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聴いてみた 第64回 フランク・ザッパ その2

マイケル・ジャクソン死亡のニュースが世界中をかけめぐり、リンク先のみなさんも記事を書かれています。
でもあたしにはマイケル死亡についての記事は書けません・・・
あまり聴いてないし、語る資格もないですしね。
マイケル・ジャクソンを検索してなぜかあたしの記事にたどりついている方も増えているようですが、すいません、聴いてないのに・・・
テレビでは「スリラー」「ビリー・ジーン」「ビート・イット」などのプロモ・ビデオが繰り返し流れてますが、やはりあの頃のマイケルが一番輝いていたのではないかと思います。

そんな世界の情勢をよそに、今日も地味に聴いてみました。

浮き沈みの激しい音楽業界にあって、その生涯を閉じるまで疾走し続け、50枚以上のアルバムを残した怪人、フランク・ザッパ
前回は66年作品の通称「貞子」と呼ばれる「Hot Rats」を初めて聴いてみて、ジャズっぽいノリにやや戸惑いを覚えたあたし。
50枚以上もあるのにたった1枚だけでザッパは評価できまい・・・
小学生でもわかる当たり前の理屈に気づいたあたしは、再び三軒茶屋のCD店へ行ってみました。

多作と言われるザッパだが、中古CD市場ではそれほど派手に流通しているわけではなさそうで、店の棚スペースをどかんと占めていることもなく、数枚が置いてあった程度。
その数枚の在庫の中から「Apostrophe/Overnight Sensation」という長いタイトルのCD989円を選んでみた。

家に帰って調べてみたら、もともとは別のアルバムだったのをくっつけたお買い得ものだった。
2枚組ではなく、CDとしては1枚である。
ちなみに発表順序は「Overnight Sensation」が先らしい。
マザーズ名義の曲も収録されている。

ザッパ紹介サイトではどちらのアルバムも「ロックしていて初心者向き」などと書いてある。
「Hot Rats」はいいのか悪いのかすらよくわからなかったが、今回あたしはザッパの変態関節技にどこまで耐えられるのでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

Zappa2_2

1. Don't Eat The Yellow Snow
2. Nanook Rubs It
3. St. Alphonzo's Pancake Breakfast
4. Father O'Blivion
5. Cosmik Debris
6. Excentrifugal Forz
7. Apostrophe(')
8. Uncle Remus
9. Stink Foot

まずは「Apostrophe」から。
1曲目の「Don't Eat The Yellow Snow」、LP時代の邦題は「恐怖の黄色い雪」だそうだが、「黄色い雪は犬のおしっこの跡だから食べるな」ということを歌っているらしい・・・
さすがはザッパ、こういうことをトップから歌うのは世界中でこの人だけかもしれないよなぁ。
まあふつう黄色くなってる雪は誰も食べないと思うが。
体験から来る警告だろうか・・・

あまり切れ目がなく次々に曲が続く。
聴いていて強く感じるのはライブ感である。
スタジオ盤なのにライブ感てのも変だが、テンポが早くいろいろな音がするので、ライブハウスでコミックバンドの即興を聴いているような感じがする。
ギターが時々うなるのだが、この音は思ったよりノイジーで辛口な印象だ。
変拍子・転調は当然のように展開し、曲の切れ目もわかりにくい。
はっきり言って前半はほとんどついていけず、なんじゃこりゃ・・?という状態。

後半は若干揺り戻しがあり、聴きやすくなってくる。
アルバムタイトル曲「Apostrophe」はジャック・ブルースやジム・ゴードンが参加しているそうだが、この曲が一番聴きやすい。
ボーカルはなくインストのようだが、クリームのように互いのパートがかなりイイ感じに衝突していて、それまでのがちゃがちゃしたノリとは少し違った曲だ。
正直、もう少しこの感じの曲が多ければ・・・と思う。
「Uncle Remus」も比較的正統なブルースナンバーだが、これも案外いい。
女性バックコーラスのわいわい感とザッパのムダに低ーい粘り声がけっこうマッチしている。
ちょっと短いけど。
最後は「Stink Foot」の辛いギターが流れて終わり。

Zappa1_2

1. Camarillo Brillo
2. I'm The Slime
3. Dirty Love
4. Fifty-Fifty
5. Zomby Woof
6. Dinah-Moe-Hum
7. Montana

続いて「Overnight Sensation」。
「Camarillo Brillo」はかなりふつうのロック。
少し歌がうまくなったマーク・ノップラーみたいなザッパ。
曲の途中からボーカルが突然センターから手前左右に広がるのですが、これはあたしのMP3プレイヤーだけでしょうか?

