« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »

行ってみた 第12回 浜松

胃腸の弱い旅芸人のSYUNJIです。
先日、週末を利用して浜松に行ってきました。
浜松モザイカルチャー世界博・浜名湖立体花博というイベントが開催されており、新聞販売店からタダ券が手に入ったので行ってみたのです。

世間では○○博というイベントが毎年どこかで必ず行われますが、当然ながら評価は様々です。
つい最近終わった横浜の開国博Y150なんて、入場者数が予想をはるかに下回る惨敗な結果に終わったりして、関係者の間で責任のなすりあいや余った記念グッズ投げ売りなどというファンタジーな事態に発展。
博覧会よりもそういうモメ事のニュースのほうがよっぽど楽しい話です。

で、あたしも今回の花博は全然期待していませんでした。
ところがネットで調べてみると、思ったより人気があり、周辺道路も渋滞しているようで、行ってきた人のBLOGでも案外楽しそうな評価が多い様子。
まあどうせタダだし、土日なら高速道路も1000円だし、ついでにうなぎでも食って来ようということで、行ってみることにしました。

麻生政権の断末魔政策とも言われる1000円高速ですけど、あらためて考えるとスゴイ話ですね。
夫婦二人で片道1000円ってことは一人500円です。
我が家からディズニーランドに行こうとしたら、電車賃は片道500円では足りないのですが、それが高速道路を使えば浜松でも名古屋でも一人500円で行けるわけですから・・
貧乏人にはありがたい話ですけど、じゃあ今までの高速料金ってなんだったんでしょうね。

というわけで昨今の政治に疑問を抱きつつ早朝に家を出て、昼前には浜松に入りました。
かなり前ですが、浜松は仕事で一度、観光で二度来ています。
残念ながらこの日の天気は大雨。

浜松の中心から西に10kmほどのところに大平台という地区があります。
佐鳴湖という池のほとりに閑静な住宅街が広がっており、オシャレなレストランやカフェなどが点在するハイソ(死語)な街のようです。
昼はこの大平台の「クレル レヴェイエ」というフレンチ・レストランで食べることにしました。
ガイドブックで見つけて飛び込みで行ったのですが、入り口のランチメニューは値段が少々高めです。
でもクルマも停めちゃったし大雨だし今さら塩ラーメンとか焼きそばとか探すのもおっくうだし、半ばヤケクソ(下品)でドアを開けてみました。

Clair

これでお料理がすんげーマズかったりシェフが佐野実みたいなおっさんでいちいち叱られたりだったらホントにがっかりなのですが、全然そんなことはなかったのでした。
いや、というかお料理は鬼のようにおいしかったのです。

Clair1

Clair2

Clair3

この日は前菜がキノコとホタテのテリーヌ、メインは鴨肉のローストや鯛のポワレだったのですが、倒れそうなほどうまかったのでした。
実は一番うまかったのはデザートの紅玉タルト。

Clair4

デザートが一番うまいってのも失礼な評価なのかもしれませんが、まだ熱いタルトと冷たいアイスクリームのバランスが絶妙で、「これはまた来なければ・・」という使命感のようなものがこみ上げるうまさです。
浜松に行かれることがあれば、こちらのお店は全力でおすすめいたします。

うなぎでなく浜松フレンチに感動したあたしは、その足で「春華堂」へ。
昭和のおっさんが大好きなキャッチである「夜のお菓子」うなぎパイの工場見学です。

Unagi1

けっこう見学者が多く混雑しています。
見学者には無料でうなぎパイが配られるところも人気なのでしょう。
ラインからうなぎパイがどんどん生産されています。

Unagi2

Unagi3

ただ、見学できる工場のラインはそれほど時間のかかるものではありません。
あとは生産工程をビデオで見て、うなぎパイ喫茶でお茶飲んでおみやげにうなぎパイ買って終わり、という案外あっさりした流れです。
ゆっくり見学しても30分はかからないといったところです。
ちなみに、「夜のお菓子」とはどういう意味か??
おっさんの夢を壊すようで申し訳ありませんが、「夜の一家だんらんのひとときをうなぎパイで過ごしてほしい」という意味だそうです。

