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聴いてみた 第67回 スティーリー・ダン

やっぱふつう聴いてるもんだろ名盤シリーズ、今回はスティーリー・ダンの「Gaucho」。
スティーリー・ダンはかなり昔に「Aja」を聴いたことがあるのだが、はっきり言って惨敗だった。
録音したテープもどこかに行ってしまい、手元には残っていない。
あれからかなりの歳月が流れ、おそらく二度と手を出すこともあるまい・・・と思っていたスティーリー・ダン。
すっかり中年となった耳にいったいスティーリー・ダンはどのように響くのだろうか。
そんな三流紙へのじじいの投稿みたいな稚拙な感情にとらわれ、モンスリー師匠のおすすめで無謀にも名盤「Gaucho」を聴いてみることにした。

Gaucho

「Gaucho」は「Aja」の次に制作されたアルバムで、ゲストミュージシャンがものすごいことになっている。
マーク・ノップラーマイケル・マクドナルド、ラリー・カールトン、デビッド・サンボーン、リック・デリンジャー、ジェフ・ポーカロ・・・
あたしが名前知ってるだけでもこれだけのミュージシャンが参加しており、総勢では50人近くにもなるという、極めて贅沢なレコードである。
果たしてあたしはこの贅沢さを堪能することができるでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

1. Babylon Sisters
ミドル・テンポでわりとはっきりしたリズムに品のいいいろいろな楽器の音。
乏しいながらもこれまで思い描いていたスティーリー・ダンのイメージそのもののサウンドである。
サビの部分は女性コーラスとともに「Babylon Sisters,Shake It!」と叫ぶのだが、このあたりもう少しおだやかに運んでもいいような気がする。

2. Hey Nineteen
大ヒットしたそうだが、全く聴いたことがなかった。
この曲のほうがややブルースっぽい流れだ。
この曲もコーラスが厚く当てられているのだが、音量レベルがちょっと違和感。
コーラスなのに音がでかすぎな感じがする。

3. Glamour Profession
前の曲と似たような雰囲気。
ただしコーラスとボーカルのフィット感はこの曲のほうが上である。
ふつうはコーラスがこのくらい後ろに下がってボーカルを支えるもんだと思うんだが・・
土曜昼過ぎのFM番組のメインテーマソング・・・という感じ。
終盤のギターを中心とした演奏が同じ旋律の繰り返しで、ちょっと長いので途中からやや飽きが来る。

4. Gaucho
アルバムタイトルのこの曲、どこかで聴いたような気がする・・・が、はっきりとはわからない。
壮大なイメージのサウンドが多いが、好みかと言われるとかなり微妙。
後半のギターはなかなかいい感じだ。
ドラムはジェフ・ポーカロであることが、多くのサイトに書いてある。

5. Time out Of Mind
ギターでマーク・ノップラーが参加している。
どれがマークのギターだ?と思ってうろうろ聴いていたが、中盤のセンターやや左でぺこぺこ弾いているのがたぶんそうだろう。
マーク参加を知って聴いたからなんとなくわかっただけで、知らずに聴いたらたぶん全然わからない。

6. My Rival
思ったよりいろいろな楽器の音がするが、右側やや下方面から聞こえるキーボードに特徴がある。
アルバムは80年の作品だが、キーボードはもう少し古くさい音がする。
ギターの音色は悪くないのだが、ホーン・セクション?の音はあまり他の楽器と合っておらず、騒々しい印象だ。

7. Third World Man
この曲は「Aja」に似ている。
ただし「Aja」よりもバラードで盛り上がりもなく、いつの間にか終わる。

うーん・・・
やはりこれはロックとは違うジャンルだと思う。
すごく有名な名盤であることはわかるのだが、聴きどころが少なく物足りない、というのが正直な感想。
ボーカルとコーラス、楽器同士に調和をあまり感じない点も低評価な理由になってしまう。
「これがこの世界ではこの上ない調和なんだよ」と言われるとどうしようもないけど、やはり自分の求めている楽曲とは別の次元で運営されているようだ。
聴き慣れていないとはまさにこのことである。