「I'm The Slime」はザッパが歌わずに語り尽くす妙な曲。
そのわりにバックコーラスがちゃんとあったりエンディングでギターソロがあったり・・・
再び難易度が高まる展開。

「Fifty-Fifty」は間奏を聴くための曲だと思う。
なんつうかロジャー・ダルトリーイエスの曲をパープルの人たちの演奏に乗せて大幅にアレンジしてるような・・・
ボーカルははっきり言ってムダに叫ぶだけであまり好みではないが、どこかパープルを思わせるようなキーボードとバイオリンとギターの競演は見事である。

他の曲でもひっかき系ギターを中心にライブ感が充満した変拍子やら転調やらが次々に登場する。
このひっかきギターも悪くはないのだが、他の楽器やボーカルとのマッチングはいまひとつピンと来ない・・・

おろおろしているうちに全曲終了。
アルバム2枚分で60分くらいなので、もともと短いアルバム同士がくっついたようだ。

感想。
うーん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(24秒沈黙)
・・・・やはりザッパ、あたしにはやや難しいです。
すいません、タメたわりにシケた感想ですけど。
いい曲や聴きやすい箇所も確かにあるが、全体としては正直戸惑うところが多い。
どちらかと言えば「Overnight Sensation」のほうがシンプルでわかりやすいサウンドが多いが、好みに合うかと言われると微妙だ。

それぞれのパートの水準は非常に高いことはわかるのだが、楽曲としての調和とか一体感はなかなかつかみにくい。
しっとりとしたバラードやフォーク調の曲もないし、ボーカルやコーラスを重ねて厚くするような演出もあまりない。
そもそもそういうものをザッパに求めること自体が決定的に間違いだとは思うが・・・
登場人物がやたら多く挿話も多く時系列がしょっちゅう逆転するSF映画を途中から見ているような感じ。
自分の中での難易度はイエスに相当近い。
これはきっと変拍子や転調が多いからだろう。

そんなわけで、あまり深く考えず無謀にも再びトライしてしまったザッパ。
フリークライミングで登ったはいいけど思ったよりも壁は高く、3mのところで手がかりもなく乳酸もたまって動けなくなって途方に暮れてる中年・・・というところでしょうか。
まだザッパの良さ楽しさがわかるところまで全然たどりついてませんが、たどりつく予感すらしないような心境です。

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読んでみた 第30回 家電批評

いつからあんなにおもしろい番組になったんだろう「アメトーーク」。
山崎邦正がレギュラーだったころは正直ほとんど笑えなかったのだが、最近は例のプレゼン企画がやたらおもしろい。
DVDが売れてるらしいが、うなずける話である。
先日放送の「OPP芸人」「芸人ドラフト会議」とか、少し前の「肥後という男」なんかはおもしろかったなぁ。
「肥後という男」は第2弾が来月放送予定だそうです。

そのプレゼン企画でも出色の出来だったのが「家電芸人」である。
お笑い芸人の中には家電にむやみに詳しい人が多く、彼らの話が単にうんちく披露で終わっておらず、きっちり笑いのとれるトークになっているところが、この企画の良さである。
MC宮迫が家電に関しては徹底的にド素人だという点も、この企画が成功した一因でもある。

そんな家電ブーム?のなか、人形町の書店で見つけたのが「家電批評」。
文字どおり家電を批評する雑誌だが、存在自体を初めて知った。
自分は家電には全然詳しくないので、利用者側としてこの雑誌を批評してみることにした。(偉そう)

Kadenhihyo

「家電批評」は晋遊舎が発行する月刊誌である。
書名も版元名も知らなかったが、公式サイトを見たら「マンガ 嫌韓流」や「インド式計算ドリル」など何かと話題のベストセラーを出している会社だった。
格闘技の実践本や熊田曜子写真集なんかも作ってるようだ。
そういや立川の書店に熊田曜子の写真集山積みだったなぁ。
果たして今回の「家電批評」、熊田曜子は載っているのでしょうか。

・・・・・読んでみた。

買ったのはvol.4、B5判160ページ、590円。
今月号の目次はこんな感じである。

【特集1】カタログに載ってない
◆テレビ&レコーダー 高い⇔安い 本当の理由

【特集2】エコポイントよりもっとトクする買い方があった!?
◆省エネ家電選び虎の巻

【特集3】防水カメラにお風呂ワンセグ、本当に使えるのか?
◆最新防水家電 大検証

気になる疑問をすべて解決!
◆AV&PCケーブル大全
HDMI・コンポーネント・光デジタル・DVI・USB……
あなたは全部わかりますか?

