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聴いてない 第134回 Mr.ミスター

最近記事内容がテレビとか旅行とか焼きそばとかばっかですっかり音楽ブロガーとしての地位も失墜したSYUNJIです。
今日のお題はMr.ミスター。
再結成ニュースに世界中が驚喜するような大物バンドでもないと思うが、80年代洋楽にじんわりと浸った人生を送った方にとっては印象に残るバンドであろう。
・・・などと評論家調に語り始めてますが、毎度のことながら鑑賞履歴は非常に乱暴。
聴いてない度は3だが、実体はアルバムのB面だけテープに録音したというとんでもない話である。

Mr.ミスターはロサンゼルスで1984年にデビュー。
85年には「Is It Love」「Kyrie」「Broken Wings」「Welcome To The Real World」などのシングルが大ヒット。
特に「Kyrie」「Broken Wings」は全米1位を記録し、日本でもこれらの曲は案外簡単にエアチェックできた。
アルバム「Welcome To The Real World」も売れまくり、これまた全米1位の偉業達成。
しかし87年のアルバムは全然売れず、89年にはメンバー交代から解散の道をたどる・・・
キャリアの割には意外にベスト盤が何枚か出ており、収録曲がかぶり気味のようだ。

バンドとしては短命に終わっているが、メンバーは相当な高等演奏歌唱技術集団のようで、リーダーのリチャード・ペイジはTOTOやシカゴのボーカルにも誘われたらしい。
また解散後のメンバーそれぞれがマドンナやホワイトスネイクなどの大物ミュージシャンと仕事をしている。
特にドラムのパット・マステロットという人は、Mr.ミスター解散後にキング・クリムゾンのドラマーとなったそうだ。
ええーそうなの??
きっとこんな話はプログレの好きな方々にとっては基本なんだろうなぁ・・・
なんだかよくわからないけどスゴイ集団だ。
リチャード・ペイジはジミー・ペイジと親戚関係にある・・・というわけではないだろう・・・
ランペイジ・ジャクソンとも関係はないはずだ。

で、あたしも少し後になってアルバム「Welcome To The Real World」を借りた。
同時に借りたのがヒューマン・リーグのベスト盤である。
ところが愚かなことにその時は46分テープ1本しか持っておらず、それぞれのアルバムから好きな曲だけ選んで録音してしまったのだ。
テープくらい買って来いよってところなのだが、たぶんカネもなくて面倒だったんであきらめたんだろう・・・
若い頃からズサンで投げやりなあたし。

Mr.ミスターのヒットシングルはなぜかアルバムのB面に集中していたので、B面だけテープに録音。
今思うとB面は知ってる曲ばっかなのだから、A面を録音しておいて後でB面曲をエアチェックなどで補充すりゃ良かったのだ。
当時はそこまでの知恵も根性も回らず、浅はかなB面録りを敢行。
以来彼らの曲にふれることもなく適当な人生を送る毎日である。
87年のアルバムは「Go On」というタイトルだが、90年代にはよく中古CD店で見かけた記憶があるので、日本ではけっこう売れたのではないかと思う。
(聴いてみようとは全く思わなかったけど)

そんな失礼な扱いをしてるMr.ミスターだけど、ヒットした曲は嫌いではない。
「Kyrie」以外はどれもそれほど明るい曲調ではないが、完成度の高いサウンドだと思う。
一番好きなのは「Kyrie」である。
イントロのぴよぴよしたサウンド、奥行きのあるボーカル、後半盛り上がる構成など、秀逸なポイントがそこかしこに埋められている。
エンディングでキーがあがるところなんかカッコイイですよね。

と、手放しでほめてるクセに実は歌詞の意味をほとんど知らないのだった。
レコードを借りた時にロクに歌詞カードを見なかったからなのだが、あらためて調べてみたら「kyrie(キリエ)」とはギリシャ語で神への呼びかけ言葉だそうだ。
歌詞にある「kyrie eleison」は「主よ、あわれみたまえ」と訳されるとのこと。
全然知らなかった・・・なんか人の名前か地名かと思っていました。
訳詞を見ていくと、まさに賛美歌とポップスが融合したような内容。
人生に悩み疲れ岐路に立った時に、神の導きを信じて進む決意をしようとしている・・・
その時に発せられる神への呼びかけが「キリエ」ということのようだ。(適当な解釈)

