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聴いてみた 第65回 R.E.M.

先日聴いてないことを告白したR.E.M.だが、驚くほど早く聴く機会がやってきた。
久しぶりに新宿のレコファンに出向いたのだが、セール中で全盤200円引きであった。
ふと棚を見るとあのにゃんころりんジャケット「Monster」が置いてある。

Monster

値段は驚きの250円。
本国ではゴールドやプラチナを連発している彼らだが、このTokyoでの扱いはいったい・・・
しかも全盤200円引きってことは、50円?
駄菓子のような値段に驚愕しながらレジへ持っていったら、「いちおう最低価格は100円とさせていただいてます」と言われた。
さすがにここで「じゃあ買いません」というのも大人げないので、そのまま100円で購入。
どっちにしろオトナの買い物じゃない状態ですけど・・・

さて「Monster」は多面的なR.E.M.のアルバムの中でもロック色の強い仕上がりらしい。
トップの「What's the Frequency, Kenneth?」だけは聴いており、この感じは悪くないので、全体がこの路線であればいいかなという期待。

100円で買ったこのアルバム、果たして当たりが出てもう1枚、ということになるのでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

1. What's the Frequency, Kenneth?
イントロから曲全体を支配するずびびび・・・というディストーションの効いたギターが特徴。
このギターサウンドに気をとられがちだが、ボーカルもサビの部分はきちんとコーラスが当てられており、この感じはいいと思う。
タイトルからして意味がよくわからないのだが、それもそのはずで意味不明なことを表現する時に使われるようになったセリフだそうだ。
あるニュースキャスターが暴漢に襲われたが、その暴漢が叫び続けていた言葉がタイトルの「What's the Frequency, Kenneth?」。
直訳すると「周波数はなんだ、ケネス?」。
これが意味不明なことの表現になっているらしい。

2. Crush with Eyeliner
ギターのノリは前の曲と似ているが、雰囲気はかなり退廃的だ。
ただ楽曲としては堅調な造りで、かすかにザ・フーを思わせる部分があったりもする。
けだるいボーカルだが、歌っている内容はかなりエロいらしい。
カート・コバーンの元妻のコートニー・ラブに捧げる曲だそうだ。

3. King of Comedy
リズムは楽しそうなんだが、やはり暗め重めのサウンド。
あーわかった、ボーカルが暗いんだね。
ぼそぼそ語るようなボーカルになぜか女性コーラスがついている。
これはちょっと微妙・・・

4. I Don't Sleep, I Dream
これも前の曲同様どんよりとしたナンバー。
ボーカルの一部が裏声になっている。
演奏レベルは高いと思うが、あまり楽しくない・・・と思ったら突然音が途切れて終了。

5. Star 69
スピーディーなロック。
ギターやドラムは思ったより古くさい音だが、これは悪くない。
これも突然終わるエンディングだが、ちょっと処理が雑だ。

6. Strange Currencies
アルバムの中で唯一のバラード。
広がりのあるサウンドは、なんとなくオアシスを思わせるような気もする。
これはいいですね。
だた左上のほうから聞こえるきんきん・・・という高い音が主旋律には合っておらず、余計な印象である。

7. Tongue
ピアノとキーボードとファルセットボーカルで進むほのぼのソング。
中盤に少しだけぎぃぃーーん・・というギターが入ってくるが、これもなくてもいいんじゃないかと思う。

8. Bang and Blame
この曲のイントロは「Losing My Religion」に似ている。
サビの部分は思ったより激しく、ほんのわずかだがピッチが早くなってくる。
これもまた女性コーラスが聞こえるが、いまいち不協和音のように感じる。
エンディングで一度フェードアウトした音が再びフェードインで戻ってくる演出がある。

9. I Took Your Name
これはグランジという言葉から受ける印象そのもののサウンドだ。
退廃的なうねりギター、ニルヴァーナにも似たよどんだベース、抑揚のないボーカル・・・
どこか沈んだ気分にさせる一曲。

10. Let Me In
カート・コバーンのことを歌っているとのことだが、この曲はもっと陰鬱としていてもの悲しい。
ギターがずがずがと終始鳴り響くので全然静かなサウンドではないが、右上から聞こえるキーボードがものすごく哀愁に満ちている。

11. Circus Envy
抑揚の少ないグランジはさらに続く。
網戸にひっかかった虫の羽音みたいなノイズがずうっと鳴っている。
嫉妬に苦しむ心情を歌っているようだが、対訳を読んでも意味があまりわからない・・・
「オレのコーヒーにはコショウを入れといてくれ」って、何?

12. You
この曲も暗い・・・
凄惨な戦争映画のエンディングみたいな音だ。
深みのあるサウンドだが、濁りがきつくて聴きづらい。
今ひとつ盛り上がらないままアルバムは終了する。

感想。
うーん・・・
いい感じの曲もあるし、ゆがんだギターサウンドも嫌いではない。
が、アルバム全体だとやはり印象が暗く微妙なところ、になってしまう。
転調しすぎで置き去りにされたりムダにうるさかったり絶叫したりといった決定的なマイナスポイントは、ない。
演奏もボーカルも高い水準にあることはわかる。
でも、やはり重いし暗い・・・
これがグランジでありオルタナってことなんでしょうか。

「What's the Frequency, Kenneth?」「Strange Currencies」はいい曲だし、「Let Me In」の哀愁路線も悪くない。
しかし特に後半終盤の暗さ重さは、聴き進むにつれて疲労が増してくる感覚がする。
ニルヴァーナもアルバム1枚しか聴いてないけど、通じるものがあるように思う。
R.E.M.、そう簡単にはいかないようだ。

というわけで、聴いてみましたR.E.M.。
一口目の味は悪くなかったのでそのままずんずんとルーとごはんをくずしていったらいつの間にかやたら辛くなってて食い終わったらくちびるが腫れてしまった本格インド料理店の自慢のカレー・・・のようなアルバムでした。
もちろんいい曲もありましたんで、次はもう少し甘めのカレーを頼んでみようかとぼんやり考えています。

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