【袋とじ特別付録】
◆家電批評 ノーカット版

まず「家電」の定義だが、ふつうの日本語では「家庭電化製品」の略語である。
だが、この本で採り上げる家電のカテゴリーとしての定義はかなり裾野が広いようだ。
具体的には巻頭特集でいきなりデジタル一眼レフカメラが批評されており、さらにMP3プレイヤー・ハードディスク・シャワートイレ・ヒートポンプなんかが掲載されている。
要はヨドバシとかヤマダとかコジマとか、量販店に置いてある商品全般を「家電」としている、ということらしい。

書名どおりに家電を商品単位で批評していく内容で、「monoマガジン」「Goods Press」「特選街」「DIME」あたりと路線は同じようだが、かなりするどくシビアな視点である。
しかも論調はそれなりに堅調冷静で、言うべきことは言う、というスタンスが見てとれる。
あまりくだけた論調だと単なる悪口とも取られかねないので、このあたりは編集サイドでも相当気を使っているはずだ。

「省エネ家電は本当に得か?」とか「カタログに載ってない〈価格差のワケ〉とは?」など、確かに消費者として知りたいことが採り上げられている。
最近はどれもこれも省エネばかりを歌うが、本当に効果のある家電はどれなのか、そもそも買い換えの投資に見合う効果があるのかなど、素人にはわかりにくい購入のポイントがかなり整理されている。

省エネがテーマの場合必ず採り上げられる電球型蛍光灯。
よその国では白熱電球全廃運動なども起きているそうだが、これも白熱電球から全て蛍光灯に換えられるわけではない。
ソケットは同じ規格だが、カバーの中に収まらなかったり、調光式照明やセンサー式照明では電球型蛍光灯が使えない場合もある。
また値段は白熱電球よりもずっと高いので、今すぐ家じゅうの電球を交換しようと思ったらかなりの出費になることは明らかだ。
そういうことがわかりやすく書かれている。

「最新防水家電 大検証」ではデジカメやワンセグTVなどを実際に水中で稼働させて検証しているが、結果を○や△などわかりやすい記号で表現しており、短評も参考になる内容だ。
MP3プレイヤーをプールで使う、というシーンが果たして今の日本でどんだけあるのかは若干疑問だけど、防水をウリとする商品ならばこのくらいは耐えてもらわないと・・という課題を大まじめに取り組んでしまう姿勢は評価できる。

さて「袋とじ特別付録 家電批評 ノーカット版」。
おっさん読者の100%が違うものを想像するであろうこの見出し、あたしもなぜかこっそりとふるえる手ではさみを使って袋とじを切り開いてみました・・
まあ結果は「ふーん・・」という程度。
書いてあることは「わざわざ袋とじにせんでも」な内容であった。
これもおっさん読者の100%に賛同してもらえる鉄板な原則だが、「袋とじにうまいものなし」なのだ。
「こんな女(あ、言っちまった)袋とじにすんじゃねーよ!きぃー!」または「この程度の露出で袋とじにすんじゃねーよ!きぃぃー!!」・・・というのが誰しもご経験済みであろうことは全日本おっさん連合組合の最終合意事項である。
たまに電車に捨ててある週刊誌を見たら袋とじページがもんのすごく雑に破いてあって女の子も裂けちゃってどんな顔なのかもよくわかんない状態・・・なものに遭遇する時があるが、「あーあーこいつどんだけあわてて破いてんねん・・」と見知らぬおっさんの千々に乱れる心境に思いをはせることもあります。(くだらねぇ・・)