「夜のお菓子」を見学してる間に雨は上がったので、花博会場に行ってみることにしました。
会場は浜松フラワーパークという植物園ですが、駐車場は会場から離れており、送迎バスで10分程度。
この日は雨上がりで駐車場もすいていました。

Hanahaku1

さて会場につきました。
モザイカルチャーとは聞き慣れない言葉ですが、草木や花を立体的に飾り付けたり形づくったりして、オブジェとして展示する催しです。
大きさは様々ですが、かなりでかいものもあります。

Hanahaku2

Hanahaku3

花は日持ちしないので、オブジェに使われているのは草木がほとんどのようです。
従って菊人形のような鮮やかさはありませんが、大きなものは思ったよりも精巧で迫力があります。

Hanahaku4

Hanahaku5

遊園地のような派手なアトラクションではない分、ちょっと地味なイベントで子供にとっては退屈かもしれませんが、けっこう家族連れのみなさんも楽しんでみているようでした。
夜はライトアップもしてるそうです。

食欲がいまいちだったので、夕飯はうなぎでなくチャーハンにしました。
が、これが裏目に出て夜中まで大もたれ・・

翌日は晴れたので、浜名湖にあるガーデンパークに行ってみました。
こちらも植物園か公園のような施設ですが、広さはフラワーパーク以上です。

Garden1

この日は地元企業の組合が主催する祭りのようなイベントが行われていました。
露店が並んでいてかなりの人出で盛況です。

Garden2

Garden3

植物園としてのガーデンパークはかなり地味でした。
コスモスの季節ですが、先日の台風で壊滅してしまったらしく、全然咲いていませんでした。
ちょうど花の少ない時期に来てしまったようです。

やや退屈だったので展望台に上ってみました。
浜名湖や浜松の街が一望できます。

Garden4

Garden5

昼になったので駅前に戻ってうなぎを食べることにしました。
うな炭亭」という有名な店が駅の南側にあります。
サイトに割り引き券があったので、事前に印刷しておいたのでした。

一押しメニューの「うなぎまぶし」を注文。

Unagimabusi

出てきたのは見た目うな丼ですが、食べ方があって、
1.最初はそのまま
2.次に薬味のネギとゴマをかけてまぜて食べる
3.最後にだし汁をかけて食べる
というものです。

これはうまいです。
もちろんそのままでも充分うまいのですが、薬味をかけると味が変わりますし、さらにだし汁をかけて食べるとお茶漬けのようでそれぞれ楽しめます。
特に3はうまかったです。
この食べ方は初めてでしたが、きっとそのへんのスーパーで売ってる安いうなぎじゃダメなんでしょうね。
よく考えたらこれまでも浜松に来たらうなぎを食べてましたが、今回は一番うまかったです。
正直体調はイマイチで食欲もそれほどなかったのですが、それでも完食できましたんで、相当うまかったんだと思います。

駅前の遠鉄百貨店でみやげを買い、帰ることにしました。
帰りの高速道路からは富士山がよく見えました。
残念ながら秦野中井インターより先が事故渋滞でしたが・・

Fujisan

というわけで、浜松の旅も終了。
目的は花博だったのですが、結果はこんな小食のおっさんなのに完全にグルメな旅になってしまいました。
繰り返しますが、特に「クレル レヴェイエ」の紅玉タルトは絶品です。
期間限定の人気メニューのようですので、この季節に浜松に行かれたらぜひお立ち寄りいただけたらと思います。

| | コメント (8) | トラックバック (1)

使っていた 第1回 ラテカセ

今週、ココログ同期生のgetsmart0086さんと1年ぶりにお会いする機会がありました。
東京出張に来られたゲッツさんと夕方新宿でお食事をしたのです。
店はあたしが適当に選んだ石川県郷土懐石料理店だったのですが、完全個室にゲッツさんと二人きりのワンダーランド。(キモイ)
ぷく先輩以来の個室二人きり会食でしたが、音楽やクルマやサッカーの話題までいろいろ話せて楽しかったです。
また上京される際にはお声かけいただければと思います。

