良くボーカルを小刻みに分け合いながら歌う。
あちこちでジョンのジャズっぽいピアノが聞こえていい感じだ。

7. Mistreated
ゆったりと進むブルース。
後にリッチーがレインボーで、カバがホワイトスネイクでライブの際によく使った曲とのことだが、二人とも気に入っていたのだろう。
カバのソウルフルなボーカルが曲調にマッチしており、グレンはこの曲では歌っていないようだが、正解だと思う。

8. "A" 200
ラストはなんとなくSFチックなインスト。
いまいちつかみどころのない音が続く。
中盤からリッチーのキレ系ギターが登場。
なんでこんな曲で終わるんだろう・・

「In Rock」ほどのインパクトはないが、カバやグレンの個性もそれなりに出ていて悪くない。
二人はタイプの違うボーカルだが、コーラスや歌い分けは思ったよりいい組み合わせだ。
目玉はやはり「Burn」「Mistreated」である。
ただし逆さに言うとこの2曲が突出しすぎていて、他の印象がやや弱いと感じる。

第2期に比べてハードさが多少削減され、一方でやや憂いとか哀愁といったテイストがサウンド全体に練り込まれているように思う。
やはりギランとカバ・ヒューズの違いが大きい。
ボーカルチェンジはバンドにとって非常にでかいターニングポイントだ。
評価が大幅に変わることも多いし、ヘタすると大コケなんてのも珍しくない。
発表当時の評判は不明だが、今でもこうしてカバの出世作名盤として語り継がれているので、興業的には成功した事例だろう。
個人的にもギランよりはカバの声のほうが好みだ。

アルバムとしてトータルな評価は思ったより難しい。
曲としての「Burn」は間違いなく一番だが、アルバムとして「In Rock」「Fireball」よりも上か?と問われると、自信を持ってYESとも言えない。
曲数も少ないし、インストも1曲あるので、もう少しバラエティに富んだカバの歌声を楽しみたかったとも思う。

ジャケットについては毎回酷評となってしまうのがパープルの残念な点なのだが、その中でも、もうホントにこのアルバムが一番ダメだ。
メンバーの顔をろうそくに見立てて火を灯している・・・のだけど、「あのさあリッチー・・言いづらいんだけどもう少し考えようよ」って感じの絵だよなぁ。
「In Rock」「Fireball」はそのポンチさ加減がむしろギャグとして受け入れられるくらいのココロの余裕があるが(そうか?)、「Burn」にはそれもない・・
全然関係ないたとえで申し訳ないんだが、個人的には満員電車の中吊り広告でアエラのアオリを読んでしまった時の感情に近い。
発表当時のナウいヤングの評価はどうだったのか知りたいところだ。

というわけでやっと聴いてみました「Burn」。
ギランよりもカバの声が好きなあたしとしては、バンド史上最高の評価を下したいところだったんですけど、どこか物足りなさが残ったような感じです。
ここはいったん第2期に戻り「Machine Head」を学習してみようかと思います。

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コメント

これを聴いていなかった・・・とゆう記事内容なので
「えぇ!!!マジですか!!」と取りあえず突っ込んどきますね・・・
私は14歳の頃は全曲歌えましたよ(笑)
パープルの作品の中では地味な印象ですが
(二人の音楽的趣向が反映されている)作品で
あぁこうゆうロックもありかな・・・と思います
クラシカルな今までの作品と比較しても
とても完成度が高い作品だと思いますね
ブルージーなロックと評価するなら
【Burn】だけ浮いている感じがします(笑)
やっぱり【Mistreated】が好きですね
この曲はボーカルの楽曲とゆうよりも
ギターあっての楽曲だと思います
自分なりの【Burn】評でした。

投稿: ボレロ | 2010.06.20 21:28

こんにちは。
 バラエティー豊かな内容で私は結構好きなんですけど、どうもSYUNJIさんには合わなかったみたいですね。ちなみに私がこのアルバムで好きな曲は("Burn"は別格として)"You Fool No One"だったりします。^^♪
http://www.youtube.com/watch?v=5R-voFL4ZL8

あと、上のコメントでボレロさんが書かれている
>ブルージーなロックと評価するなら
>【Burn】だけ浮いている感じがします(笑)
というのには同感。

>ジャケットについては毎回酷評となってしまう
 確かにパープルのジャケット・デザインって酷いですよね。

投稿: axis_009 | 2010.06.21 20:44

ボレロさん、コメント感謝です。
はい、すいません・・確かにマジで聴いてませんでした・・

>ブルージーなロックと評価するなら
>【Burn】だけ浮いている感じがします(笑)

あーそういうことだったんですね。
「Burn」が浮いているとは感じなかったのですが、全体をブルージーなアルバムとすると確かに「Burn」だけ趣が違う感じですね。

>やっぱり【Mistreated】が好きですね

ネットで調べてもこの曲の人気は高いですね。
やはりこのアルバムはこの2曲がメインだと思います。

axis_009さん、コメント&TB感謝です。

>バラエティー豊かな内容で私は結構好きなんですけど、どうもSYUNJIさんには合わなかったみたいですね。

うーん、合わないというほどでもなかったのですが、予想していたよりも物足りなかった、という感じです。

>確かにパープルのジャケット・デザインって酷いですよね。

毎回聴く度にジャケットについて書いてしまうのですが、おおむねみなさんも同じように感じておられるようですね。
ジャケットセンスは最近のパープルもあんまし変わりなくひどいようですが・・

投稿: SYUNJI | 2010.06.21 23:52

最近さぼり気味のルドフィーです。
しょうがないっすよねー、4年に一度のこの時期は(と言い訳)

> 目玉はやはり「Burn」「Mistreated」である。

そうっすね。これだけって気もしますが、逆にこの2曲が入っているだけで名盤といえるのかも。それぐらい超強力ですよ、この2曲は。
ちなみに、かのグラハム・ボネットがレインボーのオーディションを受けたときに、歌ったのがMistreated・・・らしいです。きっと例の暑苦しい歌い方で熱唱したんでしょうな(笑)

投稿: ルドルフ | 2010.06.22 06:59

ルドルフさん、コメント感謝です。
岡崎のシュートがゴールに入っておれば・・と未だに悔やんでいる国民は多いのではないかと・・

>かのグラハム・ボネットがレインボーのオーディションを受けたときに、歌ったのがMistreated・・・らしいです。

ええ~?そうなんですか?
やっさんの「Mistreated」も聴いてみたいですね。
カバとはだいぶ違うと思いますが・・

投稿: SYUNJI | 2010.06.22 22:55

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