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読んでみた 第33回 懸賞なび

世の中には物の数だけマニアがいると言われている。
火葬場や送電線鉄塔やパラフィン紙など、そんなものにまでマニアがいるのか・・と驚くものもある一方で、まあ一定量の人数はきっといるんだろうなと推測できる分野もある。
自分は全く該当しないが、懸賞というジャンルがそれだ。
今回読んでみたのは、その懸賞マニア(または予備軍)のための「懸賞なび」という雑誌である。

Kensyonavi

この雑誌、名前は知っていたが手にとること自体が初めてである。
どこの書店に行っても必ず置いてあることは知っていた。
たいていはパズル雑誌のそばにあるが、いずれもナゾの分野だ。

「懸賞なび」というからには、きっと懸賞における心構えやよく当たるノウハウなんかが書いてあるのだろう。
果たしてあたしはこの本によってなすび(古い)のように懸賞だけで生きていけるのでしょうか。

・・・・・読んでみた。

版元は白夜書房
判型はB5、4月号は420円、140ページ。
発行部数は驚きの40万部。本当か?
表紙は主に食品のキャラクターが使われており、今月号は「ハッピーターン」の「ターン王子」である。

今月号の目次はこんな感じだ。

・ガバちゃんの攻略法が知りたい!
・総計200名様に当たる! 生活応援資金プレゼント!!
・編集部厳選! 今、欲しい家電プレゼント
・ブランド2010スプリング・コレクション
・金券特プレ!!
・編集部オススメプレゼント
・モンドセレクション受賞フード特集
・懸賞特集記事 「ハガキde応用編」
・「懸賞フレンズ」大阪編 達人親子が初参戦

当たり前だが、全ページ懸賞&プレゼントのオンパレード(死語)である。
目次にもはやそれほど意味はなく、「豪華賞品・旅行」「食品・飲料」「生活用品」などカテゴリー別にページが組まれ、基本は1ページ4本の懸賞記事が掲載されている。
月刊誌だが、まあよくこれだけ毎月様々な懸賞が実施されているもんだと感心する。
「芝桜はいつ咲くか」を当てる懸賞なんてのもある。
ちなみに「ガバちゃん」とは懸賞ライターである長場典子氏の愛称。
彼女は懸賞でマンションもゲットしたそうだ。

雑誌の制作原理はかつての就職情報誌と同じだろう。
企業側が掲載料を払って雑誌に懸賞記事を載せてもらい、消費者から注目を集めたり新商品に関心を持ってもらったり・・ということで成立していると思われる。
(違ったらすいません)

この雑誌ならではの企画?に、「切り取って封筒にできるページ」がある。
複数の懸賞について、この封筒にまとめて入れて応募できるのだ。(宛先が白夜書房になっている)
懸賞のお知らせは新聞やテレビや企業のサイトでも見ることはできるが、まとめてチェックできることがこの雑誌の便利な点なのだろう。

懸賞をチェックしてもらうことが目的なので、編集は相当ゆるいものがある。
特集ページなどのイラストもかなり生あたたかいテイストだし、書体も全ページほぼ同じ。
(明朝はあまり使っていない)
巻末には読者のおたよりページがあるが、企画自体が昭和な上に編集側の回答もすごいファンクで飲み会の合いの手みたいなノリである。

体裁面もあまりカネをかけていない感じだ。
カラーページはほとんどないし、中綴じで紙も薄い。
ただしこの紙質はボールペンや鉛筆でチェックしやすいものを使っていると思う。
ひたすら実用性重視なのだ。
価格も懸賞に応募するための最低投資額としての設定。
これが1000円だったら誰も買わないよね。

読者層は20代から40代までの女性中心だそうだ。
まあそうかもしれない。
通勤電車でサラリーマンが楽しそうにこの雑誌をチェックしている姿は見たことがない。
中身は別に年齢や資格を問うものではないので、誰が読んでもいいのだが、ターゲットはやはりOL(死語?)や主婦層ということだろう。
懸賞記事自体が広告も兼ねてるような感じなので、広告だけのページはほとんどない。
表3は占いのページだし、表4は講談社の「ブタさんイラストコンテスト」の募集広告である。