ドナルド・フェイゲンのボーカルも自分の好みからはかなり距離がある。
このヒトは世間では歌がうまいという評価なんでしょうか・・・?
ずっとサウンドを支配するサックスやトランペットのサウンドもどちらかというと苦手な印象である。
ドライブとか掃除とか漫画読むとか、何かしながらのBGMとしてなら悪くはないかもしれないのだが、律儀にオーディオセットの前に正座してじっくり聴く、なんてことをやったらたぶん寝てしまうと思う。

このアルバムはカネも時間もやたらかけたことで有名。
制作期間は2年とのことだが、この間にウォルター・ベッカーが事故で入院したりもあってこれだけ時間がかかったそうだ。
多くの一流ミュージシャンを使ったことで、スケジュール調整からギャラのお支払いからとても大変だったんだろう。
ラリー・カールトンやデビッド・サンボーンをわざわざ呼んだのに、お弁当はコンビニの海苔巻きで・・というわけにはやはりいかんのでしょうね。(当たり前や)
ゲストのお食事代にいくら使ったのか知りたいところですが・・・
お食事代の高さに懲りたのかどうかわからないけど、この後スティーリー・ダンとしては20年もの沈黙期間に入ることになったとか。

そんなわけで聴いてみたスティーリー・ダン。
やはりアウェーな感覚は全然ぬぐい去ることができませんでした。
社内で評判の美人と偶然帰り道が一緒だったんでいろいろ話しかけてみたけど、共通の話題がなにひとつ見つからず「じゃあ、お疲れさま・・・」と伏し目がちに言いながら先に電車を降りた彼女を窓越しに追いながら徐々に遠くなっていく青砥駅・・・といった心境。(全然伝わらない)
このジャンルにはどうも自分の居場所はないような気がします。
あらためて今後の身の振り方を検討すべき時期に来ているようです。

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コメント

syunjiさん、まいど♪
「社内で評判の美人・・・」(笑)よくわかる気がします。
この高尚なる系統の音楽たちは、さりげなくBGMとして聴き込むと・・・なかなか味がでてくるかもしれませんよ。実はわたくしの場合、そういったことがけっこう多いです。
お盆休みですか?暑いですから・・・くれぐれもご自愛のほどを・・・。では。

投稿: chikazo | 2009.08.16 01:06

ちかちゃん毎度です。コメントありがとうございます。

>この高尚なる系統の音楽たちは、さりげなくBGMとして聴き込むと・・・なかなか味がでてくるかもしれませんよ。

そうスか・・
あたしの場合しばらくは眠剤のような状態になりそうですが・・
スティーリー・ダン、ちょっと難しいよなぁ・・

>お盆休みですか?

えーとウチの会社は出版社ですが、一斉休業ではないんで、あたしは今週も来週もふつうに出勤です・・
関東はまあ暑いことは暑いんですが、すでに空に秋の気配が来ています。
長いこと関東で暮らしてますが、こういう夏はちょっと珍しいです。

投稿: SYUNJI | 2009.08.16 21:43

SYUNJIさん、こんばんは。
偶然というか、最近フェイゲンやダンを聞いており、
この作品も聞き直したところでした。
私もちょくちょく聞いていた割には「敷居の高い」
というか「実態のつかみにくい」バンドでした。

さらに、初期にはロック感がありますが、この
アルバムの頃にはもはやロックとはいえない
ジャズ的な香りがします・・・・と思いこんでいました。

ですが、最近は何となく好きになってきました。
よく、クリームはブルースの変型と言われますが
(といっても私もよくわかりませんが)、
ダンはR&Bやソウルの変型かと思うようになりました。
(といっても、R&Bもソウルも全然知りませんが)

>>「これがこの世界ではこの上ない調和なんだよ」

爆! どうもそうらしいですね。ダンならではの
完全主義が見え隠れするアルバムです。

>>サウンドを支配するサックスやトランペットのサウンド

これも慣れれば「ああ、大人な雰囲気が」と訳もわから
ないのにうっとり(笑)。
SYUNJIさん、次回は是非「Aja」を!