この雑誌、わかりやすく言えば「ゴシック体の暮らしの手帖」である。
あ、かえって伝わらないでしょうか。
暮らしの手帖」は最近はあまり消費者向け商品テストが充実していないが、70年代頃は世の中に登場し始めた新製品を「テストする」という冷徹な言い切り口調で批評する生活指導担当の先生みたいな雑誌だった。
当時の編集はどうも電子レンジが大嫌いだったらしく、各社の電子レンジを親のカタキみたいにこき下ろしたテスト結果を繰り返し載せていた。
「暮らしの手帖」は今でも論調同様にシャープな明朝体ページが多い。
(公式サイト見ましたが、ここのフォントも明朝が多いです)
いっぽう「家電批評」は、コート紙でカラーページも多く書体もゴシックなのでアタリはやわらかいが、鋭い批評精神は往年の「暮らしの手帖」を思い起こさせるのだ。
・・・こんなこと感じてるのはあたしだけでしょうけど。

体裁面はふつうの雑誌と特に違うような部分はなく、また判型もページ数も持ち歩くには便利なボリュームである。
記事ページの特徴として、レイアウトが同じでページごとに色調を変えている点があると感じた。
よくある手法だが、不快感や違和感はなく、これはかなりこなれた編集である。
あたしの説明が稚拙なのでうまく伝わらず申し訳ないですが、これは実際の紙面を見ていただきたいと思います。

広告が少ないのは批評雑誌の宿命だろう。
広告商品にキツイ批評はできなくなるからだ。
表2(表紙の裏)は時計、表4(裏表紙)は任天堂DSのソフトの広告だが、表3(裏表紙の裏)はなぜか耳栓の広告である。
どういう事情でこうなってるのか全くわからないが、まあいろいろありそうな香りは漂っている。

そんなわけで読んでみました「家電批評」。
ポリシーとして信頼できそうな感じは充分伝わったと思う。
袋とじはそうでもないけど・・(しつこい)
我が家はまだ地デジ対応テレビではないので、2年後までにはかならず買い換えをせねばならない。
その時にはこの雑誌で商品をいろいろ検討させていただきたいと思っています。

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食べてみた 第9回 ラーメン「能登山」

さまよえる塩ラーメンハンターのSYUNJIです。
あっ、ハンターだと店をつぶして歩いていることになってしまう・・・
塩ラーメン発展強化委員会書記長代行補佐係のSYUNJIといいます。
音楽BLOGを運営していたのですが、最近はちょっと目を離すと麺類BLOGに傾いているという頼りなさです。

「ラーメンはそれほど好きではない」を公言してしまっている自分ですが、昨今のラーメンブームに、かすかにわずかにですが、「塩」の香りを感じています。
もちろん主流はしょうゆやみそであり、ダシもとんこつや鶏ガラが王道であることに変わりはありません。
ただ塩を主力商品としてセンターに持ってきている店が、以前よりも増えている気はするのです。
さらにそうしたチャレンジャーな店の評価も、ラーメンの神様からラーメン好きブロガーの方々までに支持されるようになってきたのではないでしょうか。
ネットで検索しても、最近は「塩ラーメンのうまい店」情報がかなり見つかるようになりました。
以前からちゃんと情報はあったのに、自分が興味もなくて探さなかっただけかもしれませんが・・・

とある休日、発作的に塩ラーメンが食いたくなり、神奈川県内の情報をネットで検索。
いくつか候補が見つかりましたが、その中で目にとまったのは藤沢市にある「能登山」という店でした。
店のサイトには『能登山のラーメンは「豚骨・鶏がら・動物油」完全不使用。』と書いてあります。
ということは必然的に魚介系です。
しかもやはり塩が主力。
これは塩ラーメン発展強化委員会書記長代行補佐係としてはぜひとも行かねばなりません。(うるせえよ)
その場で妻に「今から塩ラーメン食いにいくから!」と越中ばりの宣言をカマし、電車で店に行くことにしました。

長後駅から歩いて10分のところに「能登山」はありました。
思ったより大きな構えで、駐車場も7~8台分はあります。
ちょうど昼時で駐車場は満車でしたが、店の中はそれほど混んでいません。

Notoyama1
能登山:藤沢市長後748

メニューを見ると一番人気は「正義のあっさり塩薫製らーめん」と書いてあります。
ただし「正義の」といった形容はこの一品だけで、他は「濃厚とろとろスープのらーめん 濃口 」「金の海老らーめん」など、それほどチカラのこもった表現ではありません。
店員の動きもごくふつうで、客も常連さんが多いようでした。
ときどきラーメン屋で店員全員が「ぃらっしゃいませぇえ!」「みそチャーシュウあじたまワンでぇす!」「したァ!!」「ちわァす!」「きぃー!」などと叫ぶ運動部系のお店がありますけど、あたしゃあーいうのはちょっと苦手ですね。
かと言って「私語禁止」などというのもあまりうれしいとも思わないですけど。

