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見ていない 第25回 妖怪人間ベム

すでに告白済みのとおり、あたしは姉持ち弟として幼少時代を過ごしたため、見ていた子供向けテレビ番組は女の子向けがほとんどである。
従ってほとんどの特撮ヒーローものや戦隊ものを見ていないのだが、これを同級生に気づかれることを恐れ、漫画や学習雑誌などから仕入れた情報だけでなんとか話を合わせていた。
今思うとけっこうキツかったなぁ。
「超人バロム1」なんて一度も見たことがないのに、友達と腕組んで変身する遊びを延々やっていたし、「サンダーマスク」の主題歌は友達が歌っているのを聞いて必死に覚えたりしていたのだ。

ところが中にはいっさいの情報を仕入れることができず、立ちつくす一人雨の中・・・という状態の番組があった。
「妖怪人間ベム」である。
放送自体全く見ておらず、その姿すらも全然知らずに大人になってしまったのだった。
現在はインターネットというなんでも教えてくれる大切な友達がいるので(キモイ)、いろいろ調べてみたのだが、毎度のことながら驚きの連続である。

「妖怪人間ベム」は1968年10月から1969年3月までフジテレビ系列で毎週月曜19時30分から放送された30分番組である。
当時まだ物心がつくかどうかのあたりだったため、当然ながら初回放送は全く記憶にない。
姉は3歳年上だが、姉からこのアニメの話が出た記憶もないので、我が家では全く見ていなかったはずである。
怖いアニメだったため姉が封印したという可能性はあるんだが・・・

「妖怪人間ベム」がタイトルだが、主人公グループ?としてはベム・ベラ・ベロの3人。
とりあえず3人は人間ではない妖怪で、異形がゆえの苦悩を記録した悲しいお話。
「早く人間になりたい」という名セリフが有名で、このセリフをスローガンに悪を退治したり人間と友情を育んだり・・・という徳を積みつつ全国を行脚する、という構成。
人間にとっては正義の味方という位置づけなのだろうか、3人は様々な特技を持ち合わせていて、悪の退治にも利用しているそうだ。
3人は親子や兄弟といった家族関係はなく、妖怪ということが共通してるだけでグループを組んでいるとのことだが、こんな特殊な関係を、見ていた子供たちは理解できてたんですかね?

家族でない点は別としても、ここまでの設定はまあ当時の子供向け番組の典型とも言えるし、異形のヒーローによる勧善懲悪ものとしては「ゲゲゲの鬼太郎」などにも通じるものはある。
路線としては「仮面ライダー」「ウルトラマン」だって「人間でないヒーローが人間のために活躍する」点では同じだ。

ところがだ。
調べてみて驚いたんだが、「妖怪人間ベム」は他のアニメやヒーローものと決定的に違い、彼らの正義の行動が人間からあまり評価されず、それは最終回まで変わらない、という救われない展開だそうだ。
最終回では人間(の誤解?)によって建物ごと3人は焼かれてしまい、生死も不明なまま番組は終了という悲惨極まりない結末・・・
一度も見ていない番組なのに、もらい泣きしそうなんですけど。

主人公が異形の妖怪だったり内容が悲惨だったりで今では地上波では再放送されないらしいが、コアなファンも多く80年代にはパート2が作られたり、今ではDVDもあるようだ。
ネットで映像や画像をいくつか見てみたが、当然ながら全く記憶にない。
見た感じ子供向けアニメとしてはやはりちょいとグロで気持ち悪いが、鬼太郎もドボチョン一家もあんまし気持ちのいいアニメじゃなかったもんなぁ。
ちなみに泣かせすぎのアニメとしては「けろっこデメタン」が有名だけど、あれも内容が悲惨で子供がいじめを模倣するおそれあり・・・という理由で再放送されない、なんて話を聞いたことがある。

あらためて不思議に思うのは、同級生が例の「早く人間になりたーい」というセリフを当たり前のようにギャグとして使っていたことである。
しかもこのセリフは実際には初回放送のオープニングで使われただけで、毎回決めゼリフとして連呼してたわけではないとのこと。
最初は同級生の連中がいったい何のモノマネをしているのか全然わからなかった。
ヤツらは当然再放送でこの番組を見ていたはずだが、関東ではいったいいつ再放送していたんだろうか?
なぁ、ミツヒロにコウイチにオサム!
おまえらしょっちゅうこのセリフでモノマネしてたけど、いつ見てたんだよ?