懸賞なびのホームページも見てみた。
メインのサイトとBLOGに分かれているような、よくある構成だが、メインのサイトのデザインがどこか中途半端で、出版社の作るページにしてはこなれていない印象。
アオリの表現も「あげちゃいます」「もちろんのこと」「読みごたえ」など、同じ言葉が重ねて書かれていて、どうもアマチュアっぽいんだよなぁ。
町内会の会報みたいな文章だ・・・

さて。
自分の場合、懸賞に応募するという行為はほとんどしたことがない。
基本的にはあまり興味がないのである。
「どうせ当たらないし」という考えが先に来てしまうのだ。
ハガキにいろいろ書いて投函するという根性もないし・・
子供のころ友達といっしょに少年ジャンプの懸賞に応募して、友達にだけ賞品が当たったことがあって悔しい思いをしたもんだが、それが尾を引いているのかもしれない。(器が小さい)

懸賞の好きな人は割り切ってやっているとは思うのだが、最近はやはり個人情報の問題が気になるところだ。
企業側も「お客様のご意見を参考にすること以外に使いません」などとお断りはしてるけど、もし賞品は当たらないわ個人情報だだ漏れだわ、という展開だとしたらやっぱ躊躇するなぁ。
懸賞とは関係ないが、以前妻がちょっとケガをした時、絶妙のタイミングで生命保険会社からセールスの電話が相次いでかかってきたことがあり、なるほどそういうことかよ・・と思ったりした。

そんなわけで「懸賞なび」。
雑誌というよりは情報誌なので、そもそも編集や体裁がどうこうと分析するあたしの行為自体がズレてますね。
懸賞記事の中身をもう少したんねんに読めば、ほしい賞品があったりするかもしれません。
続けて賞品が当たるという成功体験があると、こういう雑誌に対する見方も変わってくるのだと思います。

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コメント

懸賞は、それほど送ったことのない男。だいまつです。

自分の場合、運が良いのか悪いのか?
それが分からないほど、送った回数が少ないので何とも言えないですね。
ただ、それほど期待したものでは無いモノが当たったことがあるな、、と言う感じですね。

一番はTシャツが当たったことかな、、。
サッカーのTシャツでしたが、、。

でも、それは同僚にあげました。

さて懸賞ナビ。
懸賞は、やはり送る分母の少ないものを選んで送るための雑誌かな?とも思いますが、やはり会員制の中での懸賞となると当たる確率上がるのかな?と思います。

この頃はウェブでの懸賞も多いですが、これはそれほど悪用されているわけではないと思っています。
迷惑メールは、自分のブログでアドレスを公表しているからだと思っています。

投稿: だいまつ | 2010.03.07 18:20

だいまつさん、コメント感謝です。

>それが分からないほど、送った回数が少ないので何とも言えないですね。

自分もそんな感じですね。
たまに妻が近所の新聞販売店の懸賞に応募してイベントの入場券なんか当てたりしてますけど・・

>迷惑メールは、自分のブログでアドレスを公表しているからだと思っています。

迷惑メールはたまに来ますが、大半はプロバイダの設定で知らないうちに削除してくれているので、あまり気にならないですね。
BLOGでも迷惑コメントやトラックバックはかなりブロックされているようです。
根拠はないですけど、懸賞で住所氏名を伝えることのリスクはどこかにあるんじゃないかとつい思ってしまいますが・・

投稿: SYUNJI | 2010.03.07 20:52

SYUNJIさん、こんばんは。
全く知らない雑誌です。

>>懸賞ライター

このような職業があるということも初めて
知りました。

>>企画自体が昭和な上に編集側の回答もすごい
>>ファンクで飲み会の合いの手みたいなノリである。

懸賞の当選ノウハウのページより、ここを一番
読みたいと思いました。昭和でファンク! 何とも
シュールです。
ところで白夜書房はまだがんばっていたのですね。
私が知っているのは20年ほど前、ダークなロック
ネタを扱う本を2,3冊買った記憶があります。

ちなみに、私は以前結構懸賞にあたりました。
http://homepage2.nifty.com/rockyota/tousen.htm
最近は国内盤CDやDVDを購入しても、懸賞その
ものがついていないので、応募する機会がなくなって
しまいました。当たる当たらないにかかわらず、結構
楽しいのですが。