正義を名乗るだけあって、この塩薫製らーめんには相当の自信がみなぎっていると思われます。
これは受けて立たねばなるまい。
ただのブロガーと思うなよ。
いや、ただの三流ブロガーなんですけど。
ではその正義ラーメンを・・と注文しようとした時、メニューの表3に「ダシ入り玉子 薄口醤油味」を発見。
正確に言うと発見したのは文字ではなく味玉の絵ですが、なんと注射器で卵にダシを注入しているようです。
要するに他の店で食えるような「タレにつけ込んだ味玉」とは根本的に製造工程が違うらしい。
卵に注射器でダシを注入という手法は大丈夫なのか?と一瞬思いましたが、でもこれはうまそうです。
なので「正義のあっさり塩薫製らーめん」に「ダシ入り玉子 薄口醤油味」をトッピングで注文しました。

カウンターにてしばし待機。
店の中には「麺はかためです」などの貼り紙がありました。
またカウンター前のガラスケースには炙りベーコンが肉屋のように置いてあり、土産として買えるようです。
またしょうゆで味付けしたゴマも瓶入りで売っています。
いろいろこだわりのある店だということが、少しずつわかってきました。

Notoyama2

さて「正義のあっさり塩薫製らーめん」が登場しました。
果たしてあたしは正義に打ち勝つことができるのでしょうか。

・・・・・食べてみた。

スープは確かに魚介系の味です。
深みは思ったほどではないですが、塩味とのバランスが非常によい強力なスープです。
ダメな店の塩ラーメンは薄味すぎて物足りなかったり辛すぎて苦痛だったりしますが、さすがは正義の塩らーめん、その名に恥じないうまさです。

麺はかためのストレート。
どっちかっつうと札幌系の濃黄色ちぢれ麺が好きな自分ですが、この固さでも問題はありません。
塩ラーメンはしょうゆやみそに比べてスープの味を麺が早く吸ってしまい歯ごたえが変わってしまうため、麺の太さ固さの設定が非常に難しいと聞いたことがあります。
この麺はおそらくはスープに負けない太さ固さを追求しての結果だと思われます。
かすかに粉っぽさを感じさせる食感ですが、最後まで歯ごたえもあって、この固さはアリだと思いました。

さて味玉。
これも期待どおりの味です。
理屈を考えればこういう味で当然なんですけど、試みとしてはよいと思います。
温泉卵にダシをかけて食べますが、あんな感じですね。

見事完食。
スープ・麺・トッピング、どれもすばらしい味で、絶妙なユニットです。
最初のインパクトはそれほど強くありませんが、おそらく自分が待っていたのはこういう塩ラーメンです。
自分の好みから言えば、もう少しホタテの味がしてもいいかもしれません。

サイトを見ていただくとおわかりかと思いますが、食の安全安心に対する信念が非常に強いお店です。
「体に良くない食材を摂り過ぎないこと」
「価格や利便性だけで業者選びをしません」
「ゴミを極力減らす努力を怠りません」
こうした姿勢にも感心しました。

というわけで「能登山」、非常に満足のいく結果となりました。
チェーン展開していないので、この味が食べたければここに来るしかありません。
全てのメニューを制覇したい気がします。
ただ、残念ながら長後駅周辺に他の用事が全くないので、とにかくラーメンだけ食いに行くために電車に乗ることになるようですが・・・

2017年10月29日追記:
個人的には非常に残念ですが、元記事に掲載した「正義のあっさり塩薫製らーめん」は現在メニューからなくなっています。
「豚骨・鶏がら・動物油」完全不使用というコンセプトも変更され、今は豚骨のラーメンがふつうにあり、また主力商品は油そばになっていました。
いくつか種類があった塩ラーメンはメニューから一切なくなっています。
やむを得ず今日は濃口Zという魚介豚骨ラーメンを食べましたが、味は間違いなくうまいです。
なお注射器で出汁を入れる味玉も健在。
豚骨スープ系ラーメン、味は好きですが自分の体には合わないことはわかっていますので、今の方針が変わらなければおそらくもう行くことはないと思います。

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聴いてない 第135回 R.E.M.