その後の「妖怪人間ベム」だが、93年にケンミンの焼きビーフンのCMキャラになったり、96年には「O157撃退キャンペーン」のポスターに使われたりという意外な営業を展開している。
どっちも全然覚えていない。
そもそも原典を正確に知らなかったので、そうした起用のされ方にすら気がつかなかった可能性が高いのだが。

というわけで、中年として信じられないほど知識が欠落している「妖怪人間ベム」。
今さら見たいとはあまり思っていませんが、みなさまの認識ではやはり「見ていて当然」な番組だったのでしょうか・・・?

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コメント

私はチラリとみましたねぇ。もちろん再放送ですけど。
ただ、私の記憶では、再放送は当初は在京キー局(フジ)でやっていたものの、その後はテレビ埼玉かTVKあたりでやるようになったと思います。

あのテイストは嫌いじゃなかったですねぇ。いまなら絶対に作られないだろうし、放送されることもないでしょうけど。昔は、いまなら確実に差別の対象となり批判の的になるような人が主人公、あるいは重要な役回りとなるアニメ・物語が多数ありましたよね。妖怪人間ベムは「人間へのなりそこね」だけど、ほかに病気だとか、貧乏だとか、捨て子だとか・・・。養護施設というのも定番アイテム(?)でしたね。

あと、妖怪人間ベムについての記憶というと、五輪真弓が全盛(?)の頃。「ベラ」に似てるって、アニメそのものが脚光を浴びた(掘り起こされた)ことがありました。

投稿: ルドルフ | 2009.07.19 07:06

ルドルフさん、おあつうございます。(マネ)
詳細な情報ありがとうございます。
やっぱふつうは見てるもんなのか・・

>その後はテレビ埼玉かTVKあたりでやるようになったと思います。

そのようですね。
今スカパーのアニメ専門チャンネルで再放送してるらしいですが。

>いまなら確実に差別の対象となり批判の的になるような人が主人公、あるいは重要な役回りとなるアニメ・物語が多数ありましたよね。

昔の状況がよかったかどうかはわかりませんが、確かに今なら放送されないだろうと思われる作品はありますね。
「妖怪人間ベム」も今では放送禁止になってる言葉がセリフの中にかなりあったらしいですが・・

>五輪真弓が全盛(?)の頃。「ベラ」に似てるって、アニメそのものが脚光を浴びた(掘り起こされた)ことがありました。

ああーそうだそうだ、思い出した。
そんな話を同級生がしていたんだけど、原典を知らなかったので寂しい思いをしたもんです・・

ネットで探したら、こんなやりとりをしてる方々もいました・・
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q138584838

投稿: SYUNJI | 2009.07.19 09:11

ルドルフさんと同様に再放送視聴組です。67年生まれですから、見た可能性だけはありますけど、親がこの番組にチャンネルを合わせることは決してなかったでしょう。

>しかもこのセリフは実際には初回放送のオープニングで使われただけで、毎回決めゼリフとして連呼してたわけではないとのこと。

このセリフはオープニング曲の途中に出てくるだけだと思っていたので、本編にそのセリフがあったとは知りませんでした。再放送で見たといっても、それほど真剣に見ていなかったので、セリフなどは覚えているはずもないんですけど。何せ、SUNJIさんも触れられている最終回の内容も、懐かしの番組で何年か前に初めて知ったくらいですから。

投稿: getsmart0086 | 2009.07.19 17:56

ゲッツさんコメント感謝です。

>ルドルフさんと同様に再放送視聴組です。

そうスか・・
あたしはお二人より少しだけ年上ですが、やっぱりみなさん見てはいたんですね・・

>このセリフはオープニング曲の途中に出てくるだけだと思っていたので、本編にそのセリフがあったとは知りませんでした。

あたしもネットで見た情報を書いてるだけですが、もしかしたら勘違いしてるかもしれません・・
しかし最終回の悲惨さはどうしてなんでしょうね?
この結末で制作サイドとしては何を子供たちに伝えたかったのかよくわかりませんが。

投稿: SYUNJI | 2009.07.19 20:55

SYUNJIさん、こんばんは。
ご無沙汰いたしました。またよろしくお願いします。

さて、私の復帰にあわせていただいたようなオタクネタ
の投下、感謝です。
>>1968年10月から1969年3月まで

これは知りませんでした。私は何度も見ていますが、
全部再放送だったようです(1968年生まれ)。

さて、確かにSYUNJIさんがおっしゃるとおり、内容も
ダークというか、救いようのない話しが多いことを
思い出しました。何と言っても、全く報われない最終回
につきます。
もう一つ、ベム、ベラ、ベロは子供にアピールするためか、
一応親子風に描かれているのですが、実は1つの細胞が
3つに分裂しただけで、親子ではありません。