「Kyrie」は最近アサヒ・スーパードライのCMで使われていた。(カバーだそうだが)
元80年代少年である我々中年をまたターゲットにしてるなと感じるCMだ。
そういえば記憶は相当あやふやなのだが、「Is It Love」のイントロは当時のFM番組のCM明けジングルのようなものにも使われていたと思う。
番組は覚えていないが、FM横浜だったんじゃないかなぁ・・・

というわけで、Mr.ミスター。
活躍した期間は短いけど、レベルの高いバンドだったんじゃないでしょうか。
聴くとしたら当然「Welcome To The Real World」を全曲、というのが個人的な課題ですが、他にも良いアルバムがあれば、迷える中年をぜひお導き下さい・・・

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コメント

お世話になります。

Mr.ミスター、一時期人気ありましたね。アルバム、レンタルしてA面もB面もちゃんと録音して持ってたと思いますが、「Kyrie」「Broken Wings」以外の曲の記憶が全くありません。

B面録り、正解だったんだと思います。

Mr.ミスター、今となっては、Mr.チルドレンのバンド名の元ネタか?と想像を働かせるぐらいしか話題が思いつきません・・・。

>ドラムのパット・マステロットという人は、Mr.ミスター解散後にキング・クリムゾンのドラマーとなったそうだ。

マジですか!?全然知りませんでした。プログレ好きですけど、80年代後半以降のクリムゾンの動向はほとんどノーチェック・・・というか普通のプログレファンとクリムゾン信者ってまた別の人種だったりします(汗)。

投稿: カナ | 2009.06.02 03:10

カナさん毎度です。

>B面録り、正解だったんだと思います。

あら、そんなことを言われるとは・・
Mr.ミスターも気の毒ですが、実際シングルでしか思い出してもらえないことが多いでしょうね。

>今となっては、Mr.チルドレンのバンド名の元ネタか?

これ、どうなんでしょう?
ウィキペディアを見てもミスチルの名前の由来にはMr.ミスターとは書いてませんが・・

>普通のプログレファンとクリムゾン信者ってまた別の人種だったりします(汗)。

そうなんですか??
ではぷく太郎先輩はどっちなんだろう・・

投稿: SYUNJI | 2009.06.03 23:07

ぷく太郎です。富士五湖温泉ツアーはいつでしょうか?

クリムゾン・ファンというのは独特です。ブートから何から追い求めないと気が済まない、モンスリーさんのような方です。私?私はそんなことありません。

私はウィキペディア的ロック・ファンです。表面上でしか音楽を聴かないので、その手のマニアからするとすぐに底が浅いのがばれてしまいます。それにしても「聴いていない」シリーズ。「聴いてなくて当然だ」ってな雰囲気のアーチストになってきました・・・・

投稿: ぷくちゃん | 2009.06.04 07:31

ぷく太郎先輩、富士山静岡空港開港おめでとうございます。(←行きたいらしい)

>表面上でしか音楽を聴かないので、その手のマニアからするとすぐに底が浅いのがばれてしまいます。

あたしなんか底の浅さを世界中に公表し続けて5年もたってるんですけど・・
しかし先輩はELPだったらブートから何から追い求めないと気が済まない、のでは?

>「聴いてなくて当然だ」ってな雰囲気のアーチストになってきました・・・・

さすがにMr.ミスターはちょいと薄かったですかね。
聴いてない大物はまだ多いんですけど、聴いてない上に知らないから何も書けない・・

投稿: SYUNJI | 2009.06.05 23:14

SYUNJIさん、こんばんは。
久しぶりにお邪魔させてもらいます。

Mr.ミスター、やはり大ヒットした「キリエ」等の記憶が強く残っています。けっこう好きだったりします。
ただ、当時アルバムも聴いた覚えがありますが、ヒット曲以外は全く記憶はありません。(汗)

その次のアルバムはコケたのですか。
「サムシング・リアル」とかいう曲の記憶が残っていますが、確かに小粒でインパクトが薄いですね...。

投稿: Junk | 2009.06.06 18:33

Junkさんお久しぶりです。

>ただ、当時アルバムも聴いた覚えがありますが、ヒット曲以外は全く記憶はありません。(汗)

やはりそうですか。
安心しました。
B面しか聴いてなかったもんで・・

>その次のアルバムはコケたのですか。

どうやらそういうことのようです。
あたしも全くエアチェックできませんでしたし、「コケた」と書いてあるサイトが多いです。
レベルは高いバンドだったと思うのですが、売れ続けるのは難しいみたいですね。

投稿: SYUNJI | 2009.06.06 21:04

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