投稿: モンスリー | 2009.08.17 20:01

モンスリー師匠、今回もお世話になりました・・が、やはりスティーリー・ダンの壁は今回も厚かったです。

>ダンはR&Bやソウルの変型かと思うようになりました。

うーん・・あたしもR&Bやソウルの何たるかは全然わかりませんが・・
クリームの変型ブルースがいいのかどうかもわかりませんが、たぶんブルースだからよくてソウルだからダメ、ということではないようです。
クリームの各パートやボーカルの調和が自分の好みには合っていて、スティーリー・ダンのそれはどうも好みからズレてる・・という状態です。

>次回は是非「Aja」を!

いやー、かつて惨敗したアルバムですんで、結果は見えてるような・・
タイトルナンバーのドラムだけはまあいいと思いますが・・

投稿: SYUNJI | 2009.08.17 23:14

お世話になります。ごぶさたしております。

おお!ダンといえばわたしにとってはモロボシ・ダンでもダン池田でもなくスティーリー・ダンのことです。

ガウチョだめですか・・・。エイジャとガウチョはお金かけて完成度高すぎるので入り込むスキがないというか、確かに敷居高すぎる感じはありますよね。

意外に初期のころなんかどうでしょう?もっとロックバンドっぽい感じですよ。曲でいえば「ドゥ・イット・アゲイン」とか「菩薩」とか「リキの電話番号」とか。(←別に長州力の電話番号のことではないです)
ベスト盤に必ず入ってるので、もういっかいチャレンジしていただけると嬉しいです。わたしの一番好きなアーティストですので。

投稿: カナ | 2009.08.22 05:07

カナさん毎度です。
ダンと言って真っ先に思い浮かんだのはダン野村でした・・

>確かに敷居高すぎる感じはありますよね。

うーん・・そうです。(←正直)
最近いろいろ聴いてみてはいるんですが、自分がどういう音楽を求めてるのかよくわかりません・・

>意外に初期のころなんかどうでしょう?もっとロックバンドっぽい感じですよ。

え、そうなんですか?
「リキの電話番号」、タイトルは聞いたことがあります。(曲聴けよ)
先日長州小力がアメトーーク「最近の一発屋事情」に一発屋芸人として出ていて少し悲しかったです・・

>わたしの一番好きなアーティストですので。

うわ、そうでしたか。
これは聴かねばなりませんな。
2戦2敗の状態ですが、まだ勝ち目はあるんだろうか・・

投稿: SYUNJI | 2009.08.22 17:47

最近ブログをさぼってテニスばかりしているゲッツです。

この記事を見て、久々にこのアルバムを聴いていました。

「Babylon Sisters」でのドラムスのバーナード・パーデイーのシャッフルは大好きです。この人のドラムはジェフ・ポーカロも憧れていたようです。

「Gaucho」では、トム・スコットのサックスプレイも好きです。ただ、このプレイはクレジットにディヴィット・サンヴォーンと書かれていれば、「なるほど」と思うかもしれません。この頃の流行りのプレイスタイルですね。

投稿: getsmart0086 | 2009.08.30 20:18

週末はBLOGをさぼってぶどう狩りなんかしていたSYUNJIです。

>「Babylon Sisters」でのドラムスのバーナード・パーデイーのシャッフルは大好きです。この人のドラムはジェフ・ポーカロも憧れていたようです。

バーナードさんのことは全然知らないのですが、ジェフ・ポーカロをウィキペディアで調べたら、確かに「Babylon Sisters」でのドラムスも含めて「ロザーナ」のパターンの創作に採り入れたといったようなことが書いてありました。

ディヴィット・サンヴォーンも名前は知ってますがどんな音を出す人なのかは全く知りません・・
いずれにしてもスティーリー・ダン、自分にとって依然ハードルの高い音楽です。

投稿: SYUNJI | 2009.08.30 21:01

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