>>この結末で制作サイドとしては何を子供たちに
>>伝えたかったのかよくわかりませんが。

この時期の特撮やアニメは、制作者側の力は入りすぎ
というか、一種の「怨念」がこもっているといわれ、
暴走しているものが結構あります。
特撮ですと、「レインボーマン」、「アイアンキング」、
「シルバー仮面」などにその傾向が顕著です。
アニメでも、このころ一世を風靡していたタツノコプロ
系のSFアニメはメッセージも見せ方もハードでした。

投稿: モンスリー | 2009.07.20 21:32

モンスリー師匠、ご無沙汰でした。
お待ちしておりました。

>私は何度も見ていますが、全部再放送だったようです(1968年生まれ)。

ええー??
何度も再放送してたんですか?
それも驚きです。

>一応親子風に描かれているのですが、実は1つの細胞が3つに分裂しただけで、親子ではありません。

変わった設定だなぁ・・
親子とか家族だと勘違いしてる子供達もいたのではないですかね?

>制作者側の力は入りすぎというか、一種の「怨念」がこもっているといわれ、暴走しているものが結構あります。

これもすごい話ですね。
ある意味芸術性の高いアニメと言えなくもないような・・
今んとこコメントいただいた方は男子だけですが、このアニメって女子のみなさんはどうだったのか気になってきました。

投稿: SYUNJI | 2009.07.20 23:50

SYUNJIさん、こんにちは。

「妖怪人間ベム」ですが、再放送で何度も見たけど、それでも恐らく全話は見ていない気がします。あの内容その他の重苦しさに耐えられなかったです。
それでも、再放送されるたび、時間があったらチャンネル合わせていたという・・・不思議なアニメです。

大学時代、夕方に再放送されていて、バイト前にアニメ好きな友人と見ていた覚えが残っています。友人は嬉々として見ていましたねぇ・・・。

こちらでは、以前は毎年の様にけっこう再放送されていましたが、もう10年以上(多分)ありません。
やはり、内容に問題あるのでしょうかね。

投稿: Junk | 2009.07.22 16:17

Junkさん、コメント感謝です。

>あの内容その他の重苦しさに耐えられなかったです。

うーん・・聞けば聞くほど不思議なアニメですね。
笑わせる話でも泣かせる話でもないようですが、みなさんどこにひかれて見てたんでしょうかね?

>こちらでは、以前は毎年の様にけっこう再放送されていましたが、もう10年以上(多分)ありません。

やはり昔は再放送がかなりあったみたいですね。
ということはそれなりに子供達の支持を集めていたのか・・?
今のスカパーでの支持率を知りたい気がします。

投稿: SYUNJI | 2009.07.22 23:04

私も見てました。
再放送、何回かしていたと思います。
内容はあまり覚えてないのです。なーんとなく薄暗い感じだったかなぁ

主題歌はちょっと、覚えてます。
最後、♪ベム!ベラ!ベロ!妖怪人間~♪だったかな

あ、歌い出しもなんとなく出てきました。カラオケでイントロ流れたら全部歌えたりして(笑)

投稿: はまっこ | 2009.07.24 10:44

はまっこさん、こんばんは。
女性からの初めてのコメントだ!ありがとうございます。
女の子からはどんな評価だったんですかね?

>再放送、何回かしていたと思います。

そうスか・・
はまっこさんとは間違いなく同じテレビ欄?で育っているはずなので、あたしが全然見てなかっただけですね・・

>主題歌はちょっと、覚えてます。
>最後、♪ベム!ベラ!ベロ!妖怪人間~♪だったかな

あ、やっぱり主題歌はあるんですね。
これは残念ながら同級生が歌っていた記憶も全くないですねぇ・・

投稿: SYUNJI | 2009.07.24 23:36

こんにちは。このテレビ好きでしたというウルトラマンと申します。(←ぷく臭)

さて、この当時はおおらかな時代でした。このアニメも今の基準からするとかなり過激な言葉を多数使っています。再発売したら「ぴー」音だらけになってしまいそうな感じです。

例のウルトラセブンの闇に葬られた回といい、そういう問題って難しいですよね。(←かなりなれなれしい)

投稿: ウルトラマン | 2009.07.25 07:15

ウルトラマン先輩、コメント感謝です。
最近あまりのコメントの少なさにELPでも聴いて先輩のコメントを誘導したろかと本気で思っていた矢先、「妖怪人間ベム」で驚くほどコメントをたくさんいただいて、もう音楽ブロガーとはとても言えない状態のSYUNJIといいます。(相変わらずくどい)
先輩は子供の頃、このアニメのどこが好きだったのでしょうか?