さて、最近我が家は部屋のリフォームみたいなことをしたのだが、いったん部屋の中のものを全て移動することになった。
その時気づいたのだが、もう使っていないのに捨てずに取ってあるものが驚くほど多かった。
タイプライターや8ミリビデオカメラなど、使っていないどころかもう動かないものもある。
こんなことでは家の中が片づかないはずだ。

そんな山のようにあるガラクタの中で、主に80年代に洋楽を聴くために使っていたものについて、処分する前に書き留めておこうと決意した。
というわけで、「使っていた」シリーズ。
第1回はラテカセである。

若い人のために解説するが、70年代後半くらいからだろうか、ラジオとテレビとカセットレコーダーがくっついた機械がかなり流行ったのだ。
その前からラジオ付きカセットレコーダー、いわゆるラジカセはあったのだが、ラテカセはその発展系と言える。

テレビと言えば当時は一家に一台、茶の間にあって家族全員で同じ番組を凝視するのがふつうだったのだが、ラテカセの登場はそんな昭和の家庭のあり方に変化をもたらしたと思う。
「チャンネル争い」なんて言葉は完全に死語だろうが、当時の子供たちにとってこれを解消できる夢のアイテムがラテカセだったのだ。
当然小学生から高校生にまで人気があった商品である。
「ベルトクイズQ&Q」の小学生大会でもラテカセは賞品になっていて、出場した子供はみんなラテカセを指定してクイズに挑戦していた。

そんな時代に生きていた自分も、中学生になって猛烈にラテカセが欲しくなった。
それ以前に自分専用のカセットレコーダーを持っていなかったので、どうせ買うなら志は高く・・ということでラテカセを父親にねだって買ってもらったのだった。
この年頃の子供なら言いそうな「英語の勉強にも使う」などといったデタラメな理由も必死に並べた記憶がある。

そうは言ってもやはり高額商品ではあったので、そう簡単な話ではないだろうと子供心にも情勢は困難である覚悟はしていたのだが、たまたま機嫌が良かったのかカネ回りが良かったのか、父親は案外あっさりと買ってきてくれた。
高価なラテカセを中学生にいきなり買い与えてしまったことで母親は父親を非難し、家の中が少し殺伐とした雰囲気になったりもした。
今気づいたが、このラテカセを買った時の父親の年齢が、今の自分の歳と同じである。

Ratecase1

父親が買ってきたのはナショナルのTR-512という機種である。
実は当時の子供にとっての人気機種はソニーのジャッカルという商品だった。
TR-512は愛称もなく地味な商品だったが、買ってもらって文句も言えまい。
当時の価格で6万円くらいはしたはずだ。
自分のこづかいの手持ちは3万くらいしかなく、その後1年くらいかけて父親に分割返済していった。

スピーカーは当然モノラルで、カセットも録音レベル調整機能がなくフェードアウトもできない機種だったが、とにかくこれで自分専用のカセットレコーダーもテレビも手に入ったのだ。
すでに洋楽に目覚めキッスだのチープ・トリックだのレインボーだのを聴いていた姉のマネをして、さっそく洋楽のエアチェックを始めた。
この時利用したのが「サンスイ・ベスト・リクエスト」である。
以来5~6年くらいはこのラテカセでテープを毎月サルのように作っていた。

Ratecase2

テレビは白黒で6インチの小さいものだったが、プロレスからウルトラセブンから「11PM」から「トゥナイト」から「サタデーナイトショー」から「オールナイトフジ」まで見まくったものである。
昔はプロミスとかレイクのCMなんて深夜にしか流れてなかったよなぁ。
浅草菊水通りカフェルーム・ホテルユニバーサルとかイキなシティホテルが新横浜西口に誕生ホテル21世紀とかロンドンロンドンロンドン楽しいロンドンゆかいなロンドンとかヤタガイとかハンターーーーー!!とか、深夜でしか見られなかったCMっていっぱいありましたよね。
当然だけどラテカセ、英語のお勉強になんか1度も使わなかった・・

ラテカセ購入の数年後には父親が亡くなったので、父親の持っていたステレオのラジカセコンポを譲り受け、その後にダブルカセットデッキなんかも買ったため、エアチェックにラテカセを使うことはなくなり、テレビ鑑賞専用になっていった。