花の都に男子あり
二十にしてはや心朽ちたり
すでにして道ふさがる
なんぞ白髪を待たん!

中年になっても知らないことだらけのSYUNJIです。(どういうイントロだよ)
今回採り上げるR.E.M.も、名前しか知らないというタチの悪い状態。
これまた読み方も合ってんのか不安だったんですけど、「あーるいーえむ」でいいそうです。

R.E.M.、今さらですいませんが全く聴いてません。
1曲も知らないので、聴いてない度は1。
もちろんメンバーも全然知らないし、「インディーズ」「オルタナ」「カレッジ」といったキーワードで語られることが多いバンド、といった程度の知識しかない。
いつものとおりネットで彼らの氏素性を調べてみました。

R.E.M.は1980年、アメリカのジョージア州アトランタ郊外のアセンズという町で結成された。
結成時のメンバーはマイケル・スタイプ、ピーター・バック、マイク・ミルズ、ビル・ベリーの4人で、ビルだけは97年脱退。
デビューは81年(82年と書いてあるサイトもあり)で、カレッジ・ラジオのチャートで人気が出てオルタナティブの代表的存在となり、のちにワーナーと契約してビッグなバンドに成長。
カート・コバーンやトム・ヨーク、クリス・マーティンといったミュージシャンもR.E.M.に大きな影響を受けている。
ビッグになってもジョージア州を離れず、メンバーも3人になってからは変わっていないので、ロックバンドにしては相当堅実な展開である。
2007年にはロックの殿堂入りを果たし、2008年にアルバム「Accelerate」を発表。

うーむ・・・・・書いていて眠くなるくらい知らない話ばかり。
全く聴いてないのに殿堂入りまでされちゃって、この取り残され感はかなりきついなぁ・・・
あまり大きな声では言えないが、実は一時期Run-D.M.C.と混同してたことがあります・・・(大バカ)

R.E.M.はインターナショナル・レコード・シンジケート(IRS)という小さなレコード会社の所属バンドとしてスタートしたそうだが、この会社を設立したのがマイルス・コープランド。
そう、ポリスのスチュアートのお兄ちゃんである。
マイルスがポリスのマネージャーをしていたことは知っていたが、R.E.M.の最初のレコード会社を作った人だとは知らなかった。
マイルス兄さん、こんなこともやってたんですねぇ。

IRSはカレッジラジオのネットワークを早くから重要視していて、未来のスターをここから発掘しようと考え、実際にR.E.M.はそのストーリーどおりにビッグになってくれたバンドだそうだ。
カレッジラジオってのは各大学で学生が運営するFM局のことで、企業ではないので学生たちが自由にいろいろな曲をオンエアしているらしい。
そこから人気が出てメジャーになるってのもすごい話だが、こういうのは日本にはない文化だと思う。(あるのかな?)
日本では「ミス○○大学」から女子アナになったりする人はいますけど。(比較が変)

でもって音楽性としては「パンクやサイケをアレンジした骨太のニューウェーブ」なんて書いてあるのですが、全然わからない・・・
マイケル・スタイプのボーカルはアメリカ人でも何を言ってるのか聞き取れず、日本盤の歌詞カードにはホントに「聞き取り不可能」と書いてある曲もあるとか。
アルバム名にもなってる「Murmur」だが、これ「ぶつぶつ言う」って意味ですよね。
マイケルのボーカルスタイル自体も「Murmur Voice」などと呼ばれているそうだ。
日本人でいうとつぶやきシローみたいなもんかな?(全然違うと思う)

ディスコグラフィーを追うと、ゴールドゴールドゴールドプラチナプラチナプラチナプラプラチナチナ・・って感じの輝かしい実績である。
こんなに売れてた人たちだったんですね・・・
92年の「Automatic For The People」 が最も売れたアルバムで、カート・コバーンが自殺する直前に聴いていたレコードとしても有名だそうだ。
その次の「Monster」 のにゃんころりんみたいなジャケットだけ見覚えがある。

というわけで、知らないづくしのR.E.M.。
「Automatic For The People」 を聴いてカートは自殺してしまったが、中身は自殺したくなるようなサウンドではなく、バラエティに富んだ人気アルバムだそうなので、聴くとしたらこのアルバムか、または「Monster」あたりからでいいのではないかと勝手に思っています。

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