>このアニメも今の基準からするとかなり過激な言葉を多数使っています。

そのようですね。
なので最近は地上波では再放送不可という話ですけど・・

>例のウルトラセブンの闇に葬られた回といい、そういう問題って難しいですよね。

そうですねぇ・・
やはりここはひとつ先輩が再び立ち上がって「ウルトラルドルフ」連載を開始する・・というシナリオでいかがでしょうか・・(人の話を聞いてない)

投稿: SYUNJI | 2009.07.25 09:19

お久しぶりですSYUNJIさん。

妖怪人間ベム。私の中では時代的に「タイガーマスク」とモロにかぶってますねえ。

タイガーマスクも、リング上の華々しい闘いの裏で伊達直人が貧しい子たちに勇気を与える…という美談がありましたが、確か「ベム」もそんな感じの話だった気がします。

ベロが特殊な力を使って弱い子を救う。ベロだけじゃ勝てないときにベムやベラが助けにくる…。そんな話が多かったような…。

たぶん一話完結ものの繰り返しだったと思うのだけど、エピソードそのものの記憶はまったくないですね、全体の雰囲気やキャラの顔とかはよく憶えているのだけど。

以下「ベム」に関する記憶の断片…。

・主人公は完全にベロなのに、タイトルが「ベム」であることが不思議だった。ベロが活躍する時間が10としたら、父親であるベムはたぶん2か3しか出てなかったと思う。

・ベラは怖かった。あんなのが母ちゃんだったら絶対やってられねえ…と思った。特にムチをふるうシーンは本当に怖かった。

・ベム、ベラ、ベロの3人とも、人間の顔と妖怪の顔、2パターンあった。その妖怪のときの顔や行動が怖かった。バンパイヤの水谷豊がオオカミになっちゃうときの怖さ、みたいな感じ。

・「早く人間になりたい!」は、アタックNo.1の「だけど、涙が出ちゃう…」と同様、毎回主題歌の中で唯一セリフとして語られる部分で、それがあまりに実感のこもった悲痛な叫びなので、小学生の間で流行ったのだと思う。あれはインパクトがあった。

・歌い出しは「闇に隠れて生きる、オレたちゃ妖怪人間なのさ(や、み、にーかーくれってっい・き・るっ、おれたちゃよーかーいにんげん、なのさっ)」。思えばすごい歌詞だった。。。

あ〜、いろいろ思い出してきた…。
部屋を片づけない我々兄妹にキレまくる母に対し、「ベラみたいに怒らないでよ!」と反撃したら倍返しされたんだ、そういえば…。

投稿: 富美男 | 2009.07.27 02:19

富美男さんこんばんは。
詳細な情報どうもです。
北海道は最近異常に気温が低いようですが・・

>妖怪人間ベム。私の中では時代的に「タイガーマスク」とモロにかぶってますねえ。

えーそうなんですか?
「タイガーマスク」はたまに見てましたよ。
「力が正義ではない!正義が力だ!」という熱いセリフがオープニングでしたけど・・

>主人公は完全にベロなのに、タイトルが「ベム」であることが不思議だった。

あーそういう展開だったんスか・・
それは「トイレット博士」と同じですね。
主人公は途中から一郎太やスナミになってもタイトルが変わらず・・

>「早く人間になりたい!」は、アタックNo.1の「だけど、涙が出ちゃう…」と同様、毎回主題歌の中で唯一セリフとして語られる部分で、それがあまりに実感のこもった悲痛な叫びなので、小学生の間で流行ったのだと思う。

なるほど、そういうことだったのか・・
しかし主題歌は全く聴いたことがない・・
結局彼らは人間になることもかなわず、生死も不明のまま終わったんですよね?
子供達にそうした世間の厳しさはかなさを教えるアニメだったんでしょうか・・

投稿: SYUNJI | 2009.07.29 23:07

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