で、そのラテカセだが、動くかどうか不明だが未だに家にある。
乾電池でも動くので、停電時の非常用テレビのつもりで保管していたのだが、妻の携帯はワンセグ対応なので、もうその役目もなくなった。
いずれにせよ地デジ放送が始まればテレビとしての機能もなくなるのだ。

Ratecase3

けっこうでかくて置き場所にも困るし、早晩処分することになるだろう。
ネットで検索するとやはりこの手のアイテムにもマニアがいるようで、コレクションしている人もいるそうだ。
ただウチの機種はあまり人気がなさそうだが・・

そんなわけで、特定の世代にとってはとても懐かしいラテカセ。
同じように使っていた方もおられると思いますが、もし思い出など教えていただけたら幸いです。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

食べてみた 第11回 ラーメン「G麺7」

最近はムキになって毎週塩ラーメン情報を探している元三流音楽ブロガーのSYUNJIといいます。
いつかあたしも「塩の石神」と異名を持てるような塩専門アルファブロガー(死語)になれるよう精進したいと思います。
そもそも塩ラーメン専門のブロガーなんてたぶんいないので、「今日からオレ様は塩専門アルファブロガーだ」と宣言したら勝ち、のような気もします。(すれば?)

とある休日、県内の塩情報をネットで検索中、良さそうなお店にたずねあたりました。
京浜急行上大岡駅の近くにある「G麺7」です。
「じーめんせぶん」と読むようですが、「G麺75」でないのはテレビ局の許可が下りなかったのでは・・と勝手に想像。
今年初めにオープンした新しい店ですが、塩専門店ではないようです。
でもネットでの評判を見ると、塩の評価がかなり高いことがわかりました。
そもそも醤油や味噌もある店で、塩の評価が高いということ自体が珍しい話です。
これは相当カタイと見たあたしは、上大岡に突撃することにしました。(セリフ回しが古くさい・・)

上大岡は駅が新しくなってから比較的よく行く街です。
普段はほとんどクルマで行くのですが、この日は鉄道を利用。
店は駅から徒歩10分くらいでしょうか。
イトーヨーカドーの裏にありました。

Gmen7

構えはそれほど大きな店ではありません。
テーブルが1つ、カウンターが5席くらい。
10人で満席という感じです。
待つスペースは店の外でした。
入り口が西を向いているので、昼時だと待っている間は直射日光がもろに当たります。
これだと真夏の行列はかなりつらいかも・・
この日は外で5分くらい待って中に入りました。

珍しいことに食券販売機が店の外にあります。
当然塩!トッピング味玉!きぃー!!
ムダに逆上しながら850円で食券を買い、店主に提出。
よく見ると店主の襟に若葉マークのバッヂがついています。
「開店したばかりの初心者です」という意味でしょうか。
店はこの人が一人で切り盛りしているようです。

Gmen72

さて塩ラーメン味玉入りが登場しました。
器が白くて手作り風です。
果たして味も初心者向けなのでしょうか。

・・・・・食べてみた。

率直にうまいです。
スープはたぶん鶏系ですが、他にいろいろ使っていそうなハードな味がします。
世間ではあっさりという評価になるかもしれませんが、自分としては「しっかり」に分類したいところ。
これは打撃系のうまさです。
それもミルコやバンナではなく、アリスター・オーフレイムのような鎧系の味とでもいいましょうか。(全然わからない)
油っぽさはそれほどありません。

あまり意識してなかったのですが、どうも自分はラーメンについてはスープ偏重で麺を軽視する傾向があるようです。
多少粉っぽくても伸びていても、スープがうまけりゃいいんだよくらいのノリでしかラーメンを味わっていなかったように思います。
それでも麺は黄色太ツルちぢれ系が好きなのですが、「G麺7」の麺はそれと対照的なストレート系です。
これがスープとの相性もよく、今まで麺を軽視してきたことも合わせて「麺がうまい・・」とかなり意識させられました。
黄色太ツルちぢれ系なんてイメージでしかなかったのかもしれません。
うまい麺は形態によらないようです。