投稿: モンスリー | 2010.03.07 20:55

モンスリーさん、コメント感謝です。

>全く知らない雑誌です。

そうですか・・
まああまり男性の読者は多くはないと思いますが。

>このような職業があるということも初めて知りました。

あたしも知りませんでしたが、この雑誌ではすっかりおなじみの人物のようです。

>ところで白夜書房はまだがんばっていたのですね。

昔からバクチ関連やアイドル写真集などでややサブカルとかアングラな香りのする版元ですね。
少し前は妙なテレビCMもやってましたが・・

>ちなみに、私は以前結構懸賞にあたりました。

サイト拝見しましたが、すごいですね!
ここまで当たると気分いいだろうなぁ。
「実はオフコースが好きである」というくだりだけ賛同しかねましたが・・(←しつこい)

投稿: SYUNJI | 2010.03.07 22:24

中学校の時にカシオの3万円くらいの安いキーボートを当てたことのあるゲッツです。

懸賞ではありませんが、今まで当たった中で、一番高額なのは、ビンゴゲームで当てたハワイ旅行です。コール4回目でリーチ、6回目でビンゴになりました。あの時は、あまりにもの幸運に自分でもビビリました。

最近は、懸賞を出すことがなくなりましたが、10年くらい前にライダースナックを買ってラッキーカードを当てたときはかなりうれしかったです。アルバムもちゃんともらいました。

投稿: getsmrt0086 | 2010.03.07 23:03

ゲッツさん、コメント感謝です。

>今まで当たった中で、一番高額なのは、ビンゴゲームで当てたハワイ旅行です。

ええぇー本当ですか?
どういうビンゴなんだろう・・
もしかして芸能人とか政治家のパーティー?(発想が貧困)

>10年くらい前にライダースナックを買ってラッキーカードを当てたときはかなりうれしかったです。

10年前でもこの懸賞やってたんですね。
小学生の頃はかなり多くの友人がアルバム持ってましたね。
あ、思い出した、チョコボールで金のエンゼルが出ておもちゃの缶詰が当たったことがあったなぁ。

投稿: SYUNJI | 2010.03.09 00:21

ビンゴゲームは、納涼船の催しでした。

ビールをずいぶん飲んで顔がずいぶん赤かったので、当たったことを申告しても、最初酔っ払いがからかっているように見られてしまいました。

ハワイ旅行と言っても、格安なツアーだったので、3泊5日でナナキュッパくらいだったと思います。なので、大したことはないんです。

当たったのは一人分だったので、追加料金を払って二人分にし、さらに一泊伸ばして、奥さんと行きました。

投稿: getsmart0086 | 2010.03.09 23:23

ゲッツさん、解説ありがとうございます。

>ビンゴゲームは、納涼船の催しでした。

それは意外なイベントですね。
あたしはきっとバニーガールが酒を持ってくるような黒いパーティーではないかと想像していましたが・・

>当たったのは一人分だったので、追加料金を払って二人分にし、さらに一泊伸ばして、奥さんと行きました。

いい話ですねぇ。
今度当たった時はぷく先輩とあたしが同伴します。(←キモイ)

投稿: SYUNJI | 2010.03.14 10:04

はじめまて! 検索をしていてたまたま読んでしまいました! 懸賞なびご購入ありがとうございます。
懸賞ライターは日本で唯一の私、長場典子だけなんですよ。ご存知なくて当然です。11年前に会社をリストラされて、ずっと”懸賞だけ”(執筆と当選)で食いつないでおります(汗)それなりに大変ですが、11年種まきしつづけ、もしかしたら花が咲く? かもしれないという段階です。(咲かない方が高いですが・・・)男性には夕刊フジと週刊プレイボーイの連載がお勧めでーす!全て「ガバちゃん」で登場しています。業界さんに言わせるとキャラが強いらしいです。ではまた

投稿: ガバ | 2010.06.14 09:19

ガバさんて・・長場典子さんご本人ですか?
初めまして、こんな安っぽいBLOGにコメントありがとうございます。
すいません、懸賞に大して興味もないのにこんな記事書いてしまって・・

>11年前に会社をリストラされて、ずっと”懸賞だけ”(執筆と当選)で食いつないでおります(汗)

それはすごいですね。
でもマンションもゲットされたのでしたら、立派に花は咲いているのでは?

>男性には夕刊フジと週刊プレイボーイの連載がお勧めでーす!

すいません、どっちも全然読んでませんが、今度チェックしてみます。(さすがにプレイボーイはもう読むトシでもありませんが・・)

投稿: SYUNJI | 2010.06.15 23:13

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