チャーシューは豚と鶏の2種類。
味玉もほどよい味付けで不満なく食が進みます。
何かを焼いたような細かいフリカケ状のものが麺の上にまかれています。
見た目は焦がしにんにく?たまねぎかな?という感じですが、味は違います。
ネットでのコメントでは「鶏の皮」「ラード」「天かすのようなもの」など様々な意見がありましたが、そんなに味も強いものではなく、自分には何なのかわかりませんでした。

この日はカウンターで食べましたが、隣はもちろん知らない人です。
ただ自分も隣の人も、食べる前にほぼ同時にそろってケータイでラーメンを撮影してしまったのには笑ってしまいました。
隣の人もきっとBLOGに載せるんでしょうか。

今回も無事完食。
個人的には店に順位や優劣をつけるのは趣味ではありません。
(がっかりする味に出会うことも多いですが・・)
妻は前回の「ささやん」のほうが良かったようですが、自分としては味が違うので比べようがないしどちらも非常にうまい、というのが正直な感想です。
味の方向性としては「中村屋」に似ている気がしました。
これは自分の味覚なので、正確ではないかもしれませんが。

いずれにしても神奈川県内でこうしてうまい塩ラーメンがあちこちで食えるようになってきたのは幸せなことです。
自分で言うのもナンですけど、やはり予感したとおり「塩風」は確実に吹いてきているのではないでしょうか。
別にあたしが偉いわけではないんですけど・・

そんなわけで「G麺7」。
不思議な名前と不思議な店構えですが、味は正統で力強く頼もしいと感じました。
上大岡に行った時にはぜひまた寄りたいと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

聴いてみた 第70回 レッド・ツェッペリン「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」

池袋・秋葉原・中野を「東京の三大オタク聖地」と呼ぶそうだが、実は一度も行ったことがないのが中野だった。
別に池袋も秋葉原もオタク目的で行ってるわけではないのだが、中野は仕事でもプライベートでもこれまでの生涯で用事が全くなかった街である。
首都圏に長く住み、都内の学校や会社にも長いこと通っている人間としては、結構めずらしいパターンかもしれない。
聖地後楽園ホール・・じゃなかった中野ブロードウェイとはどんな場所なのか?
なぜか突然そんな思いに導かれ、今回初めて中野に足を踏み入れる決意をした。

さて中野。
そびえるサンプラザを横目に、駅北口より実直に聖地ブロードウェイを目指す。
初めて入った中野ブロードウェイは、大阪の梅田駅南側の雰囲気によく似ていた。
まんだらけもあったが、今日の目的はあくまで中古CDである。
レコミンツ」という中古CD店が目的地だ。
店はそれほど広くないが、洋楽は80年代以前と90年代以降でフロアが分かれており、これはかなりわかりやすい。

狙いはズバリ、ツェッペリンの「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」である。
何枚か在庫があったが、紙ジャケで汚れありの一番安い380円(!)を購入。
音が聴ければいいので、紙ジャケだろうが汚れだろうが全くこだわりはない。
実際どこが汚れなのか、買った後も未だにわからない。

Inthrough

これでツェッペリンのオリジナル盤の全盤制覇を達成できることになる。
CD購入も「III」「IV」「聖なる館」「プレゼンス」「CODA」に続く6枚目だ。
こんなに買いそろえることになるとは驚きである。
そもそもそんなにCDを持ってるほうじゃないんだが、同一アーチストで6枚も持つというのは自分にとっては最も多い枚数だ。
(変なライブ盤もいくつか持っているので、実際には8枚くらいある)

最初に「IV」を聴いたのが89年頃なので、ツェッペリンデビューはこの歳にしては大変遅いほうだ。
しかも結局全盤制覇に20年もかかってしまった・・
「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」、果たして有終の美を飾るにふさわしいアルバムなのでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

1. In The Evening
長く静かなイントロのあとタイトル・コールで曲が始まる。
楽曲は比較的まともな構成。
プラントの声は残念ながらやはり後期の痛んだ後のものだが、力強さだけは復活している。
途中ペイジのギターががたがたとひっかかるような音を出している。

2. South Bound Suarez
楽しそうなリズムだがメロディはやはり怪しいZEPのものだ。
ペイジのギターはやや騒々しい感じがする。
この曲のプラントが一番声がダメ。

3. Fool In The Rain
ほのぼのオクラホマなフォークダンス調のリズム。
だが、間奏になると一転サンバに転調。
試みとしてはおもしろいが、各パートにいまいちまとまりを感じない。
サンバ展開も少しムリがあるように思うし、終盤のびりびりギターサウンドもツェッペリンならではの怪しい調和ではない。

4. Hot Dog
今度はスピード感のあるカントリー風ナンバー。
意外にこのサウンドにプラントのボーカルがマッチしていて、これも試みとしてはおもしろいんだが、ペイジのギターがリズムにどうもついていけてないように聞こえる。

5. Carouselambra
終始サウンドを支配し続けるのはキーボード(シンセサイザー?)。
「ぱーぱぱーぱぱーぱーぱぱーぱぱー」という今ひとつ安い音は、80年代のミーハーな洋楽の香りがする。
間奏でやっとペイジのギターが登場しテンポが下がっていく。
かつてのツェッペリンの得意な構成とは逆の展開である。
転調して再びリズミカルなシンセ音。
終盤はジェフ・ベックの曲のようにも聞こえる。

6. All My Love
悲しげなブルースだが、サウンド面ではキーボードとギターが対等に鳴っている。
いい曲ではあるが、プラントのボーカルに今ひとつチカラが足りず、惜しい気がする。

7. I'm Gonna Crawl
ラストは重いブルース。
ようやくペイジのギターが主導する曲が登場、という感じ。
プラントは思ったより声が出ていて力任せに絶叫するが、やはり前期のような鋭さはもうない。
やがて淡泊にエンディングを迎え、これでツェッペリンのオリジナル・アルバムは終了である、と思うとどこかわびしい気持ちになる。

「プレゼンス」で原点回帰を果たした彼らだが、このアルバムでは再び拡張散漫路線に戻っている。
サンバやカントリーなど、いろいろやりたかったのはわかるが、自分がこのバンドに求めていた路線やサウンドとはやはり違う。
あちこちに聞こえるシンセやキーボード音は思ったほど悪くはない。
が、楽曲としての一体感はそれほど強くはないように思う。

聴いてみて「けっ、なんじゃこの曲は」というのがないのはさすがツェッペリンだとは思う。
ただしはっきりと「これは好きな曲」という指定もできない。
「聖なる館」もそうだが、プラントの声がダメな分、自分の評価は厳しくならざるを得ないのだ。

評判どおりジョン・ポール・ジョーンズ大活躍のアルバムだが、背景としてはペイジとボンゾがクスリでよれよれ・プラントも前の年に子供を亡くして若干ひきこもりという、三人とも本来のチカラを全然出せない状態だったため、ジョーンジーが主導せざるを得なかった、ということのようだ。
「Hot Dog」のペイジのギターはファンからも評判が悪いらしいが、確かに商用としてはギリギリな音もあるような感じだ。
違う意味で聴いていて緊張するし、「この音ってもしかして、やっちまった?」というクールポコ状態にさせられる部分が確かにある。
本人たちももちろんこれでスタジオ盤は最後、と知っていて作っていたわけではないので、「まあ次がんばろうか」くらいに考えていたんだろうか?
アルバム制作において、時間もお金も「プレゼンス」よりもかかってはいるらしいが・・

ジャケットは場末の酒場にバーテンや刑事や娼婦が登場する、映画のシーンを切り取ったような光景である。
同じ場所と人物を、方向を変えて撮影した6パターンが存在し、LPの時代では茶色い外袋のため、買って開けるまでどのパターンのジャケットなのかはわからないという工夫がされていたようだ。
彼らのジャケットの中では好きなほうである。

そんなわけで、「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」。
全盤制覇という意味ではそれなりに感慨もありますが、アルバムそのものは自分にとっては少し微妙なところです。
この後は解散後の彼らの足跡をたどってみようかなどと身の丈に合わないことをうすらぼんやりと考えたりしています。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »